L型シリコンプロテーゼによる下外側鼻軟骨の変形:鼻中隔延長術と真皮脂肪移植による鼻尖修正
1年10ヶ月前他院でL型シリコンプロテーゼ留置術を受けたのですが、シリコンの偏位、鼻尖皮膚の菲薄化を認め、当院を受診されました。CT検査でL型シリコンの鼻根部厚さは3㎜程度、鼻尖部における厚さは4㎜程度で、鼻尖の皮膚は非常に薄くなっていました。またシリコンは鼻骨に接しておらず、鼻骨々膜上に留置された、あるいは鼻骨々膜が切れたと考えられました。そのためシリコンが偏位した可能性がありました。L型シリコンは下外側鼻軟骨を圧排し、抜去すると鼻尖が平坦化することが珍しくありません。この患者様もシリコンを抜去したら、画像のように鼻尖が平坦になりました(↓)。患者様のご希望は、シリコン偏位と薄くなった鼻尖皮膚の改善が第一でした。あまり高い鼻根~鼻背は望まれておらず、鼻尖形態も現状維持あるいは若干鼻尖が下方に向く程度の変化でした。そのため患者様に対して以下の手術を行いました。・L型シリコンプロテーゼ摘出術(鼻根部厚さ3.3㎜)・I型シリコンプロテーゼ留置術(鼻根部厚さ3.3㎜)・鼻中隔延長術(耳甲介軟骨による)・鼻尖部細片耳軟骨移植術・鼻尖部真皮脂肪移植術L型シリコンは画像(↓)のように留置されていました。↓L型シリコンプロテーゼ摘出 斜位↓L型シリコンプロテーゼ摘出 側面患者様にとって鼻尖部厚さ4㎜のシリコンは負荷がかかり過ぎたと考えられ、鼻尖の平坦化は顕著でした。↓摘出前 正面↓摘出直後↓摘出前 側面↓摘出直後以下は修正から7ヶ月後の形態です。↓術前 正面↓術後7ヶ月鼻骨々膜は切れていたため、シリコン再偏位の可能性がありましたが、術後7ヶ月、偏位は認めませんでした。この先も偏位発症には注意が必要です。↓術前 斜位↓術後7ヶ月鼻中隔延長によって鼻尖を斜め下方に向けたため相対的に鼻翼下縁が挙がりました。鼻尖はまるく、真皮脂肪移植片が生着したことを確認できました。↓術前 側面↓術後7ヶ月患者様は大きな形態変化を望まれておらず、新しいシリコンは鼻根部の厚さがL型と同じものを留置し、鼻中隔延長術は以前より鼻先を高くする目的ではなく、圧排された下外側鼻軟骨を引き上げるために使った手法でした。↓術前 軸位(下から)↓術後7ヶ月L型シリコンで下外側鼻軟骨が圧排されていたため、鼻孔形態はやや扁平だったのですが、鼻中隔延長によって勾配のある鼻孔になりました。またシリコンによって鼻尖が尖っていたのですが、真皮脂肪が生着することで鈍になりました。手術料金・シリコンプロテーゼ摘出術:176,000円(税込)・シリコンプロテーゼ留置術:275,000円(税込)・修正 鼻中隔延長術(耳軟骨)+鼻尖部耳軟骨移植術:1,375,000円(税込)・修正 鼻尖部真皮脂肪移植術:330,000円(税込) 別途術前検査料、診察料、麻酔・薬剤料金がかかります。*2023年6月時点の料金です******************銀座すみれの花形成クリニック 院長 横山才也日本美容外科学会(JSAPS)専門医、評議員日本形成外科学会専門医日本形成外科学会 美容外科分野指導医*******************ホームページhttp://ginza-sumirenohana.com/手術サテライトhttps://ginzasumirenohana.wordpress.co