『ファイナンスの数学的基礎-離散モデル』

こういう本を読んでいると、数理の方が面白くなって、ほかのことはバカバカしくてやってられなくなる。

1950年代に始まった数理ファイナンスの流れ(一時期、金融工学という名称が一般書にも頻出したことがあったがそのおおもと)のうちで「市場の均衡理論」を核とする離散モデルの入門書で不確実性を真っ向から相手にしていくモデル。入門書と言っても線形代数のベクトル空間のオンパレードだからサクサクというわけにはいかないが、スルメを噛みしめるように読み進めていると「チャートの限界ってのは、こういうことだったのか」とか、数式を通して身にしみて理解できたりする(金融工学というバズがひっぱったのは、どっちかというと、確率微分方程式を核とする時間連続モデル寄りだが、離散モデルは時間連続モデルのガイドマップにもなるのでお得感は十分である)。目次は以下。


第1章 平均‐分散分析
第2章 証券市場の無裁定条件
第3章 個人投資家の最適行動
第4章 証券市場の均衡
第5章 有限多期間モデル
第6章 有限多期間の証券市場均衡
第7章 例題:2項過程による証券市場モデル
第8章 動的計画法による証券価格評価と最適戦略の決定
第9章 無限多期間における証券市場


2章の「無裁定条件」の「裁定」は、arbitrage。財務でこう訳すそうだが、身近には要するに利益確定売りして「利ざや」を稼ぐこと。裁定ありの場合は、自己資金ゼロ(空売りなど)でも、巨額の富を築くことができる。純モデル的には。そしてこの本は静かにこう続けている。「多人数の交換経済でarbitrageが存在すれば、それに対する需要が急増し、その結果価格体系が変化し裁定は解消されるであろう」。つまり市場はいずれ均衡点に達する。


IPOが一種異様な市場であることをarbitrageを使って示すことができるかも知れない(事実上参入制限のある擬似的市場を市場というのだろうか? ブッキングは競りに近いのではあるが)。

経済は倫理を織り込んでいる。市場原理、見えざる手は、と言うか。

盛者必衰の理によって世の中は「巡っている」はず、なのだ。

「巡り」が悪くなれば、全体が死に体になる。


アメリカンスタンダードと市場原理、市場原理と市場原理主義を混同してはならないだろう。


津野 義道
ファイナンスの数学的基礎―離散モデル

私たちが乗り合わせたこの星を一艘の宇宙船に見立て、宇宙船地球号と名付けた建築家がいます。
いつ遭難するとも知れぬ暗黒の空間を航行する地球号には、一等室も二等室も三等室もありません。
あったとしても、自由に行き来ができます。
地球号は今、タイタニック号に近づいています。一等室が約575万円、三等室は約2万円だったとか。↓

TITANIC
ポーラ パリージ, Paula Parisi, 鈴木 玲子
タイタニック―ジェームズ・キャメロンの世界

前世紀階級社会の縮図でもあったとされる船の名は、ゼウスに滅ぼされる前の自然力の象徴でもある、ギリシア神話のタイタンにちなむと言います。

宇宙船日本号もタイタニックになろうとしています。同じ船に乗り合わせた、乗組員の一人として、船一艘を丸ごと無事に航行させるための知恵を求め、
タイタニック時間深夜11時40分を賢明に回避すべく、
微力ながら、力を尽くしたいと思います。


平成十八年丙歳 正月吉日

リック アーチボルド, ダナ マッコリー, Rick Archbold, Dana McCauley, 梶浦 さとり

タイタニックの最後の晩餐―豪華航路のディナーとレシピ

ジェームズ キャメロン, ランダル フレイクス, James Cameron, Randall Frakes, 品川 四郎

タイタニック シナリオ写真集

メアリー・ポープ オズボーン, Mary Pope Osborne, 食野 雅子

マジック・ツリーハウス〈9〉タイタニック号の悲劇

1999年以降、増加の一途をたどり、今では証券口座の開設数としても無視できないものになってきたとされる個人投資者の多くがインターネットを使ったシステム投資の利用者だという。


