■基本的に談話は冷静だが


昨日、この件についてエントリを上げようとしたんですが

書き込みを押す瞬間、NewsWeeekのタイトルを見て慌てて取り消し。

首相、慰安婦問題の「責任」に言及 米紙インタビューで

http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070421/shs070421001.htm

(産経)



 安倍晋三首相は21日までに米紙ウォールストリート・ジャーナルなどのインタビューに応じ、米下院で対日非難決議が審議されている慰安婦問題に関連して「当時の慰安婦の方々に心から同情するし、日本の首相として大変申し訳ないと思っている。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況につき、われわれは責任があると考えている」と、日本側の「責任」に言及して謝罪の意を示し、平成5年の河野談話を継承する考えを改めて表明した。


 一方で、首相は「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀だが、日本も例外ではない」とも述べ、戦時の人権侵害が日本だけの問題ではないことをにじませた


実は批判承知でいうなら

現段階での安倍さんの回答はクレバーだと思っていました。


あくまで安倍首相の談話だけなら。

でそのNWの記事

'We Bear Responsibility'
http://www.msnbc.msn.com/id/18233740/site/newsweek/page/3/

(NewsWeek)


(NW)

As you know, your comments on "comfort women" caused an outcry in the United States. Do you really believe the Imperial Army had no program to force Korean, Chinese and other women to provide sexual services to Japanese soldiers?


(Abe)


The 20th century was a century in which human rights were infringed upon in numerous parts of the world, and Japan also bears responsibility in that regard. I believe that we have to look at our own history with humility, and we always have to think about our responsibility.


(NW)

Do you now believe that the Imperial Army forced these women into this situation?


(Abe)

I have to express sympathy from the bottom of my heart to those people who were taken as wartime comfort women. As a human being I would like to express my sympathies, and also as prime minister of Japan I need to apologize to them. With regards to the wartime comfort-women issue, my administration has been saying all along that we continue to stand by the Kono Statement [a 1993 acknowledgment of Japan's partial responsibility for the brothels]. We feel responsible for having forced these women to go through that hardship and pain as comfort women under the circumstances at the time.

こうやって変な翻訳されるているんですね。

ていうか数秒でエントリ取り消した理由はこの記事タイトル。


これ銭金含めて責任取るって意味ですよね。


しかも強制連行を認めたようになっている。


私としてはThe 20th century was a century in~の部分だけ確認して

クレバーだと感じたんですが

(今の国際情勢から見て)

これ以外について、まさかこんな意訳されているとは・・


普通チェックはいるもんだと思っていたのですが

ノーチェックです。


で談話要旨だけで判断していたのですが

こりゃ原文がいるなと思っていましたら

産経の阿比留さんが紹介されていました。


安倍首相米紙インタビュー全文と、報道って…

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/156726/

(国を憂い、われとわが身を甘やかすの記)



Q:総理の慰安婦についてのコメントについて、アメリカで反感が出ているが。


A:私は当時の慰安婦の方々に対し人間として心から同情をするし、そういう状態に置かれたことに対し、日本の総理として大変申し訳ないと思っている。20世紀においては人権が世界各地で侵害された世紀であるが、日本にもその責任があり、例外ではない。われわれはわれわれの歴史に対し常に謙虚でなければならないし、常に私たち自身の責任を思いを致さなければならないと考えている。



A:これは官房長官談話のときの政府の調査についてであり、私が初めて述べたものではなく、今までの政府の見解(平林外政審議室長答弁など)を述べたものである。つまり事実関係について述べたのは私が初めてではないということである。ここで事実関係について述べることにあまり意味はないということである。


Q:要点は軍が女性を辛い状況に追い込んだことについて河野談話の立場を継承し、総理としてお詫びするということか?


A:彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況につき、われわれは責任があると考えている。そのときの状況として、慰安婦として彼女らが非常に苦しい思いをしたことに対して責任を感じているということである。念のために言っておくが、慰安婦の問題に関しては河野官房長官談話を私の内閣は継承しているとは一貫して言っていることである。

Q:私の記憶が正しければ軍が関与した証拠はないと述べたように記憶しているが。

The 20th century was a century in which human rights were infringed upon

in numerous parts of the world, and Japan also bears responsibility in that regard.

20世紀は世界各地で人権が侵害されたが、日本にも責任があり、例外ではない

この様に掲げられると、アメリカはじめ諸外国はどう答えるのでしょうか?


進駐軍が我が国に対して犯した数万件の強姦事件は?

韓国・ソビエト・シナ・・・・・の戦時犯罪は?


って話になるわけで踏み込んだ談話であるわけです。


ただし、その報道がおかしい。


というよりチェックが働いていないのか?


