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foo-d 風土

自然や芸術 食など美を 遊び心で真剣に

染めと織の万葉慕情85

  秋風に今か今かと紐ときて

    1983/11/25 吉田たすく

 

 

 紐の敗のつづきです。

 

 晩秋の月は美しいというよりもすごみを感じるくらい透明な空に青鏡のようなつめたさです。それも居まち、寝まちの月がなおさらです。

ここに月と紐の歌がありました。

 

 秋風に

  今か今かと

    紐解きて

   うら待ち居るに

    月かたぶきぬ

 

彼氏をまつ女心の歌です。下紐を解いてまっているけれどやって来ません。月はだんだん西にかたむき夜もふけて行くのです。この人を待つ、下紐を解いて待つ歌をひろってみましょう。

 

 眉根(まよね)掻(か)き

  鼻ひ紐解け

    待つらむか

   何時しか見むと

    思へるわれを

 

 万葉当時の人々に”人に逢う”とか”まち人来たる”しるしと思われていた事の一つに“マヨネカク”というのがありました。眉(まゆ)の根がかゆくなり、目じりがかゆくなり、自然に指でかくしぐさがあれば、まち人来るしるしだというのです。そしてもう一つは”鼻ひ"、今でいうクシャミの事です。クシャミが出れば、まち人来たると思われていました。今、私達の間にもクシャミ ー

回は何とかで二回、三回は何とかかんとかいうでしょう。このような事が万葉時代からいわれていたのです。なかなかおもしろいことです。

 まよねをかき、くしゃみをして、私が来ると思って下紐をといて、今ごろ待っているであろうかなあ。早く進いたい寝たいと思っている私の事をという歌。

 離れた地で夜の彼女を思う気持ちの歌です。これとほとんど同じ歌が別の巻にものっていました。

 

 眉根(まよね)(か)き

  鼻ひ越解げ

    特てりやも

   何時かも見むと

    恋ひ来しわれを

 

 まよねかき、ぐしゃみをし、私が来る事をおもい、紐を解いて待っていたのかいあんたわ。いつ逢えるかしら、早く逢いたいと恋しくて来た私を。

 この歌に答へて女の歌。

 

 今日なれば

  鼻ひ鼻ひし

    眉かゆみ

   思ひしことは

    君にしありけり

 

 くしゃみがとまらず又くしゃみをし、そのうえ眉がかゆくてかゆくてたまらなかったのは、今日になってみるとみんなあなたのせいだったわ。ほんとにそうなのと分ったのよ。じれったかったわといったところなのでしょう。

 

 まよねかくは、今はなくなってしまった言葉です。

 

          (新匠工芸会会員、織物作家)

 

幽玄の

 彼方にみゆる

   紅葉(もみじば)は

  儚き夢の

   はじめなりけり

        周之介

 

 …………………………

 

 美しきゆえ、毎年のように何度も見に行きました。

その美しさに、今夜は うたを詠んでしまいましたが、まさかこれが正夢になろうとは。

 家に帰ったところで知りました。

 20年続いてきた曽木公園のライトアップも今年限りで終わるそうです。

 

 見納めの

  儚き夢と

   燃え尽きて

  深き想いを

    残し去り行く

染めと織の万葉慕情84

  秋のもみじをかざして

   1983/11/18 吉田たすく

 

 

 紐のつづきです。夕方の自転車での散輪で小鴨川(注1)土堤を行くと、打吹山(うつぶきやま(注2))の紅葉の美しい事。

大山(だいせん(注3))の紅葉は雄大で豪華な錦なら打吹山の紅葉は、衣装のようにまとまった華麗さです。椎の濃緑の間にさまざまな木々が多いために黄、朱、赤、金茶とその木自身の色相をこの一年の全精力で色づきつくし、それらの配置は霊の匠がなしたわざかと思われるほどであり、織師の私にはこの上もないイメージをあたえてくれるのです。

