水無月の生花
2023/06/21
〈花材〉
ホトトギス
クルクマ
ヒマワリ
百合
擬宝珠の葉
百合が馬鹿みたいに大きく咲いていて収まりが悪く、とても残念でしたが、無理して活けてみました。
花器 拙作 蓮の葉 ロータス
喜多川歌麿の大作『雪月花』三部作を箱根の名所 岡田美術館で
岡田美術館(箱根)2023.6.18
長年行きたいとと思っていて、今回ようやく訪問しました。
今回は開館10周年企画 「歌麿と北斎」
すごいのは、岡田美術館が10億円で購入した歌麿の最晩年の巨大な肉筆画「深川の雪」(148cmx368cm)と、複製ではあるが実物大高精細複製画「品川の月」(147.0cm×319.0cm)、「吉原の花」(186.7cm×256.9cm)の歌麿「三部作」が同時に揃ってみられたことです。
歌麿は版画を2,000図以上を手がけた反面、現存する肉筆画はなんと、世界に約 40件ほどと限られています。
「深川の雪」とてもとても素晴らしい大作でした。そして「品川の月」「吉原の花」は複製ですが高精細複製画で実物の様にしか見えませんから、この3mもする大きな浮世絵3点を一堂に拝見んできたのは感動ものでした。
今までは浮世絵というとどこに行ってもA4~B4サイズくらいのものばかり見ていましたから、さらに感動しました。
次は「歌麿 vs 北斎」美人画対決
美人揃いの素晴らしい絵 どれも比べようがないくらい美しい
(残念ながら、写真撮影が全て禁止でしたので、岡田美術館のHPより写真を拝借して載せました。)
岡田美術館は、明治時代に存在した欧米人向けのホテル「開化亭」の跡地に建設。全5階から成る建物の延べ床面積は約7,700㎡で、展示面積は約5,000㎡にも及ぶ。この広い会場には、日本・中国・韓国を中心とする古代から現代までの陶磁器や絵画など、常時約450点の美術品が展示されていて、江戸時代以降の日本の作品が充実しています。江戸時代では俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一・神坂雪佳などの琳派、喜多川歌麿や葛飾北斎に代表される浮世絵、円山応挙や伊藤若冲など京都画壇、近現代では菱田春草・横山大観・速水御舟・上村松園・小林古径・東山魁夷など。
拝見した後、約15,000㎡の敷地が広がる庭園に出て、湧水と樹木が織りなす自然豊かな空間を散策し、全てを見るのに広すぎて半日ほどかけてみてきました。
神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
TEL:0460-87-3931
蕎麦・菜食 一如庵
2023/05/24
三重県の山奥にある陶芸空間 虹の泉でローマの遺跡群の様な広い公園を見学し、細い道を山越えして45km、奈良県の宇陀市榛原の山里の築150年の古民家で、絶品蕎麦と季節の野菜をいただきにいきました。
一如庵さんはそばつゆ以外はすべてヴィーガンです。
七年ぶりの再訪
先回は18時にお邪魔。他に客がなかったので、ご夫婦と様々な話をしながらコースをいただいていきました。 小さなお子様も一緒になり、四方山話や蕎麦の話で22時位まで長い時間いましたが、今回はお昼。
いつも通り気の利いた調度品が飾られ
庭の草花を眺めながら
自然の風が流れる席で
おまかせ7000円
飲み物
お酒
笑四季(えみしき) 劇場 革命前夜
精米50%
ぐい呑み
渋い
地元の作家
尾形アツシ氏作

片口とのバランスも良い
笑四季 劇場 革命前夜はぐい呑みに次ぐと泡がたった。やや粘度が高いということで旨みがあるということ。
⚫︎先付け
カラスノエンドウの茎とツルがいい演出をして 霧の水滴が 初夏の新鮮さと 緑が美しい
そら豆の白和と
そら豆のスリ流し
生姜ジュレ その上にカラスノエンドウの実
