
元SMAPの中居正広の女性トラブルをめぐって、トヨタ自動車や日本生命など、名だたる日本企業がCM出稿を差し止める事態に発展しているフジテレビ。
フジサンケイグループの持株会社であるフジ・メディア・ホールディングスを含むグループ企業に、テレビ局の監督官庁である総務省のOBら4人が天下りしていることが「週刊文春」の取材でわかった。
総務省の天下り役人はフジが突出して多い
「天下り役人の一人は、昨年6月26日にフジ・メディア・ホールディングスの取締役に就任した山田真貴子氏。他の民放と比べても、総務省からの天下りの人数はフジが突出して多い」(総務省関係者)
山田氏は1984年に旧郵政省に入省。2013年、第2次安倍内閣で女性初の首相秘書官に抜擢され、安倍政権を支えた。その後は順調に出世街道を歩み、2017年には放送行政を一手に担う情報流通行政局長に就任。
情報流通行政局長は放送担当のトップである。 そして女性初の総務省次官級ポストである総務審議官を経て、2020年7月に退官した。
「飲み会を絶対に断らない女」に大きな批判が…
「2020年9月、菅義偉内閣のもとで女性初の内閣広報官に就任しましたが、総務審議官時代に菅氏の長男が勤めていた放送事業会社『東北新社』から、一晩に7万4203円という高額接待を受けていたことが『週刊文春』の報道により発覚。
山田氏は、かつて若者に向けた動画メッセージで『飲み会を絶対に断らない女としてやってきた』と語っていた。大きな批判を浴び、翌年3月に内閣広報官を辞任しました」(同前)
そんな山田氏は、なぜフジに天下ったのか。フジ関係者が打ち明ける。 「放送を巡って問題が起こった際、テレビ局は総務省から追及される立場。それゆえ、放送行政のトップである情報流通行政局長の経験者は調整役として貴重な存在です。
山田氏は三顧の礼で迎え入れられ、フジ・メディア・ホールディングスの取締役の他、フジテレビジョンの社外取締役も兼務。一般的に、取締役の年収は3000万円前後です」
なぜ天下りを次々受け入れてきたのか
フジに天下りしている総務官僚は山田氏だけではない。なぜ同局は天下りを次々受け入れてきたのか。そして“放送行政のプロ”を獲得する狙いはどこにあるのか――。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」ではフジへ天下りした総務官僚についての記事を掲載。残る3名の素性やフジでの役職について、また山田氏などへの直撃取材の様子を報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年1月23日号
“絶対に断らない女”山田真貴子元報道官がフジテレビに天下りへ 総務官僚時代に高額接待で猛批判浴びる
公開日: 更新日:
高額接待で批判を浴びた総務官僚が、よりによって所管先の テレビ局に天下りとは──。
菅政権の時、内閣広報官を務めていた山田真貴子氏が、フジ・メディア・ホールディングスの取締役に就任することが分かった。5月15日に内示があり、5月17日の取締役会の決議後、6月26日の株主総会で承認される予定だ。フジテレビジョンの取締役も兼務する。
山田真貴子氏は、いわくつきの元高級官僚だ。総務審議官時代、菅前首相の長男が勤めていた放送事業会社「東北新社」から、一晩7万4203円もの高額接待を受けていたことが発覚して、批判を浴び、内閣広報官を辞任している。
山田氏は早大卒、1984年に旧郵政省(現総務省)に入省している。菅前首相の覚えがめでたく、2013年、第2次安倍内閣で女性初の首相秘書官に抜擢され、菅政権が誕生すると、内閣の顔である内閣広報官に取り立てられている。私大卒、女性、しかも総務省の本流である旧自治省の出身でもないのに、総務省のナンバー2、審議官まで出世している。本人は、若者に向けた動画メッセージで「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」と語っていた。
しかし、内閣広報官の時、高額接待が発覚し、あえなく辞任している。
旧郵政省の3年後輩と結婚し、戸籍上の名字は吉田だ。
それにしても、利害関係者である所管先から高額接待を受け、あれだけ批判されたのに、所管していた テレビ局に天下りとは、どういうつもりなのか。
人事についてフジ・メディア・ホールディングスはこう言う。
「当社は、なにも発表していません」
正式決定したら、山田氏は天下りについて説明すべきではないか。