 この山が夕日に染まる頃 西の大山は紫に暮れていくのです。さて、紐の歌ですが、紐の歌に紅葉をあしらった歌がありました。

 こないだ古墳に色彩壁画の発見された「明日香」地方の紅葉の歌。

 明日香川

  黄葉(もみじ)流る

    葛城(かつらぎ)の

   山の木の葉は

    今し散るらし

 につづいて

 妹が紐

  解くと結びて

    立田山

   今こそ黄葉

    はじめてありけれ

 「妹が紐解くと結びて」は、立田山(注5)の「立ツ」にかかる序文で、妻と紐を解くは共寝の事で、結ぶは、共寝の朝、互に紐を結びあって朝の出立つを意味するので「立ツ」にかかるのでしょう。

立田山では丁度今もみじがはじまったところです。その詠われる”モミジ”ですが今、私達は「紅薬」と紅の字であらわします。

 万葉では「黄葉」と書いて、モミジ"とよませています。現代人は多くカエデ類の真赤なモミジを愛好していますが、万葉びとたちは紅葉だけでなく、黄色く染まる落葉の美しさを大変めでたのでありましょう。

 ちょうど大山のモミジがそうなので、ブナのモミジは黄色です。それにくらべ小鹿渓(注4)のモミジは、真赤なモミジですから大山以上に美しいものです。万葉に出てくるモミジでは、黄葉と記したもの、六十五首もあるのに赤葉が一首、紅葉も一首しかありません。赤色、朱色よりも黄色の方が勝っていたようです。

 鳥取県のあちこちのモミジの色をよく観察してみると、やはり赤よりも黄色の多いのに気がつきます。紐の歌ではありませんがモミジの歌を数首よんでみましょう。

 秋山の

  黄葉を茂み

    迷ひぬる

   妹を求めむ

    山道(ち)知らずも

 妻を思ふ心と山道の黄葉のしげみにまよう気持ちを詠います。又黄葉を手折りて挿頭(かざし)髪かざりにして宴会に興をそえる歌

 手折らずて

  散りなば惜しと

    我がおもいし

   秋の黄葉を

    かざしつるかも

 又、清流に散りゆくモミジのはかなき美しさに、人の死を考え死の意味の枕詞にも使います。

  真草刈る

   荒野にはあれど

     黄葉の

    過ぎにし君が

     形見とぞ来し

 黄葉の

  過きにし子等と

    携はり

   遊びし礎を

    見れば悲しも

 行く秋をおしみ、物のあわれを詠うにはもってこいの材料であったのです。

 モミジを歌った歌は百首をこえて、色づく、紅にほふ、秋山の色など表現されているのです。

 (新匠工芸会会員、織物作家)

 

 

 

 …………………………

吉田たすくの生まれ育った鳥取県倉吉市は、大昔伯耆国久米郡倉吉と言い、市の中心にある打吹山の打吹城を中心に江戸時代以前からの城下町で、伯耆国の経済の中心として栄えた歴史の街です。

 (挿絵は打吹山を小鴨川の土手から見たところです。写真はイメージ) 

小鴨川(注1)

 小鴨川は鳥取県中部(鳥取県倉吉市 江戸時代は伯耆国久米郡倉吉)を流れる大河、天神川の支流で、平安時代からの城下町で江戸の昔から倉吉の水運の拠点でもありました。私(周之介)も小さい時から、よく遊びに行き、魚釣りや魚獲り、デートコースでもあり、夏は水泳に行ったり、納涼花火大会も催されている心の川でもあります。 

打吹山(うつぶきやま(注2))

伯耆国の経済の中心として栄えた倉吉のシンボル。天に帰った天女だった母に、笛を吹き、太鼓を打ち鳴らし、母親に呼びかけたという「打吹天女伝説」の残る山で、ここから打吹山と呼ばれています。

かつては打吹城が築かれ、その麓に城下町が広がっています。

きれいにお椀を伏せたような山で、標高204m。スダジイなどの原生林で覆われた自然林の宝庫。椎の実拾いや犬の散歩などよく行きました。

大山(だいせん)(注3)

中国地方最高峰の独立峰の火山で、その裾野は日本海に達しており主峰の剣ヶ峰や三鈷峰、烏ヶ山や船上山などの峰を持つ。

自宅の窓を開けると遠くに大山が望め、小学校へ入る前から毎年夏には一度は父母と雪渓のところまで行っていましたし、紅葉は特に美しく、冬のスキーなど鳥取県民に取っては心の山です。