米国では小学生から教えられるという株式、証券投資を、このネットトレーディングに注目して教科「情報」を教える題材にしてはどうかという話があるらしい。


確かに、インターネットを使って企業情報を集め、株価の動向を知るツールを駆使して、売買するまでのプロセスをひととおり教えれば、教科「情報」A・B・Cのすべてを満遍なく網羅することはできそうな気がする。


すでにゲーム(シミュレーション)のレベルで数年前に実際に高校生が投資の成果を競うコンクールも、証券会社の主催で行われたとも聞く。


しかし問題はコンピュータやインターネット以前に、「証券投資」とは何であるかをどう教えるのかということだろう。教科「情報」は高校で教えられているものだが、ちょっと聡い子どもであれば、小学生レベルから、インターネット、ウェブ上で無料で使える様々なツールやウェブページを使って、投資の概要は教えることができそうでもある。


で、なんのためにこんなことするの? という質問にどう答えるかが問われるはずなのだ。

「功罪」というのは大げさかもしれないが、この質問にどんな投資手法を選択して答えるかは、やはり大きな問題になるだろうと思う。


高校生を上限として株式投資がなんであるかを語ろうとするときに、短期売買から話を始める者は、やはりいないのではないだろうか。


しかし、いまインターネットを中心にして大人の間で話題になっているのは短期売買が主流であるという印象を与える。これは「株式を取得し長期に保有する」ことの意味よりも、あきらかに売りによる利益の獲得に主眼があるわけで、子どもに教える主題としてはあまり適さないだろう。という以上に、「安く買って高く売る」という以外に何もないのだということに、むしろ教える側が気づいて唖然としてしまうくらいのものではないか。

(ここで「逆張り」などとテクニカルなことを持ち出してもしようがないのである。まだ幼い教え子らから笑いをとるのが落ちであろう)。


そうなると、高校の教科「情報」においても、なぜインターネットで株式投資か、という説明が成り立たなくなる。証券投資の基本が、ある企業の株式を長期保有することの意味から説き起こされるものであるとすれば、そこでインターネットを使う必然性は小さなものになってしまうだろうからだ。


金融商品に関する知識の一つとして株式投資を伝えるのであれば、教科「情報」である必要は全くなくなる。


身も蓋もない取りあえずの結論である。

貯蓄や資産形成という論題に、インターネットやウェブや、ツールとしてのPCが必要不可欠のものとして登場する必然性は一つもなかった。むしろ「金利政策」など、ツール以前の問題が大きく横たわっていることを、思い知らされることになる。


手段と目的の自己撞着の問題、二つの分節化の問題、ハイパーリンクし過ぎることの問題が、期せずして浮上することになった。

灯台下暗し。名前は知っていたが、このブログのジャンル1位が、うり坊氏のうり坊のリアルタイムトレード&生活日記だポン☆      … だったことに、年明けの今日になって初めて気づいた。

安心して見ていられる。

理由は、本人が学生時代にパチスロで稼いでいたこと、短期売買はその延長線上にあることをきちんと述べていること。その上で、「仕事」というものへの考え方をしっかり披瀝してくれているからだ。


こいつあ春から縁起がいいやの勢いで書いているので、新興市場への向き方など、この間考えさせられたことは、松が取れたころにでも、もう一度整理することにする。


うり坊氏にはギャンブラーというか、勝負師の素質があると思われるが、勝負師の勝負師たるゆえんは、勝ちの大小ではない。決して「負けない」のが勝負師であって、負けないために、その天才と精魂を注ぎ込むことのできる精神力の強さが、勝負師を勝負師たらしめる。それは言ってしまえば「陽気」である。


そういう春を感じさせる。


別にアメブロのランキングを云々する気はないが、2位のブログ(のコメント)は荒れているようだ。

まったく空気が違う。

うり坊氏のブログのコメントにも様々なものが付くようだが、本人ははっきり言っている。

「場中に書き込みする銘柄は僕が買っている銘柄であり、買った銘柄は売りとしてぶつけるので買うことは勧めません。」

これは勝負師の発言である。横からあれこれ言っても詮ないことだが、銘柄推奨ブログではないことを、うり坊氏の気質が思わず言わせた発言として気持ちがよい。


やはり、投資は人である。

ひょっとすると良い一年になるかもしれない。

あらためて年が明けるのはめでたいと思う。明けましておめでとうごさいます。


うり坊
うり坊の1億円ためるぞ計画!
うり坊の一億円ためるぞ計画!


