ということで、復帰第一弾は接待旅行の〆のお話を一つ…。
さて、三ノ宮から一路JRで目指したのは新長田。震災の被災地として記憶に残っている方も多いだろう。丁稚などには、そばめしの発祥地としても有名だ。
その長田の町を元気にしようという新たなプロジェクトが進んでいる。まあ、気づいたのは出発の2日前だったわけだが。
新長田の駅を海側に降りて、正面の大丸の角を曲がる。
すると目に飛び込んでくる巨大な建造物。あたかも工事中のビルのような紗幕が掛けられているが、建物ではない。なぜなら、そこには大地をふみしめる巨大な足があるからだ。ゆうに大人の一抱え以上はあるであろう、太くたくましい左足。鈍いメタリックブルーの色と相まって、量感を感じさせる。
さらに正面に回れば、天を裂かんとかするかのような巨大な右手が空にそびえている。惜しむらくは、今日が曇天であったことだ。これが晴れていれば、さぞや空に映えたであろうに。
この左足と右手の造形で、諸兄諸姉にはお気づきであろう、そのプロジェクトを。
そう、KOBE鉄人PROJECT(神戸鉄人計画)である。もともと原作者である横山光輝氏の出身地が神戸であったことから、氏の功績を讃え、その作品の素晴らしさを永続的にアピールしていこうというのが、計画の趣旨である。その一環として、神戸を長田を元気にするためにつくられた、実寸大の鉄人モニュメント、それがこの建造物の正体である。
今年はお台場のガンダムも話題になったが、スマートに過ぎる、あの造形よりもこの寸胴型で手足の太い独特の横山デザインの方が好みだニャ。
「それは先生、お年だから…あたしらガンダム世代にはねぇ…」
ブニャー!!…シャァッ!
「ぎゃー、先生爪を立てないでほしいでゲス~」
おまえ、ガンダム、オンタイムで見とらんかったろう。見たのは大人になってからだと言うとっただろうニャ。うそはいかんニャア。
「ひぃ、先生爪を出したり引っこめたりするのは、やめてほしいでゲス~」。
しかし、ビルの町にガオーとは、デュークエイセスもよく歌ったものだ。まさに、周辺の高いビルヂングに挑みかからんとするかのような巨大さ。鉄の人という形容が、なんともふさわしいデザインだニャ。
写真からではなかなか量感が伝わってこないだろうが、前を歩いている人と比べてみてほしい。全高18メートルは伊達ではないのニャ。
惜しむらくは、曇天とこの紗幕だニャ。実はこの日の2日後、10月1日が除幕式だったのニャが、大阪のアヒルちゃんが昨日までだったこともあり、この機に二基の巨大モニュメントを目の当たりにすることは叶わなかった。きっと今頃は多くの人の目を楽しませ、また長田っ子に力を与えていることだろう。
今度は晴れた日に、青空にそびえる鉄人と記念撮影がしたいものニャ。
わかったニャ、丁稚?
「先生、鈍行で良ければ、あと二カ月待っていただければ、いつでもご案内するでゲスよ~」。
そうだニャ、今回の旅は丁稚にしてはお贅沢だったからニャ。鈍行でゆったりの旅路も悪くなかろう。
「ちなみに先生、いま思い出したでゲスが、冒頭の歌は大鉄人17でゲスよ、鉄人違いでゲス~」。
それを知ってる時点で、おまえガンダム世代じゃニャいだろ…。