(今年最後の記事)毎年恒例ですが、今年の自分の出来事をキーワードと写真で振り返ります。今年はブルックナー・イヤーとスメタナ・イヤーが重なった特別な年。それらを存分に楽しんだことに加えて、過去最高レベルに達成感を感じた一年だったので、「コンプリート」のキーワードでまとめました。
(1)至高のコンサートをコンプリート!
私が2024年を迎えるに当たって、これだけは何としても聴きたい!と思っていたのは、以下の3種類・6公演のコンサートです。
5月12日・13日
プラハの春音楽祭オープニング・コンサート
(プラハ市民会館)
キリル・ペトレンコ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管絃楽団
スメタナ/連作交響詩「わが祖国」全曲
(写真)ベルリン・フィルがわが祖国の前に、チェコ共和国の国歌を演奏している時の光景(プラハの春音楽祭のウェブサイトより)
(参考)2024.5.12 キリル・ペトレンコ/ベルリン・フィルのスメタナ/わが祖国(プラハの春音楽祭オープニング・コンサート)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12861448282.html
(写真)コンサートの後のプラハ市民会館のレストランの食事も素晴らしかった!
8月10日・11日
ザルツブルク音楽祭
(ザルツブルク祝祭大劇場)
アンドリス・ネルソンス指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
マーラー/交響曲第9番ニ長調
(参考)2024.8.10 アンドリス・ネルソンス/ウィーン・フィルのマーラー9番(ザルツブルク音楽祭)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12866601950.html
8月17日・18日
ザルツブルク音楽祭
(ザルツブルク祝祭大劇場)
リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管絃楽団
ブルックナー/交響曲第8番ハ短調
(参考)2024.8.17 リッカルド・ムーティ/ウィーン・フィルのブルックナー8番(ザルツブルク音楽祭)
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12875930207.html
(写真)皇帝フランツ・ヨーゼフⅠ世に献呈されたブルックナー8番の後は、皇帝陛下が好まれたターフェル・シュピッツで決まり!
スメタナ生誕200周年のハイライトであるベルリン・フィルのプラハの春音楽祭オープニング・コンサートへの初客演。レニー(レナード・バーンスタイン)の思い出のウィーン・フィルのマーラー9番。ブルックナー生誕200周年のハイライトとなるザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィルのブルックナー8番。
私は都内のオーケストラのコンサートは大好きですし、アマチュアのオケのコンサートを聴くのも味があって好きですが、上記のコンサートが至高でなければ、果たして何が至高なのでしょうか?
これらのコンサートをありがたいことに2回ずつ聴くことができました!もう最高という言葉しかありません!!!
この達成感たるや半端なく、燃え尽き症候群となってしまい、今年の秋以降の世界の名だたるオーケストラの東京への来日公演は結局1つも聴きに行かなかったくらいです笑。正に至高のコンサートでした!
(あ、いや、1つだけ。ハイドン好きとして、これだけは聴き逃せない!と聴きに行った海外オケの来日公演がありました。それは12月のジョヴァンニ・アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコのトッパンホールの公演。ハイドン/交響曲第52番&第44番が絶品でした!)
(2)スメタナのオペラ全8作品をコンプリート!
繰り返しですが、今年はスメタナ生誕200周年。プラハの春音楽祭オープニング・コンサートでスメタナ/わが祖国を聴けたのは最高の思い出となりましたが、さらに、GWのチェコ旅行でスメタナのオペラを7作品観て、スメタナのオペラ全8作品をコンプリートできたことはスメタナ・イヤーの特別な思い出となりました!
(写真)GWのチェコ旅行では、モラヴィア・シレジア国立劇場でスメタナの7つのオペラを観ることができました。写真はそのパンフレット。これらに加えて、2007年にプラハ国民劇場でリブシェを観ているので、スメタナの8つのオペラをコンプリートです!やったー!