三村 雄太
平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます!
谷本 達也
普通のサラリーマンでも絶対勝てる! 1日3万円稼ぐデイトレ実況中継


追記:あらためてエントリを読み返してみたら、うり坊氏のところも一つのエントリに80近くのコメントが付き、まあ穏やかではない様子。コメントは巨大掲示板に近い様相を呈することがあって、はっきり言ってまともな議論にはなりえない。せいぜいが一対一程度の往復書簡といった「定員」内でなければ、収拾などつくものではない。そういう場で、「社会貢献」論などは100年早い。いや、うり坊氏にとって、だけではなく、コメントされている人すべてにとって。
うり坊氏も「社会貢献」論など下手に気にせず、ひとまずは勝負師であることに自ら毅然としていればよいのではないかと思う。唯一同意できた書き込みは「言葉を選ぶ必要がある」というアドバイスだけ。
付け加えれば、本人が好きで始めたことが、結果的に社会への貢献にもなることがあるのであって、社会貢献するために仕事をするなどありえない。それが人が仕事をすることのモチベーションとされるのは、実におかしな話になる。「好き」が何より。それを否定することは誰にもできない。それでなくとも、20代の青年が、「社会のために」などと言うとしたら、それこそどこかの半島にある国と同じになってしまう。そういう言挙げをせずとも、人というのは結果的に最大多数の最大幸福を実現できるはずだという相互への信頼の情以外には、社会を構成しうる自然的な原理は、いまのところ存在していない。

追記の追記*ということで、このエントリについてコメントしたのだが、投稿が拒否されました。 」

の表示。てことは、あのときのコメントの主がうり坊氏だった? それとも疲れてコメント拒否設定にされているのか。気持ちは分かるような気がする。しかし気がかりでもあり、残念でもあり。

【少々古いエントリですが、市場についての記念すべきエントリ及びコメントとして、投稿します。】


山口氏のブログを久々に訪れてみた。みずほ証券の「誤発注」問題に言及されていればと思ったが、さすがにそれはなかった。しかし、代わりに「金もうけ主義は経済至上主義ではない」というエントリがあった。

耐震強度偽装問題に触れたものだが、これは「投資」と「投機speculation」の違いにも通じるように思う。結論から言えば、「投機」は経済至上主義によっては行われえないことになる。

「投資」は経済至上主義によって行われることがある、そう言えるだろう。お断りしておくが、「投機性」は「投資」にもついてまわる。「投機性」とは、射幸心にも近いが微妙に異なる。曰く言い難い。ケインズに言わせればanimal spirits「血気」である。これはしかし事の正邪を問うものではない。邪であるか、正であるかは「何をなしたか」によってのみ問われるだろう。


【引用開始:強調は引用者】

(中略)「経済」と金もうけはちがう。「経済」とは、おもいっきり簡略化すると、「効率的な資源配分」のことだ。目的は人の効用(要は「満足」ということだ)を増進すること。当然、資源には制約があるから、その制約の下で効用をいかに最大化するかを考える。

「金もうけ」は、効率的な資源配分の結果である場合もあるが、そうでない場合もある。安易なやり方は、人をだます方法だ。いってみれば情報の非対称性を利用して、虚偽のコストを示すことによって自分だけの利益を増やすことであるわけだが、これは効率的な資源配分ではないし、そもそも安定的な「均衡」でもない。虚偽がばれれば、業者の信頼は失墜し、二度と復活はできなくなる。ばれるリスクは、無視できないほど高い。そもそも持続可能性がないのだ。これがなんで「経済至上」といえようか。

【引用終わり】


いまどき流行らないかもしれないが、経済的に生きるとは倫理的に生きることに繋がるはずだ(った)。

経済は、修身の教科書のように、倫理、倫理(道徳)と唱えずとも、自ずとそうなるようなものであるはず。

そういう生きられる状態をも指す言葉、概念だった。本来。

そういう「経済」がまったく見えにくくなってしまっている。


以下、少々飛躍する。

しかし、さすらいのギャンブラーがドラマたりうるのはなぜなのだろう?

