丁稚烏龍帳 -24ページ目

丁稚烏龍帳

today,detch stood live on the earth,too…

                                   11月17日 三軒目

 車橋をあとに、一路目指すは野毛。傾いたアパートや雑居ビルなど、通り傍の歴史的建造物を眺めながらだと、雨の散歩道も乙なもんですなあ。しかし、霜月も半ばになれば、冷たい雨はよく冷えます。

 日ノ出町の駅前を右折すれば、目的地はすぐそこに。野毛の路地裏にひっそりとたたずむ一軒のしもたや、ここが本日の目的地、野毛の名物酒場 武蔵屋さんです。


 時刻は開店時間ちょうどの五時。以前、野毛山動物園などを散歩していた時に、偶然見つけて場所だけは知っていましたが、野毛には来ていても昼間だったり、あるいは逆に夜遅くだったりして、この時間に訪れたことはありませんでした。

 こちらは、営業時間が午後五時から午後八時までの三時間。営業日も火・水・金の週三日と、ただでさえ訪問難易度が高いのに加え、夏場と冬場は長期のお休みに入ってしまうという、昼間千葉にいる人間にとっては幻の酒場と言ってもいい位の、僕にとってのあこがれのお店なのでした。

 たまたまこのひと月ほど前、浜田さんと宇ち入りした際に、「武蔵屋再開したみたいですよ~」というお話をいただいたもので、ご近所と二人、いつかは…という思いを新たにしていました。そして今日、ついに訪問の機会が訪れたというわけです。


丁稚飲酒帳-温かな灯  しかし、見るからに一軒家ですねぇ。のれんはおろか、看板すらない、これでお店と気付けという方が無理でしょう。向かう途中も開いていてほしいと半ば祈るような気持ちでたどり着いた先に、灯りが見えて正直ほっとしました。たどり着いた感慨にひたる間にも、後ろからやっぱりこちらにいらしたようなお客様が見えます、さっそくお邪魔しましょうか。

 引き戸をガラリと開けると、すでに店内は六分の入り。お店の構造としては、左手に四人掛けのテーブル席が二つ。右手には厨房の前に六人掛けのカウンター。さらに奥の座敷では、すでに六人ほどの小宴席と、お二人連れが杯を交わしています。カウンターにも奥から三人のお客様が座っておいでで、僕らは手前側に揃って腰かけることができました。


 カウンター向こうの厨房には、こちらの経営者であられる姉妹のお婆さんに、調理補助のお姉さん、さらには若い男女の五人の方がおいでです。取り仕切りは若い男性の方が中心にされているようで、「お酒にしますか、麦酒にしますか?」と声をかけてくれます。もちろんお酒を味わいに来たのですが、なるべくこの機会を長い時間味わいたいな…その想いが、反射的に「ビールをください、小ビンで」と二つ返事を返してしまいます。

 ほどなく、突き出しの塩豆と大ビンが出てきました…うーん、滑舌悪いな、わし(^^; まあ、その分、ゆっくりできるということでしょう。ご近所と二人、お互いのビアタンにビールを注ぎあって、念願の今日に乾杯。


 店内には高名な文筆家たちの作品や、英字新聞に武蔵屋が紹介された記事などが飾られています。また、カウンターと厨房との仕切りの上には、先代のお父さんの姿なのかな、土瓶を片手に指を一本立てたのと、三本立てた陶製の人形がユーモラスに呑み助達を見守っています。

 突き出しに出していただいた塩豆をつまみつつ、いただくビールのうまいこと。さて、ビールを半分ほどいただいたところで、いよいよお酒をお願いしましょう。

 まず、お姉さんが酒肴を並べてくれます。おからに玉ネギの酢漬けが並んだところで、お父さん人形の姿そのままに、カウンターの上の土瓶を取って、お兄さんがグラスに並々と燗酒を注いでくれます。表面張力ギリギリの見切りはさすが、うーむ、お若いのに見事な注ぎっぷりでらっしゃる。

 燗を口から迎えに行きますてぇと、しみじみとうまい。冷えた体が腹の中から温まりますねぇ…今日の晩秋の雨がかえってよかったかもしれません。おからも干し海老が入っているのですが、その嫌味がなく僕でも食べられます。さっぱりとした玉ネギもまたいいですねぇ。ご近所と二人、ポツリポツリと会話を交わしたり、後に入ってこられた方がお婆さんとお話をされるのに耳を傾けたりしていると、なんともくつろいだいい気持ちになってきます。表から見たつくりのそのままなんでしょうか、お店で飲んでいるという感じがせずに、家でゆったりやっているような気分になるから不思議です。


 酒肴二品を半分ほど平らげたところで、三品目となります鱈どうふが出てきます。今日二回目の湯豆腐ですが、こちらはいわゆる鱈チリの様相。鱈の出汁のたっぷりと出たスープに、半丁分の豆腐がたゆたっています。これまた温まる一品ですねぇ。


 一杯目をゆっくりと飲みほして、さて二杯目をいただくところで、続きは後日にしましょうか。

 ということで、後半に続きます。

                                     11月17日二軒目
丁稚飲酒帳-車橋  みのかんをあとに京急神奈川駅の前を抜けて、横浜駅西口へ。

 ん~、まだちょいと時間がはやいですなぁ。とりあえずはヨドバシカメラで時間でもつぶして…さて、時刻は頃合4時ちょい前、一路根岸線で石川町の駅を目指します。駅に降りて、高速道路沿いを歩くこと10分、向こうから女子高生がたくさん歩いてきますねぇ…、あ、ちょうど下校時刻か。すいません、おじさんはもうスィッチが入ってまして(^-^;


