舞台写真その5
みなさま、こんにちは![]()
2023年も1ヶ月を切り、あっという間ですね。
大掃除や年賀状の準備などあわただしい時期ですが、
お身体ご自愛ください。
私もブログ更新をがんばっていきます!
* * * * * * *
さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
みなさまと一緒に振り返って行きたいと思います。
よろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
【舞台写真その5】
ーーー幕ーーー
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【振り返り】
・昭和3年7月。「正祐」はシナリオライターの道を求めて上京します。
「みすゞ」は「正祐」や投稿仲間と文通を重ねていましたが、
新しく始めた食料玩具店もなかなかうまく行かなかった夫から、
童謡を書くことと、投稿仲間との文通を禁じられます。
そのうえ、遊郭通いの夫に移された病気がもとで、体調を崩していきます…。
・このシーンは、「みすゞ」を追い詰める「川本」のあまりの振る舞いに(演技ですよ!)、
稽古中もN也さんが「思わず止めに入ろうかと思った」くらいでした。
・「みすゞ」は結婚後に『みんなを好きに』『私と小鳥と鈴と』を書いています。
「みんなを好きになりたい」「みんなちがってみんないい」と歌い、
夫に心を向けようとしている「みすゞ」にとって、
童謡を書くことで自分を見つめ反省し、自らを励ましてきた「みすゞ」にとって、
夫の一言(童謡や手紙を書くことを禁じたこと)は「みすゞ」の存在そのものを否定するようなものでした。
(『童謡詩人 金子みすゞの生涯』矢崎節夫著より)
・『木』と『繭と墓』、お芝居の流れの中で見ると哀しさ、さびしさを感じます。
でも『繭と墓』は、「正祐」が絶賛している詩の一つです。
「誰が向上していないと云わうか、まして退歩したと誰が断言しようぞ」
・娘の「ふさえ」の成長を見守ることを支えにしていた「みすゞ」。
昭和5年、離婚を決意するまでに追い詰められていきました。
「ふさえ」の親権をめぐり問題になりますが、当時は親権が父親にしか認められない時代でした。
そして「3月10日にふさえを連れに行く」という手紙が届きます。
・「ミチ」が語る3月9日の「みすゞ」の様子…。
その一挙手一投足に、覚悟と「ふさえ」に対する愛情が満ちていたように思います。
自分の部屋へ向かう「みすゞ」に対する「松蔵」の「おやすみ」も穏やかで優しくて、
「こんな一面もあるのか」と人間らしさを感じました。
そして「みすず」は大量の睡眠薬を飲み、自ら命を絶ってしまうのです…。
・ぐおおおーっ。「夫」めぇぇぇ~!
しかし、「みすゞ」を追い詰めたのは「夫」一人ではなく、何人かの「犯人」がいるのです。
「正祐」もその一人です。
己の未熟さのせいで「みすゞ」が急に結婚させられ、猛反発して結果的に「夫」を追い出してしまった。
その夢が破れていった果ての、失望と無関心…。
「自分に夫を責める資格はない」「テルを死なせた犯人は夫だけではない。親父と、そして自分だ」
「正祐」は自責の念に駆られます。一緒に過ごしていた「松蔵」「ミチ」も…。
(『みすゞと雅輔』松本侑子著より)
・お芝居の余韻を受けながら歌う『この道』。
初めは1番から全員で歌っていましたが、最終的なフォーメーションは最終稽古の日、
H恵さんとM貴ちゃんが生み出してくれました。より心を一つにして歌うことができたと思います。
『みんなでみんなで行こうよ、このみちをゆこうよ』と言ってくれた「みすゞ」。
映像の最後の言葉がさびしい…。
ピアノ伴奏をして下さった舘内先生は「みすゞがお星さまになれますように」と願いを込めて、
曲の終わりを優しく軽やかに演奏して下さいました![]()
・『私と小鳥と鈴と』は「みんなちがって、みんないい」という「みすゞ」のメッセージを
会場のみなさまと共有できればと思い、明るい気持ちで歌いました。
・余談です。
千穐楽後の楽屋にて、「川本」役のN氏が「みすゞ」役のM子ちゃんに
「ひどいこといっぱい言ってごめんね」と声をかけているのを見て、
「やっぱりN氏だなぁ…」と思いました。
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舞台写真、今回が最終回です。
ボリュームたっぷりになりましたが、お付き合いいただきありがとうございます![]()
今後は
アンケートのご紹介、
公演総括の様子、
仕込みの様子、
舞台装置、
小道具アレコレ、
公演前後アレコレ、
などご紹介していきたいと思います。
もうしばらくお付き合いいただけると嬉しいです![]()
(くまはち)
舞台写真その4
みなさま、こんばんは。
あるいは、おはようございます![]()
公演から一週間が経ちました。
まだ頭と心は『みすず凛々』の世界にいて、ふとセリフが出てきます。
(ブログを書いているからでしょうか)
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さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
