一度足を踏み入れると、二度と出てこられないという森がある。
その森は、付近の村人からは呪いの森と呼ばれ、恐れられている。
事実、数多の探検隊がその森へ入ったきり、二度と姿を現さない。
それでも、森へ入る人々は絶えない。
なぜなら、その森には古代遺跡があり、多くの財宝が眠っているという噂が、いにしえより真しやかに伝えられているからだ。
出てこられないのも、財宝を守る罠に掛かったためだという。
人間の欲には限りが無い。命を賭してまで財宝を手に入れようとする人間の、なんと多いことか。
今日も、命知らずのトレジャーハンターが、森の中に分け入った。
その若者は、なんとたった一人だった。
若者は冒険心に溢れ、意気揚々と森の中を奥へ奥へと進んでゆく。
行く手には、大蛇や毒蛇がうようよしており、巨大な食虫植物もいた。そこここに人間の白骨が転がっている。
そんな想像をしていたのだが、若者の想像に相違して、森の中は平凡なものだった。
何事もなく、夜を迎えた。夜も、危険な猛獣など出没することなく、これまた何事もなく朝を迎えた。そうやって進むこと三日。若者はついに森の中心部へと到達した。
そこで若者が見たものは、広大な温泉に浸かる多くの人々だった。人々の顔は、一様にうっとりとしている。そう、この温泉に一度使ってしまえば、あまりの気持ち良さに上がれなくなる温泉だったのだ。
歩きスマホの男性にぶつかられて、電車の到着間際に線路に突き落とされて亡くなった女性。早くに両親を亡くし、その姉を親代わりとして生きてきた琴音は、その名から逃げ去った犯人に復讐を誓う。
姉の死から一年後、ふとしたことから、犯人の男と琴音は出会うことになる。
複数の歩きスマホの加害者と被害者。
歩きスマホに理解を示す人と憎悪する人。
それらの人々が交差するとき、運命の歯車は回り出す。
2018年お正月特別版(前後編)
これまでの長編小説の主人公が勢揃い。
オールスターキャストで贈る、ドタバタ活劇。
大手の優良企業に勤めていた杉田敏夫。
将来安泰を信じていた敏夫の期待は、バブルが弾けた時から裏切られた。家のローンが払えず早期退職の募集に応募するも、転職活動がうまくいかず、その頃から敏夫は荒れて、家族に当たるようになった。
そんな時、敏夫は不思議な体験をする。
幻のようなマッサージ店で、文字のポイントカードをもらう。
そこに書かれた文字の意味を理解する度に、敏夫は変わってゆく。
すべての文字を理解して、敏夫は新しい人生を送れるのか?
敏夫の運命の歯車は、幻のマッサージ店から回り出す。
夜の世界に慣れていない、ひたむきで純粋ながら熱い心を持つ真(まこと)と、バツ一で夜の世界のプロの実桜(みお)が出会い、お互い惹かれあっていきながらも、立場の違いから心の葛藤を繰り返し、衝突しながら本当の恋に目覚めてゆく、リアルにありそうでいて、現実ではそうそうあり得ない、ファンタジーな物語。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
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旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?