 さてさて、やってきたのは車橋の交差点。大通りの向こうを見やると、お、店員さんが入り口の前にビニールシートを貼ってますね。そうですね、今日は風も冷たいから。さて、時計を見ると時刻はぴったり午後4時、開店時刻になりましたよと、信号が変わるとともにお店にダッシュ。まだ半開きのシャッターを前に気持ちははやります。出てきた先ほどの店員さんに、「いいですか?」とお尋ねすると、「すぐ開けますから、もう少しまってください」と表の灯をつけて、半開きのシャッターを開けてくれます。なるほどシャッターの中柱は入り口左手の溝に納まるって寸法ですか。「どうぞ」のご案内で一番のお客になりました。




 さてさて、何をいただきましょうか、先ほどの特濃チューハイで温まった身体も、一時間のインターバルですっかりクールダウン。ここはやっぱり熱燗かしらと思いながら、千円札を握り締めてカウンターに行く何歩かのうちに、やっぱり車橋に来たらと考えが変わります。お願いしたのは、「ホッピーの白」。はい、わかりましたとお兄さん、カウンター下の冷蔵庫から凍りつくほどに冷えたジョッキを取り出し、そこにやっぱり冷たい焼酎を。さらにはこれまた冷えたホッピー瓶を差し出して、これぞ理想的な三冷ホッピーセット360円でございます。

丁稚飲酒帳-チンカチンカのジョッキ 丁稚飲酒帳-チンカチンカのボトル
丁稚飲酒帳-チンカピーホツ完成  さてさて、なぎら氏調にチンカチンカに冷えたジョッキにホッピーを注ぐてぇと、泡も凍らんばかりの見事なピーホツの出来上がりです。これをゴクゴクッと行きますと、冷えた身体もなんのその、やっぱりホッピーはうまいねぇ。


 あての方は、車橋といいますとあたし的にはまずはお刺身となるわけです。それもお肉の刺身が好きですね。牛刺し、馬刺しとある中で、今日は塩ユッケにしてみましょう。450円を握りしめ、カウンターでお兄さんにお願いします。


丁稚飲酒帳-塩ユッケ  机に手をかけてホッピーをあおりながら、店内の様子を眺めていると、入口裏手の壁には名刺が一面に貼り付けてあります。いろいろな会社や、車橋のお客さん共通の名刺がある中に、知り合いの方の名刺もあったりして…と、やって参りました桜色の小山が。まずは一口、そのままでいただきますと、塩だれに引き出されたお肉の甘味がたまらんですなぁ。続いてはうずらの卵を絡めますと、卵のまろやかさが加わって、これまたホッピーの加速剤。最後にレモンを絞りますと、酸味で塩気がさらに増して、なんともうまかぁ~。

 こうして段階を踏んで食べていくと、牛刺しはお肉自体の美味しさ、甘味を味わえて、かたや塩ユッケは調味の妙を楽しめると、味わいが違うんですねぇ。今度、二つ並べて食べてみたいわぁ。



丁稚飲酒帳-高級店で味わうような  さてさて、焼きものも行きましょう。一本100円から焼きものがずらり並ぶ中で、やっぱり牛ロース串でしょう。

 これまた大好きメニューでございまして、外は焼き目カリッと香ばしく焼きあげられていながら、中はレアに近いジューシィな焼きあがりが絶妙なんですよね。行ったことはないけど、高級ステーキ店で出されるステーキって、こんなじゃないかなぁと思うのですよ。これが一串150円で食べられるのは、横浜まで来る甲斐があろうというものです。ごはんに合わせたら、さぞや進むだろうなぁ。


丁稚飲酒帳-トロッとろレバー  おっと、もつ肉店に来ていながらもつをいただいていませんよ。最後にレバの味噌ダレ焼きをいただきましょう。ん~、実は車橋にお邪魔するのも二年近くご無沙汰でございまして、記憶があやふやなんですが、味噌ダレって昔あったっけかしら?どういう味噌だれなのか、興味もありましてお願いしてみます。

 焼きあがってきたのは、なんともボリューム感のある塊レバー。串を持ち上げるとずしっと重い、なんとも嬉しい重さです。さてさて味噌ダレはといいますと、一言うまい!甘味のあとに味噌の塩気がやってきて、口の中が甘辛の幸せに満たされる感じ。スパイシーなのはニンニクの風味が効いているのかな?秋元さんでいただく味噌ダレに近い感じでしょうかね。これにレバーのとろける風合いが、なんともマッチするのですよ。いやぁ、最後にこれもいただいてよかったなぁ。


 さて、30分のつもりが40分一本勝負になりましたが、そろそろ目的のお店が開く時間ですよ。残ったピーホツを空けて、いよいよ出発です。ご馳走様でした… それにつけても刺身も焼きも、なんとも高いレベル。肉質がいいのに加えて、調理の腕も立つのが嬉しいところ。近所にほしいなぁ、車橋もつ肉店。また、お邪魔しますね。


 車橋もつ肉店 16:00~ 水曜定休




                                        11月17日(火)一軒目
 雨の横浜。

丁稚飲酒帳-熊野神社の狛犬  降り立ったのは東神奈川駅。目指す酒場は、第一京浜のすぐ近く。最寄は京急神奈川、仲木戸、またJRならば東神奈川と、いずれの駅からも歩いて10分程の住宅街の中にあります。今日は東神奈川駅からのんびり歩いてうかがうとしましょう。行く道すがらには、大きな狛犬の鎮座する神社や広い境内に銀杏の高木のそびえるお寺など、このあたりは古い寺社仏閣が多いのですね。散歩して初めて気づく、歴史の重み。


