『プロテクター』
1985年 香港・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジェームズ・グリッケンハウス
脚本 エドワード・タン
撮影 マーク・アーウィン
音楽 ケン・ソーン
出演 ジャッキー・チェン/ダニー・アイエロ/ソーン・エリス/ロイ・チャオ/サリー・イップ/ムーン・リー/キム・バス/ビル・ウォレス/リチャード・クラーク/ピーター・ヤン/ローナン・オケイシー/ロン・パラディ/パトリック・ジェームズ・クラーク/デビッド・ホー/ビクター・アーノルド
《解説》
危機また危機!こんなジャッキーだれも知らない!
「バトルクリーク・ブロー」から5年、ジャッキー・チェンが2度目のアメリカ進出に挑み、「ダーティハリー」ばりのタフガイ刑事を熱演したハードボイルド・アクション
監督は「エクスタミネーター」や「ザ・ソルジャー」のジェームズ・グリッケンハウス、ファッションデザイナーの誘拐事件をきっかけにNYの刑事がシンジケートを相手に香港とNYを又にかけて奔走する
《物語》
ニューヨーク市警サウスブロンクス管区、ビリー・ウォン刑事は香港からアメリカに移民して今日で10年目の記念日、そんな話しをしているとチンピラに荷物を強奪されたトラックを発見、テキサスからやって来た運転手にようこそニューヨークへと
次の日、相棒のマイケル・アレクサンダーと近くのバーで祝杯を挙げているとその店にギャングに襲撃され、撃ち合いの末にマイケルが射殺されてしまう
ギャングらを射殺したビリーは逃げた1人を追い掛けるもクルーザーで逃げられてしまう、ビリーは近くにあったモーターボートで追い、クルーザーに追突して爆発炎上、ビリーは間一髪警察のヘリコプターに救助された
事件を聞いた署長は数十万ドルの損害を出したビリーを現場から外してしまう、ガローニも暴力沙汰で現場を外されファンションショーの警備を2人に与えられた
ショーのデザイナーは実業家の娘でローラ・シャピーロ、華やかなショーが開催されたがそこに覆面をした武装グループが襲撃し、ローラが拉致されてしまった
司法省の話しでは香港の表向きは実業家で犯罪王のハロルド・コーの仕業ではないかと、ローラの父親とコーは麻薬取引に関与していてローラは香港に連れ去られた可能性が高い
香港に詳しいビリーとかつて駐在していたガローニが一任され、香港とニューヨークの2大シンジケートを一網打尽に出来ると2人は香港へと向かった
彼らを出迎えた香港警察のホワイトヘッド署長は不法入国者を見付ける事は困難だと、署長はこれまでコー逮捕に動いてきたが結果が出せないでいた
シャピーロの用心棒が数回電話を掛けていた風俗店に行くと、そこで命を狙われ乱闘の末にコーの手下に宣戦布告をしてその場を後にした
ビリーは引退したかつての大物リー・ヒンに会いに来ると彼は全てを知っていた、リー・ヒンはコーに恨みがあるが危険はごめんだと一旦は断るもコーの手下に襲撃され、協力をする事に
部屋に戻ったビリーとガローニはコーの殺し屋に狙われるも返り討ち、次の日にリー・ヒンに会いに行くと彼は無惨にも殺されていた
彼の娘スーリンに父親が信頼している男を紹介してもらい、ビリーとガローニはコーの造船所にある麻薬工場を急襲してローラを助け、麻薬工場を爆破するもガローニは撃たれて捕まってしまう
ビリーはローラとガローニを交換する条件でコーの元に向かい、そこでは買収されたホワイトヘッド署長がローラを連れ、そこで殺し屋ガルーチとの一騎打ちが余興として開始された
《感想》
少し前に本作がCSで放送されてたんです、久しぶりに観たら子供の頃に観た記憶と違ってるんです、あのシーンがないとか女性のヌードがやたら多かったり、アクションシーンも少ない
そこで調べてみると「エクスタミネーター」のジェームズ・グリッケンハウス監督が撮った本作が気に入らなかったジャッキー・チェンがワーナーに直訴してアジア圏で公開されるバージョンの監督と修正を了承させます
こうしてジェームズ・グリッケンハウス監督のインターナショナル版とジャッキー・チェン監督版のアジア公開版の2つのバージョンが存在するのです
ジャッキー・チェンは再び出演者を呼んで追加撮影を行い、主にアクションシーンを撮り直し、汚いセリフと女性のヌードのシーンをカットとなりました
「スパルタンX」のジャッキー・チェンが演じるのは香港からアメリカに移民してきたビリーで、ニューヨーク市警の刑事です、アメリカらしい銃撃戦がオープニングから開始されます
相棒のガローニを演じるのは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のダニー・アイエロで、主に銃に頼っている印象ですがチームワークの良い相棒です
香港の犯罪王のハロルド・コーを演じるのは「燃えよドラゴン」や「死亡遊戯」、そして「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」のロイ・チャオ
ビリーは香港で引退した大物リー・ヒンに会いに行きます、演じるのはピーター・ヤンで、その娘のスーリンを演じるのはムーン・リーで、華奢で可愛らしいです
インターナショナル版ではリー・ヒンは船を焼かれて見せしめのように晒されて殺されているんです、アジア公開版ではリー・ヒンが情報を得に友人ウィンに会いに行くとそこに殺し屋ガルーチが現れて2人を殺害
そのウィンを演じるのは「死亡の塔」のリー・ホンサンで、アジア公開版にしか登場しません、強いのですがガルーチにボコボコにされて殺されます
ガルーチを演じるのはビル・ウォレスで、足技が得意な格闘家で、インターナショナル版ではラストの一騎打ちもあっさりしてましたが、アジア公開版では派手になってます
インターナショナル版を観て違和感があったのは女性のヌードとラストの一騎打ちですね、久しぶりにアジア公開版を観たらコレコレ、これが観たかったと、アクションシーンはやっぱさすがです
そしてもう一つの違和感はサリー・イップ演じるサリーです、インターナショナル版には登場しないのでモヤモヤしてました、彼女がリー・ヒンを紹介するのです、彼女にも危険が迫るのです
ジャッキー・チェンはインターナショナル版が不満だったようですがアメリカ映画としたらまあまあの出来だと、アジア公開版はアクションシーンは素晴らしいものの英語と中国語が混合してなんか継ぎ接ぎの印象は否めないです
最新超大作ついに登場!前人未到のノンストップ・アクション! それが『プロテクター』です。
ジャッキー・チェンの作品の中でも評価は低い方だと思いますが、久しぶりに観たら何か面白かったね。
更に過激な続・裏237号室の『プロテクター』のレビューはこちらです。