底には生湯葉が隠れている
爽やかな美味しさ いい感じ
カラスノエンドウの実をうまく使っている
⚫︎寿司三品
筍の箱寿司
茗荷の握り
茶の新芽の天ぷら
青楓に霧が打ってありこれもまたいい感じ
旬の茗荷がいいね。
筍の箱寿司はシャリに筍に木の芽を生麩で巻いてある
⚫︎野のもの一枚板 九品
地元奈良の大和野菜をふんだんに使用した精進料理
にんにくの茎
淡竹に梅
湯葉 新生姜
十津川のエリンギ煮とニラの煮たの
絹さやに海苔佃煮と山葵付け
蕪二種
カリフラワーとミニトマト
虎杖(いたどり)
アケビの煮たの
それぞれがきちんと自分の勤めを果たし それぞれ素朴で美味しい
お酒の当てに最高だね。
⚫︎天ぷら
新玉ねぎ
浜名湖のアオサ素揚げ
新ジャガの丸揚げ
メークイン
男爵
やはり新玉ねぎは美味しい
新ジャガはメークインと男爵が出されましたが、男爵が美味しいのはわかるのですが、一緒に出されるとメークインはサラッとしたところだけはいいのが分かりますが、ちょっとかわいそう。
(メークインは肌理が細かく崩れにくいので、よく使われますが、旨味があまりありません。ポテトチップにするとサクサクでカリッとした食感でいいのですが、ポテトフライやその他ではこの食感にならないし、旨みもないので私は使用しませんし、外食でもまず食べません。 旨みがないから味付けなければ食べられないので、たくさんの塩やケチャップ等の調味料を沢山を使わざるをえないですね)
⚫︎丸抜き 蕎麦
丸抜きとは、ソバの黒くて硬い表皮を除いたそばの実を挽いたもの
芯白に近い
50メッシュ位か
17本打ち(1寸の幅を17本(1.8mm)に切る)位の太さ
甘い蕎麦
良い蕎麦だ
蕎麦つゆ
鰹と利尻昆布
鰹の効いた いい味だ
でも、これを更に半年寝かすともっと良い蕎麦つゆになるだろうな
⚫︎弾きぐるみ 蕎麦
蕎麦粉は日本三大ソバの一つとして有名な出雲ソバの新種「出雲の舞」の玄そばからの挽きぐるみ。
挽きぐるみとは、ソバの黒くて硬い表皮である鬼殻のついたまま石臼で挽いたもので、黒い鬼殻が入った田舎蕎麦
17本打ち(1.8mm)位の太さ
しっかり腰と粘りがある
鬼殻が混ざるのでザラ付きの中に甘みと旨み、微かな苦味
最後に甘さの来る良い蕎麦だ
⚫︎蕎麦湯はちろりに入って
蕎麦湯は蕎麦湯
それほど濃くないが
蕎麦つゆが良いので美味しい
⚫︎デザートも涼しそう
美味しい
ご馳走様
ゆったりとゆっくりと落ち着けて
おいしく頂戴しました。
いつきてもいいお店ですね。
また 何年か後にお邪魔しましょう
さて、ここから車で25分 女人高野 室生寺へお参りして、
その後、家まで200km 2時間強のドライブです。
…………………………
一如庵さんは、地元奈良の大和野菜をふんだんに使用した精進料理で、動物性の食材は一切使っていないので、ベジタリアンやビーガンの人も安心して食べられる料理ですが、
そばつゆだけは鰹節や鯖ぶしなどを使われます。これは仕方ないですね。鰹の旨みに勝る野菜出汁は大変過ぎます。
おすまし程度の薄さの精進出汁なら誰でもできますが、濃厚な蕎麦つゆを野菜だけで作るのはとてもとても至難の技で、どんな蕎麦屋もやりません。
私の「野の花料理・恵那の野山の 蕎麦懐石」では料理全てが恵那の野山のオーガニックでベジタリアン料理。 蕎麦つゆも全てヴィーガンですが、この蕎麦つゆ作りは本当に大変。
濃厚で美味しくするために、完成までに10年ほどの時間をかけて研究し完成させましたが、様々な豆や野菜類を使用量も多く材料費がとてもかかります。美味しくするためには多くの野菜を使っても濁った味にはできませんからこれも神経を使いますし、商売じゃないからできることですね。
…………………………
蕎麦菜食 「一如庵」
奈良県宇陀市榛原自明1362
0745-82-0053