 さて、滝の川にかかる土橋を渡れば、向こうには今日も昼からのれんがはためいています、ここが今日の昼食会場、市民酒場みのかんさんでございます。



丁稚飲酒帳-雨の市民酒場  築何十年という佇まいは思わず見ほれてしまうほど、みのかんと染め抜かれた紺地の暖簾は、時の重みか、下半分は向こう側がうっすらと透けて見えるほど。さらに中に一歩踏み入れば、まさに本物の昭和の空間が、当時のままに残っています。銚子屋にも通じるこのゆるい時間の流れは、ここだけ時が止まっているかのよう。

 傘の雫を払って、こんにちはとお邪魔すると、今日も「いらっしゃいまし」と塩辛声のご亭主の声が出迎えてくれます。なんとも、背筋が伸びますなぁ。


 
 冷たい小糠雨に打たれて、少し寒さを感じる今日は思わず熱燗と叫んでしまいそうですが、まずはチューハイから行きましょう。この酒場は寒いときも熱燗でなくていいんです、チューハイがいいんです。丁稚飲酒帳-9割酎ハイ何故って…ほら見てくださいな、グラスには氷も入っていますが、実に八割の焼酎。これを味わえばどんなに寒くても、飲み進めるほどに温まろうて寸法です。

 

 さらにお通しにはコンニャクとがんもどき。時にはジャガイモがあたったりもするのですが、今日の二品だってボリューム満点。特濃チューハイをやっつける前に、胃にものを入れて悪酔いしないようにというご配慮でしょう。これがまた良く出汁を含んでおりまして、卓上の辛子をつけて食べるとうまいんだぁ。ちなみにこの辛子も特辛でございまして、この日もよく泣きました(^^;。しかもこのお通し、なんと無料、本当に頭が下がります。

 さてさて、折角の横浜お邪魔、今日はできるだけ廻りたいと思ってますから、スタートは軽めにね。短冊をざっと見回すと、お、今日はありましたよ、親分おすすめの煮込みがありました。それと焼酎で温まってくるとはいえ、やはり寒いですから、湯豆腐をお願いしましょう。


 厨房の小窓にお母さんが顔を出されたタイミングをはかり、「すいません、煮込みと湯豆腐、お願いします」とオーダーを入れておいて、さてチューハイを味わいながら待つとしましょうか。

 カウンターにはサラリーマンのお父さんが、午後のアイドルタイムを一人ゆっくり過ごしています。奥の四人掛けはご近所の寄り合いでしょうか、叔父様方が三人で「誰それさんは最近どうだ」…なんて話をされています。そのうちには、お話しが盛り上がったようでもう一人の方に、お電話されてますね。「いま、せんべろなんだけどな、すぐ来いよ」…なんて、みのかんさん、土地の方からも「せんべろ」って呼ばれているんですねぇ。

丁稚飲酒帳-煮込み300円  せんべろ、もちろん千円でベロベロになれるお店のことですが、こちらの創語者はやはり中島らもさんですかね?名著「せんべろ探偵が行く」以前から、この言葉はあったのかしら…なんて思いを馳せておりますと、揃って出てまいりました、煮込みに湯豆腐。

 みのかんさんの煮込みは、いわゆるどて煮に近い八丁味噌の甘辛いタイプ。お鉢の中には、分厚く着られたシロやフワがたっぷりと、しかもこれが固さなんて感じないふわふわの食感なんです。噛み締めると味噌の甘味ともつの旨味が、口の中にじゅわー。これで300円ですから、売り切れ必至なのもよくわかります。

 さらには湯豆腐も豆腐がたっぷり一丁分、出汁醤油掛けまわされて、その上に花鰹が踊っています。このフルフルの食感もいいですねぇ、温まります。



丁稚飲酒帳-湯どうふ180円!  と、まだお若いカップルさんがご登場、こちらもおなじみさんのようで、いつものような感じでお父さんとオーダーのやり取りをされています。お兄さんの方はみのかんで一番お安いハイボール、そう特濃チューハイは280円なんですが、ウィスキーハイボールは200円という価格破壊。作り方を見ていますと、ショットグラスに並々注ぎいれたウィスキーを炭酸で割ってくれるのですが、これまた十二分に濃い。さらにはダブル(340円)ってあるんですが、あれ頼んだらどうなっちゃうんだろ(^^; 

 お姉さんの方はウーロンハイですが、こちらはビアタンに入れた焼酎をグラスに注ぎいれる前にお父さん、「全部じゃ多いから、半分ずつにしますね」とビアタンの半分ほどを注いで、残りはそのままお持ちになります。なるほど、半分ずつでオーダーすれば通常の…それでも濃い目のチューハイになるかぁ。お父さんの細やかな心配りを見るにつけ、いいなぁ、そんな注文の仕方が出来るくらいに馴染みになりたいなぁ…と思います。若干傾いた格子戸の曇りガラス越しに、表の光が漏れ射す様子がまたなんともまったりでいいですねぇ。