彼らは、社会的な評価も名誉も求めない。世捨て人の風貌を持っているからではないか。

カジノを大きくした映画にもなったバグジーは、ギャングだが、それでもアメリカン・ドリームの語り草の一つにはなっている。翻って、我が国で誤発注とともにスポーツ紙に取り上げられた青年はなんだろう。

誤発注がなければ報道されることもなかったろう。その方が良かったのにと思う。

デイトレード自体を否定する気はさらさらない。

ただ、見たくもない現実をさらすきっかけになった。それだけが唯一の功労だろう。

(もしあれが何かの提灯であったとしたら、犯罪的である。晒す必要のない情報を晒したマスコミを許せるものではないだろう)。

加えて社会貢献だの、納税番付レベルの話を持ち出して、「日計り商い」の「社会的評価」を云々せずに居られない同世代の類似侯がワサワサ湧き出てくる事自体、実に情けない。

堂々と「ギャンブラーである」、「ゲーマーである」と、宣言すればいいものをと思う。

世捨て人にもなれず、かといってまともに社会に出ることも出来ず、といったどうしようもなさを、(そういうイメージを)図らずも露呈してしまう結果になった。


なによりも、黙って稼いでいればよい。株での儲けなど、他人に自慢するものでは本来ない。(これはあの青年に向けて言っているのでは無論ない。彼は自慢などしていない。本人には公表するつもりもなかったはずだ)。

インベストメントにはコミットメントが伴うとすればそれを吹聴するというのはそもそもおかしなことだろう。(日々の戦績をプラスもマイナスも客観的に記録するウェブログはこの限りに非ず。これはあくまでも記録の開示であって吹聴などではない)。

結局のところ、もっとも釈然としないのは、あの第一報である。いったいなんの意図があって報道したのか? イエロージャーナリズムと言ってしまえば、それまでだが、問題は、個々のトレーダーではなく、それ以上に日本の証券システムが抱える現状にあるだろう。立ち会いの復活?とシステム売買とのハイブリッド化など、システム一元化に棹さすものが何か必要とされてきているのではないか。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
バグジー



一年後より一ヶ月後、一ヶ月後より一日後、一日後より一時間後、一時間後より一分後、一分後より一秒後の未来の方が予測は容易になる。この予測可能性から、極論すれば秒単位で売買を繰り返すのが「デイトレーダー」だった。証券会社を介した売買では間に合わない。

米国のデイトレは市場に直接アクセスできる端末が置かれたブースから始まった。要するに証券会社にデイトレは出勤して売買したと思えばいい。

ジェイコムの誤発注「1円 61万株」が誤解を与えたのも、この二重回線が一般には全くと言っていいほど認識されていないからだろう。新聞記事に躍った誤発注の数字は、「板情報」には表示されている。が、一般には開示されていない。東証と各証券会社をつなぐ回線を通して自己売買が行われる。それが市場を作る。

地合を作ると言ってもいい。一般の売買はそこから始まる。

不勉強のせいかも知れないが、日本で米国初期デイトレを実現したブースのような機能が使われている話は聞いたことがない。


しかし、近い環境は日本でもネットを使えば整えることができる。板情報をリアルタイムで読める有料ソフトがある。これを使っていれば、初期デイトレにかなり近いことができる。注文の確定にかかるタイムラグは補えないとしても(「日計り」なら大昔から存在する。素人がやるものではなかったが。なんでもカタカナにすればいいってものではないと思うが)。


