今回は指摘した「3)年度の売上利益ノルマが上意下達で社員意思は無い」という問題を考えてみたいと思います。
そもそも年度計画とか何かを考えると、企業の長期的な戦略とか目標というものが前提にあって、そこから中長期目標が設定されており、その目標に向かうための年度予算となるのが普通の思考だと思います。最初の問題に掲げた「1)会社の経営思想が不明確」とも関連しますが、役員や管理職に企業が目指すべき姿のイメージを問うてみても多分誰も説明が出来ないのではないかと想像をしています。毎年、企業として顧客業務処理とか機器販売の対価として売上とか利益を計上していても、企業としてのビジョンも無く将来の企業イメージも打ち出せない状態では、とりあえず前年比とか数年比というような誰でも思いつくような数字の整合性というような範囲にとどまる思考しか出来ないのはやむを得ない事かなとも思います。
毎年、次年度予算作成時には担当者から提出される数字の集計から始まりますが、例年期初には目標ノルマを大きく見せかけるのが普通に行われていたので、役員は期初位は大きな数字を挙げて威張りかったのかなと推測をしていました。そこには担当者の意思は全く無視された数字が出来ており、ある意味では頭でっかちの想像で作られた数字が並んで、現場無視のような予算編成が長年行われていたと思います。予算編成につきもののお題目は、目先の役員や管理者でさえ自己消化されていないような製品やサービスを尤もらしく掲げ、如何にも最先端を進んでいると言うような口ぶりで社員に説明をしていました。そういうお題目は期中には何処へやら消えて、とにかくノルマ計画が達成できていないので、お題目は何でもいいから顧客から注文を貰えという無手勝流な方針に変わっていました。何度も書いていますが、役員や管理者ひいては事業部長や部長は計画に足りないノルマ数字を自ら動いて対応をしようという発想は無く、期末になるとノルマの責任は担当者にあるとばかりに高圧的態度で臨み、消極的な社員の尻を叩いていたと思います。その時点では最早担当者の予算に対する意識も希薄となり、流される仕事しか出来ない社員が多数を占める実態では、他人頼みでしか売上利益ノルマは達成が出来ないので、時流に左右された実績しか出ていないと思いました。
情報処理業界に長年関わった者として感じているのは、この業界で成長するには組織力では無く個人の力量により左右されることが多々あるという事でした。企業内のデータを一元管理するホストコンピュータ利用から始まり、現在の様な多種多様な個別システムが乱立する時代になっても、顧客要望を解決したり競合会社に打ち勝つという事を考えるのは個人であり、その個人の能力差の集積が企業間格差になり、自然と業界内序列が出来ていったと思います。
年度予算作成という事に関しても、担当者の意思を尊重することもなく、一方的に理屈だけで考えた数字から割り出されたノルマを与えるだけの方法から抜け出せていない実態は、役員や管理職が情報処理業界とか情報処理業務に疎い実態をさらしている実態が浮き出されていたとも思えますし、固定化しか観念が会社に満ち溢れているようでは、会社としての将来展望などはとても望めないと思っています。