スキピオ・アフリカヌス(大スキピオ)を意識したハンニバル
第二次ポエニ戦争”ハンニバル戦争”を題材にした歴史マンガの第2巻について(ネタばれあり)
大スキピオの父スキピオは1巻においてハンニバルに敗れ、大けがを負い、前線離脱することになり、平民出身のもう一人の執政官センプロニウス(ティベリウス・センプロニウス・ロングス)がハンニバルと戦うことになります。
父スキピオは、センプロニウスに早まらずに慎重に戦うことをアドバイスし、新兵として参戦している大スキピオもセンプロニウスでは勝てないといいますが、センプロニウスはローマ軍4万を率いて自信満々に、トレビア河を挟んでハンニバル軍と対峙します。
トレビアの戦いで、ハンニバルは、ここで以前から温めていた包囲殲滅戦術を、何段階にも練りに練った作戦で実行し、センプロニウス率いるローマ軍を包囲殲滅します。センプロニウスも殺されそうになりますが、大スキピオの機転(ハンニバルの作戦を逆手に取る)によりどうにか包囲網から逃れることになり、このときハンニバルは、センプロニウスの窮地を救った大スキピオを意識して、部下に調査を命じます。ついにお互いがお互いを意識することになります。
この大敗に対して、ローマでは、平民出身のガイウス・フラミニウスが自らの人気を生かして、二度目の執政官となり、ハンニバル軍に向かっていくことになります。このフラミニウスを送り出した元老院筆頭のクィントゥス・ファビウス・マクシムスは、フラミニウスではハンニバルに勝てないこと、このフラミニウスの犠牲により、ローマは絶対に負けない禁断ともいえる策をとれることをつぶやきますが、トラシメヌス河畔の戦いで、そのフラミニウスの死までついた大惨敗となります。
ローマは非常事態ということで、ファビウスを独裁官に任命します。
ここに「ローマの盾」こと名将ファビウスが、ハンニバルと対峙することになります。