「4)実務が出来ない事業部長や部長が多数配属されている」については2回にわたり感想を述べましたが、更に思いついたことがありました。
実務の責任者である事業部長や部長は役員が決めたノルマのメッセンジャーボーイのみを仕事としていたのは、ノルマに対する自身の責任感欠如に加えて実務経験が貧弱でとても現場の仕事が出来るような力量が無い事が原因であるという事を2回のブログで述べました。民間会社でこういう人事が平然と行われていたのは、役員や管理職の会社という存在というものに対する認識が、一般常識からはかけ離れていたことも一因ではないかと思われました。
人格的や行動発言に問題のある人物が、役員の忖度により人事異動で事業部長や部長に配属されると、犠牲になるのは多くの一般社員でした。そういう事実を知りながら忖度で配属を決めた役員は、聞いていません知りません言ってません、という冷徹な平然とした態度を貫いていたのは、まさに蛙の面に何とやらという表現がぴったりだという、見え見えの保身という態度を貫いていると感じていました。
何もしない方が良いと考えていた、年功序列で事業部長や部長に配属された人は好人物に見えていましたが、自身の無能を認識しないで部下にあれこれと指示をするのが仕事と勘違いして、部下に迷惑がられるばかりの事業部長や部長が存在していたのも事実で、社員に嫌がられる人物を配属させていたのも役員の無能ぶりが発揮されていたと思います。問題行動をする事業部長や部長は、当然ながら部下にはあれこれ注文をつけるものの、注文をつけた自身は自ら率先して行動を起こすことも無く、一日中机の前に座って呆然としているか意味のない会議に参加していて、実質何もしないで毎日を過ごすばかりの部下から煙たがられた存在であったと思います。何処の会社でも大なり小なり存在している問題だとは思いますが、会社の業績よりも人事異動とかに興味ばかりがいくような体質がある会社では、ヒラメとかコバンザメを養殖する環境が育っていて、本末転倒に行われていることが正しいとことであるような錯覚が社内に蔓延していたのが原因ではないかとも思っています。
次の課題は「5)システムエンジニアの能力が低く、向上が図られない」という課題ですが、役員が会社の将来像を描けない現実の前で、会社の糧となるべきシステムエンジニアは眼前の仕事をこなすことが優先されてシステムエンジニア技量問題はおざなりにされているという現実があったと思います。それを良しとするかどうかは個人の価値認識問題であり、若い社員で自己能力を伸ばしたいという意欲のある人は転職を考えると思われるし、年配社員で情報処理の下流工程の作業中心の仕事の流儀が身についていると流されるが如く毎日を送る事に意義を感じることもあると思います。
情報処理業界も建築業界と同じくピラミッド型の体制であり、付加価値が高くシステムエンジニアの能力を求められる仕事はピラミッドの上部の一部企業であり、ピラミッドの下層になるほどシステムエンジニアの能力は低いもので足りて単純作業となり付加価値も低くなっています。業界の会社能力序列がそのまま現場の仕事にも反映されていて、私の勤務していた会社では情報処理業界でも業界下位会社相当の仕事が中心で、システムエンジニアとは名ばかりという表現は非難をうけるかもしれませんが、そういう現実が見えない役員や管理職が大半ではなかったかと思います。
自社のシステムエンジニア能力を勘違いしている、会社の幹部である役員や管理職の頭に引き起こさせていたと想像させるのは、システムエンジニアの技術評価は社内評価が絶対であり、客観的な評価などは考えもつかなかったという事だと思います。尤も、役員や管理職はシステムエンジニアの足りない能力は外注会社で補えばよしとする安易な考え方もあったのが、益々システムエンジニアの能力問題を軽視することになっていたとも思えました。蛇足ですが、そういう安易な発想が背景にあり、口ばかり達者な外資系コンピュータ会社の転職者が社員に多いと感じられる現実があったと思います。
業績が思うように伸びないの現場は、技術レベルの低い下流工程の落ちてくる事案の対応に追われるばかりで、システムエンジニアもそういう低レベルの仕事しか対応できない技術レベルに自然に染まっていく環境にあったと思います。社員に情報処理の下流工程という認識がされない以上、システムエンジニアの能力問題などは発生していないという理解が社内にあったとも思えました。
情報処理とは目に見えない物づくりであり、基礎的なシステムを作るという作業を素人役員が思い付きで始めたりするようなことではまともなシステムエンジニア育成は出来ないと思います。又、そういう難しい仕事をこなすだけの力量の或る社員を採用するにも、採用する側の社員のレベルが低いと、類は類を呼ぶだけのことで外見だけしか人物を判断しか出来ないので、システムエンジニア集団としてのレベルも向上もせず、仕事も低い技術レベルのシステムエンジニア相当の仕事しか来ないという悪循環があったと思っています。
先日マラソンの監督で有名な小出監督が亡くなりましたが、小出監督の言葉に「普通の練習をしていては普通の成果しか出ない」というものがありました。システムエンジニアを糧とする会社として、普通のシステムエンジニアの能力では、普通の技術レベルの仕事しか出来ないという事に通じているのかと思わされました。