・・・・・・・っということで、ロシアの戦勝パレードで思いの外たくさんの戦車が行進したとのこと。(パレードをさせればロシア軍が最強ですね。)
ウクライナに破壊され、時代遅れの戦車を投入しているとの話でしたが、さすが大国のロシア。
製造能力は高いと思い知らされました。
でも、戦車をたくさん作っても戦車兵の供給が追いつかなければ意味がないですよね。
一般的に戦車兵を一人前に教育するのに必要な時間はどれくらいなのでしょうか。
平時における戦車兵の訓練期間は:
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基礎訓練(一般兵士としての訓練):6〜10週間
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戦車専用訓練(配属先の戦車に応じた実技や戦術訓練):8〜20週
98日〜210日ですから3〜7ヶ月で幅がありますね。
ロシアのことですから、促成栽培で養成しているのでしょうが。
一方、ロシアの戦車製造能力はどれくらいでしょう。
Uralvagonzavod(ウラルワゴンザヴォート)社が主要製造元で、T-72, T-90, T-14の生産を担当しているそうです。
西側分析によると、2023年〜2024年現在の新造能力は月40〜50両程度(年500〜600両)になるそうです。
旧型の修理や再生品を含めてですので、新品を製造する能力は20〜30台/月が限界のようです。
こう調べていくと、大国である有利性を活かして、戦争が長引くほどロシアに有利という判断になります。
とはいえ、戦力は「数」だけで決まるものではありません。
戦車兵を消耗品と考えているロシアですから、練度は低いはずです。
戦車自体も経済制裁で、電子機器の製造が困難な状態のはずです。
電子戦脳力が低ければ、それを上回る西側戦車の格好の餌食となるだけです。
そういうこともあって、ロシアは現在、戦車を「捨て駒用」と「温存用」に明確に分類して使い分けているそうです。
さらに特筆すべきは、ロシア戦車の設計上の脆弱性です。
下部に砲弾の格納庫があるため被弾するとジャックポット現象が起き、戦車兵の生存率が極めて悪いのです。
ロシアの楽勝と思われた今回の戦争ここまで持ち堪えているのは、ウクライナのコサック魂と言えるでしょう。
ドローンを駆使して新しい戦術を編み出したり、ジャベリンをはじめとする対戦車兵器で次々とロシアの戦車を撃破し続けています。
近代戦において戦車はオールマイティーではないと証明したのです。
「戦車の時代の終焉」との説も出る始末。
しかし、ロシアは陸軍国であり、「戦車部隊による突破と制圧」が陸軍ドクトリンの主軸に変更はないのです。
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こう考えていくと、「時間は必ずしもロシアに味方しない」ことが解ります。
では、戦争の終わり方に興味が移っていきますが、長くなるので今回はここで止めておきます。












