「6)社員の仕事の取り組み姿勢が消極的傾向」の中で、営業スタイルの組織営業について否定的な話をしたのですが、少しばかり追加しないと誤解が出るかも知れないと思い続きを書くことにしました。
情報システム業界にとどまらず一定規模以上の企業では何処でも行われていると思われる組織による営業活動について、私の経験からすると組織営業を展開するには環境条件があると思えました。
私自身は転職前の会社の組織営業で成功した事例もありますが数は少ないです。組織営業とは言うものの、基本的には相手会社の担当部門の責任者とは緊密なコミュケーションが取れていて、相手会社の責任者の営業担当者に対する信頼が出来ていることが基本となっていて、最後となる契約締結交渉で決め手となるトップセールスで成功を得たと思います。組織営業では、本来のビジネス関係以外に会社間の利害関係も出てくるので、調整が必要になることもあるというのを経験しました。
転職前会社の組織営業での失敗事例は、組織の各職位各々が自身の責任と範囲でどの様に対できるかがカギという教訓を得ました。取引先である会社の技術部門に機材を売込中、勤務していた会社の技術力の評価をしてもらったところ足りない部分があるのが判り、最後通告のために取引先の役員がわざわざ来社し、要望を呑んでくれたら契約締結しますという事を告げにきました。その時、上司である管理職は取先の要望が正確に理解できていなかったのかどうか不明でしたが、社内関係部署とはまともに調整もしなかったので契約には至らなかったという事例でした。当時の社内では誰も公に発言はしていませんでしたが、管理職が自責を果たせなったというのが原因でした。
転職後の会社では、組織営業失敗のツケが恐ろしいほどに残っているという会社を見分しました。私が某商社と付き合っていた時に、その商社からお呼びが掛かり是非同行してもらいたい会社があるのでと言われて訪問した時がありました。その会社は私が転職した会社の親会社との取引関係で優位性があり、私の会社名刺で何かが売れそうだというのが商社の予想でした。しかし、担当部署を訪問した時、担当者が私の名刺を見るなり態度が硬化して何をしにきたのかと極めて冷淡な態度に豹変しました。私は何時も通りの説明をしようとする気持ちさえ失せて、冷たい空気が漂う時間を過ごすことになりました。私が訪問する以前、私の勤務していた会社の営業担当者は親会社との優位性をかさに着て、担当部署との利害調整とか要望調整に止まらず担当者との信頼関係も築けないうちに、早々とトップセールスで機材を押し込もうとしたので、担当部署の怒りを買って出入禁止状態にまでになっていたと想像されました。営業担当者の能力レベルが低い上に、上司である管理職や役員は担当者の話を精査する能力も無く、営業担当者の報告通りに鵜呑みにしてトップセールスをした結果、売り込み先企業の担当部署の反感を買ったという事例だと思いました。この事例を経験して、最早この会社での組織営業は無理だろうという感想を持ったのでした。
組織営業の難しさを知らいないのは、営業担当者がトップセールスまで行きつくまでの工程表作成が出来ず、方程式を解けないのが原因で、ここに営業担当者の個人としての能力が問われるという事です。転職前会社の職場では頭の悪い社員は営業マンになれないという言葉がは堂々と語られていて、業界最下位業者として社員は少数精鋭主義を目指していたと思いますが、そういうある程度鍛えこまれた組織でも組織営業は難しかったという事でした。
転職後の会社では役所体質のまま異業種に参入した状態で、形ばかりの営業マン教育が行われていましたが、会社の将来像やビジョンが描けないのにどうして社員教育が出来るのだろうというのは退職時まで疑問が残って入ました。
組織営業の展開に於いても、基礎となるのは個人能力であり、ある意味では個人プレーであり、組織や組織の誰かが何かをしてくれるのではないというのを理解できていない営業職員が多いというのは、会社のしての力も弱いのだろうというのを身をもって感じていました。