単品のオーダーを受けるのは昼の12時までで終了。
13時からは7,700円の野菜コース料理「昼の膳」
夜の膳8800円(税込み)
いつの間にかミシュラン1つ星でした。
多くの客を呼ぶ手段としてはいいかもしれませんが、こんなものいらないのにといつも思います。
梅雨に入ると食がよぶ
毎年 梅雨に入ると何故か食べたくなる
口の奥の
そのまた奥から「食べたい」「食べたい」と声がします
「お腹も季節を感じよう」
「梅雨には美味しくなるよ」と
食べたい順に
なんといってもまず鱧。 次に蓴菜(じゅんさい) 茗荷 そして解禁直後の天然鮎の順。
鱧は梅雨の雨で美味しくなると言われ、昔は梅雨に入るといつも一度は食べていました。
鱧は小骨が多く、骨切りをしないと小骨が口に当たって食感が悪くなってしまうので、皮1枚を残し細かく切れ目を入れるという繊細な包丁技術が求められます。
庖丁は皮までしっかり達するように皮を切り離さない様に一寸(3.03㎝)の幅に24本(1.26mm)以上の切り目を「ジャリジャリ」と入れていきますが、プロでも難しい技術らしく、「一寸につき26本(1.16mm)」入れて初めて一人前と認められるようです。
蕎麦の世界では、江戸後期に江戸の蕎麦打ち職人による切り幅の御定法が確立され一寸(3.03cm)の幅の麺体に対して、並打ち(中打ち)は切りべら23本といってこの一寸を23本(1.32mm)に切る、とされています。 細打ちは40本(0.75mm)前後です。
現代の蕎麦屋の世界では一般的な二八蕎麦は17本(1.78mm)切り位が多く、23本は細い方で、少数派になっています。
たまに私が細打ちそばを作る時はやはり40本(0.75mm)位に切っていますが、ここまで細いとそうめんより細く感じます。
さて、鱧ですが江戸蕎麦の並切りより少し細いくらいですね。
現代ではスーパーに行くと骨切りをしたものが売られていますが、切り方が荒く、多分24本ぐらいでしょうか、これでは口の中で骨がざらついて食べられたものじゃないです。
普通の日本料理店で出されるものは24本(1.26mm)~26本(1.16mm)くらいでしょうか、でも、これでも小骨が舌の上でざらつくんです。私はホロホロと口の中で崩れるそれ以下が好きですが、それはおそらく30本(1.0mm)以下でしょうか、こういうものが大好きです。
もう随分昔、名古屋に住む様になり、梅雨に呼ぶ鱧の声を聞き、何ヶ所か名古屋の日本料理店に行きましたが、 元々名古屋には鱧の文化がなくて鱧切り包丁を持っている料理屋もないのでしかたないのですが。ホロホロと口の中でとろけるようなきちんと骨切りのできたまともな鱧の湯引きや葛打ちが食べられないのです。
ですから、毎年この時期になると京都へ行く仕事の後に川床や料理屋さんで食べていました。
最近は名古屋でも鱧切り包丁のある日本料理屋も少しは出てきていますから、食べられるかもしれませんが、まだまだホロホロと口の中でとろける様な納得のいいものを食べていません。
同じように今住んでいる東濃地方でも、まだ一度もいい鱧を経験した事はありません。
今年も梅雨に入り早速口が呼ぶので先々週出かけました。
今回お邪魔するのは名古屋ではなく地元ですが、行くたびに腕が上がっている若手のさんです。ここならいけるだろうと。
日本料理屋さんならこの時期ですから、鱧、潤菜、は当然用意されていて、茗荷や天然鮎もあるだろうと思い込み、急に思いついて前日電話した所うまく空いていて出かけました。
入店すると直ぐに「吉田さんの電話ですぐに鱧だろうと思いましたが、今日は鮎です」と言われてしまった![]()
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まあ数日前に連絡しなかったのだからしかたないとして、