丁稚飲酒帳-格子戸の向こうの光  さて、ゆっくりと飲み干したところで、このあたりで腰を上げるとしましょう。

 お会計をお願いしますと、チューハイ二杯に二品いただいて、「1060円です」とお父さん。思わず、「本当にすいませんでした」と、心から頭を下げてしまいました。

 焼酎に酔い、さらに雰囲気にも酔って、もうかなり気持ちいいんですよ。それなのにお会計千円ちょっと、さらには先ほどのカップルさんへの接客だけでなく、僕らのような日の浅いお客にも丁寧な凛とした接客をしていただいて。ただ安いだけの居酒屋は数あれど、質の高い酒場をさらにお安い値段で味わえる、まさにセンベロ酒場の鑑ですね。だからこそ、雰囲気を壊すような飲み方はできなくなる…そういう好循環が果たして今の酒場環境にどれだけあるのか。
丁稚飲酒帳-土橋に雨がふりしきる 確かに安い居酒屋は増えました。大きな駅前に行けば一品300円均一とかの大箱系低価格居酒屋をよく見かけるようになりました。でもどうにもそういうお店には入る気がしないのですね。そこには、お父さんのような人の顔がない。また、お客の側もお金を払っているのだからと、お客様になりたがる…そうじゃない、酒場はやっぱりお店とお客と両方でつくるものでしょう。お金を払っているのだからとお客が居丈高になる道理もないし、自分の店だからとお店が押し付けるものでもない。お互いがほっこり共存できる関係をつくりたいものです…なんて、へべれけてるあたしが言えた義理じゃないんですが。


 表に出ると粉糠雨はだいぶ小降りになりました。これなら傘もいらないかな。

 また、近くによりましたら寄らせていただきます。どうぞ、お父さん、お母さんお元気に続けてください。ごちそうさまでした。


市民酒場みのかん 10:00~20:00  日曜定休



 霜月も半ばを過ぎると、寒さが急に足音を早めてきたニャ。ネコはこたつで丸くなる季節ももうすぐだが、

その前に紅葉を楽しんでおくとしよう。今日は練馬方面まで足を伸ばして、下赤塚でm蔵と待ち合わせで

ある。しかし、どうやら地下鉄と東上線を行ったりきてるしてるらしいニャ。丁稚は丁稚で、駅前の衣料品

店にもぐりこんどるし…お、帰ってきたか、「先生~、靴下が五足で200円だったでゲスよ~」。それは、

なにより、座敷で飲むこともあるのだから、穴の開いた靴下は繕っておけよ。

 
丁稚飲酒帳-街路樹の黄色  m蔵と合流した時分には、もう三時近く。日が傾きかけてるニャ。

 下赤塚からめざす光が丘公園までは、徒歩10分ほどの道のり。途中の街路樹も綺麗に色づいている。

 秋には斜陽が良く似合うような気がするニャ。傾いた日の光が赤みを増して、色づいた木々の葉の彩りを引き立てている。心なしか柔らかな温かみを感じる気もするニャ。


 「先生、詩人でゲスな~、ぽえまー、ぽえまー」…それは、ポェットというのだよ、丁稚くん。なんでもerがつけばいいと思うニャよ。まあ、確かに秋は人を詩人に代えるのかもしれニャいが…「先生、ニャンコ……ギャース、爪は立てないでゲス~(T-T」



丁稚飲酒帳-葉っぱの絨毯  初めて訪れた光が丘公園は、六万㎡という広大な敷地に、野球場やサッカー場、バーベキュー広場に、バードサンクチュアリという水鳥の観察施設まであるという、大規模公園だニャ。公園内には樹木も多く、園路には散った葉がつもり、絨毯になっている。この日もテニスの壁打ちに興じる人、芝生広場でシートを広げる家族、ベンチで語らう恋人達など、大勢の人が出ていたニャ。


 広場の中央には見上げるほどの大きなイチョウの木が、これは街路樹などでよく見かける三角帽子型に剪定されたものでなく、自然のままに伸びたもののようだ。四角形に近い広がりをもったイチョウの木というのも良いものだニャ。 


丁稚飲酒帳-見上げるイチョウ  それにしても、秋の日はつるべ落としとは良く言ったものニャ。公園についた頃には、もう日が傾いてきていたが、園内を散策した30分程度の間に、見る間に清掃工場の陰に日が落ちようとしている。

 こちらの黄葉の見所はなんと言っても、都営大江戸線の終点光が丘駅から、公園へと至るプロムナードの両脇に並ぶ銀杏並木なのニャが、肝心のそこまで日がもたなかったニャ。若干出遅れの感もあり、園内のモミジなどはこれからだったし、イチョウも見ごろだったが、この並木の方は日当たりのよい西側は半ば、葉が落ちてしまっていた。片側だけでも十分に見栄えがしただけに、盛りにくれば例年お邪魔している神宮外苑にも引けをとらぬ美しさだろうニャ。



丁稚飲酒帳-黄色の並木  紅葉狩りというのは、本当にタイミングをはかるのが難しい。気温に風向きで色づきのスピードが異なり、また出かけられる日の天候にも左右される。ましてや丁稚の今の職場が、何の因果か、この紅葉ハイシーズンの10月、11月は土日が出ずっぱりというのも癪に障るニャ、とりあえず爪でも立てとくか…「ギニャ~、あたしが仕事の日程組んでるわけじゃないでゲスよ~」。

 ただお前が休みの日に限って雨で、仕事の日は快晴というのは、どういうことかニャ?「あ、雨男は、今にはじまったことじゃないでゲス~、それに先生も言ってたじゃないでゲスか、秋には社用が良く似合うって…ギャー」。

