ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

 

 

 

 

 

1984年 イタリア・アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 セルジオ・レオーネ

 

原作 ハリー・グレイ

 

撮影 トニーノ・デリ・コリ

 

音楽 エンニオ・モリコーネ

 

 

 

出演 ロバート・デ・ニーロ/ジェームズ・ウッズ/エリザベス・マクガヴァン/ラリー・ラップ/ジェームズ・ヘイデン/ウィリアム・フォーサイス/エイミー・ライダー/ダーラン・フリューゲル/リチャード・フォロンジー/トリート・ウィリアムズ/チューズデイ・ウェルド/ジョー・ペシ/リチャード・ブライト/バート・ヤング/ジェラルド・マーフィ/ダニー・アイエロ/ジェームズ・ルッソ/スコット・ティラー/ラスティ・ジェイコブズ/マイク・モネッティ/ブライアン・ブルーム/エイドリアン・カラン/ジュリー・コーエン/ジェニファー・コネリー

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

「モップス」、それは誰も語らなかった男たちの巨大な結社!

 

マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネの遺作となった作品、ハリー・グレイの自伝的小説を原作に、ニューヨークのユダヤ系ギャングたちの栄光と破滅を、少年期、青年期、老年期の3つの時代を行き来しながら描いた傑作ドラマ

 

セルジオ・レオーネ監督の長年の夢だったギャング映画を、禁酒法時代のアメリカを背景にノスタルジックに描いた彼の集大成大作、主人公のヌードルスをロバート・デ・ニーロ、マックスをジェームズ・ウッズが演じた、セルジオ・レオーネ作品には欠かせないエンニオ・モリコーネが音楽を担当

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1933年、禁酒法の時代、ニューヨークで酒類密売の3人のギャング、パッツィーとコックアイとマックスが警察に射殺された、ギャング組織は密告者のヌードルスを捜す

 

 

彼の部屋にやって来た情婦のイブを殺した後に違法酒場の支配人だったファット・モーを拷問してヌードルスがチャイニーズ劇場のチャン・ラオの店にいる事を聞き出した

 

 

そこはアヘンの巣窟でそこにギャングが捜索にくるがヌードルスは既に逃げており、ファットを見張っていた男を殺して駅のロッカーのカギを持ち出した

 

 

ロッカーの中から取り出したカバンの中には大金が入っているはずだったが中には新聞紙だけ、ヌードルスは片道の旅券を買ってニューヨークから旅立った

 

 

35年の月日が流れ、逃亡を続けていたヌードルスはニューヨークに戻って来た、ファットは昔と同じ場所でレストランを経営している、ヌードルスが戻った理由は何者かが送ったユダヤ人墓地の売却による改葬について知らせる手紙が届いたからだ

 

 

それは「覚悟しろ」の表れ、送ってきた者が誰か分からず、とりあえず戻って来たヌードルスはファットの店に泊る事に、カバンの金はファットが盗んだと思っていたがそうではないらしい、ヌードルスは35年間考えていた

 

 

1920年代、ファットの家はユダヤ人向けの繁盛するレストランだった、そのトイレの壁の穴からヌードルスはファットの妹で女優を目指すデボラがバレエを踊るのを覗いていた

 

 

ヌードルスらパッツィーとコックアイとドミニクは地元の不良グループでチンピラのバグジーの下請け仕事をしていたが、いつか自立する野望を持っている

 

 

ヌードルスは引っ越して来たマックスと一触即発となるが仲間となり、未成年の娼婦のペギーとセックスをする警察官を脅して悪事に目をつむってもらうよう脅す

 

 

ユダヤの祭りの日にレストランで留守番をしているデボラと惹かれ合いキスをするヌードルス、そこにマックスが儲け話に呼びに来た、そこにバグジーらが現れて勝手に商売を始めたヌードルスらを制裁

 

 

しかしヌードルスたちは警察に追われて海に捨てた密造酒の回収のアイデアをギャングのボスに売り込んで成功、駅のロッカーに稼ぎの半分を5人の共同資金として保管、カギはファットに託した

 

 

その直後にバグジーによって仲間のドミニクが射殺されヌードルスはバグジーを刺殺し、止めに入った警官も刺してヌードルスは逮捕されて刑務所に収監

 

 

6年後に出所したヌードルスを勢力を広げたマックスが出迎えた、表向きは葬儀社で裏は酒の密売で稼いでいた、ファットの店の裏で違法酒場と彼らの事務所がある

 

 

ヌードルスはそこでパッツィーやコックアイやペギーらに迎えられた、そして美しく成長したデボラとも再会する、マックスは大物マフィアのフランキーから仕事を請け負っており、ヌードルスはフランキーを警戒してマックスと衝突するがすぐに分かり合える親友だ

 

 

禁酒法を利用して犯罪に手を染めていくが時代は移り変わり、禁酒法は廃止の方向へと進んでいく、危機を感じたマックスは政治家からの裏仕事を請け負い、マックスは大きな計画をヌードルスに打ち明ける

 

一体、ヌードルスに手紙を寄こし、彼を呼び戻した人物は誰なのか?