蓴菜と鮎がありました。
お店に着くとピチピチと泳がせていた鮎に串を刺す作業中
これを1時間遠火で焼いて出してくれます。
まず、喉を滑らかにハートランド
次いで 発泡日本酒
︎先付け
エッチングカクテルグラスに
パプリカの冷製ポタージュにキタムラサキウニ そら豆 ミニトマト
パプリカがいい旨味を出していて、中々美味い。
上に載っているウニが負けている。
キタ紫ウニも高級で決してレベルが低いわけではないが、所詮紫ウニ。あっさり系の味だから仕方ない。 ポタージュが良すぎたのだ。ウニがちょっと可愛そう。
これがバフンウニならまだ負けてはいなかったろうが、それでもまだ弱い。限定漁期の旬の天然物バフンウニの姿塩漬けならいけただろうが、これは高価すぎるけどね。
椀物
シックな螺旋柄の椀
蓋を開けると
この時期の小さな蓴菜が浮いている
このサイズはおそらく一番芽だね。
蓴菜を採る時は木舟を浮かべて一粒一粒手作業で採るんだけど、その後、大きさの無選別はまだ楽だが、こんな小さなものだけを揃えて採るなんて数も少なく本当に大変でしょう。とは言え、小さな一番芽はとても柔らかく大きさの割にゼリー部分が大きく高級品。 最近の蓴菜は中国からの輸入も多いが、これは秋田産。国産蓴菜では秋田が出荷量は一番だ。
トゥル トゥルっと口の中に滑り込む
いい食感 この涼を呼ぶような優しい食感
小さいから尚良い
久礼 辛口純米
土佐の西岡酒造 +10 やや淡麗な まあまあの辛口
焼物
青楓の下に泳ぐ若鮎
1時間かけて焼いた鮎
きちんと頭蓋骨まで火が入り頭から骨ごと食べれる。
お店によっては骨ごと食べられると言いながら、結構硬いものがあるが、こちらはじっくりと火を通していてちゃんと無理なく食べられた。良い焼き方だ。
船の中にバイ貝が添えてある 3月から7月が旬で一番美味しい頃。
バイ貝には白と黒があり、白バイ貝は富山あたりでは日常的に食べられるもっともポピュラーな種類で、煮付けやお刺身として食べられます。一方、写真の茶色に焦茶の斑点がある黒バイ貝の方は高級品として料亭などで食される場合が多い種類です。所がこのバイ貝は中々食わせ物で、一番美味い所が殻の一番奥の肝。
奥の肝は、あん肝よりも濃厚で鳥のレバーより繊細で上品な味に独特の優しい苦味が少しありとても美味しいのですが、
この部分は料亭でもまずたべられません。
白バイの殻は柔らかくて歯で壊せますが、黒バイの殻はとても硬くて壊せず、無理をして壊すと一番うまい奥にある肝が潰れてしまい食べられません。だから、ゆがいた黒バイを爪楊枝に刺して螺旋状の身を回しながら少し出し、引っ込めまた出しての繰り返しで少しづつ引き出していくしか方法がありません。よほど慣れた人でも途中で切れずに全部引き出せる確率は10個中6、7個位。初めての人はほぼ全員途中で切れてしまいます。私は子供の頃から食べていたので、上級者だと思いますが、それでも7、8個位しか取り出せません。
今日は一個だけ出されていましたが、なんとかあの旨さを食べたいと奥まで出そうと思ったのですが、事前に取りやすくするために一度引き出してあり、奥は切れていました。残念。
それでもなん度もチャレンジしましたが出てきません。
奥の肝は、あん肝よりも濃厚で鳥のレバーより繊細で上品な味なので食べたかったのですが、奥の手を使っても取り出せません
残念。
お酒
仙禽オーガニックナチュール スパークリング
原料米 : 栃木県産有機農法 亀ノ尾
精米歩合 : 90%以上
仕様 : 超古代製法、酵母無添加、蔵付き酵母、木桶仕込み、生酛酒母、無ろ過生原酒、瓶内二次発酵、スパークリング
アルコール分 : 14%(原酒)
泡はほぼ飛んでいますが、少し甘めの濁り。
次は鰻の椀
その次は麦藁手の椀物
最後に唐黍ご飯