 つまらん落ちで話をまとめるニャ。さて、来週あたりはいよいよ神宮が見ごろになってるかニャ、天候がいいことを期待するとしよう。

 ということで、復帰第一弾は接待旅行の〆のお話を一つ…。


丁稚飲酒帳-大地をふみしめて  うずまきのぼるは竜巻か♪…昔はよく歌ったものだニャ。

 さて、三ノ宮から一路JRで目指したのは新長田。震災の被災地として記憶に残っている方も多いだろう。丁稚などには、そばめしの発祥地としても有名だ。

その長田の町を元気にしようという新たなプロジェクトが進んでいる。まあ、気づいたのは出発の2日前だったわけだが。


 新長田の駅を海側に降りて、正面の大丸の角を曲がる。

 すると目に飛び込んでくる巨大な建造物。あたかも工事中のビルのような紗幕が掛けられているが、建物ではない。なぜなら、そこには大地をふみしめる巨大な足があるからだ。ゆうに大人の一抱え以上はあるであろう、太くたくましい左足。鈍いメタリックブルーの色と相まって、量感を感じさせる。



丁稚飲酒帳-空を裂く
 さらに正面に回れば、天を裂かんとかするかのような巨大な右手が空にそびえている。惜しむらくは、今日が曇天であったことだ。これが晴れていれば、さぞや空に映えたであろうに。

 この左足と右手の造形で、諸兄諸姉にはお気づきであろう、そのプロジェクトを。

 そう、KOBE鉄人PROJECT(神戸鉄人計画)である。もともと原作者である横山光輝氏の出身地が神戸であったことから、氏の功績を讃え、その作品の素晴らしさを永続的にアピールしていこうというのが、計画の趣旨である。その一環として、神戸を長田を元気にするためにつくられた、実寸大の鉄人モニュメント、それがこの建造物の正体である。



丁稚飲酒帳-鉄の人
 この圧倒的な量感を見てほしいニャ。

 今年はお台場のガンダムも話題になったが、スマートに過ぎる、あの造形よりもこの寸胴型で手足の太い独特の横山デザインの方が好みだニャ。

 「それは先生、お年だから…あたしらガンダム世代にはねぇ…」

 ブニャー!!…シャァッ!

 「ぎゃー、先生爪を立てないでほしいでゲス~」

 

 おまえ、ガンダム、オンタイムで見とらんかったろう。見たのは大人になってからだと言うとっただろうニャ。うそはいかんニャア。

 「ひぃ、先生爪を出したり引っこめたりするのは、やめてほしいでゲス~」。


 しかし、ビルの町にガオーとは、デュークエイセスもよく歌ったものだ。まさに、周辺の高いビルヂングに挑みかからんとするかのような巨大さ。鉄の人という形容が、なんともふさわしいデザインだニャ。

丁稚飲酒帳-その大きさたるや  写真からではなかなか量感が伝わってこないだろうが、前を歩いている人と比べてみてほしい。全高18メートルは伊達ではないのニャ。


 惜しむらくは、曇天とこの紗幕だニャ。実はこの日の2日後、10月1日が除幕式だったのニャが、大阪のアヒルちゃんが昨日までだったこともあり、この機に二基の巨大モニュメントを目の当たりにすることは叶わなかった。きっと今頃は多くの人の目を楽しませ、また長田っ子に力を与えていることだろう。


 今度は晴れた日に、青空にそびえる鉄人と記念撮影がしたいものニャ。

 わかったニャ、丁稚?

 「先生、鈍行で良ければ、あと二カ月待っていただければ、いつでもご案内するでゲスよ~」。

 そうだニャ、今回の旅は丁稚にしてはお贅沢だったからニャ。鈍行でゆったりの旅路も悪くなかろう。


 「ちなみに先生、いま思い出したでゲスが、冒頭の歌は大鉄人17でゲスよ、鉄人違いでゲス~」。


 それを知ってる時点で、おまえガンダム世代じゃニャいだろ…。




















丁稚飲酒帳-あの空の向こうに  ご無沙汰しております。

 しばしのサボタージュをしておりました。

 え、三週間くらいの音沙汰なしは、いつものことですって?

 確かにそのとおりなんですが。


 先月の終わり、お酒の仲間が亡くなりました。

 僕が酒場の世界に踏み込んだその日にお会いした時には、一見怖くて、上目遣いの大きな眼が印象的で。気難しい方かしら…と思ったら、馬があったのでしょうか、20も年上なのに気安く接してくれて、今も通っている酒場の多くをご案内いただきました。

 また、いろいろな方とも親しくなれたり、あるいは某酒場で常連さんと仲違いした時には、間に入ってくれたり、煮え切らない僕を叱ってくれたり…ミルクワンタンが大好きで、山手線散歩飲みからの徳多和ライブ、横浜方面の重鎮と親しくなれた諸星からバー巡り、愛・地球博の会場前まで行って帰ってきた、なんてこともありましたね。…僕も叔父貴と慕った方でした。 


 どうしても筆を取る気になれず、ブログの更新画面も開けないままに、時が過ぎて行きました。

 先日、仲間と飲んだ時にそんな話になりまして、更新しなきゃいかんでしょうと発破をかけられまして。確かに、そろそろ「おぬし、俺をサボりの理由に使うなよ」と言われそうな気もしますし…。


 夏の暑い盛りのヤマニ会、何故だか叔父貴とこのブログの話になりまして「珍念ちゃん、おぬしのブログは、ときどき花のことなど書いてあっていいね」と、まさか叔父貴があたしのブログを見てるなんてという驚きとともに、思いもしなかったお褒めの言葉にドギマギしてしまいました。嬉しかったなぁ。