(写真)プラハのヴィシェフラドにあるスメタナのお墓。その脇にはスメタナの作曲した8つのオペラが記されています。
(3)ルドルフ・ブッフビンダーさんのベートーベン・ピアノソナタ全曲のリサイタルをコンプリート!
今年はルドルフ・ブッフビンターさんのベートーベン・ピアノソナタ全32曲のリサイタルを全て聴けたことも素晴らしい思い出となりました!全部で7日間。平日夜のリサイタルもあって、仕事で1つでも欠けると痛恨ですが、おかげさまで無事に全てのリサイタルを聴くことができました!
演奏は、「現代最高のベートーベン弾き」のフレーズが全く違和感のない、ブッフビンダーさんの正に至芸!端正で格調高く、ニュアンスに溢れた素晴らしいベートーベン!最高でした!
(参考)2024.3.15-22 ルドルフ・ブッフビンダーさんのベートーベン/ピアノ・ソナタ全曲リサイタル
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12845600285.html
(写真)今回のリサイタル時に購入したルドルフ・ブッフビンダーさんのベートーベン/ピアノ・ソナタ全曲のCD(2014年のザルツブルク音楽祭での全曲リサイタルのライブ)。
(4)新国立劇場の演劇「デカローグ」10作品をコンプリート!
私は近年、新国立劇場の演劇部門に興味を持っていますが、今年のハイライトはポーランドの映画監督クシシトフ・キェシェロフスキ原作の10の物語デカローグを、4月~7月に計5回(1回に2作品上演)に渡って上演する大型企画です。これも無事に全部観ることができました!
(参考)2024.5.11 リブニク観光(ポーランドの大聖堂が素敵なまち)&新国立劇場デカローグ1~10
https://ameblo.jp/franz2013/entry-12859937161.html
※後半にデカローグの記事
10作品全てを観て、厳しい運命や生活の中での人びとの悲哀や弱さ、そしてそんな中にも芽生える希望やユーモアなど、非常に感銘を受けました!役者さんたち一人一人の好演が今でも思い出されます。
国立劇場らしい上演を敢行し続けている新国立劇場の演劇部門。これからも注目です!
(5)2004年と1999年のボルドーワインをコンプリート!?
今年は前半に20年ものとなる2004年のボルドーワイン、後半に25年ものとなる1999年のボルドーワインを開けました。みな素晴らしかった!
ただし、本記事の7つのコンプリートの中では一番楽でした。というのも、持っていたのが4本だけだったからです。いささか、なんちゃってなコンプリート!
(写真)シャトー・ピション・ラランド2004。2004年のボルドーは、2002年と似て正統派のボルドーという印象でした。
(写真)シャトー・ラフィット・ロートシルト2004。ボルドーは2005年からめっちゃ高くなってしまったので…、プリムールで購入できた最後の年が2004年です。
(写真)シャトー・レヴァンジル1999。1999年は一般的に軽いヴィンテージとされていますが、熟成させてみたら本当に素晴らしかった!レヴァンジルはポムロルの中で大好きなシャトーです。
(写真)そして、年末の締めとして、大親友とゆっくり楽しんだシャトー・ラフィット・ロートシルト1999年。こちらもラフィットらしくエレガントで素晴らしかったです!
あれっ!?ラベルの上に何か描かれている?これ、何だか分りますか?
これは月が太陽をいたずらっ子のように隠している様子を描いたものなんです。1999年は皆既日食のあったヴィンテージなので。こういう遊び心は本当に好き!
来年2025年は、5年前に2本開けてみて(ラ・コンセイヤント&ピション・ラランド)、まだ早いと判断してウェイトしたグレート・ヴィンテージの2000年のボルドーを楽しむ予定です。今からとても楽しみです!
(6)NHK大河ドラマ「光の君へ」をコンプリート!
私はこのところ年末のまとめ記事にNHK大河ドラマネタを好んでぶっ込みますが、今年の「光の君へ」は控えめに言って最高!大いに魅了されて全回見ました!
