アルプス越えをしてきた弟を失ったハンニバル
3本柱のそろったローマ軍だが、その1本が・・・
『アド・アストラ』10巻 帯には「雷光の誤算」と、ハンニバル・バルカの”バルカ”は”雷光”という意味です。その雷光の誤算とは?
帯のこの絵が関係しています。
感想と展開
イタリア半島では、”ローマの剣”ことマルケルス将軍とハンニバルが戦い続けていました。
そこに、9巻でスキピオが、イベリア半島(スペイン)にあるハンニバルの本拠カルタゴ・ノヴァが攻略されたとの知らせが入ります。
ついに、ローマ側には
”ローマの盾”こと元老院長老のファビウス
”ローマの剣”こと猛将マルケルス将軍
若き将軍、スキピオ
の3つの柱がそろうことになります。
ローマに押され始めたハンニバルは、まずは猛将マルケルスを取り除くことを考え、真正面からの戦闘ではなく、罠にはめる形で、マルケルスを殺害します。
スキピオの戦勝に沸いていたローマも、ハンニバルと直接対峙し続けたマルケルスの死に悲しみにくれることになります。
イベリア半島でカルタゴ・ノヴァを落としたスキピオらは、ハンニバルの弟ハッシュを追いかけて、バエクラ(黄色の丸印)に向かいます。
ハッシュは、バエクラでスキピオのローマ軍をひきつけ、戦っているうちにアルプス越えして、兄のハンニバル・バルカとの合流を目指します。
この兄弟の合流に関して、帯にある”雷光の誤算”が生じます。ハンニバルは自らもアルプス越えには5か月もの時間がかかったことから、弟も時間がかかると思っていたところ、2か月で越えてしまいました。
ハッシュは兄の想定よりも早くアルプス越え、イタリア半島の北西の付け根ブラケンティアに布陣し、ウンブリアでの合流を目指します。その使いを出しますが、その使いは執政官ネロが率いるローマ軍にとらえられます。
この執政官ネロは、以前にイベリア半島に攻め込み、ハッシュを追い詰めるも取り逃がし、ローマに帰還後、非難にさらされたため、その雪辱の機会をうかがっていました。好機到来とばかりに、合流を目指すハッシュ軍と戦い、そのハッシュを打ち破り、その首をハンニバル陣営に投げ込みます。
弟の死を知ったハンニバル、怒りに震えて10巻が終わります。
ハンニバルのマルケルスを謀殺
ハッシュのアルプス越えを目指しての策略
ハッシュを討つために持ち場を離れてでも動く執政官ネロの執念
これらは、マンガでぜひご確認ください。
この扉絵が、その帯のところにあった絵です。ハッシュの死に悲しんでいます。
カルタゴ軍の特徴の一つが象兵です。
ローマ軍にとっては、驚きの兵器です。しかし欠点があります。象がパニックに陥ると制御不能となって、カルタゴ兵か、ローマ兵かを関係なくなぎ倒してしまうことです。
※スキピオとハンニバルの最後の戦いでも、この象兵が一つの大きな役割が?
アド・アストラ 1~8巻まで
『アド・アストラ』1巻は、こちら
『アド・アストラ』2巻は、こちら
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