蓋を開けると香りがフワーッと鼻腔をくすぐり
とても美味しそうにできていました。
これは旨いぞ! と思いましたが、
お腹いっぱいで、ほんの一口だけお茶碗に入れていただきました。
とても唐黍の甘み旨味が美味しくて、本当に美味しくて口はお代わりしたいのに、胃が満杯で 諦めました。
デザートをいただいて
ご馳走様
今回は蓴菜と鮎を楽しませて頂きました。
いいお店です、次回は何が食べられるかな 行くのが楽しみです。
次に
一番食べたいのは
夏鯖の刺身だね
しかし こればかりは故郷の鳥取で食べるしかない そして故郷でもいつでも食べられる訳ではない。
朝獲れの近海物で生の良すぎるものに限るので、だから、いつ入荷するかわからない超貴重品
夏になると食べたくなるんです。
こうやって季節ごとに食べたいものを口が教えてくれる
いい口だ、大切にしなくては。
染めと織の万葉慕情61
涙に濡れる袖の歌⑵
1983/06/10 吉田たすく
大伴家持に恋をしても、結ばれなかった人、山口女王(やまぐちのおおきみ)が、家持に贈った恋歌が五首あります。
その中の一首
相思はぬ
人をやもとな
白栲(しらたへ)の
袖ひつまでに
音(ね)のみし 泣くも
私はあなたを思っていても、私を思って下さらないあなた。ただわけもなく、白栲の袖がぐっしょり濡れてしまうまで、こえを立てて泣きながら恋しく思っていますよ。
涙にぬれる袖を詠って恋泣く女心を、しっとりと深い気持ちに表現して
いるところがうまいものです。
この歌につづいて、その思いを袖だけでなく彼氏の寝枕まで歌の中にとりあげ、この片思いの切なさを詠います。
わが背子は
相思わずとも
敷栲(しきたへ)の
君が枕は
夢に見えこそ
わが思う背の君は、私を思って下さらなくとも、せめてあなたの枕だけでもよいから、夢に見えて来て欲しい。 いやいや、あなたの寝姿の夢を見たい、と詠っています。
また別の一首に
妹(いも)に恋ひ
わが泣く涙
敷栲(しきたへ)の
木枕通り
袖さえ濡れぬ
あなたと恋して一人寝の床。わたしの泣く涙で、木枕を通り、相交さない片袖が濡れてしまったという歌もあります。
敷栲は枕にかかる枕詠です。ただ恋しくて泣くだけでなく「敷栲の木枕通り」とくるので、一人寝の床というステージの設定までして詠っているところに、この歌の心にくさがあるのです。
次の歌は大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ=家持のおばにあたる人)が跡見の庄という所に行っているそこで、宅(いへ)にとどまれる女子の大嬢 (むすめおほいらつめ) に送った歌で、むすめ恋しさの歌です。
常世にと わが行かなくに 小金門(をかなと)に もの悲しらに おもへり しわが児の刀首(とじ)を ぬばたまの 夜昼といはず 思ふにし わが身はやせぬ 嘆くにし 袖さえ濡れぬ かくばかり もとなし恋ひば 古郷(ふるさと) に この月ごろも ありかつましじ
あの世に行くでもないのに、門口でもの悲しげにうれい顔をしていたわが子大嬢を夜昼となく心にかけて思っているうちに、この身はやせてしまった。嘆いているうち、涙で袖までも濡れてしまった。こんなにむやみに恋しがっていたら、跡見の庄にこの一月もいられそうもない。
わが娘恋しさに袖を濡らすとは、今でおもえば少々オーバーな表し方のようですが、当時の歌の常識的な歌い方であったのかもしれません。
(新匠工芸会会員、織物作家)

「雨降花(あめふりばな)」とも呼ばれるホタルブクロは、子供が袋のような形の花の中に蛍を入れて遊んだところから命名された様ですが、アジサイと並んで、6月を代表する草花。
入梅ごろから咲きはじめ、梅雨が明けるころに花期を終えます。
ホタルブクロの
咲く頃に
川のほとりは
蛍の恋の
かけひき
乱舞が始る宵に