小鹿渓(注4)

鳥取県東伯郡三朝町

世界一美しい木造建築の三徳山三仏寺奥之院「投入堂(なげいれどう)」の下を流れる三徳川の支流、小鹿川の上流に見られる約4kmにわたる渓谷で、国の名勝指定地とされています。岩肌を勢いよく流れ落ちる滝や淵、奇岩、巨岩などすばらしい景観で春は新緑、初夏はシャクナゲ、秋は紅葉と、四季折々の自然のコントラストがみごとで、鳥取県有数の人気ハイキングコースです。特に紅葉が素晴らしく、私も紅葉の時期に父と行ったことがありますし、投入堂参拝の後によくいきました。

立田山(注5)

竜田山(たつたやま)は、大阪府・京都府・奈良県の府県境にある生駒山地の最南端、信貴山の南に連なる大和川北岸の山々の総称。竜田川流域にあって紅葉が美しく、万葉集に読まれた事で有名。

 

ストーブの

 あったか部屋は

   心地よき

  みんな揃って

   お昼寝タイム

 

 柿が美味しいこの頃ですが、熟柿が出回るようになりましたね。

 

また、柿を沢山頂いたり、沢山取れてしまったこともありますね。

 

 熟したものから冷凍庫で保存しておく方法もあります。自然解凍させればシャーベットとして食べても美味しいですし、まとめて柿羊羹作りも良いですね。

 

柿羊羹の作り方

完熟の熟柿を、

蔕を取り薄皮を剥き、

種を取りミキサーにかけます。

(水も何も入れないでください)

鍋に入れて火を通しますが、熟柿はとても濃厚で、鍋でグツグツいいだしても中心はまだ冷たいことが多いので、混ぜながらじっくりと煮て下さい。

 これが大切。

しっかり火が通って煮込んだら

塩少々と、蜂蜜を適量いれます。

 (味見をしながらお好みで)

色止めとほんの少し軽やかな香り付けにイタリア産オーガニックホワイトバルサミコやアップルビネガーを少々加えて、

火にかけ数分で火を止め型に流し込みます。

たったこれだけ。

(砂糖は基本的に身体に良くないので使いません。(中でも精製砂糖は薬品と思ってください。身体に毒です))

冷めたら冷蔵庫でしっかり冷やし出来上がり。

 

寒天も葛粉も砂糖も使わず、水も入れない。

余分な物一切入れない

純な濃厚柿羊羹の出来上がりです。

 

 

 

 味わいも 「ザ・柿」

 さらりとした中に熟柿の味。後味はすっきりと上品でお茶請けに最高のお菓子となり、とても美味しいです。沢山作って冷凍しておけば保存もできますよ。

(もしも失敗した方は、豆乳を少し加えて火にかけてみてください。)

 

 「物語のある料理『野の花料理・恵那の野山の 蕎麦懐石』」では、この熟柿の時期だけ、山に入って自然そのままの天然の山柿を採ってきて、お客様にお抹茶と共にお出ししています。

 

 …………………………

 

 学名:「Diospytos Kaki」

  属性:カキノキ科カキノキ属

 日本、韓国、中国など東アジア原産ですが、日本のものが特に有名で、学名にもkakiと使われています。

アメリカではJapanese persimmonですが、ヨーロッパでは日本特有の果物として認知されていてフランスでは「KAKI」と記載され、イタリアでは「cachiカーキ」と呼ばれます。

アメリカではJapanese persimmonですが、ヨーロッパでは日本特有の果物として認知されていてフランスでは「KAKI」と記載され、イタリアでは「cachiカーキ」と呼ばれます。

「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、柿は栄養豊富で、特に女性には食べて頂きたい健康食です。

 柿は大量のビタミンCとカリウムと食物繊維もたっぷり含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けて皮膚を丈夫にして、免疫力を高めて風邪をひきにくくし、ストレスに強い体を作り、抗酸化作用を発揮するなど、多彩な働きをします。

