10月9日(金)
先生と行く接待ツアーも、ちょいと閑話休題。昨日の出来事をお届けします。
あたくしの勤め先でありますところの、佐倉。
普段は閑散とした活気のない地方都市であるところのこのまちが、年に一度、熱く熱く燃える三日間があります。それが、10月第二金、土、日の佐倉の秋祭りです。
もともとはまちの総鎮守であります麻賀多神社のご祭礼として、時の佐倉藩のもとで発展してきたこのお祭り。
江戸時代初期に、市立美術館周辺の各町が江戸は日本橋から山車人形を買い付け、これを据え付けた山車を引きまわす形が始まりました。これらのうちの六体は現存しており、山車と他の町内の御神酒所、さらには総鎮守麻賀多の大神輿に町内神輿を合わせて、23基の祭礼具が市内狭しと練り歩きます。
「えっさらこらさのほいさっさ」の掛け声に合わせて、揃いの衣装に身を包んだ町衆にひかれる御神酒所が、真っ暗な中に提灯の灯りにほんのりと照らし出される姿は、一種夢幻の世界にいるよう。どこと張り合えるほどのおまつりではありませんが、町衆が楽しんでいる姿を見ていると、こちらも思わずお囃子に乗って、「えっさらこらさの…」と声を合わせてしまいます。どうも昔から祭りは声出して、飲んで踊ってなんぼというのが、身についてまして(^^;
ハレの日なんですから、はっちゃけないとね←自己正当化(苦笑)。
メイン会場となる、京成佐倉駅からまっすぐ登って行った、美術館前の通り、通称新町通り。初めてのお客様は、こちらにおいでになることをお勧めします。御神酒所のひきまわしは、東西約二キロの範囲に及びますが、その中心であるこの付近にいけば、23基のうち、いずれかには合えると思います。
テキ屋の皆さんが屋台を出しているのも、この辺に集中してますしね。それにしても、今年は唐揚げと広島焼が目立ったなあ。心なしか、昨年より屋台が増えたように思います。
毎年行ってんのかい!…って、実は近くのお寺のご住職に縁がありまして、毎年そちらの境内での振る舞い酒にお呼ばれしているのであります。昨日も、六時過ぎから十時までの四時間ほど、升酒にビールにと楽しませていただきました。この日、年に一回しか顔を合わせない方も含めて、十年一日のごとき昔話に花が咲くきます。気恥ずかしい話ですが、なんだか心地よいんですよね。毎年ありがとうございます、ご住職…合掌。
これが佐倉駅から美術館方面に向かう道筋。普段では考えられないこの人ごみの多さ。今年は中高生の姿も目立ったなあ。坂道を登り切ると、正面にライトアップされた美術館。エントランス部分は昔の銀行でして、明治大正浪漫を偲ばせる伝統建築物も見所ですよ。
美術館前にはこれまたご定番のもちつき屋さんが出ています。おみやに一折り購入してと、さてどっちから回ろうか、左手から参りましょうかね。左手に向かいますと、昔の城下町の名残、直角クランクがございます。道が90度鍵の手に曲がっておりまして、ここを力を合わせて御神酒所を引っ張って曲げるのが、技の見せどころ。
同じ山車祭りでも、岸和田のだんじりのようにスピード感のあるひきまわしではありませんが、ご奉納をいただいた家々の前で、町衆が揃いの扇子片手に舞い踊りながら、声を掛け合いゆったりゆったり進むのが、佐倉の祭りの真骨頂。
どうも予報と違って、今日は曇りがちですが、明日は晴れるようですね。祭礼の時間は午後三時から十時まで、イカ焼きやフランク片手に、気に入った神酒所や神輿といっしょに、お散歩気分で夜の佐倉のまち、歩いてみませんか?
佐倉の秋祭り 10月第二金・土・日 午後三時から午後十時