ジャスティン・リン監督、ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、ジョン・シナ、トゥエ・アーステッド・ラスムッセン、シャーリーズ・セロン、タイリース・ギブソン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ナタリー・エマニュエル、サン・カン、ジョーダナ・ブリュースター、ヴィニー・ベネット、フィン・コール、アンナ・サワイ、ルーカス・ブラック、マイケル・ルーカー、カート・ラッセル、ヘレン・ミレンほか出演の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』。

 

サイファー(シャーリーズ・セロン)との戦いから5年後。ドム(ヴィン・ディーゼル)はエレナの忘れ形見・ブライアンを育てながら恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)と平穏な毎日を送っていたが、身柄を確保したサイファーを移送中だったミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)の乗った飛行機が墜落、ノーバディが行方不明となる。飛行機には世界中のコンピューターを制御できる装置「アリエス」が積み込まれていた。ドムたち“ファミリー”はアリエスを回収したものの、某国国家元首の息子オットー(トゥエ・アーステッド・ラスムッセン)と組むジェイコブ(ジョン・シナ)によって奪われる。ジェイコブはドムの弟だった。

 

IMAXレーザー2D字幕版を鑑賞。

 

2001年から続く「ワイルド・スピード」シリーズの第9弾(スピンオフ作品『スーパーコンボ』を除く)。

 

17年公開の『ICE BREAK』の続篇。

 

13年公開の6作目『EURO MISSION』以来となるジャスティン・リン監督復帰作。

 

どうやらこのシリーズはあと2作で完結するようで、いずれもジャスティン・リンが監督する模様(※追記:2023年公開の続篇『ファイヤーブースト』はルイ・レテリエが監督)。

 

前作の感想ではいろいろ文句つけて「近いうちに離脱」みたいなことも書いたけど、終わりが決まってるなら最後までお付き合いしますよ(^o^)

 

“ファミリー”の一員だったルーク・ホブス役のドウェイン・ジョンソンが、どうやら主演のヴィン・ディーゼルと折り合いが悪いようで本作品に彼は出てこないし、あとの2作にも出演する気がないことを本人が語っていたりするので、それが事実ならとても残念。

 

 

 

劇中では仲が悪い設定のデッカード・ショウ役のジェイソン・ステイサムとはスピンオフで共演していて、その続篇の企画もあるようなんですが。

 

今回、ドウェイン・ジョンソンと入れ違いのようにしてジョン・シナが新たに参入していて、なかなかWWEみ溢れてますが(笑)、シナの出演は最初から考えられていたのか、それともジョンソンの離脱が決まってからホブスの代わりにジェイコブが登場することになったのか、どちらなんでしょうね。

 

 

 

 

ドウェイン・ジョンソンはディズニー映画『ジャングル・クルーズ』が公開中だから、こちらにも出てたらロック様祭りだったのに、それはかなわず。その代わりジョン・シナは『ザ・スーサイド・スクワッド』にも“便座マスク”役で出てるので、今年の夏はジョン・シナ祭りか。

 

 

 

『ジェットブレイク』の彼は悪役だけど、これまでのこのシリーズの流れを知ってれば、ねw

 

ジャッキー・チェンの『ポリス・ストーリー』みたいに乗り物の屋根から屋根へ飛び移ったり、頭で看板をぶち破ったり、クライマックスのカーアクションも、ここ最近目立ってたような暗くてよく見えないのじゃなくて白昼に青空の下でやってくれるのがよかった。

 

 

 

ガタイのいいアニキたちがしばき合ってる姿は清々しい♪

 

 

 

 

レティのバイクスタントも、危険な走りはスタントウーマンが担当しているんだろうけど、映像を凝視しててもしっかりミシェル・ロドリゲスの顔なので、VFXも頑張っている。

 

さて、もはやネタバレがどうこう言うような作品でもないですが、一応いろいろと内容について触れますので、これからご覧になるかたはご注意ください。

 

 

過去作で殺されたはずのサン・カン演じるハンが再登場する、ということは公開前から言われていて、前作の感想で「これでもしもハンが生きてたりしたら、ほんとにただの茶番」みたいなこと書いたのがそのまんま実現しちゃったことになるんですが、スピンオフの『スーパーコンボ』でも悪役が特殊な技術によって「死んだのに蘇生した」という設定だったので、あぁ、その技術を使ってハンを復活させるんだな、と思っていたんですよね。

 

ハンが食べてるのは“亀田の柿の種”

 

そしたら、生きていた理由はハッキリ説明されずに「なんで生きてるんだ?」という台詞だけで処理されていた^_^; ローマン(タイリース・ギブソン)も装甲車の下敷きになっても死なないし。

 

