主人公
無し(強いて言えば女神ピュラー)



人間がそれほどにも罪深き存在なのか?

人間がそれほどにも醜い存在なのか?

人間はそれほどにも愚かな存在なのか?

いいや、違う。

そして人間を神々から救う為立ち上がった女神がいた。

ちょろさんの楽曲、第2作品目の登場です。

今回元となった楽曲はこちら 

 



Gospelion Silver
CHORO*





(00:00)



生物は皆、時の流れに従い生まれ、そして時の流れに従い死ぬ。

地で生きた命は潰え、命は魂となり天へ昇る。
天で魂は新たな生物へと転生を始め、再び命となり地へ赴く…。
こうして生物の命は輪廻を繰り返す。

それが自然の摂理であり、神の作り出した摂理でもある。

(0:12)
しかしその摂理を乱し、地上を支配する
存在がいた。

それは人間である。

全ては幾多に渡り続けられた人間の過ちから始まった。

人間は過ちとは何か。
人間は平和を求めた結果、幾度と無く戦争と呼ばれる醜い殺戮を生んだ。

では平和を求めるなら何故戦争が起きてしまったのか?
明らかに矛盾した行為を人間は行ってしまったのだ。
いや、一度ならまだしも、今もそれを行い続けている。

更にその影響は人間だけに留まらず、他の生物にまで及ぶ。

戦争は火を生んだ。草木は火を受け燃え上がる。その燃えた草木から他の動物をも命を落とすこととなった。

こうして人間の身勝手さ故に神の作り出した摂理は大きく乱れを生むことになる。

乱された今、数が殆ど少なくなった生物がいる。いや、既に世界からいなくなり絶滅してしまった生物も後を絶たない。

人間の行いは最高神ゼウスから見れば不快極まりないものだった。
かつて人間の守護神、プロメテウスが無断で人間に炎と知恵を与えた際、プロメテウスに永遠の処罰を受けさせ、済ませたものの、その後人間がここまで発展するとは誰も思いもよらなかった。

これでは遅かれ早かれ、人間は悪魔に成り下がるだろう。

(0:58)

人間の行った殺戮は一時収まる。

残ったのは無残な人間や動物の姿。
やがて上空には黒い死神の鳥が腐乱した血肉を求め、飛び回る。

時が流れここには人間の作った幾千万もの墓石が現れた。それはここで無駄な死を増やした事を物語っていた。




死者を葬る事は悪いわけではない。
問題はここで死なずに済んだ者は葬る必要も無かったと言う事だ。

やがてここもまた時が経てば再び戦場となり殺戮が行われる混沌と化すだろう。

(1:19)


今、天界では一部始終を見てきたゼウスが人間を制裁し滅ぼそうとしている。

「これ程にまで憎悪に満ち醜い心を持つ人間と言う生物を野放しにしてはならない。」と。

その発言に多くの神々が賛同した。

人間を創ったこと。それが我々神達の最大の失敗であったと。

人間はいずれ悪魔に成り下がる。
そうなっては更に取り返しのつかない事となる。

人間を滅ぼせ。

人間に裁きを。

(1:25)
が、その発言に納得しない者がいた。


人間がそれほどにも罪深き存在なのか?

人間がそれほどにも醜い存在なのか?

人間はそれほどにも愚かな存在なのか?

ならば人間は悪魔なのか?

いいや違う、人間は悪魔ではない。


────人間は…人間である。────


(1:30)

そして人間を神々から救う為立ち上がった女神がいた。
その女神の名はピュラー。人間を愛し、炎と知恵を与えたプロメテウスの同胞者である。

彼女は人間が例えどれだけ大きな過ちを犯したとしても、人間を信じていた。

確かに人間は欲に溺れ殺戮を繰り返している。

それは揺るぎ無い事実である。

しかし人間は必ずしも人間であって悪魔になり得ることはない。

人間の中には完全なる悪は存在しない。ピュラーはそれを知っていた。

人間は心を持ち感情を抱く生物である。
相手の痛みを感じ心の苦痛も理解出来る存在。
いつか人間は、考えを改め、人間達だけの力で過ちを正そうと考える時が来ると。
ピュラーはそう信じている。

だから決して人間を神々の手によって滅ぼす事は許さない。今はまだ人間に学ばさなければならない。
その為にも私は神々の手から人間を守り抜く。

それがピュラーの考え方であった。

それが、例え最高神ゼウスに逆らい、
神の犯す最大の禁忌だとしても……。


(1:53)
今も多くの神々はゼウスを筆頭に幾度に渡り人間を滅ぼそうとしてきた。

世界を揺るがして大津波、大地震を何度も引き起こしている。
だが幾多に渡り実行しても全ての人間への制裁に失敗している。

それは人間を守り続ける女神、ピュラーがいるからだ。

今人間はピュラーの力によって護られ生かされている。
だがピュラー1柱の力も無限ではない。

いつか神々の猛攻から護りきれずに全ての人間は神の制裁を受け滅びる時が来るだろう。

だからこそ、それまでに改心し、人間は変わらなければならないのだ。

今まで人間を守護していたピュラーの為にも、人間が世界の先導者となりこれ以上の過ちを犯さず、そして神の画いた摂理に準じて。

いつか神々が人間を許す事を信じて。


───これからの人間の歩む先に福音を────






ゴスペリオン・シルバー閲覧ありがとうございます。

初めて聞いた時、なんかこの人ヤバい曲作ってる!超好き!これは書かなくては!と思いました(笑)

人間が過ちを何度も犯し、それでも女神は人間を信じて守ってくれている。そんなお話となりました。

これからも素晴らしい楽曲を作って下さいませ!楽しみにしております!そしてまた書かせて頂きます!


今回色んな名称が出ましたが、舞台はギリシャ神話の名前使いました
ゼウスは一番偉い神、
プロメテウスは人間を守護し他の神に無断で人間に贔屓した男神、
ピュラーはそのプロメテウスの身内の女神と言った感じです。
本当はプロメテウスが適役だったけど男だから不採用となり名前も聞いたことのない知らない女神に役回りさせました(笑)

お話はここで終りますが
余談をするとこの先で人間は滅びます(笑)
その後ピュラーが石から人間を作り直すらしいですね。