さらにボラティリティの大きい荒れる相場でなければ、デイトレのうまみはない。

IPOは一般の株式に較べれば振幅が大きい。これも公開時期などを検索できるサイトがあって、情報は自由に入手できる。(IPOの件数の多さもちょっと驚きだ。いわゆる新興企業と言われるなかには、えっ? なんでここが上場? と首をかしげざるを得ないようなものもある。粗製乱造?があるとすれば、それは明らかに証券会社側の見識が問われざるを得ない。で、そういうIPOに投機的デイトレと自己売買の空売りとが相まみえると来た日には、何をか言わんや! これはもちろん極論だが、もし少しでもリアリティがあるとすれば、それは目も当てられない事態が進行していることになるが)。


1999年10月の売買手数料自由化から6年ほどの間に、何が変わったかと言えば、こうした投資に関するツール群の登場であり、それ以外に何もない。というより、このツール環境なしには成立しえない売買の様式がかつての株式投資とはまったく異なるカネの動きを作り出している。


かつて機関投資家にしかできなかったことが、回線の開放以外は一般にもすべて可能な時代になったと言っていい。


逆指し値の指定でロスカットも自動化できる。利益確定売りも同じく。そういう環境での株の売り買いとは何か? あきらかにスロットマシンやパチスロやらのゲームと同じである。


何も生まない。


あなたが最近買った株、銘柄はなんですか?

どこが魅力だったのですか?

なぜ、その銘柄にしようと考えたのですか?


答えは、板情報とツールがそういうシグナルを出したから。それで30億なら可能だろう。

だが、それを純然たる株式投資とは言わない。投機である。


ディープインパクトは、久々のサラブレッドだ。

あの走りは奇跡と言っていいほどだ。

オッズは1コンマ少々。100万単位でも儲けは大したことはない。

だが、注ぎ込み甲斐がある。何よりもあの走りは美しい。

見るためだけに、1枚だけ買って入場する人もいる。

ギャンブルにもいろいろある。


どうせならドラマのあるものに賭けようと思う。

日経平均


5、6年前からの日経平均の動きを眺めてみた。225で個別銘柄を云々するのは不可能だが、参考にはなるだろう。


(追記:ディープは2着に終わった。三歳馬としては老練な馬たちに伍してよく健闘した。上出来だと言ってやりたい。勝っても負けても感動があるのがドラマである。ギャンブラーはたとえ負けても誰のせいにもしないものだ)。




デイトレーダーとか、ネットトレードとかが日本に定着しはじめた2000年頃、はじめて手にした本が『インターネットで始める株式投資』だった。株式投資に当時からすでに詳しかった先輩に勧められた。本は1999年に出ている。「この本とファンダメンタルズの考えをカップリングする本を書こう。おまえはインターネットをやれ」。それで、共著を書いた。先輩の書くことは、本格的過ぎて、かなりポップに編集されて、『ゼロからはじめるデイトレーダー』という本になった。この時の自分の教科書が、『インターネットで始める・・・』だった。
その著者である藤本壱氏がジェイコム株誤発注について書かれた記事を、ご本人から教えていただいた。当日のチャートもあって参考になる。

http://nikkeibp.jp/style/life/money/trade/051212_bangaihen/


元手100万、5年で30億は不可能の根拠を示すと豪語した手前、それは示すつもりだが、思っていたより時間がかかる。時間がない。しかし純然たる「株式投資、売買のみでは不可能」と限定したのはある意味救いだ。