 告別式の日、見上げた空は抜けるように青くて…きっと、あの空の向こう、どこかでまた散歩してるんだろうなぁ。なんて思ったら、雲がぼやけてきました。

 そうですね、サボるのも大概にして、ぼちぼちまた、感じたことを感じたまま、伝えていきましょう。

 また、どこかで見ててくれるのでしょうし。どうぞ、散歩しながらいいお店をみつけてください。また紹介していただけるその日まで。またお会いしましょうね、腹黒屋さん。


 

 さてさて、皆様いかがな三連休をお過ごしでしたでしょうか。
丁稚飲酒帳-おっちゃんとネコ   南京町広場で豚饅頭を堪能したあとは、いよいよ接待ディナーのお時間ざんすよ。気合い入れて行かねば、フガー

 目指すお店は南京町広場のすぐ上にあります。長安門から入ってきた場合は、メインストリートに立つ、お隣の店のはにかんだおじさん像が目印(あくまでもお隣のお店のディスプレイです)。


 

  


丁稚飲酒帳-定食840円  広場側からは、このメニューが目印、どちらからでも二階に上がれます。

 それにしても、いかがですかビーフステーキから海鮮鉄板焼き、さらにはビーフシチューまで、これだけの種類の定食が全品840円、しかも11時から20時まで通し営業の間、いつでもオーダーできるってんですから、ありがたいことです。メニューを見ているだけで、期待が高まってきます。


 さて、いきますか…今日はおぢさん側の階段をトントントンと登って、二階のすぐ左手にありました、めざすお店のサンセール。

 重い扉をカランと開けると、夕方の店内には先客はなし、初老のコックスーツのご主人が「どちらでもお好きなところへおかけください」と迎えてくれます。


 店内は扉の正面右手側がステーキカウンター、左手(大通り)側が四人掛けのテーブル席になっています。収容人数は全部で20人ちょっとというところでしょうか、やや薄暗めの証明がムードたっぷりです。

 テーブル席に腰かけて、さてなにをオーダーしようかしらん。ちなみに接待先のm蔵様は、「神戸牛が食べたいぞよ」とのことでしたので、2800円の神戸牛フィレステーキで決まりでございます。あたくしは、折角ですから定食から一品試してみましょうかね…まあ、お財布の事情もあるんですが(^^;

 ビーフシチューも食べたいが、珍しいところで牛すじ肉カツレツをお願いします。


丁稚飲酒帳-サラダにスープ  オーダーが通ると、ほどなくしてまずは定食のサラダとスープが運ばれてきます。

 お給仕をしてくれた奥様曰く、先週のシルバーウィークから昨日まで大混雑で、お店に入りきらないような状況だったそうです。それが日曜日のしかもまだ夕飯には少し早いこの時間ですからね、ゆったりとお食事ができます。

 青いカップに入ったスープは、牛コンソメのオニオンスープでしょうか、塩気がやや強いながら、その出汁の美味しさががつんと食欲を挑発してくれます。サラダも酸味の効いたドレッシングが、これまた食欲を刺激、夕暮れ時、いやが応でも食べモードにスィッチが入りますよ~。



丁稚飲酒帳-接待ステーキ  と後ろで火柱が、どうやら先にm蔵さんのフィレステーキが焼きあがったようです。こちらはご主人にお持ちいただけます。100gということでもっと小さい切り身かと思っていたら、結構あるんですね。


 玉ねぎやキャベツなどの野菜炒めを敷き詰めた上に鎮座ましますは、天下の神戸牛様。日頃、酒場で一人だと千ベロ、二人でも三千円…なんて生活をしていますと、この三千円のステーキなんてものに縁がないもので、思わず拝んでしまいたくなります。

 鉄板が熱く焼けていますので、添えられたしょうゆベースのソースに、お肉をちょっと付けていただいちゃってよ、m蔵さん。



丁稚飲酒帳-断面は弩レア  「うまか~!」とはm蔵さんのお声。曰くふわふわで柔らかいとのことですぞ。それはこの断面を見てもわかりますわ、なんとも弩級のレアですもんね。ちなみにm蔵さんは、さらに鉄板で焼きつけて、ミディアムの味わいも味わってらっしゃいましたが。

 一切れご相伴にあずかりますと言うと、これが叫ぶのもわかるわってな、美味しさ。フワッとした食感に、噛みしめるほどにお肉の旨味があふれてくる感じ。いわゆるはずれた時の、スッカスカなお肉とは対極を為す、いつまでも噛んでいたいと思わせる味わいでした。

 これが神戸牛というものか…昔大学生の時、鳥取砂丘~桂川の畔にかけて野宿旅行をした時に、神戸に立ち寄ったのがもう15年も前。あの時、確か神戸牛を食べようという話をしたような…、でも記憶に残っていないってことは、きっと断念したんだろうなぁ。つまり記憶の範囲では初神戸牛でゴワスよ、ああありがたやありがたや。お店に感謝、牛さんに感謝です。



丁稚飲酒帳-定食セット
 さてさて、あたくしの定食もできあがったようですよ。

 運ばれてきたのを見て、まず「太ッ!」という驚きが目を楽しませてくれます。三本のすじカツ、奥に横たわっているおナスと比べていただければわかるかと思いますが、結構大きいで~。

 さらには洋食の永遠のトモダチ、スパゲチィが添えられたすじカツのお定食、さていただいてみますかね。



丁稚飲酒帳-立派なアキレス様
 すじにナイフを当ててみると、サクッとパン粉を断つ心地よい音が。どうれ一口と、お口に持っていきますてぇと、衣のサクサク感のあとに、すじ肉のトロリとした旨味が口の中に広がっていきます。