ローマンは今やこのシリーズのお笑い担当で、彼と相棒のテズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)とのやりとりは毎度和ませてくれるんだけど(今回もラムジーとテズに強力な磁石で遊ばれてるし)、ローマンがテズにぶつける「戦車や潜水艦まで相手にして戦いながら、なんでこれまで俺たちは無事だったのか」「無敵なんじゃないか」という疑問はちょっとこのシリーズに対するメタなツッコミっぽくて面白かった。

 

ドムの弟の存在を知らされて「初耳なんだが」と戸惑ってみせたり、それは観客全員の台詞を代弁しているwww

 

 

 

そして、以前、感想の中で書いた「そのうちドムたちは宇宙に行くと思う」という予想が的中。行ったのはドムではなかったけれど、ロケットエンジン積んだ車で宇宙まで行ったうえに人工衛星に体当たりしても死ななかったあの二人は確かに“無敵”だなw

 

 

 

 

車、どんだけ頑丈なんだよ、とか、大昔の潜水服着て、服に穴が空いててもハリウッド映画では最強の強度を誇る銀色のダクトテープで穴を塞いだらオッケーとか、デタラメもここまでくればアッパレかも。

 

死んだはずのレティやハンがしれっと生還したり、悪役だったはずのキャラクターがなぜか仲間になっちゃったり(彼らとの戦いで何人もの犠牲者が出てるんだが)、このシリーズのストーリーはほんとにいきあたりばったりで、それらはアクションとアクションを繋ぐための方便に過ぎないので真面目に論じるようなものではないのはわかってるんだけど、それでも登場人物たちの「生死」の扱いがあまりに適当過ぎることをこれまで批判してきました。

 

今回は、その辺のイイカゲンさを自らおちょくってるようにも思えて、呆れながらももうまともに反応するのがバカバカしくなってきちゃって^_^;

 

もしかしたら、ドムをはじめ“ファミリー”のメンバーたちは全員「不死身の超人」なのではないか?w

 

そのうちジュラシック・ワールド(本篇上映前に来年公開予定の最新作の予告篇をやってました)の恐竜あたりと戦うんじゃなかろうか。

 

「生死」ということでは、長らく相棒だったブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)から名前をもらった息子“リトルB”の母親で前作で殺されてしまったエレナ(エルサ・パタキー)のことにきちんと言及したり、やはり過去作で殺されたハンの恋人ジゼル(ガル・ガドット)の回想シーンが流れて、彼女を殺したオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンス)の兄デッカードとの因縁に決着をつけようとするような描写がエンドクレジット後に流れたりと、シリーズを観続けてきた観客が納得いかなかった部分をフォローしようとしているのがうかがえて、今後、どんな反則技を使ってつじつまを合わせるのか、そこんところはちょっと見ものではありますね。

 

カート・ラッセル演じるミスター・ノーバディが最後まで行方も生死も不明なままなのも気になるし、もしかしたら彼は敵と通じてるんじゃないか、とかあれこれ今後の展開を予想するのが楽しい。今回の敵オットーの父親で某国国家元首という人物の正体も当然続篇で明らかになるんだろうし、シャーリーズ・セロン演じるサイファーも思ってた通り倒されなかったので、また続篇2作に絡んでくるだろう。

 

 

 

20年以上に渡って作り続けられてきて、先のことを考えずにお話を繋げてきたこのシリーズもあと2作で終わるんだと思えば寂しくもある。迫力ある映像を楽しみながらも、こんなにツッコみがいのあるアクション・シリーズもそうそうないもんね。

 

 

車がターザン状態

 

個人的なポイントとして、ラムジー役のナタリー・エマニュエルが今回は髪型が三つ編みになってて(ラストのバーベキュー場面では以前の髪型に戻ってたが)おまけに眼鏡っ娘で、すっごく可愛かった。この作品でのラムジーは無免許にもかかわらず車を爆走させながら電磁石を駆使して活躍する。他の車を破壊しまくって「ソーリー」とか言いながら(^o^)

 

 

 

 

ラムジーは前々作『SKY MISSION』で初登場したキャラだけど、1作ごとに活躍の場が増えていってて今では主要メンバーのひとり。武闘派のレティとは異なるキャラクターがいいですね。

 

ハンが初登場した『TOKYO DRIFT』の主人公だったショーン(ルーカス・ブラック)が『SKY MISSION』のカメオ出演に続いて再登場。ハンと再会する。

 

 

 

ヴィン・ディーゼルが主役ではなく(ちょっとだけカメオ出演)ポール・ウォーカーも出てこない3作目『TOKYO DRIFT』はシリーズ中でもっとも当たらなかったそうだけど、監督のジャスティン・リンにはだからこそ思い入れがあるんでしょうね。

 

この『ジェットブレイク』でハンを復活させて、次回作ではデッカードにジゼルの件でしっかり落とし前をつけさせるんでしょうか。

 

1対1の格闘ではハンはとてもデッカードにかなわないと思うんですが。

 

