『outernet』以前のglobeのアルバムレビューはこちら。


globe - outernet


globeが本格的にその音楽性をトランスへと移行させた最初のアルバム。そして多分問題作。(知らんけど)


トラックリスト

  1. outernet
  2. garden
  3. angel's song
  4. Throwin'down in the double 0 - lunar mix
  5. like a prayer
  6. とにかく無性に… - Straight Run
  7. THE MAIN LORD
  8. DON'T LOOK BACK
  9. 楽園の嘘
  10. another sad song
  11. soft parade
  12. on the way to YOU
シングルカットされている曲は赤字表記しています。



アルバムと同時リリースのgardenを含めてシングルカットされている曲が半分もあるにも関わらず、大衆を置いてけぼりにしたかのような非常にマニアックなアルバムである。一曲一曲もそれなりに長く、結果としてアルバム全体としても75分とすごいボリュームである。

1曲目、outernet。アルバムのタイトルトラックだけれど、いきなりシンセサイザーによるシーケンスフレーズの繰り返しに、抑揚のない歌が乗るトランスチューン。この時点でJ-POPに慣れた耳の多くのリスナーは多分置いてけぼり。下手すりゃいきなりCDがフリスビーかカラス避けになっちゃう。
TKもよくもまぁこんなに大胆に舵を切ったものである。個人的には一人でスタンディングオベーション!

2曲目、garden。アルバムと同時リリースのシングル曲。outernetより若干BPMを上げたトランスチューン。



やはり意図的に歌にも抑揚がない。しかしglobeの隠れた名曲の一つだと個人的には思う。マーク・パンサーによるラップパートは、これまでにもちょいちょい出してきてたフランス語ですね。


3曲目、angel's song。天使たちの歌を聴けい!

マークが入ってきてからのキーボードのフレーズがカッコいい。KEIKOによるパッセージの速い緊張感のあるボーカルもいい感じ。緊張感の中に少し抑揚がある。


4曲目、Throwin'down in the double 0。一応シングル曲だけれどglobe featuring TK名義のトランスインストゥルメンタル。アルバム屈指のマニアックさなのではなかろうか。TK好きの私もクエスチョンマーク付けたくなるレベル。


5曲目、like a player。KEIKOのボーカルをフューチャーした曲かと思いきやである。どっかに連れて行かれそう。daydreaming is useless Imagination.

21シングルでDON'T LOOK BACKとの両A面曲だけれど、アルバムバージョンでありマークのパートもないため、別曲である。


6曲目、とにかく無性に…。20thシングル。アルバムも中盤にきて、漸くキャッチーな歌物ですね。トランス要素は控えめでミクスチャーロックの要素を呈した楽曲。



今思ったんだけれど、この曲ってglobeの曲の中でもKEIKOの歌がピーキーではなく、比較的歌いやすいんじゃないだろうか。


7曲目、THE MAIN LORD。globe featuring MARC名義のシングル曲。シングルと違ってKEIKOのボーカルが重ねられている。マークのラップを基調にした割とストレートなロック、ミクスチャーナンバー。


8曲目、DON'T LOOK BACK。21thシングルの1曲目でアルバムバージョン。


オルタナティブなプログレッシブロック要素の強い楽曲で、途中ヘンデルのハレルヤのクラシカルなフレーズが飛び出したりする。

8分40秒と長い曲ではあるけれど、プログレッシブロックと考えるとそう大して長い曲でもなく、またハレルヤに入る展開を始め、サビへの入り方が神がかっているなど、個人的にはglobeの数多くある隠れた名曲の中でも(それ隠れてんの?)屈指の隠れた名曲である。


9曲目、楽園の嘘。KEIKO作詞によるKEIKOのボーカルがアルバムの中では比較的フューチャーされているコンパクトな楽曲。サビ以外のメロディ自体は割と不安定だったりする。マーク消えた。


10曲目、another sad song。スライドギターを駆使するなど、普遍的フォークロックやブルースロックの要素が強いかもしれない。とは言え、マークのラップはしっかり入っている。作曲にTM NETWORKの木根さんが携わっている。サビの入り方がgood!


11曲目、soft parade。こちらの楽曲も作曲に木根さんが携わっていて、ブルースやフォークロック色が強い。割とリズムが跳ねている軽快なナンバー。今踊りながらこれ綴ってます。


12曲目、アルバムラストを飾るのは、globe featuring KEIKO名義のシングル曲、on the way to YOUのglobeバージョン。


(feat.KEIKO ver.を貼っています。)


アルバム中屈指の聴きやすい普遍的な名曲でしょう。KEIKOパートのボーカルメロディが非常に儚く美しい。アルバムもこの曲が入るか入らないかでは大きな違いがあったと思う。


ということで、前半戦は一般リスナー置いてけぼりみたいなトランス耐久戦の様相を呈していますが、(それもマニアックなやつ)後半にいくに連れてバラエティに富んできます。個人的には全編トランスでも問題ないんですけどね。

強いてあげる『outernet』のお勧め曲

非常に難しいアルバムで楽曲単位で選ぶにしても難しいんですけど、強いてあげるなら、2.garden、8.DON'T LOOK BACK、12.on the way to YOUですかね。って全部シングル曲になってしもうたやないか!

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