新規公開株だから仕手はありえない。しかし「仕手筋」ということはあるかも知れない。この言葉、突っ込まれるのを承知で使っている。

IPO買いが、ここまで個人の株売買者に浸透しているというのも今回発見した驚きだった。


かりに今回の利食いでK氏の資産が60億とする(当日8日までで。それ以降は知らない)。

この金額は、社員20名ほどの弱小だがいい本を出す出版社20社分の年間売上げだ。

例として各社月1冊1万部の本を売ることが最低できるとしよう。現実にこれは可能だ。

年間で240万人の読者にエンタメなり、感動なり、知識なりを提供できる。その60億で、また次の年も、

同じように読者に何かを提供できる。120億円、180億円と仕事の累積出来高は上がっていく。

きちんと企業経営をしている限り。

それが企業、事業のゴーイングコンサーンというものだ。

年1回、一月分のボーナスも出せるだろう。お金の価値というのはそういうものだ。


株式投資も間接的にこのゴーイングコンサーンに寄与するだろう。

そのほうが面白いのではないか。ゲッコーもバフェットもソロスも株ゲームではなく企業ゲームにアニマルスピリッツを燃やした。その手段がトレードだった。


だが、今回のトレードに、そういう「血気」を全く感じないのは何故なのか? ねたみもそねみもない。残念なくらいに感じることが「できない」のだ。これはなんとも皮肉なことだが、ネットが生み出したバブル、いや一種のデフレ現象か? と思う。


第一に今回の相場で30億以上を利得した本人が、まったく感動も何もしていない。カネの感覚が麻痺した? それはそうかもしれない。そうならそれはそれでただそれだけのことであろう。

マネーゲームでさえない。いや乱高下する相場はまさにゲームだろう。

しかし、そのゲームに参加したゲーマーが楽しんだ形跡がないのはどういうことだろう。


パン強盗は、留置所で年を越したかったのかも知れない。

確かにそのほうが、冷たい風にさらされることもなく、欠片だけ餅の入った薄目の汁粉くらいには、

ありつけるはずだ。


なんだか寒い。この日本の相場は寒くてしようがないと思うのは、単なる気のせいではないような気がする。


藤本 壱
Excelで学ぶ株式投資―Excelで実践する、銘柄の選び方からテクニカル分析の基本、シミュレーション(バックテスト)まで

この二つの事件、主人公はどちらも「無職」。


SANSPO.COM コンビニでパンを強奪-「腹が減ってどうしようもなかった」
http://www.sanspo.com/sokuho/1216sokuho062.html


livedoor ニュース - 27歳男性が20億円超もうけ ジェイコム株で
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1559319/detail?rd


パンを盗んだのは38歳の無職男性。レジを通り過ぎようして店員に注意され、刃物をつきつけている。強盗だが、盗んだのは「メロンパンやジャムパンとドーナツなどの菓子(計約2000円相当)」。逮捕された男は「腹が減ってどうしようもなかった」と供述している。うーん、ああ無情のジャン・ヴァルジャンをつい思い出してしまうが、よっぽど空腹だったのか、それともヒナが数羽でも口を開けて待っていたのか。もう何日も食べ物を口にしていなかったのか。にわかには信じがたい。この世の見納めに最後の「ご馳走」を喰ってというのでもあるまい。再び同じ店を訪れたのが足がつくきっかけになっている。


例のみずほ証券のジェイコム株大量発注ミスで、27歳の無職男性が7100株売買し、20億3500万円を超える利益を得ている。24歳の会社役員が約5億6000万円の利益を得たと報じられたばかり。

27歳も無職とは言え、発注ミスのあった8日に34億3661万6000円の自己資金を投入して7100株を取得したというから、無為徒食の人物ではないようだ。会社員は別として、特にネットトレードにおいては、投資家であってもそれは「名義」としてしか存在しない。極端な話、端末から買い注文を出したのは本人ではなかったかも知れない。ある報道によると株暦5年ほどのデイトレだかスインガーだとか。

しかし大体、発行済み株式数の42倍!ジェイコムの発行済み株式総数1万4500株が出来高約70万株。

誤発注だからって、とんでもない相場である。一般の投資家が誤発注に気づかないのは普通としても、証券会社間での売り買いがあってこその結果だろう。プロのディーラーが気づかないのか? デイトレーダー自体を非難するつもりはさらさらないが、なにか腑に落ちないものが残る。証券事故に詳しかった? 株暦5年で? いやあそれならとても27歳の青年とは思えない。

パン泥棒も腹が減って倒れそうなら、刃物突きつける元気はどこに残ってたのだろう?

