「6)社員の仕事の取り組み姿勢が消極的傾向」にあるという課題をあげてみましたが、課題1)~5)までの課題について感想を書いてみると、6)の課題に挙げた内容は意識しない限り自然とそうなると思えました。社員の消極的な姿勢が普通の職場では、私の仕事の仕方の方が異質であったとも言えるかもしれないとも思っていました。

先回述べたように会社の仕事の基礎となるシステムエンジニアの技量が貧弱で幅も狭いので、顧客からの要望について何でもござれという姿勢ではなく、これも出来ませんあれも出来ませんというような事が多く、普通には対応不可が多いという状況でした。そうなると顧客から要望された事案を実現するのは、対応した社員の腕にかかっていたとも思いますが、多数の社員は顧客からの難しい要求に対してはシステムエンジニアから対応不可という答えしかもらえず、一体全体何を売ればよいのか分からなかった様な状態が長年続いていたではないかと推測しています。
期初に担当者にノルマを与える時、ノルマ達成のための目玉商品として事業部長とか部長から新機軸のサービスとか製品があると説明をされても、説明している事業部長や部長本人が実務で自らが率先して実例を示す事が出来ないので、机上の空論に聞こえてしまうのでした。所詮、事業部長や部長は実務が出来ないので、空想の世界で担当者にノルマ達成の方法論を説明して役員から振られたノルマ達成を考えてみるものの、最後は担当者に頑張ってもらうしかないと心の内で他力本願を願っていたのではないかと想像をしていました。そういう事業部長の心の内を現すように、期末になり当初目標の達成が難しいと想定されようになると、担当者全員を集めて対策をどうするのだという問答を掛けていました。現場責任者である事業部長や部長が実務をせずノルマの管理に明け暮れているので、担当者は自らの意思で何か取り組もうとする意志が弱められるばかりで、ノルマ達成に向けて職場の一体感と言うものが醸成されないと感じていました。
そういう環境では自らがでしゃばる事がなんだか普通ではないような雰囲気となり、世の中の風に便りに任せて自らは動くことも無く、仕事というものは目の前に落ちてきた案件を粛々と対応していれば済む、というような態度で仕事をする社員が多くなるのは自然の成り行きというものであったのかと思います。そういう職場の雰囲気が長年続くと、あたかもそういう仕事の流儀が正しいものに思えてくるのが不思議でしたが、社風というのはそういうものなのかとも感じていました。
 
社員が働く環境を創造する役目の筈の役員や管理職は、自らが実務をこなして社員にその姿勢を見せるというような事が出来ない理由は、異業種であろうと親会社の伝統的な仕事の流儀で済むというふうに考えていたとしか思えませんでした。技術が日進月歩と喧伝される情報処理業界にあって、毎日を机の前で座っていて実務は担当者任せという役員や管理職の態度は井の中の蛙を演じているばかりとも見えていました。自ら自身が情報を集め思考するろいう方法で物事に対応するという能動的な姿勢ではなく、何かあれば名ばかりの社外コンサルタントとか口先だけのヒラメとかコバンザメ社員の言動を信じるばかりの受動的な態度を役員とか管理職が長年取り続けたことで、社員も自然と社風として受動的=消極的な姿勢で仕事をすることが正しいものとして受け取られてきた素地があったものと理解しています。