みなさまと一緒に振り返って行きたいと思います。
よろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
【舞台写真その4】
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【振り返り】
・大正15年2月17日、「テル」と「川本」の結婚式が挙げられました。そしておめでた…。
これまでもいくつかあった大きな分岐点の一つです。
・「川本」役のN氏が着る「上山文英堂」の文字入り法被が、渋くて味があります。
『もやしの唄』の前掛けと同じく、印刷した文字を不織布に書き写したものです![]()
(M子さんが作成)
・下関や仙崎など山口県の言葉について、M子ちゃんとM貴ちゃんは
関連する動画をたくさん見て、イントネーションなど参考にしたそうです。
とても流暢で自然で、言葉に説得力があったと思います![]()
・激昂する「松蔵」に「あんた…」とそっと声をかける「ミチ」…がイイ…!(言われたい)
・「川本」の女性関係のだらしなさが次第に明るみになります。
多くのお客様を敵に回した「川本」。これだけハッキリと嫌われるキャラクターも珍しいです。
フォローすると、演じたN氏は心優しい人です。これまでにない役で大変苦労していました。
劇団内では「代役をやって楽しいキャラ」「実は演じたかったキャラ」と人気でした。
※ちなみに、新潮文庫の『みすゞと雅輔』(松本侑子著)では、お芝居で描かれなかった
「みすゞ」「正祐」や「川本」のモデルとなった人物のやり取りなどを垣間見ることができます。
「川本」もまた様々な苦悩を背負っていると分かります。
ご興味のある方はぜひご一読ください。
・「前田リン」再々登場です。
「みすゞ」をそばで見守って来たからこそ、語ることができる内容が多いです。
・『守唄』が素朴で優しくて哀しいです。
・「正祐」が送った手紙…「金子みすゞ」という大きな目標を失い戸惑い爆発しています。
お互い13枚ずつ手紙を書き合ったというから驚きました。
「みすゞ」は「正祐」からの手紙の「故人です」や「少しづつでも創っていったらいかがでしょう」
という部分に波線を引いています。
そして「ありがとう ありがとう…くりかへしよんで、わたしはうれしく、かなしく、やるせない」と
書き込んでいるそうです。
・H恵さんが語った『朝顔の蔓』、朝顔の成長を応援する力強い詩です。
娘の「ふさえ」や「正祐」を応援する気持ちも込めて語ってくれました。
・「西条八十」、下関にまで来てくれたのですね。憧れの方と会うことができて、
「みすゞ」はどんなにか嬉しかったことでしょう。
【舞台写真その5】へ続きます。
それではみなさま、あたたかくしてお過ごしください![]()
(くまはち)
舞台写真その3
みなさま、こんばんは。
今朝は窓の外を見て「おおっ」と声が出ました。
雪が屋根や木々が白くなっている…![]()
すぐに止みましたが、寒さが一段階上がったような気がしました。
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さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
みなさまと一緒に振り返って行きたいと思います。
よろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
【舞台写真その3】
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【振り返り】
・「上山雅輔(かみやまがすけ)」から「上山正祐(うえやままさすけ)」へバトンタッチ。
二人でセリフを言うところが好きでした。
※ 「上山雅輔」はペンネームで、東京で劇作家として活躍し劇団若草を立ち上げました。
「正祐」は幼いころに「金子家」から「上山家」へ養子に出されました。
「テル」「堅助」とは実の兄弟だと知らずに出会い、文学や音楽について
2人から大きな刺激を受けます。
そんな中「テル」に対して尊敬と憧れ、そして淡い恋心を抱くようになります…。
・M子さんからのエピソード
「今回の女性陣の衣装について。みすゞの着物は義理の母の嫁入り衣装の一つ(70年前)、
ミチの羽織っていた薄い綿入れは義理の母の手縫い、みすゞが書店で着ていた活動着は母の手縫い。
女性陣の羽織っていた羽織、装置に使われた帯は劇団のもので、それぞれ古いもの」
歴史や想いがつながれていく…着物の魅力の一つですね。
・「正祐」の徴兵の通知書が届いたシーン。養父であることをついに知られてしまうとなり、
「正祐」を溺愛していた「松蔵」は、妻の「ミチ」に通知書を押し付けてまさかの逃亡。
お客様から笑いが起きました!意外と弱気な「松蔵」の姿が人間らしいですね。
「正祐」が振り向くタイミングに合わせて、「ミチ」はそっとうつむいていました。
※妻「ミチ」は「松蔵」の後妻であり、「堅助」「テル」「正祐」の実の母です。
・「正祐」と「川本」が顔を合わせるのは、とある1シーンの一瞬のやり取りだけ。
険悪さが出るようN氏と睨み合いました!