はやりの「格差」「二極化」などをこの二つのネタで面白おかしく書く週刊誌なども出るかもしれないが、そんな関心から目にとめたわけではさらさらない。

「仕事をして稼ぐ」とはどういうことかを、あらためて考えさせられるネタだと思ったまで。


言ってしまえば、どちらも似たようなものである。


不労所得、という意味では。

(株式投資は知識労働であるとすれば宝くじや財産相続のような不労とは違うのではあるが)。


身体的にはパン強盗のほうが働いただろう。知力的にはミスによる株利益を得た無職のほうが働いたかもしれない。


しかし、どちらもアホな事件である。いや、パン強盗にはむしろ多少は同情しても、ミスによる利食いにはなんの感動もない。


仕事をして稼ぐということ、いや「仕事をする」ということの意味が、ここにはまったく感じられない。

数十億の利益を、今後、何に投資するのだろうか? いつまで行っても種銭なら、それは一種の仕事と言えるかもしれないが、それで「職業は投資家です」と言えるのだろうか?

いまのマスコミでは無理だろうが、そこまで取材して報道してほしいものだ。株はいまのところ上昇基調だが、「景気」はいいとは思えない。

なぜか。「腹が減ってパンを強奪←→発注ミスで20億円の利益」てな事件が無職を主人公にして起きてしまう社会が元気であるわけはないのだ。


パン強盗の無職は事実かも知れない。しかし、スインガーらしい27歳の彼は(取材に応じたのは父親のようだが)なぜ「無職」と報道されて平気なのか? 事実、どこにも職を得ていないにしても、自由業なり、自営なり、フリーランスなり、何か存在していることを示したくはならないのだろうか? 税金対策の作為か? 勤め先への配慮か。それとも、すぐには想像できないような特別な境遇におかれているのか?


ともあれ、フリーター」(これは元々リクルートがアルバイトに代わる名称として作った造語。いわば、マーケティング用語だった)、「ニート」、そして「無職」までが、そう自分で宣言して恥ずかしくないという意識が芽生えているとしたら、2000円も20億も、大した違いはないていたらくとしか思えない。(もちろん株式投資で利益を得ることは犯罪ではない。ギャンブルでも本来ない。投機と投資が区別しにくい従来の株への受けとめ方には半畳を入れたくなる。強盗は犯罪である。株式投資、デイトレードを犯罪よばわりしているのではない。しかし同じように無職であることに鈍感であるとしたら、それは同じ意識の問題であろうと言いたい)。


株の底上げも大切だが、社会の元気の底上げも大切だ。

それが、ないかぎり、「景気がいい」とは口が裂けても言えないはずなのだ。


だいたい27歳の無職が、「34億3661万6000円」の自己資金などどこからどう捻出するというのか?

いかに天才的なトレーダーであっても、100万の元手から5年間では30億でさえ、不可能である。

根拠は追ってエントリする。

2ちゃんねるの株板からコピペ。システムの事故も織り込みって疑問に答えてくれそうな書き込みもある。

売買する人は、みんなここROMしたりしてるんだろうか?


<引用始め>http://live19.2ch.net/test/read.cgi/stock/1133320119/l50

63 名前:  投稿日:2005/12/08(木) 00:21 ID:nQ3w23Cn
>62
まだ”株ブーム”というほどではないのではないでしょうか?
このところの日経平均の高騰の理由は殆どがインデックス的な投信の買いでしょ。

相場の転換点はPER30倍2万2~3000円のあたりと思われ。。。。

64 名前:山師さん 投稿日:2005/12/08(木) 16:30 ID:GMbIzUq1
とりあえず急騰場面は終了。
日経平均14500~15500のボックスに入ったと思う。
高値更新は来年だね。

