昨日は「7)管理職は管理が出来ない」という課題について感想を書きましたが、更に考えてみると、管理職は「管理が出来ない」ではなく「管理を理解できていない」という表現の方が正しいというような気がしてきました。
私が27年間勤務していた会社では管理という言葉ではではなく「ルール」という言葉がよく使われていましたが、そこには管理という概念は忘れ去られて規則で社員の行動を抑制するという低レベルの使い方しか出来ていなかったという事が、管理の本質を忘れて表面的な言動や行動にとどまっていたと思います、そこに管理職という職位に対する社員の能力不足とか不適正という問題が照らし出されていたとも言えると思います。
日本大百科全書(ニッポニカ)の「管理」という言葉の定義は結構長いですが、管理は単なる規則を守らせる事では無い事を説明しています。
一定の目的を効果的に実現するために、人的・物的諸要素を適切に結合し、その作用・運営を操作・指導する機能もしくは方法を、管理あるいはマネジメントmanagementという。その中核的機能は調整であるが、対象が人的集団であるときはリーダーシップ(指導性)に、またそれが物的資源であるときはコントロール(制御)と表現されることが多い。管理機能の範囲にはいくつかの段階がある。最低水準の範囲は、保存ないし現状維持であり、私法上の「管理」行為のように、物または権利の現状や性質を変更しない行為をさす場合がこれである。最高水準の範囲は、目的の設定ないし変更をも含む調整であり、システムの運営に関する管理を広義に解する場合がこれである。この両者の中間の範囲がもっとも一般的な管理であり、経営者と区別した管理者を想定する、あるいは政治に対する行政上の「管理行為」を定めるなどはこれであり、この場合は、目的の設定は除かれ、現状維持以上の操作が含まれる。
27年間勤務した会社で、管理が出来ていない事例は多々経験しましたが一例を思い出してみました。
1)新入社員の転職
部長がひいきにしていた新入社員が転職を切り出した途端に急に冷淡な態度を示すようになった事がありました。自
身の部下の管理が出来ない事を証明するような出来事で、反省はなかったようでした。
2)取り込み詐欺
社員が機器販売をしたものの代金拐取が出来なかったのですが、部長は安易に契約決済をした結果でした。新規
の取引に対する慎重な態度の欠如は、実務経験が無いという事を明らかにしたようなものでした。
3)新規顧客への訪問
新規顧客に対して、部長自らアポイントが取れないので新入社員に研修と称してアポイントを取らせて訪問をさせて
いました。実務経験が欠如しているのを部下に対応させていた事例で、管理以前の問題があったと思います。
4)顧客クレーム対応
私が経験したのは何度も書いている、役所体質の顧客の基幹システム更改プロジェクトの本番開始後にクレームが
出た時、営業マンやシステムエンジニアの担当者交代だけでして、顧客への説明はしなかった。管理以前の企業モラ
ルが問われる対応と思いました。
こういう事例を思い出していると、社員の内向性とか自己本位とかは管理職になるほど強く出て管理職管理そのものが問われている状態と言う気がしました。