 これまたなんともうまか~、というかあたし的にはフィレより、こちらの方が好みですわ~。


 さらには上にかかったドミグラスの味わいがまたよろしい。これはご飯がススムくんだす~。

 肝心のごはんが少し水分量の多い、うちの実家タイプのごはんだったのが残念でしたが、これはそれぞれの水の量がありますからやむなしとして、ともかくもこれは文句なく旨い。

丁稚飲酒帳-サックサクのトッロトロ
 付け合わせのおナスの揚がり具合もよろしく、かつガーリックの効いたスパがまた美味しい。このクオリティで840円は、信じられない価格でありんすよ。

 そもそも神戸牛2800円というのも相当にお安い価格設定ですからね。ご夫妻に頭が下がる思いで、しかし箸は止まらず…そう、もうひとつのお勧めポイントが、こちらすじカツは切るのにナイフとフォークを出してくれましたが、基本的にお箸で食べられる洋食屋さんなんです。テーブルマナーを知らない丁稚には、こういうご配慮が嬉しいです~。


 それにしてもとまらんわ。美味しい美味しいで、一気に完食してしまいましたとさ。

 帰りしな、お会計の際にご主人からお話しされて、ちょっとびっくり…寡黙な方かと思ったら、案外話し好き(^^

 すじカツのすじもなんと神戸牛だそうで。m蔵さんへの接待のつもりが、期せずしてあたしも神戸牛の恩恵にあずかれていたのですね。

 840円という価格、ご夫婦お二人で切り盛りされているからできるとのことですが、このご時世、相当のご努力をされていると思います。でも、あくまでも明るく、お客さんに美味しいものを提供したいという思いが短いお話からも伝わってきました。なんとも誇り高い価格設定の定食、ご夫婦の人柄がしみ込んだ、清々しくも温かいお店でした。ごちそうさま、今度はどの定食をいただこうかしらん♪


 サンセール 11:30~20:30 水曜定休

                                      10月9日(金) 

 先生と行く接待ツアーも、ちょいと閑話休題。昨日の出来事をお届けします。

 あたくしの勤め先でありますところの、佐倉。

 普段は閑散とした活気のない地方都市であるところのこのまちが、年に一度、熱く熱く燃える三日間があります。それが、10月第二金、土、日の佐倉の秋祭りです。


丁稚飲酒帳-田町御神酒所  もともとはまちの総鎮守であります麻賀多神社のご祭礼として、時の佐倉藩のもとで発展してきたこのお祭り。

 江戸時代初期に、市立美術館周辺の各町が江戸は日本橋から山車人形を買い付け、これを据え付けた山車を引きまわす形が始まりました。これらのうちの六体は現存しており、山車と他の町内の御神酒所、さらには総鎮守麻賀多の大神輿に町内神輿を合わせて、23基の祭礼具が市内狭しと練り歩きます。

 「えっさらこらさのほいさっさ」の掛け声に合わせて、揃いの衣装に身を包んだ町衆にひかれる御神酒所が、真っ暗な中に提灯の灯りにほんのりと照らし出される姿は、一種夢幻の世界にいるよう。どこと張り合えるほどのおまつりではありませんが、町衆が楽しんでいる姿を見ていると、こちらも思わずお囃子に乗って、「えっさらこらさの…」と声を合わせてしまいます。どうも昔から祭りは声出して、飲んで踊ってなんぼというのが、身についてまして(^^;

 ハレの日なんですから、はっちゃけないとね←自己正当化(苦笑)。



丁稚飲酒帳-えっさらこらさの  メイン会場となる、京成佐倉駅からまっすぐ登って行った、美術館前の通り、通称新町通り。初めてのお客様は、こちらにおいでになることをお勧めします。御神酒所のひきまわしは、東西約二キロの範囲に及びますが、その中心であるこの付近にいけば、23基のうち、いずれかには合えると思います。

 テキ屋の皆さんが屋台を出しているのも、この辺に集中してますしね。それにしても、今年は唐揚げと広島焼が目立ったなあ。心なしか、昨年より屋台が増えたように思います。


 毎年行ってんのかい!…って、実は近くのお寺のご住職に縁がありまして、毎年そちらの境内での振る舞い酒にお呼ばれしているのであります。昨日も、六時過ぎから十時までの四時間ほど、升酒にビールにと楽しませていただきました。この日、年に一回しか顔を合わせない方も含めて、十年一日のごとき昔話に花が咲くきます。気恥ずかしい話ですが、なんだか心地よいんですよね。毎年ありがとうございます、ご住職…合掌。


 
丁稚飲酒帳-ありえない人ごみ 丁稚飲酒帳-びじつかん

 さて、あたしも会場に向かうとしましょう。

 これが佐倉駅から美術館方面に向かう道筋。普段では考えられないこの人ごみの多さ。今年は中高生の姿も目立ったなあ。坂道を登り切ると、正面にライトアップされた美術館。エントランス部分は昔の銀行でして、明治大正浪漫を偲ばせる伝統建築物も見所ですよ。
丁稚飲酒帳-ひっぱって  美術館前にはこれまたご定番のもちつき屋さんが出ています。おみやに一折り購入してと、さてどっちから回ろうか、左手から参りましょうかね。左手に向かいますと、昔の城下町の名残、直角クランクがございます。道が90度鍵の手に曲がっておりまして、ここを力を合わせて御神酒所を引っ張って曲げるのが、技の見せどころ。

 同じ山車祭りでも、岸和田のだんじりのようにスピード感のあるひきまわしではありませんが、ご奉納をいただいた家々の前で、町衆が揃いの扇子片手に舞い踊りながら、声を掛け合いゆったりゆったり進むのが、佐倉の祭りの真骨頂。

 どうも予報と違って、今日は曇りがちですが、明日は晴れるようですね。祭礼の時間は午後三時から十時まで、イカ焼きやフランク片手に、気に入った神酒所や神輿といっしょに、お散歩気分で夜の佐倉のまち、歩いてみませんか?