本年6月11日からは季節の七十二候の二十六候「腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)」です。
水辺近くで腐った様に湿った草から、成虫となった蛍がふわりと飛び立つ様子で季節を表します。
蛍の和歌は万葉の昔より様々な人が歌っていますが、特に私は平安時代の歌人・和泉式部の和歌を挙げたいと思います。
もの思へば
沢の蛍も
わが身より
あくがれ出づる
魂(たま)かとぞ見る
(恋人のことを思い悩んでいると、沢を飛ぶ蛍も自分の体から抜け出た魂のような気がします)
恋焦がれる切ない気持ちが出ていますね。美人で才女、三十六歌仙の一人でもあり、多くの男性に求愛され続けたマドンナの和泉式部にこういう歌を歌われたら誰一人好きにならないではおられないでしょうね
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昨日、山に行くと蛍袋を見つけました。
先週はそばを歩いても何もなかったのですが、梅雨に入り 雨を感じて咲いたのでしょう。
今を感じる料理
「物語のある料理『野の花料理・恵那の野山の 蕎麦懐石』」で、お客様に食していただこうと早速 花を採ってきました。
さて、どんなおもてなしでこのホタルブクロの料理をお出ししましょう。

…………………………
器
拙作 白萩釉 流し掛け 高高台 四方 平皿 『浮雲』
2020年 第63回 恵那市美術展 教育長賞受賞
載せる料理によりどんな表現にでも漂う白雲の様な器として白萩釉の流し掛けで 漂う雲の感じがうまく出せました。
これも民藝 「民の芸」
用いる中の美 「用の美」だね
素朴で美味しいクッキーを作りました
ソイビーン・ブラックセサミ・クッキー
日本語で言いますと
黒胡麻黄粉煎餅ですね
グルテンフリー オーガニッククッキー
小麦粉やつなぎなど余分なもの一切使わない本物
〈材料〉
オーガニックきな粉
オーガニックメープルシロップ
オーガニック黒胡麻
天然塩
水
きな粉とメープルと水に隠し味の塩少々をコネて綿棒で伸ばして抜き型で取り 黒胡麻を乗せて押さえて120℃で40分焼いただけ
きな粉の価格は小麦の5倍もしますが余分なもの一切入れない きな粉100%のクッキーは作るのも簡単
カリッとしてサラッと壊れ きな粉の濃厚な味に香ばしさ。時々黒胡麻の味が加わり
余分な味の無いすっきりと美味しいクッキーです
いかがですか
とても美味しいですよ 簡単すぎますから お子さんでも誰でも作れるので、皆さんも作ってみてください。
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⚫︎小皿 拙作の手捻り 白釉に織部釉
⚫︎湯呑 出西窯 島根県出雲市
昭和22年 柳宗悦をはじめとする民藝運動のメンバーに指導を仰ぎ始まった窯で実用的な「用の美」が息づく器です。
⚫︎御盆 黒柿一文字盆
柿の木一万本に1本出るかという貴重な濃い一文字の黒柿
黒柿とは
樹齢数百年を越える柿の古木のうち、ごく稀に黒色の紋様があらわれることがあり、この紋様があらわれた柿を「黒柿」と呼び、立派な黒柿の床柱は、1本で数百万円するといわれます。 黒柿の模様や色はまだらや線、太い筋など、どれひとつとして同じものはなく、見るもののこころを強く惹きつける不思議な魅力を持っています。
この盆のような太い幅の強い黒が出るものは一万本に1本出るかという貴重品で、これを丸太のまま10年以上自然乾燥させて狂いが出なくなってからお盆に加工されました。
たった一人の作家が、35年もの歳月をかけて公園のように広大な1800坪(5800㎡)ものスペースに作り上げた未完の陶芸空間
自宅から車で往復6時間以上かかり、松阪市内からでも片道1時間ほどの奈良県境に近い山奥の広大な陶アートスペース