65 名前:山師さん 投稿日:2005/12/08(木) 16:34 ID:e4UfcTjO
>>64  ふっふっふ。

66 名前:山師さん 投稿日:2005/12/08(木) 16:36 ID:Z9rY5Vhk
>>64
喰われるぞ

67 名前:山師さん 投稿日:2005/12/09(金) 12:04 ID:s2P5Z24F
ありえない発注が出せて売買してるならイカサマやり放題だな
発行済み株式数の数十倍の数の売り注文を出すなんて、
何でそんな事が出来るんだよ。
胴元は資金や自分が持ってる株数に関係なく、ばれない範囲でカラ買いと空売りが無制限なのか。
恐ろしいもんだな。好き放題に見せ板かまして個人はめこみ。
浮動株数も特定株数も信用残りも板の様子も胴元が参入すれば無意味ってこった。 空売りできない株でも空売りできちゃう。
オンラインゲームで言えば、チート使い放題の奴に、他のプレイヤーは何も知らずに相手して敗れて損してるわけだ。
そりゃチートしてる奴は儲かるわなあww
・余力チェックがされてない
・空売り規制のチェックがされてない
・現物取引でも空売り可能、制限なし
・値幅制限に関係なく注文できる
・いくらで注文が入ってるのか見ることが出来る(←1円注文の画像がうpされてた)
こんないかさまプレイヤー相手に勝てるわけねえよw

個人の口座は信用余力内の借株分しか空売りできないようブロックされる上、高額の逆日歩というペナルティを払わされる。
しかし、みずほ証券のシステムは借株がなくても無限に空売りできるんだな。
空売りと言うか、架空注文だよね。
これで株を際限なく売り下げて、個人が損切り売りしたところを買い戻して大もうけ。
これがオイシイのでブロックをかけてないわけだ。 だから、こんな入力ミスでも通ってしまって自爆したんだな。
意図的に不正が出来るようなシステムにしてあるわけ。
今回はみずほがあまりにトンでもないミスをしたから、インチキし放題システムであることがばれちゃった。
うまくほどほどにインチキをすればばれない。いつものように。
タダでさえ顧客データや動き握ってすき放題にはめ込んでるのに、まさかこれほどやってたとはね。
メディアはお茶を濁さずちゃんと伝えろよ。どうせCMもらってるからマスゴミはそこ追求しないだろうけどさ・・・

つか、何を信じていいのかもうわからんな
マンションの件といい凄いよ日本は最近 もうやりたい放題
そりゃまじめに参加してる個人の多数が損してるわけだ。
こんなんで株式市場成立するんですかね?
公平な市場原理ってものはどこにあるんでしょうか?
<引用終わり>

あとはボイドタイムと売買の相関を誰か研究してほしい。

星のアスペクトとの関連は、メリマン?さんがいるが。

この土日はほとんどまる二日、長いボイドに入る。


「市場原理」が、いまや神様のように思えてくる週末である。


区役所に電話を入れないといけない。

還付金は絶必だ。

低位株に少しは回せる。このままではまったく仕込めない。

内職はまあほどほどに。

賞金稼ぎの論文締切が迫る。

テーマが教育だ。ああいう事件があって、書きにくくてしようがない。

しかしまあ、よくも教育学とか、教育学者とか、偉そうにしてられるもんだ。

「教育」なんて、嫌々どこかで恥じらいながら、必要悪のように語るものだろう。

つねづねそう思ってきた。

子育ては子育てである。しかしそこには「教育」がからむ。

それでも子育てと教育はイコールではない。

ぐちゃぐちゃになっている。

こういうとき、英語ははっきり概念を示せると思うのだが、

どうもeducationも、はっきりしない。

養育と教育?

躾と勉強?

家庭と学校の違いははっきりしている(していたはず)。

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト。

血縁(地縁)社会、共同体と契約に基づく利益社会。

どうやら婚姻のありかたから見直さないと、

いまの社会のありようは解けそうにない。


とかなんとか考え始めて、たかが十枚程度の即効性のある原稿などとても書けるような気にならない。

株もおかしい。いやシステムの話だが。

ITが入って、かつては考えられなかったような「偶発性」まで織り込まなければならない。

なんで、あんな注文で利益が成立するのか?

ITをつかう上での、新しい運用ルールを作っておくべきだったのではないか?

システムの事故を織り込んだ売買?


なんだかアドレナリンが出てきたので。

続きは、またにする。