スリーパー効果 ~ トラウマを認めるか、手放すか ~
以前に誰かに言われたことで、心に強く残っていることはありますか?それは今の自分に、どういう影響を与えているでしょうか。もしもそれが自己肯定感を下げるようなことだった場合、いつまでも持ち続ける必要はありません。スリーパー効果誰が言ったのか、または情報の発信元がどこなのかは、一定の時間が経つと、記憶から失われていく傾向があります。そして何を言われたのかだけが、記憶の中で強化されて鮮明に残り続けます。発信源と情報が時間とともに分離し、情報だけが強化されるこの現象は、スリーパー効果と呼ばれます。抽象的な説明が続いたので、具体例を挙げてみましょう。親友の話と初めて会った人の話なら、親友の話の方が断然信用度が高いですよね。でも時間が経つと、その話を誰がしたのか、やがてはわからなくなってしまいます。初対面の人に言われてことであっても、強く信じてしまう可能性もあるわけです。スリーパー効果を詐欺などの犯罪に使う人もいるので、気をつけたいですね。トラウマを認めるか、手放すか別の視点で考えてみると、過去に言われた理不尽な批判も、取るに足らない第三者から言われたとしても、時間の経過とともに心に強く残ってしまいます。悪気はなかったかもしれませんが、投げかけられた言葉にずっと傷ついている人もいます。その言葉や価値観が、今の信念や考え方を支配しているとしたら、自分を肯定してあげることは難しいですね。これから創り上げる人生に不要と思われる信念は、少しずつ捨てていきましょう。現在の信念を掘り下げてみて、もう今の自分にはふさわしくないなと納得することができたら、手放すことは可能です。心理学者アドラーは、トラウマというものの存在を明確に否定しました。心の傷を持ち続けたいのか、自ら癒してプラスに転じさせるかの選択権は、いつでも僕たちの手の中にあります。Fortune Therapy 湊 夕季