 中くらいの柿一つで大人の1日に必要なビタミンC量を取る事が出来ます。

カロテンは、体内でビタミンAとして働く他、強力な抗酸化作用で、がんの予防や動脈硬化を抑制する働きをします。カリウムは高血圧予防に、食物繊維は糖尿病、高脂血症、便秘や大腸がんなどを予防するので、柿ひとつで多くの生活習慣病を抑制することができます。(食育ネットより)

 

 駒ヶ根高原にいってきました。

 

 

 散り急ぐ枯葉 晩秋ですね。

 

この頃いつも脳裏の奥から甦る 僕の大好きな詩

 

 

  秋の歌 枯葉

 

 秋の日の

  ヰ゛オロンの

   ためいきの

  身にしみて

   ひたぶるに

    うら悲し。

 鐘のおとに

  胸ふたぎ

   色かへて

    涙ぐむ

  過ぎし日の

   おもひでや。

  げにわれは

   うらぶれて

    ここかしこ

     さだめなく

    とび散らふ

     落葉かな。

 

秋の歌』(あきのうた、フランス語: Chanson d'automne(シャンソン・ドートンヌ))

 

Les sanglots longs

Des violons

De l’automne

Blessent mon cœur

D’une langueur

Monotone.

Tout suffocant

Et blême, quand

Sonne l’heure,

Je me souviens

Des jours anciens

Et je pleure;

Et je m’en vais

Au vent mauvais

Qui m’emporte

Deçà, delà,

Pareil à la

Feuille morte.

ヴェルレーヌ詩集 上田敏訳です。

ヰ゛オロンとはヴィオロン

 バイオリンのことです

発酵食品好きですか?

発酵食品は美味しいだけでなく、健康にも欠かせない食品なしには暮らせません

「第十三回発酵食品サミット」が今年は恵那市で開催されます。

 

 

 

(毎年一度開かれ、昨年は横手市でした)

丁度紅葉の季節

恵那市の発酵食品サミットにこられませんか。

様々な企画と共に、恵那市のみならず、様々な地方からも発酵食品を持参されて販売されます。

私も発酵食品ソムリエとして、恵那市のブースでお手伝いをしています。

 

 …………………………

発酵食品の例

納豆、醤油、味噌、豆板醤、鰹節(本枯節)、塩辛、くさや、鮒鮨、魚醤、

生ハム、サラミ、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム、

漬物の ぬか漬け、タクアン、キムチ、ピクルス

日本酒、ワイン、ビール、甘酒、米酢、黒酢、みりん、

チョコレート、コーヒー豆、紅茶、ウーロン茶

もっともっとありますね。

 …………………………

会場

岐阜県恵那市 恵那市文化センター

名古屋からJR中央線恵那駅

恵那駅からシャトルバス30分置き

恵那駅から徒歩15分

中央高速恵那インターから5分

染めと織の万葉慕情83

  紐解き放けず

   1983/11/11 吉田たすく

 紐のつづきです。

 秋も深まってまいりました。毎朝、小鴨川(注1)の土堤を自転で散輪していますが、ほほにあたる風がつめたくなり、川原の面(おも)はセイタカアワダチソウのほんとに黄色が明るく、そのまわりの草紅葉(くさもみじ)の深い朱色が美しく調和して来ました。水面には鴨があそんでいます。 今朝かぞえてみましたら、百七八十羽にも数がふえていました。昨年のようにも少ししたら白鳥の姿の見られるのがたのしみです。

 

 さて今日の歌は、越中の国の大伴家持の館(やかた)での宴(うたげ)に官人が集まって詠った歌数首があります。 

 

 その中の家持の歌

 

 今朝の朝明(あさけ)

  秋風寒し

    遠つ人 

   雁(かり)が来鳴かむ

     時近みかも

 

 という歌につづいてもう一首

 

 天離(あまさかる)

  鄙(ひな)に月経(つきへ)

    しかれども

   結びてし紐を

    解きも開けなくに

 

 都からはなれた田舎に来てもう一ヶ月送った。

しかし都で妻が結んでくれた下紐を私は解いたりはしなかった。ないしょで鄙の娘子と紐解いていないんだと詠い。これにあわせるように宴に来ていた大伴池主が同じうたい出しで詠います。

 

 天離る

  鄙にあるわれを

    うたがたも

   紐解き放 ()けて

    思ほすらめやも

 

