ロッキー | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ロッキー』

 

 

 

 

 

1976年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 ジョン・G・アビルドセン

 

脚本 シルベスター・スタローン

 

撮影 ジェームズ・クレイブ

 

音楽 ビル・コンティ

 

 

 

出演 シルベスター・スタローン/バージェス・メレディス/ジョー・スピネル/タリア・シャイア/バート・ヤング/カール・ウェザース/セイヤー・デビッド/トニー・バートン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

15ラウンドを闘いぬくことに、ロッキーは永遠の愛をかけた…

 

それまで無名の俳優だったシルベスター・スタローンが自らシナリオを書き、主演した低予算ボクシング映画、しかし公開されるや世界的大ヒットとなり、76年度のアカデミー賞では3部門を受賞

 

青年ロッキーはフィラデルフィアのスラム街に暮らす4回戦ボクサー、世界チャンピオンのアポロがロッキーを対戦相手に指名してきた…、無名だったスタローンは主人公さながらにアメリカン・ドリームを成し遂げ、この一作で大スターとなった

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1975年・フィラデルフィア、ボクサーのロッキー・バルボアはボクシングだけでは生活ができず借金取りの取立人をしながら日銭を稼ぐヤクザな日々を送っていた

 

 

所属するジムのトレーナーのミッキーには素質はあるものの努力をしない事から愛想を尽かされてジムを追い出されてしまう、そんな自堕落な生活を送るロッキーだが近所のペットショップで働くエイドリアンに恋心を抱いている

 

 

精肉工場で働く親友のポーリーの妹で、毎日ペットショップへ足を運んではジョークを言うものの内気で人見知りなエイドリアンとは打ち解けないでいるが、ロッキーとエイドリアンは不器用ながらお互いに必要な存在となっていく

 

 

そんなある日、建国200年祭のイベントの一環として開催される世界ヘビー級タイトルマッチで世界ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードの対戦相手が負傷し、プロモーターらは代役探しに奔走

 

そこでアポロが全く無名な選手と闘うというアイデアを出す、アメリカンドリームを体現させて世間の話題を集めようと考えた、そしてアポロは“イタリアの種馬”という肩書きを持つロッキーを指名

 

 

プロモーターに呼び出されたロッキーは話しを聞いて、両者の実力の差が歴然としている事から断るが、何とか試合を開催したいプロモーターは強引にロッキーを説得して試合を決定する

 

ジムのミッキーが自身の豊富な経験からマネージャーを希望するが、ロッキーはジムを追い出された事を罵るがロッキーはミッキーにマネージャーを頼んだ

 

 

ロッキーはミッキーの指導の下でそれまで経験した事のない過酷なトレーニングをし、アポロは試合をビジネスと捉えてスポンサーや宣伝に余念がない

 

 

そして試合当日、無名のボクサーと世界チャンピオンが対戦、余裕のアポロに防戦一方のロッキーだったが油断したアポロにロッキーのパンチがヒットしてアポロが初のダウン

 

 

そこからアポロの顔から笑みが消えて試合は真剣勝負となり、ロッキーの予想外の善戦に場内は大盛り上がり、最終ラウンドを迎えて場内はロッキーコールが起こる

 

ロッキーは猛ラッシュを仕掛けてアポロを追い詰め、ダウン寸前のアポロはゴングに救われた、試合は判定となりロッキーはマイクを向けられるがエイドリアンの名を何度も叫び、リングへと招き入れて抱き合った

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

当時は小学生だったおいらですが学校でも話題となっていたのを覚えています、それにこのアメリカン・ドリームな内容もそうですけど、ビル・コンティの音楽が強烈に印象に残ってます

 

たまにボクシング映画ってハリウッドで作られますけどそこまで観た印象はないんです、このロッキーはボクシング映画に革命を起こしたと思うほどスポコン物の代表格ではないでしょうか

 

当時28歳のシルベスター・スタローンはオーディションに50回以上落ちていてポルノ映画や用心棒などをして生活費を稼いでいました、妻が妊娠して飼っている犬のエサ代にも困る日々

 

 

そんな時にボクシングヘビー級タイトルマッチが行われ、世界チャンピオンのモハメド・アリに対して無名のチャック・ウェポナーが果敢に闘う姿に感銘を受けて、それに自分を重ねたスタローンは三日間で脚本を書き続けたんです

 

脚本が完成して映画会社に売り込むとプロデューサーがその脚本を1000万円~4000万円で買うと言うも、スタローンは自分が主演で撮る事を条件だと伝えてスタローンで撮る事になりました

 

もちろん予算はハリウッド大作映画の100分の1の予算でセットもなし、メイクもおらずタリア・シャイアも自分でメイクをしたそうで、ロッキーのジャージもスタローンの自前

 

 

でもステディカムカメラを本格的に導入した初期の有名作品としても知られ、ロッキーがロードワークをして果物屋の店主がロッキーにオレンジを投げ渡すシーンは、この店主が映画の撮影ではなく実際のボクサーだと勘違いして起こったハプニングだったそう

 

公開当初は無名俳優の書いた脚本をB級映画の監督が撮るという事だったが蓋を開けてみれば映画は観客の心を掴み大ヒットとなり、アカデミー賞作品賞を獲得

 

 

本作のたった1本でシルベスター・スタローンは一夜にして無名俳優から一躍スターダムに上り詰め、まるで映画のロッキーさながらに栄光を掴んだ

 

続編が作られていますが本作はシルベスター・スタローンの代表作で誰もが知る作品、久しぶりに観たら色々と発見があったのも面白かったです、そう言えば生卵を食べるのはロッキーと日本人だけとかね(笑)

 

 

ロッキーの恋人のエイドリアンを演じるのは「ゴッドファーザー」のタリア・シャイアで最初はちょっと不思議な女性って感じでしたがラスト近くにはロッキーを見守る強い視線を持つ女性となっていました

 

 

対戦相手のアポロを演じるのがカール・ウェザース、アポロは自分の知名度を上げる為に仕組んだ試合でロッキーを舐めていたのですがパンチ1発食らって目を覚まして真剣勝負となります

 

 

本当にこの作品で知った俳優ばかりで如何にも無名の人たちで作り上げた執念の作品だったんだなと今になって思います、それほど今観ても胸が熱くなりましたね、続編の「ロッキー2」も燃えます

 

 

 

 

 

世界中を興奮と感動で包んだ、記念すべき第1作! それが『ロッキー』です。

 

 

 

 

 

当時は日本ではヘビー級の試合なんてなかったのでロッキーで知りました、でもヘビー級であれだけ殴り合うなんて普通はありませんけどね(笑)