※「私」と「川本」の2人のみ、脚本のふじたあさやさんが実在の人物とは名前を変えています。
・我らが「前田リン」再登場!「花井正」も男性ならではのエピソードを語ってくれるので貴重です。
・M貴ちゃんからのエピソード①
「正祐&松蔵がお互いの顔にツボってしまった事件は、強く印象に残っております。」
※正祐「川本さん!?
」(目見開き) → 松蔵ツボる
松蔵「こんなこと、冗談でいえるか
」(必殺流し目) → 正祐ツボる
・M貴ちゃんからのエピソード②
「『敏腕マネージャーSなちゃん』をぜひご紹介ください!
反対側の袖にハケた松蔵を迎えに来たり、N氏のボタンと襟を管理したり…。
役者をやりながら、楽屋ではY子さん&C子さんに次ぐレベルで大活躍してくれました」
・三上山の麓でのシーンで、「みすゞ」が実の姉だと知ります。
ここは「雅輔」と二人で「みすゞ」を見ていたことを知り、少しうれしくなりました。
「みすゞ」が「黒い着物を着て、長い鎌を持った人が好き」といった時、
「正祐」は「お百姓さん?」と返すのですが、「この人は天然なのだろうか?」
「ここは笑いを取るところなのだろうか?」と一瞬悩みました。
・H恵さんの歌う『積もった雪』が心に沁みました。
【舞台写真その4】へ続きます。
それではみなさま、今夜もあたたかくしてお過ごしください![]()
![]()
(くまはち)
舞台写真その2
みなさま、こんばんは![]()
先週の水曜日から仕込みが始まり、あっという間に1週間が経ちました。
舞台画像を見ているうちにウトウト…を繰り返すくまはちです![]()
「さつまいもを潰しながら寝ていた」というどんちょうメンバーもいたようです![]()
それぞれの日常、いかがお過ごしですか?
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さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
みなさまと一緒に振り返って行きたいと思います。
よろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
【舞台写真その2】
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【振り返り】
・今回は舞台にいくつかのお立ち台があります。段差も多いです。
着物のM貴ちゃん達が上り下りしやすいよう、仕込みの際に高さを細かく調整していました![]()
・M香ちゃんの数あるキャラクターのうち、人気の一人が
9つ年上の従姉妹「前田リン」(88歳)でした。
味のあるキャラでマネしたくなるセリフも多く、 「私」とのやり取りが微笑ましかったです![]()
・かわいらしい12歳の「みすゞ」を見守る「3人の同級生」(79歳)。
M香ちゃんは衣装チームの手を借り、「前田リン」から「同級生」に早着替え!![]()
戦いの場である下手側の袖は緊張感がありました。
私も袖から自分の座る位置までいくつかの山(お立ち台)を越えねばならず、
最短距離をシミュレーションしていました。遠かった…。
・私も「同級生」の一人でしたが、眼鏡&帽子をかぶった自分の姿は
過去に演じたとある絵描きのキャラクター(男性)を彷彿とさせ大笑いしました。
・「星とたんぽぽ」、歌詞もメロディーもキラキラしていて好きでした![]()
・お芝居の前半は、歌や詩を織り交ぜながら「私」と「上山雅輔」によって、
「金子テル」(金子みすゞの本名)の生い立ちがテンポよく語られます。
詩人としての「金子みすゞ」が完成されていく片鱗が、所々に見えます。
・上山文英堂の商品館支店のシーン。回想しながら語る「お客」に、
店番の「テル」が優しく手招きをするところが好きだった…と
打ち上げの席で誰かが言っていました。
・写真をご覧になられて分かる通り、今回のお芝居はスクリーンに写真や詩、
登場人物の名前やみすゞとの関係性などが投影されます。
お客様にもアンケートで好評だったことの一つです。
(役者にとっては「絶対間違えられないゾ」というプレッシャー!?)