ハンとデッカードが和解するには、実はジゼルも生きていた!ってオチにでもしないと収まらないのでは。超人だったら彼女の復活もあり得るよな。

 

だけど、ガル・ガドットは「ワンダーウーマン」の新作で忙しいのかな?w

 

あるいは、実はハンとデッカードは示し合わせてハンの死を偽装していた、というオチも考えられなくはないけど、それじゃ『SKY MISSION』でデッカードがドムたちと戦ったことが丸々無意味になっちゃうし、ジゼルの死はどうなるんだって話で、いずれにせよ無理がある謎解きにならざるを得ないでしょう。そもそも悪役だったデッカードが善玉にキャラ変したこと自体、無理があり過ぎるんだから。

 

ドムの妹ミア役のジョーダナ・ブリュースターが『SKY MISSION』以来6年ぶりに出演しているけど、ブライアン役のポール・ウォーカーが亡くなって彼がシリーズに出てこなくなってからは出番はないだろうと思っていたから、ミアの再登場は意外でした。

 

東京ではラーメンとホッピーを直で召し上がるレティ姐さん

 

初登場のエル(アンナ・サワイ)は果たして次回作も続投するんだろうか

 

まぁ、今回兄弟のジェイコブが悪役として初登場するんで妹の彼女が出てくるのはおかしくはないんだけど、夫のブライアンは姿を見せずに彼女だけファミリーに再び合流するのは変だよね。

 

だって、前作では「ブライアンとミアは巻き込めない」とか言ってたのに。

 

子どもを守るためにブライアンはとどまった、と説明されるけど、いや、妻を直接戦いに赴かせるのはさらに危険でしょ(;^_^A

 

おなじみだったキャラクターが再登場するのは嬉しいし、もうなんでもあり、みたいになってるから別に文句はないんですが、でもブライアンは今回姿を見せずに最後に彼が乗る車がやってきて、というところまで見せていたけど、あと2作、ブライアンを登場させずにどうやって彼とミアの夫婦を描くんだろう。どんなアクロバティックな表現をするのか注目したい。

 

そういえば、“リトル・ノーバディ”役のイーストウッドの息子(スコット・イーストウッド)は出てこなかったな。前作1回きりの出演?次回作にはまたカート・ラッセルとともに再登場してほしい。

 

ドウェイン・ジョンソンとヴィン・ディーゼルの不仲も実は仕込みで、最終作でホブスが再登場、みたいなサプライズがあったら喝采モノなんだがなぁ~。

 

レーサーだったドムの父親のメカニック担当をマイケル・ルーカーが演じていたけど、どーでもいいんですが、最近、たまにマイケル・ルーカーとウディ・ハレルソンの区別がつかなくなる時があって^_^; 二人とも顔が似てるわけじゃないんだけど、どっちがどの映画に出てたのかわかんなくなったりして困る。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで青いおじさんを演じてたのはマイケル・ルーカーでヴェノム」の新作で赤い奴を演じてるのはウディ・ハレルソン、といちいち確認しとかないと間違えそうになる。

 

これだけシリーズが続いてると、誰と誰は知り合いで、誰と誰は今回が初対面、とかわからなくなってくる。

 

ドムには世界中に友人や仲間がいて、各地でみんなが彼を助けてくれるんだけど、それが過去に登場したキャラなのか、それとも今回初めて出てきた人なのかももはやわかんない。

 

1989年の若き日のドムを演じるヴィニー・ベネットはヴィン・ディーゼルには似ていないけれど、不敵な目許や顔つきがちょっと若い頃のベニチオ・デル・トロっぽくてよかった。今後のさらなる躍進に期待。

 

 

 

このシリーズでは毎回必ず最低1回はドラッグレース・シーンがあるんだけど、今回はそれがヴィニー・ベネットが出演する89年の過去の場面で行なわれるのが新鮮だった。

 

先日観た『イン・ザ・ハイツ』もそうだったように、このシリーズでは主要登場人物を白人以外の人々が占めていて(ヴィン・ディーゼルもイタリア系とともに黒人の血も受け継いでいる)、それはハリウッドのアクション大作シリーズでは珍しいことだし、世界中で人気があるのもそれが理由の一つじゃないかと思います。

 

そういう貴重なシリーズがあと何年かで終わってしまうのは残念だけど、まぁ、スピンオフとかこれからも関連作品は作られていきそうだよなぁ。稼げるコンテンツなんだから。

 

この『ジェットブレイク』がシリーズの中で特別面白かったとは思いませんが、でもIMAXで観たおかげもあるだろうけど、145分あってもいつもほど長さを感じなかったし、完結までのカウントダウンが始まっていると思うと今まで以上に愛着も湧いてこようというもの。

 

もう観るのやめようかな、とか言ってたくせに勝手なもんですが^_^;

 

最終作の公開は2024年の予定だそうですが、あと3年で2本作るの?マトリックスみたいだな(^o^)

 

 

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