 田舎にいる私を、都の妻は下紐を解いて思いを寄せているだろうか。(いやいやあいつのことだ心を寄せてなど決していないよ) 

 

 も一度、家持がこの歌にあわせます。

 

 家にして

  結びてし紐を

    解き放 ()けず

   思ふ心を

    誰か知らむも

 

 家で妻が結んだ下紐を解き放たずに、妻に思いを寄せている気持ちを誰が知っているだろう。誰も知っていないんだ。

 そこに居たもう一人の人秦八千島という人が

 

………女郎花 咲きたる野辺を 行きつつ見べし

 

と詠って話をまとめます。

 

オミナエシの咲いた野辺に行って、その花を見て心を慰めようよ。

すなおにおさめているようですが、当時の宴の歌の事ですから。

鄙には鄙にオミナエシのように美しい娘もいようもの 花をもとめ

て慰めようよ と詠っているようです。

 

 紐の歌は、おわかりのように、今でいうセックスを意味しているのですがちょっとかんがえて見ると不思議なのです。

 東歌のような民謡風な粗野な農民の生の歌ならわかるのですが、今日のせた歌は越中国司、大伴の家持であり、それを取りかこむ官人たち、大伴池主は越中縁の高官であり、秦の八千島は掾(注)の次の官の四等官なのです。

もちろん酒宴の上での歌ですから、エッチな歌をうたうのはたのしい事でしょうが、その歌を文字でのこし万葉集にのせているという事がちょっとわからないところです。

妻恋の思を現わすのに他の表現も出来ますもの。そこが万葉だというのでしょうか。

 

   (新匠工芸会会員、織物作家)

 

 

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小鴨川(注1)

 小鴨川は鳥取県中部 倉吉市を流れる大河 天神川の支流で、江戸の昔から倉吉の水運の拠点でもありました。私(周之介)も小さい時から、よく遊びに行き、魚釣りや魚獲り、デートコースでもあり、夏は水泳に行ったり、納涼花火大会も催されている心の川でもあります。

 

 

(じょう)(注2)

掾(じょう)とは、日本律令制下の四等官制において、国司の第三等官(中央政府における「判官」に相当する)を指す。

 国司の四等官は、(かみ)・(すけ)・掾(じょう)・(さかん)という文字を用いた。本来「掾」という漢字の音読みは「エン」であるが、三等官は文字にかかわらず「じょう」と訓ぜられる。

 

中世以後、職人・芸人に宮中・宮家から名誉称号として授けられるようになり、江戸時代中期以後はとくに浄瑠璃太夫の称号となった。

 

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『染と織の万葉慕情』は、私(周之介)の父で、手織手染めの染織家、吉田たすくが60歳の1982(昭和57)416日から 1984(昭和59)330日まで毎週金曜日に100話にわたって地方新聞に連載したものです。

 これは新聞の切り抜きしか残されていず、古いもので読みづらい部分もあり、一部解説や余話を交えながら私が読み解いていきます。

 尚このシリーズのバックナンバーはアメーバの私のブログ 「food  風土」の中の、テーマ『染と織の万葉慕情』にまとめていきますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。

 https://ameblo.jp/foo-do/theme-10117071584.html

 

 …………………………

吉田 たすく(大正11年(1922年)49 - 昭和62年(1987年)73日)は日本の染織家・絣紬研究家。廃れていた「組織織(そしきおり)」「風通織(ふうつうおり)」を研究・試織を繰り返し復元した。

風通織に新しい工夫を取り入れ「たすく織 綾綴織(あやつづれおり)を考案。難しい織りを初心者でも分かりやすい入門書として『紬と絣の技法入門』を刊行する。

東京 西武百貨店、銀座の画廊、大阪阪急百貨店などで30数回にわたって個展を開く。

代表的作品は倉吉博物館に展示されているタペストリー「春夏秋冬」で、新匠工芸会展受賞作品。昭和32年(1957年)・第37回新匠工芸会展で着物「水面秋色」を発表し稲垣賞を受賞。新匠工芸会会員。鳥取県伝統工芸士