・N氏が演じた役の一人である「西条八十(やそ)」は「みすゞ」が最も影響を受けた詩人です。
(「イマジネーションの飛躍がある」という言い回しが好きなお方)
お芝居の後半に登場するあの役と八十をN氏が演じる…面白いなと思いました。
・朗読チームのSなちゃん&K花ちゃんは、お芝居の前半ずっと舞台の両端のベンチに座り、
お芝居が進んでいくのを見守っていました。
私はベンチに座っている時が一番緊張し、心臓の音が聞こえるほどでした。
二人はどんな気持ちだったのでしょう…。
【舞台写真その3】へ続きます。
それではみなさま、あたたかくしてお過ごしください![]()
![]()
(くまはち)
舞台写真その1
みなさま、おはようございます![]()
公演から3日が経ちました。
頭の中にふとセリフや詩が浮かび、まだ余韻の中にいます
改めまして…
ご来場いただいたみなさま、支えてくださったみなさま、
本当にありがとうございました!
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さてさて、舞台写真をご紹介しますね。
みなさまと一緒に振り返って行きたいと思います。
よろしければお付き合いください。
それではどうぞ!
【舞台写真その1】
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【振り返り】
・今回の舞台写真、演出のK則さんが撮影してくれました![]()
・小ホールに現れた『みすゞ凛々』の世界。
今回は家や草木もなく、いくつかのお立ち台と色鮮やかな着物の帯とスクリーンによる
シンプルな舞台装置です。
照明と音響と舞台装置が共鳴し、衣装や小道具を身に付けた役者がそこで呼吸する…。
それぞれ温めてきたことが一つに実を結ぶ瞬間です。
お客様がいらっしゃることで、さらに化学反応を起こします![]()
・お芝居冒頭の、とある本屋さんのシーンが好きです。
奥に店番をしながら詩を書くみすゞがいるので、
西乃端の商品館にある上山文永堂の支店でしょう。
・金子みすゞの生涯をある部分はドキュメント、ある部分はドラマ、ある部分は朗読、
そして歌を織り交ぜながら描いていきます。
・金子みすゞの詩に、吉岡しげ美さんが作曲された数々の歌も劇中で登場します。
舘内先生のピアノ伴奏がお芝居の世界に優しく寄り添い、彩りを与えてくださいました。
「歌や詩もお芝居の大切な一部」を合言葉に、H恵さんが発声練習や稽古、
フォーメーションを考えたりと様々な面で引っ張ってくれました。
M貴ちゃん&H恵さんが心を込めて歌った『こころ』が好きでした。
Sなちゃん&K花ちゃんの朗読も、みすゞの言葉を一つ一つ丁寧に表現していました。
・歌い手チームは、小冊子を手に詩を朗読したり歌っています。
それぞれの小冊子には、どんな風に書き込まれているのか…?後日、チラリとご紹介します!
・「私」役のN也さんはお芝居の間、ストーリーテーラーとしてほぼ舞台上にいます。
膨大なセリフ量でしたが、稽古の早い段階から入れて来ていたのでさすがでした。
どんな時も手放さなかった「私」の取材手帳も、後日チラリとご紹介します!
・「上山雅輔」役のN元さん。N也さんと同じく膨大なセリフ量でしたが、
お互いサポートしながらお芝居を引っ張ってくれました。
・今後、M香ちゃん&N氏が役を変えて次々と登場しますので、お楽しみに![]()
長くなってしまったので、ここで終わります。
【舞台写真その2】以降でご紹介していきますね。
それではみなさま、良い一日をお過ごしください![]()
![]()
(くまはち)























































































































































