こんなに辺鄙なのだが、写真などで見て以前から行こうと思っていて、ようやく訪問。
車を飛ばし着いたところはまるで別世界 まるで古代ローマの遺跡のような大空間が現れた。
写真などからの想像よりもはるかにすごい。
案内図
入り口正面に建つ二本の柱
はるか遠くに大陶壁と翼壁 様々なオブジェ
ポコポコしているのは雲か水柱か
この広大なスペースを左回りで東壁の方へ近づいていきます
最初は
勝利者の丘
丘の上には、三体の立像
この丘の裏斜面(つまり空間の外から見える面)には、制作を支援した人たちの名前の陶板が埋め込まれていました。
次は、その左に人像樹の森
人と木が一体になり後ろの森とも一体化してこの森を作っています。。
近くで見てみると、像は小さなパーツに分かれていますが、窯場で焼かれたのちにここへ持ってきてつなぎ合わされていることが見て取れます(全てのオブジェが同じ作り方で作られているそうです)
大陶壁左翼壁
大陶壁とセンター像
大陶壁右翼壁
さらに右に イリスの壁
イリスの壁
イリスとは、ギリシア神話に出てくる虹の女神のこと。
これは、地元の人や来場者などに陶板を一つ4,000円で買ってもらい、各自で名前や記念日を刻んだ後、焼いて壁に貼り付けて作品の一部にするというプロジェクトで、今では、1万枚以上の陶板があるそうで、額にするとなんと4,000万円以上の支援になります。
35年間の制作・建設資金は、主にこの「イリスの壁 陶板運動」によって得られた資金で進められました。
ミューズの丘
あまりにもたくさんの像 全て見るのに2時間かかってしまいましたが、
鳥の声だけがする大空間で、じっくり観ていると、とても癒される感じ 心の静寂を感じました。
またいつかもう一度行きたい空間でした。
…………………………
虹の泉は、1978年から2013年まで、陶芸家の東健次(1938年-2013年)によって制作された。約5800㎡の屋外空間が男女や雲上を象った無数の陶芸作品で埋め尽くされ、正面にそびえ立つ巨大な壁には2000枚以上の陶板を使って壁画が描かれている。
東健次は、愛知県立瀬戸窯業高校で作陶を学び、24歳の時に旅したスリランカで、シーギリヤの岩山に描かれた女性の壁画やジャングルでの10日間の滞在からインスピレーションを受け「虹の泉」の構想を思いついた。1978年、故郷の三重県に戻り、自ら工房や窯を建て、約5800㎡の山林を切り開いて「虹の泉」の制作を開始。自治体などからの資金援助は受けず、地元住民や協力者からのカンパや見学者からの入場料、希望者には有料で自分の陶板を作ってイリスの壁と呼ばれる一角に貼れるようにすることで、制作費をまかなった。[2][3]他の仕事はせず、制作開始から死ぬまでの35年間の生涯をかけて「虹の泉」制作に没頭した。(ウイキペディアより)
東健次(1938年-2013年)
1938年生まれ、三重県松阪飯高町森で育つ。
愛知県立瀬戸窯業高等学校卒業。
22歳、セイロンへ初めての旅。神から陶アートスペースを作るように告げられる。
23歳、第5回日展 工芸美術部門に入選。
28歳、外国の地を求めてアルゼンチンへ移住。アンデス山脈の麓に土地を購入し、作品を作り始めるが、自信を失い挫折。
39歳(1978年)、苦悩と忍耐の日々の末、日本こそが新たな目的地であるという考えに変わる。
帰国後、富永にアトリエ・窯を築き、虹の泉の創作を開始。
2013年5月、享年74歳。
…………………………………………
陶芸空間 虹の泉
三重県松阪市飯高町波瀬 国道166号線沿いにあります。
午前9:00~午後4:00ごろまで
・休み 不定休
もし、しまっていて誰もいないようでしたら次の番号に連絡してください。
080-1558-4612