風船は、青い空をふわふわととんでゆく。誰の手から離れたのか、その風船は、パンパンにはちきれそうな体で、大空を優雅に飛んでいた。

 野を超え山を越え谷を越え、町から町へ、村から村へと、気儘に旅をするように、ふわふわと空を散歩している。

 雨の日はゆっくりと低空を、風の日はくるくると舞いながら足早に、天気の日は日光浴でもするようにのんびりと、地球全土に続く大空を飛んでゆく。

 町でも村でも山でも、人々はみな、その風船を見上げる。

 ワシもハヤブサもカラスも、その風船には近づかない。

 何日も、何日も、風船の旅は続く。

 風船が放たれてから、どれくらいの時が過ぎたのか。どれくれいの距離を旅しているのか、誰も知る者はいない。そして、風船がどこへ向かっているのか、旅の終着地はどこなのかも、誰も知らない。

 風船の旅は、気ままな風任せ。

 太陽の下でも、星空の下でも、風船はおかまいなしに旅を進める。

 やがて、旅の終わりが、徐々に近づいてきた。

 ゆっくりとゆっくりと時間をかけて少しずつ空気が抜けていった風船は、かなり痩せ衰えて、もう空に浮かぶのがしんどくなっていた。

 そして、高度を保てないくらいしぼんでしまった風船は、ゆっくりと地上に落ちた。

 長い旅でくたびれた風船の皮は、浮きつ沈みつし川の流れに身を任せている。今度は、海を旅するのかもしれない。どこかの浜辺に流れつくまで。

 

 

 

 

 

 

 

歪んだ復讐(現在連載中)

歩きスマホの男性にぶつかられて、電車の到着間際に線路に突き落とされて亡くなった女性。早くに両親を亡くし、その姉を親代わりとして生きてきた琴音は、その名から逃げ去った犯人に復讐を誓う。

姉の死から一年後、ふとしたことから、犯人の男と琴音は出会うことになる。

複数の歩きスマホの加害者と被害者。

歩きスマホに理解を示す人と憎悪する人。

それらの人々が交差するとき、運命の歯車は回り出す。

 

シャム猫の秘密

2018年お正月特別版(前後編)

これまでの長編小説の主人公が勢揃い。

オールスターキャストで贈る、ドタバタ活劇。

 

心ほぐします

大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。

将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。 
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか? 
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。

 

 

真実の恋?

夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。

 

真実の恋?を面白く読んでいただくために

 

 

恋と夜景とお芝居と

ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

奪われた物は誰の手に?

 

 

 

短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

20行ショート小説集②

 

20行ショート小説集③

 

20行ショート小説集④

 

僕の好きな1作シリーズ

 

魔法の言葉集