 尚 吉田たすく手織工房は三男で鳥取県染織無形文化財・鳥取県伝統工芸士の吉田公之介が後を継いでいます。

吉田たすくの詳細や代表作品は下記ウイキペディアへどうぞ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/吉田たすく

染めと織の万葉慕情82

  結びし紐はなれにけるかも

   1983/11/04 吉田たすく

 

紐の歌のつづきです。先週は巻十四の東歌(あづまうた)の中にある紐の歌で田園調、野趣のあるほほえましい歌でした。今日は巻十四の歌ではありませんが、 巻十二に次のような、民謡ふうなたのしい歌を見つけましたので取りあげてみましょう。

 

 当時の衣料の材料である麻をあつかった歌で

 

 桜(さくらを)

  麻生()の下草

    早く生ひば

   妹が下紐

    解かざらましを

 

 桜麻、サクラアサは麻の一種でしょうか、“麻生の下草とは、麻の生えている畠の下草で、下草は人目につきにくい物陰に生えている草の意だそうで、これは若い娘子の生長の比喩であろうといわれています。”下草早く生ひば少女が早く一人前の娘になっていたならば、先輩たちに紐を解かれてしまって、自分はそれが出来なかったであろう。彼女の下草の生える、のが遅かったので運よく解く事ができたのだ。

 

 このようなおもしろい紐解く歌もありますが大かたは旅先で妻と結んだ紐を又逢う日まで結びつづけて郷を思い妻恋の切々と詠った歌がつづきます。

 

 吾妹子が

  下にも着けよと

    贈りたる

   衣の紐を

    吾解かめやも

 

 これは衣の紐ですがどんな事があっても解かないよと詠います。

 

 物思ふと

  人には見えじ

    下紐の

   下ゆ恋ふるに

    月そ経() にける

 

 物思いをしていると、人には見られまい、思わせまい、けれど今まで下紐を結んでくれた妻の事を人知れず、心の底で恋しているうちに、幾月もたってしまった事だと。

 

 濁りのみ 

  きぬる衣の

    紐解かば

   誰かも結ばむ

    家遠くして

 

 妻と別れて濁り旅、着てる着物の紐を解いたなら(下紐を解いたなら)誰が結んでくれるだろうか、家はずっと遠いのだし。

 

 旅にても

  喪()無く早く来と

    吾妹子が

   結びし紐は

    なれにけるかも

 

 旅先で凶事にあわず早く帰って来てよと、吾が妻が祈りをこめて結んでくれた紐は、旅の長さにすっかりよれよれになって、汚れてしまった。

 

 かくのみや

  吾が恋ひをらむ

    ぬばたまの

   夜の紐だに

    解き放けずして

 

 はなれた状態でこうまでも恋して私は一人でいるのでしょうか。 夜の下紐さえ解き放つことなしに。

 

 先週の東歌のように妻に内しょで土地の娘と紐解く事もなく妻にむせびます。 単身赴任のサラリーマンの思いの歌でしょうか。

 

      (新匠工芸会会員、織物作家)

 

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『染と織の万葉慕情』は、私の父で、手織手染めの染織家、吉田たすくが60歳の1982(昭和57)416日から 1984(昭和59)330日まで毎週金曜日に100話にわたって地方新聞に連載したものです。

 これは新聞の切り抜きしか残されていず、古いもので読みづらい部分もあり、一部解説や余話を交えながら私が読み解いていきます。

 尚このシリーズのバックナンバーはアメーバの私のブログ 「food  風土」の中の、テーマ『染と織の万葉慕情』にまとめていきますので、ご興味のある方はそちらをご覧ください。

 https://ameblo.jp/foo-do/theme-10117071584.html

 

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吉田 たすく(大正11年(1922年)49 - 昭和62年(1987年)73日)は日本の染織家・絣紬研究家。廃れていた「組織織(そしきおり)」「風通織(ふうつうおり)」を研究・試織を繰り返し復元した。