阿比留さんの全文とNewsWeekの記事が恐ろしく違っています。


これは

官房、外務省の中にわざとかぼんくらか知りませんが

そういうのがいて、わざとなら、仕組んでいるのでしょう。


ところで、産経・古森さんが奮闘されているのですが

その中での恐ろしい話。


この時期においてもまだ基本的な事を理解していない米ジャーナリストが存在している・・・

というのが、まぁ驚愕ではあります。


■慰安サービスが無料だと思っていたアメリカ人ジャーナリスト


古森義久さん 慰安婦問題での陰謀説

http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070421/usa070421003.htm

(産経)


追記・コメント欄にて おお さんに教えていただきました。


フォーリン・エクスチェンジ 慰安婦 
http://www.youtube.com/watch?v=Z9VFiNPe4do

http://video.google.com/videoplay?docid=4960397758268902500&hl=en



フォーリン・エクスチェンジ 慰安婦



 米国のPBS(公共放送)系テレビのニューズ・インタビュー番組に招かれ、慰安婦問題について意見を述べる機会を得た。ニューズウィーク誌のコラムニストなども務める米人ジャーナリストのファリード・ザカリア氏が主宰する「フォーリン・エクスチェンジ(対外交流)」という番組である。


 今回のタイトルはずばり「慰安婦」、4月はじめに全米80以上のPBS系局からすでに放映されたが、ザカリア氏との15分ほどの1対1の討論だったため、かなり長く意見を述べることができた。このへんは米国ジャーナリズムの公正さである。


 私は米側がそもそも非難する「日本の政府あるいは軍による政策としての組織的な女性の強制徴用」という行為はなかったという点を説明した。


ザカリア氏は個々の兵士が慰安婦に代金を払っていたことを知らず、驚いていた


 総括として私は思い切って、慰安婦問題での米側からの今回の糾弾を「ダブル・ジェパディー」「ダブル・スタンダード」「ティンジ・オブ・レーシズム」という三つの言葉で評した。


 「ダブル・ジェパディー」とは二重訴追の危険である。つまり個人や集団が同じ犯罪やその嫌疑を一度、すでに訴追され、裁判を受けたのに、またまた訴えられ、裁かれるという不当な事態のことだ。慰安婦については日本はさんざんに非難され、それなりに対応し、日本軍将兵による軍規違反の個別の強制徴用は戦争犯罪として裁かれまでしたのに、いままた罰せられようとする。その懲罰は米国の憲法でも保障している一事不再理の原則に違反する行為ではないか、と抗議するわけだ。


 「ダブル・スタンダード」とは二重規準である。軍隊のための売春制度は明らかに好ましくない事象だった。慰安婦となった個々の女性には悲劇も苦痛もあった。そうしたケースに同情し、現代のモラルから全体の制度を非難し、反省することはやぶさかではない。だが、人道主義という観点からみるなら米国の原爆投下はどうか。中国のウイグルやチベットの少数民族抑圧はどうか。法輪功弾圧はどうか。なぜ60年以上前に終結した特定案件だけが糾弾されるのか、という疑問が残るわけだ。


 「ティンジ・オブ・レーシズム」とは人種や民族への偏見の色彩である。慰安婦問題で日本を非難するボストン・グローブ3月8日付社説の見出しは「『すみません』と言えない日本」だった。ニューヨーク・タイムズの3月6日付社説は「日本の政治家たちは安倍首相はじめ恥ずべき過去を克服する第一歩はその過去を認めることだと知るべき時だ」と断じた。米国はフランスに向かって、こんな口調で告げるだろうか。こうした高所からの「日本とは」とか「日本の政治家たちは」という説教調の断定には日本国民を一括して特殊に決めつける人種偏見がにじんでいる。そう抗議したかったのだ。


~~


古森さんの糾弾の理不尽さの説明は理解されやすいと思います。

これは今回の安部談話のあらたなテーマにかかわってくる部分です。


またびっくりするのは

ただで慰安所を利用していたと思われていることです。


これではまさに性奴隷と捉えても仕方ありません。

慰安婦の高給は疑いようのない事実であり、

こんな根本的な知識を、

第一線の米国ジャーナリストでさえ有していないというのは

この問題の実態が何であるのかを表わしていると思います。


ザカリア氏はLally Weymouthに伝えたのでしょうか?

NewsWeekコラムニストとして。


どちらにしろ、この国際情勢下、

無知な米国世論と常軌を逸した特アの反応に対し、

これ以上の回答のしようはないと思います。


ただ、今後の動向においては

強制性の追及などが続くとも思われます。


さっそく反日マスコミなどは

強制性に対する発言の撤回などを主張しています。

これからが踏ん張りどころでしょう。


NewsWeekはワシントンポストの子分だし

WSJは共和党系といっても

mary kissel記者が香港だし選択の背景がわかりません。


そして以前はこういう窓口は外務省が関わるんですが

安倍さん以降は官房が仕切っていることになっているらしい。


ところがこのMarry Kissei記者は

外務省から「SUSHI」接待攻勢にあったと記事において報じている・・・って話なんですが

こんな間抜けな事を本当にしているなら

「わざと」でしょう。

もし真実でないなら・・・・


だれが貶めようとしているのか?


私は安倍首相談話は冷静だと思うし、一歩踏み込んだ地雷を仕掛けたとも思うんですが

如何せん肝心の英字報道がこれでは、チェック機構はどうなってんだ?

ってことになります。


そもそも要人取材での事前質問確認など当たり前の話で

それ以上にゲラチェックは当たり前です。


ただ一言言えることは

このあらたな談話はこう示しているわけです。


■まず我が国が反省の意を表する、で皆さんは?

さて、この談話っていうのは訪米で動きそうです。


米紙報道のミスリードは逆に反日連帯の動きをけん制することになるだろうし

米国世論のさらなる糾弾なんてものがあるとすれば


人類共通の黎明の時代の負債をどう分担するのだ・・・


というあらたなテーマに突入することになるという意味になります。


ただ言えることは「フェードアウトすればいい」っていう話ではなく、

あくまで、理不尽な不名誉自体を払拭しなければ意味がありません。