「雨降花(あめふりばな)」とも呼ばれるホタルブクロは、子供が袋のような形の花の中に蛍を入れて遊んだところから命名された様ですが、アジサイと並んで、6月を代表する草花。
入梅ごろから咲きはじめ、梅雨が明けるころに花期を終えます。
ホタルブクロの
咲く頃に
川のほとりは
蛍の恋の
かけひき
乱舞が始る宵に
本年6月11日からは季節の七十二候の二十六候「腐草為蛍(くされたるくさ ほたるとなる)」です。
水辺近くで腐った様に湿った草から、成虫となった蛍がふわりと飛び立つ様子で季節を表します。
蛍の和歌は万葉の昔より様々な人が歌っていますが、特に私は平安時代の歌人・和泉式部の和歌を挙げたいと思います。
もの思へば
沢の蛍も
わが身より
あくがれ出づる
魂(たま)かとぞ見る
(恋人のことを思い悩んでいると、沢を飛ぶ蛍も自分の体から抜け出た魂のような気がします)
恋焦がれる切ない気持ちが出ていますね。美人で才女、三十六歌仙の一人でもあり、多くの男性に求愛され続けたマドンナの和泉式部にこういう歌を歌われたら誰一人好きにならないではおられないでしょうね
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昨日、山に行くと蛍袋を見つけました。
先週はそばを歩いても何もなかったのですが、梅雨に入り 雨を感じて咲いたのでしょう。
今を感じる料理
「物語のある料理『野の花料理・恵那の野山の 蕎麦懐石』」で、お客様に食していただこうと早速 花を採ってきました。
さて、どんなおもてなしでこのホタルブクロの料理をお出ししましょう。
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器
拙作 白萩釉 流し掛け 高高台 四方 平皿 『浮雲』
2020年 第63回 恵那市美術展 教育長賞受賞
載せる料理によりどんな表現にでも漂う白雲の様な器として白萩釉の流し掛けで 漂う雲の感じがうまく出せました。
これも民藝 「民の芸」
用いる中の美 「用の美」だね