風通織に新しい工夫を取り入れ「たすく織 綾綴織(あやつづれおり)を考案。難しい織りを初心者でも分かりやすい入門書として『紬と絣の技法入門』を刊行する。

東京 西武百貨店、銀座の画廊、大阪阪急百貨店などで30数回にわたって個展を開く。

代表的作品は倉吉博物館に展示されているタペストリー「春夏秋冬」で、新匠工芸会展受賞作品。昭和32年(1957年)・第37回新匠工芸会展で着物「水面秋色」を発表し稲垣賞を受賞。新匠工芸会会員。鳥取県伝統工芸士

 尚 吉田たすく手織工房は三男で鳥取県染織無形文化財・鳥取県伝統工芸士の吉田公之介が後を継いでいます。

吉田たすくの詳細や代表作品は下記ウイキペディアへどうぞ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/吉田たすく

 

天空のレストラン
 リストランテ スオーロ
   会場 清涯荘 2023/10/22


 今回は清涯荘の最上階の会員制の絶景ラウンジ「天空ラウンジ」を借りてのイタリアン料理をいただきましたが、いつ来てもここの300度ほどの眺望がすばらしい。
ここに来るとどんな料理でも美味しく思える素晴らしい場所ででの開催。

席に案内され、まずは景色を楽しむ。

 アペリティーボとは、いわゆる=食前酒のことでイタリアにもアペリティフ食前酒がありアペリティーボがと言いますが、それは広い意味を持ち、単純に食前酒そのものだけではなく、ディナーやランチの前におつまみをつまみながらお酒を飲むことで「食前酒を楽しむ習慣」も含まれています。
 アペリティーボと言えば主にカンパリですが、スプリッツ、ワイン、カクテル、ビールなどもあります。
 今回のアプリティーボは 日本酒ベースのカクテルとビールが用意されていたからビールをお願いしましたが、喉が渇いていたのでおいしかった。



Antipasti misti
季節の前菜の盛り合わせ

 生ハムチーズタコとじゃがいものガリシア風
 キノコのアヒージョ たらのブニュエロ イタリアンオリーブ
 季節野菜のバーニャカウダ ブルスケッタ
 
きちんとした厨房がない場所でやるのだから更に仕方ないとは言え、本当に盛り合わせで、フランス料理などきちんとしたコース料理には出てこない世界。

味も見た目もカジュアルっぽくケータリングの惣菜みたいだった。ただ、デパートではDEAN&DELUCAのような一格高級惣菜レベル。
(DEAN&DELUCAは栄の久屋大通公園で行われるベルギービールウイークエンドやドイツビールの祭典のオクトーバーフェストの時はいつも松坂屋で、生ハムサラダやラタトゥイユ 等5種類くらい購入して持っていきますが、どれも結構いい値段だがまあまあ美味しい。
普通の惣菜売り場の様々な料理の数十倍美味しいが、デパートの惣菜なので、いいレストランで食べる感じではなくカジュアルな感じですね。)

 今回のこういう盛り方はもっとカジュアルな立食パーティならいいけど きちんと座ってワインとペアリングさせるイタリアンコースという料理の前菜としては少し軽いかな。
ウエイティングラウンジや別の部屋でこういうものを食べながら軽くいただき、正餐の場所へ移る方が良いだろう。
それか又は、あと30分は早くこういうものを出して歓談させて 後でゆっくりとコース料理だろう。

これを食べている途中で正餐が始まってしまったので同じ世界と思われ、それ以降の料理もこの程度かと思ってしまう。 これでイメージを落としている。

1.Antipasto freddo
更紗紅鱒と北海道産帆立のタルタル フレッシュハーブのサラダを添えて

更紗サーモンのフニャっとした柔らかさと生帆立の柔らかさが似通っていてたのと味付けもノペーっとした感じ サーモンではなく真鯛だったらもう少ししっかりと帆立に合ったと思う。

ペアリングとして出されたスパークリングワイン 
「クレマン・デュブリュットNV」
 なかなかいい泡 フローラルで果実感、味が濃くりんごのような酸味もあり、おいしい。

