痩せゆく男 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『痩せゆく男』

 

 

 

 

 

1995年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 トム・ホランド

 

原作 スティーブン・キング

 

脚本 マイケル・マクダウェル

 

撮影 キースウ・ファン・ウーストラム

 

音楽 ダニエル・リット

 

 

 

出演 ロバート・ジョン・バーク/ジョー・マンテーニャ/カリ・ウーラー/ルシンダ・ジェニー/マイケル・コンスタンティン/ジョン・ホートン/サム・フリード/ダニエル・フォーン・バーゲン/ベサニー・ジョイ・レンツ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

食べても食べても痩せていく呪い、スティーブン・キング原作の異色ホラー

 

人生で成功を収め、ダイエットに挫折した弁護士が、事故で轢き殺してしまったジプシーの呪いによってみるみる痩せていく恐怖を描いた、

 

人気ホラー作家スティーブン・キングの同名小説を映画化、人体の限界を超えた痩せ方、その行き着く先とは、究極の恐怖が待っている

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

135キロの巨漢の弁護士のビリー・ハリックは朝から妻のハイディから不味い特製ジュースを飲まされダイエットを強いられている、窓の外を見てみるとジプシーがこの町にやって来たようだ

 

 

今日はマフィアのジネリを無罪にする裁判で見事に勝利、ジネリには船上で食事の際に見返りを与えると約束され、その夜に裁判の勝利を祝って事務所でパーティが開かれた

 

 

大食漢のビリーはハイディが止めるほど食べて飲んだ、まるでスプーンで墓穴を掘るようなものだと揶揄されるがそれは愛しているから

 

その帰り道に酒に酔って運転するビリー、助手席のハイディも酔っていて彼の股間に手を伸ばした、快楽に酔いしれて更に股間に顔をうずめた

 

運転しながらも快楽で目を閉じてしまい、目の前をジプシーの老女スザナ・レムキが横切り、ブレーキが遅れて轢き殺してしまった

 

 

ビリーは身の保全を図るために旧知の仲の警察署長と判事に頼んだ、元々警察署長と判事はジプシーらを毛嫌いしており、ビリーの事故をもみ消した

 

その日に裁判所から出てきたビリーの前にジプシーの長老のタドゥツ・レムキが現れて頬を撫で、「痩せてゆく」と一言残して去って行った

 

 

翌朝にビリーが体重計に乗ると128キロ、ダイエットが成功したと喜んだビリーだったが、その後は食べても食べても体重は減り続けた

 

減り続ける体重に恐怖を感じたビリーはハイディに言われて医師のマイクに相談して検査を受けるも異常はなし、ビリーはがむしゃらに食べ続けた

 

 

判事に会いに行ったビリーは妻に夫はミネソタの病院だと、あの事故の後にジプシーの長老に触られて「トカゲ」と言われ、判事の肌はまるでトカゲのような鱗に覆われていた、判事の妻はジプシーの呪いだと

 

警察署長はずっと休んでおり、自宅に会いに行くと彼の全身は爛れていた、そしてジプシーの呪いを解くと言うビリーに署長は銃を渡して殺せと、断ると署長は銃で自殺した

 

 

ビリーは移動を続けるジプシーの行方を捜して彼らを追うが、しかしレムキは呪いを解かない、ビリーはジネリに頼んで復讐を開始するのだが

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

主人公のビリーを演じるのはロバート・ジョン・バークで、アカデミー賞に輝いたグレッグ・キャノンによる特殊メイクで135キロから55キロまで痩せていきます

 

 

途中までは特殊メイクで太っていたのですが途中からは役者のダイエットでメチャメチャ細くなります、それがまた鬼気迫る演技で恐ろしいです

 

 

ビリーは正義の弁護士ってわけじゃなくマフィアを無罪にしてしまう弁護士なんです、まあ優秀な弁護士なのでしょうね、弁護士事務所がパーティを開いてくれるんです

 

ビリーの妻ハイディを演じるのはルシンダ・ジェニーで、太っている夫が心配でダイエットをさせているんです、そのジュースが不味そうでね

 

 

パーティの帰りにビリーが運転してるのに助手席から手を伸ばして股間を愛撫するんです、そして顔を埋めて今度は口でするのですが、あまりの快楽で道を横断していた老婆を轢いてしまいます

 

 

それを警察署長と判事に協力を得て事故をもみ消してしまうんです、まあ権力者ってこういう事が人生で起こりうるものなのでしょうね

 

死んだのがジプシーの老女という事で、ジプシーを毛嫌いするこの3人なのでまんまとビリーは無罪放免となります、もちろんジプシーの長老タドゥツ・レムキは許さずこの3人に呪いを掛けます

 

 

タドゥツは106歳で死んだ老女は娘なんです、その孫のジーナが色っぽくてスカートを捲ってビリーを挑発するんです、演じるのはカリ・ウーラーでエロいです

 

 

それによってみるみる痩せていくビリーなのです、1万カロリー摂取しても痩せていきます、それで医師のマイクに相談するのですが、マイクはハイディに親身になる事でビリーは2人の関係を怪しみます

 

 

呪いに気付いた時にはビリーはもうガリガリでマフィアのジネリに助けを求めます、演じるのはジョー・マンテーニャで、借りを返すとジプシーを追って殺し合いとなります

 

 

監督は「チャイルド・プレイ」のトム・ホランドで、原作は「ショーシャンクの空に」のスティーブン・キングで、トム・ホランドは上手く料理しましたね、スティーブン・キングは薬局の店員で出演しています

 

 

 

 

 

 

ミイラになるまで止まらない! それが『瘦せゆく男』です。

 

 

 

 

ジプシーとは移動する民族の総称のようで、最近ではロマと呼んだりもするようです、ジプシーがそんな呪いなんかはなさのうですが、知らないが故にね。