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

アメリカの禁酒法時代のユダヤ系ギャングの壮大な物語です、いきなり女性イブが射殺されるシーンから始まり、次はファットが執拗な拷問を受けているシーンでギャングの残酷さを見せ付けてくれます

 

そのギャングから逃げているのは警察に密告したヌードルスで彼は友人のマックスを止める為に密告したのですが警察との銃撃戦となってしまったんです

 

このヌードルスを演じるのが「タクシードライバー」のロバート・デ・ニーロで不良少年からのし上がってきたギャングを迫力たっぷりに演じています、そのヌードルスはロッカーの中の金を持って逃げようと思ったのですが中身は新聞紙でニューヨークから消えるんです

 

 

それが35年も経ってヌードルスに墓地改葬の手紙が届いた事で再びニューヨークにやって来るんです、ヌードルスは偽名で暮らしていたので不振に思うんです

 

 

そこでまず過去の仲間で唯一生きているファットに会うんです、ファットはロッカーの大金をヌードルスが持って行ったと思っていたのですがヌードルスはファットが持って行ったと思っていたんです、お互いの生活を見て納得するんです

 

そこから少年時代が始まるのですけど、おいらはこの少年時代の話しが何だか好きなんです、ヌードルスは町の不良少年で仲間と一緒にいてチンピラのバグジーから仕事を請け負って店に火を点けたりするんです

 

 

そんなヌードルスはファットの妹で女優志望のデボラが気になる存在なんです、レストランのトイレから板を外してデボラがバレエの練習をしているのを覗くんです、デボラを演じるのがジェニファー・コネリーで美少女なんです

 

 

デボラはヌードルスが覗いている事を知っていてわざと裸になって着替えたりするんです、女の子ってこんな幼くても男を挑発するんですね、しかしデボラもヌードルスに惹かれているんです

 

 

そんな頃にヌードルスはマックスと出会うんです、最初は険悪なムードなのですが次第に仲良くなって仲間となるんです、こうしてグループは5人となって悪事に手を染めていきます

 

好きなシーンでケーキ一個でヤラせてくれる女ペギーにコックアイがケーキを買ってペギーを呼び出すのですがペギーは入浴中で外で待っている間にコックアイはケーキの生クリームを舐めるのですが結局全部食べてしまってペギーが来た頃には何も無しなんです(笑)

 

 

その後にギャングと取引きに成功したヌードルスたちはバグジーに狙われてドミニクが殺されてヌードルスはバグジーを刺殺して刑務所に入ります、6年後に出所した時にマックスが出迎えるんです

 

マックスを演じるのが「ヴィデオドローム」のジェームズ・ウッズでヌードルスとの友情を大切にしているのですが、筋の通らない事が気に入らないヌードルスと衝突するんです、マックスはヌードルスのやり方は古いとね

 

 

マックスはジョー・ペシ演じるフランキーの仕事を請け負っているのですが、「ロッキー」シリーズのバート・ヤング演じるジョーの仕事をするのですが、仕事後にフランキーはジョーの殺害も依頼していてマシンガンで車ごと射殺する非道で簡単に裏切る男なんです

 

 

それでもヌードルスは大人になったデボラと再会するんです、演じるのはエリザベス・マクガヴァンでデボラがハリウッドに行く前の夜に食事をしてヌードルスは勢い余って彼女を暴行をしてしまうんです、それっきり別れてしまうんです

 

 

しかし35年後にヌードルスは自分に手紙を送ってきた相手を探るうちにデボラと再会するんです、ここでデボラは女優として舞台に立っているんですけど、控え室で裏から帰ってと言われるのですが前から出た事で衝撃の事実が発覚するんです

 

 

知らなければよかった事なんですけど、それはあまりに切ない事でその後に招かれたパーティで更に衝撃的な事実を知ってヌードルスは後にするのです

 

監督は「荒野の用心棒」のセルジオ・レオーネで結果的に遺作となってしまいました、レオーネ監督はアメリカでは酷評され、それは製作会社が分かりやすくするために時系列を整理して上映時間を大幅カット、しかし日本やヨーロッパではオリジナル版が公開されて高い評価を得ています

 

落胆したレオーネ監督は自身の編集で3時間49分の完全版を作って再びアメリカで公開してギャング映画の傑作と言われてレオーネ監督の評価が高まりました

 

 

レオーネ監督の死後に、完全版に更に40分のシーンを追加したレストア版が2012年のカンヌ国際映画祭で公開され、2014年には更に22分のシーンが追加された「エクステンデッド版」が公開されました、今回はそれを観てレビューしました、さすがに長かったです(笑)

 

 

 

 

 

愛と野望が渦巻くアメリカ・影の時代、非情の掟に結ばれて男たちは心までも血に染めて生きた それが『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』です。

 

 

 

 

 

凄くじっくりと丁寧に描いています、この先にもっと長いバージョンが誕生するかもね、でも追加されたシーンは色が完全ではなかったですね