 ただ、味が濃いので、単体でお昼に飲みたい感じ。またはアペリティフで出されたのなら良かっただろう。


2.Primo piatto
二皿目: ズワイガニと白菜のトマトクリームタリオリーニ


 特に印象は残らなかったが、カニの味が少し弱いな。ズワイガニはメスのセイコガニ(山陰では親蟹という)だったら濃厚で良かっただろうが、漁期が11月6日~12月31日に限定されるのでまだ季節じゃない。 それか、まだタラバガニの方がこのパスタには合いそうだね。タリオリーニは平打ちパスタなので、アルデンテなどなくてうどんのような感じだった。うどんタイプにクリームソースは触感食感が似通って他のパスタの方が合いそうだ。
ペアリングは
フリーク・ショー・シャルドネ
Freakshow Chardonnay 2021
U.S カリフォルニア
シャルドネ100%

 フルボディタイプで、微かにカルバドスなどを感じさせる濃厚タイプ。
結構飲みごたえがあり美味しいが、ちょっと甘みが出てこの濃厚さは、もう少し濃い味の料理の方が良いかな。
 軽い運動をした後やお昼向き、又はバターなどを効かせた濃いめの味のチキンやポーク向きかな。

ペアリングのスパークリングやワイン等を選んだのは瑞浪市の有名なワインショップのソムリエらしいが、どれも濃い味ばかりだったので若い人か運動好きな方かもしれない。

3.Piatto di pesce
香ばしく焼き上げた真鯛のポワレ
カリフラワーと蛤のエキス

真鯛の身の火入れは丁度良く美味しい。だが、皮が柔らかくて残念。皮はパリパリっと食べたかった。身のちょうど良い火加減に皮がパリっとできていたら このシェフできるな!っと思ったことだろう。カラスミの粉がかかったものの方が半数と分かれたが、白身の鯛の綺麗な味に、カラスミの複雑な生臭さは不要ですね。カラスミは美味しいけどこういう場面じゃ無いと思う。

ペアリングは
 グルンステイン・ミュラートゥルガウ
Grundstein Muller Thurgau 2021
オーストリア
ミュラートゥルガウ100%
少し果物っぽいオレンジワイン
果実のジューシーさと酸味であわせたのでしょう まあまあかな。
やはり鯛の皮がパリッとしていたらこのワインはもっと良かったでしょうね。

 



4.Secondo piatto
坂井牧場で育ったひのき牛と季節野菜の炭火焼き
マルサラワインのソース

これも肉の火入れが上手だった 素晴らしく美味しく焼いてあった。
美味しい。
将来が楽しみなシェフだと感じた。

ペアリングは
レ・モンテ ヴァルポリチェッラ リパッソ
LE MORETE VALPOLICELLA RIPASSO 2018
イタリア ヴェネト
バルベラ 80% ピノネロ 20%
これもフルボディまあまあいい感じ

 


Dolce
和栗のカタラーナと旬の葡萄

 

この夜景の美しさ なんと表現しよう

 


シェフとパティシェは料理では別もので、同格であるのだが、日本のレストランではデザートを軽く見るきらいがあり、ややもすると料理と比べると付け足しのようなデザートを出すところが多い。
 ここのドルチェ 中々上手 美味しい。
料理と同格のレベルであった。

Caffe
珈琲または紅茶
小菓子

ここで私のいつものようにエスプレッソが出れば最高なのだが、
ノマドなので大目に見よう

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ペアリングで11000円でしたが

清涯荘使用料1500円位?
飲み物2500円
食事7000円という感じでしょうか。

7000円のコース料理としては良いですね(今後の期待分を入れて)

厨房がなくての料理だから多少は甘くみなければとは思うが、一応プロなのだから冷静に観よう。

41歳らしいが、30~40代前半のシェフならもっと塩分があり油を多く使っていただろうが、味付けも随分落ち着いていていい感じでした。

魚も肉も火加減が上手だし、予想以上にドルチェも良かったから、このシェフは伸び代が大きいかな。
 ワインを選んだソムリエは、メニューを見ただけでワインを選ばなければならないというハンディがあるから、同じコース料理を食べてもらい、マッチングを再度考えていただくと、もっと合う提案ができ、お互いの勉強にもなることでしょう。

次回12月17日に多治見でもう一度清水 亮太氏のコース料理を食べるのですが、次回は今回と比べてどれだけ良くなっているでしょう、41歳で新しいレストランをもう直ぐ始められますが、頑張っている方は応援したくなりますね、とても楽しみです。