 佐倉の秋祭り 10月第二金・土・日 午後三時から午後十時


 


 

丁稚飲酒帳-元町中華街  アヒルちゃんとの邂逅を果たし、次はどこへ向かうのかニャ。

 地下鉄を梅田で乗り換えて、目指すは阪神梅田駅。阪神電車に乗って神戸元町にレッツゴーだニャ。

 元町といえばご存じ中華街。こちらでは南京町と言うようだが、ビルの谷間に中華風の門が見えてきたニャ。最近、横浜の中華街に行く機会が何回かあったが、規模的には小さいながら、門をくぐると小路の左右に立ちならぶ食べ物屋に土産物屋、さらにはテイクアウトの屋台の数がものすごい。器は小さいながら、麺類が200円から食べられるのは、驚きだニャ。食いしん坊の丁稚などは、左右に目移りして困っているようだ…おまえ、これから接待で夕飯に連れてくんじゃなかったか?


 それにしてもこの街には、豚さんが数多い。南京町広場と呼ばれる、まちの中心部を見渡せば、あそこのお土産屋さんに娘ぶーさんが、こちらの饅頭屋さんにはゴミ箱ぶーさんが、さらには向こうの豚まん屋さんにはベロだしぷーさんがと、オンパレードだニャ。
丁稚飲酒帳-娘ぶーさん 丁稚飲酒帳-ゴミ箱ぶーさん 丁稚飲酒帳-肉まんぶーさん


丁稚飲酒帳-老祥記  というのも、この広場に隣接する老祥記…ごみ箱ぷーさんのいる店だニャ…というこのお店が、豚饅頭の発祥の店なんだそうニャ。店の前から広場の中ほどまで、たいそうな行列ができている。「先生、ためしに一個買ってみるでゲス~」。まあ、販売は三個からだがニャ。

 列に並んでいると広場では京劇の西遊記の登場人物に扮した俳優が、観光客と記念撮影をしている。これをさばいている片言のお姉さんの、撮りっぷりがすばらしい。グループから集めた携帯やカメラを代わる代わる、違うポーズを要求していくのは本職のカメラマンの如しだ。そんな様子を楽しんでいるうちに、もう丁稚の番だ。テイクアウトの回転は上々といったところか。

 

 あつあつの豚饅頭の包みをほどいてみると、かわいらしい豚まんが三個並んでいる。一つ90円という値段の故か、どれまずは一口いただいてみよう。

丁稚飲酒帳-豚まんぢう  スープでも練りこまれているのか、茶色い皮はむっちりとして弾力感がある。いわゆる肉まんのようなふわふわで甘い生地ではないのだが、かみしめると味が出てくるタイプである。

 さらに中の餡がかなりジューシィで、これぞ豚まんぢう~という感じの豚の味わいが全面に出ている。ややくどくなりがちなところをネギとニラだろうか、香味野菜が爽やかにまとめている。うむ、これならばちょっと小腹が空いたときの、エネルギー補給に一個90円というのは重宝するだろうニャあ。

 「先生、お、お茶…」。丁稚よ、小ぶりだからと呑みこむな…。


 老祥記 10:00~売り切れしまい 月曜定休

      豚饅頭 一個90円(販売は三個~)





丁稚飲酒帳-振り返ればひよこ  「ウィ~」とほろ酔いの丁稚のポケットにもぐりこみ新大阪駅から地下鉄を乗り換えて、たどり着いたのは天満橋。地下から階段を上って登って、テラスに出て見ると、目に飛び込んでくる黄色い物体。淀川の支流大川の川面に巨大なアヒルが浮かんでいる。

 「やったー」とm蔵がはしゃいでいるが、これが今回の接待の第一目的、フローティングダックだニャ。水都大阪博の一環として、八軒家浜に浮かぶこのアヒル、実はこの日が展示の最終日だったのだニャ。「間に合ってよかったでゲスよ、m蔵さん~」と、丁稚とm蔵が抱き合って涙している姿は美しいものだ。


 ちなみに私とでは大きさがわからないかもしれないが、この船との対比を見ればよくわかろう。高さは9.5m、幅は11mだそうで、かなりの大きさだニャ。

丁稚飲酒帳-見よこのサイズ  


丁稚飲酒帳-魔天楼とひよこ


 







































 この展示のコンセプトは、政治的意味合いで決められた国境に意味はなく、人々の緊張をやわらげるというもの、世界各国を旅してきたそうだが、難しいことはともかく、その愛くるしい姿が人々をひきつけてやまないのであろうニャ。

 河岸の周りには大勢の人が詰めかけている。丁稚たちもあたりを歩きながら、右側面から後背、そして左側面からデッキ上に上がり、さらには天満橋の上から正面の姿まで、このアヒルだけで随分と楽しませてもらったようだ。このアヒルはこれからもまた世界各国を旅していくのだろうニャ、行きずりの出会いであったが、またどこかで再会したいものだニャ。さて、大阪をあとに次はどこに向かおうか。