とにかく、なかなか馴染みのない平安時代、武士による戦いの場面がないのでドラマトゥルギーを持ちにくい時代の物語を、分りやすく興味深く描いていて、毎回毎回大いに惹き付けられました!
私、本ブログで何度かお話したように、とにかく学生時代に国語がからきしダメで…、特に古文では源氏物語が一番苦手…。もう、チンプンカンプンでした。(枕草子の方がまだ取っつきやすかった)
ところが、1年間、光の君へを見て、源氏物語や枕草子が創られたいきさつや、紫式部と藤原道長の深い絆、天皇を中心とした公卿たちによる政(まつりごと)、愛すべき登場人物(左大臣様こと源雅信(いつも脂汗かいてる!笑)、藤原隆家(男の生き様としてめっちゃカッコイイ!)、藤原実資(顔芸!笑と気骨)、藤原宣孝殿(海よりも広い心!))など、大いに魅了され、源氏物語への理解がグンと高まりました!
また、百人一首が大好きなので、「そうか!この歌はこの人の歌だったんだ!」と、番組内で紹介がある度に何度も唸りました!
特に、「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ」が好きなので、これが出世を嘱望されるも叶わず、結果、道長のサポート役で生涯を終えた藤原公任の作品であることに大いに唸りました。私にはその「滝」とは公任自身の雅さと残した優れた歌のことのように思えてきます。
このお正月は百人一首の札を1枚1枚眺めながら、光の君への登場人物をゆっくり思い返したいと思っています。さらには、これをきっかけに、源氏物語や枕草子、和歌の世界を大いに楽しんでいければとも。
一昨年の「鎌倉殿の13人」に続いて、最高の大河ドラマを本当にありがとうございました!
(7)ブルックナー/交響曲第7番第2楽章(ピアノ版)をコンプリート!
これは前回記事で書いた通りです。ブルックナー生誕200周年に大好きな交響曲第7番第2楽章のピアノ版を全12ページの最後まで弾くことができて、感無量でした!
(写真)ブルックナー/交響曲第7番第2楽章(ピアノ版)から3回目の第1主題。この右手の6連符を弾く喜びたるや半端なく、大いに感動しながら弾きました。ブルックナー・イヤーの最高の思い出となりました!
最後に、本ブログの更新は今年はこれで終わりです。今年も多くの方に読んでいただき、さらにいいね!やコメントも沢山いただき、本当にありがとうございました!大いに感謝いたします。来年もどうぞよろしくお願いします!
みなさまが素敵な新年を迎えることができるよう、心より祈っております。良いお年をお過ごしください!
(追伸)私の年末のルーティーンになりつつありますが、年末はイギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの9つの交響曲を聴いて、ゆっくり過ごそうと思っています。(上記写真はその9枚のCD、ブライデン・トムソン/ロンドン交響楽団の名盤。CDジャケットはイギリスの画家ターナー。)
そして昨年と同じですが、みなさまにヴォーン・ウィリアムズの「未知の世界へ」という曲をご紹介します。オーケストラと合唱による曲で、「恐れずに未知の世界へ踏み出して行こう」という内容の歌詞の、大変勇気をもらえる曲。転調しながら高まっていく合唱の盛り上がりが極めて素晴らしい曲です。
元気を沢山もらえるので、年末年始のお時間ある時、ぜひ聴かれてみてください!新年を清々しく過ごせること請け合いです。それでは、良いお年を~!
(参考)ヴォーン・ウィリアムズ/未知の世界へ。前半はしめやかで美しい合唱。7:15から合唱がめくるめく転調を繰り返して4分間くらい大いに盛り上がります!プロムスの大合唱でお楽しみください!
https://www.youtube.com/watch?v=zKOk_9czKbM (12分)
※BBCの公式動画(プロムスでの演奏)より