堺市探訪 6
堺市役所展望ロビーで一休みしてから、キリシタン巡礼の最後の目的地となるカトリック堺教会を見に行きました。堺市役所前の南海高野線東堺駅から一駅、電車に乗って三国ヶ丘駅で下車。三国ヶ丘駅は、仁徳天皇陵の側面にある駅で、改札を出るとこんもりとした御陵の森が見えますが、それとは反対方向に5分ほど行ったところに教会はありました。カトリック堺教会日本の教会は、日本においてキリスト教信仰が認められた明治期以降に建てられたものほとんどですから、古い歴史をもつヨーロッパの教会とは比べものにはなりませんが、それでも、一つ一つの教会にそれなりの特徴があり、祈りの空間として、内装や装飾にも様々な工夫が施されています。カトリック堺教会の場合、淳心会というカトリックの修道会の宣教師として1957年に来日され、赴任地のカトリック姫路教会での司牧のかたわら、芸術家として教会の室内装飾を手掛けられ、壁画、ステンドグラスの制作など、パブリックアートの分野において多くの作品を残されたベルギー出身のルイ・フランセン(Louis Fransen)氏の作品が聖堂を飾っています。ルイ・フランセン(Louis Frasen, 1928 - 2010)祭壇(十字架上のイエスが、見方によっては「幼子」に見えます。)「十字架の道行き」のフレスコ画「十字架の道行き」の一部註: 「十字架の道行き」とは、イエスが磔刑にされる際、自ら十字架を担いで刑場であるゴルゴダの丘まで歩かされた苦しみを黙想しながら祈るもので、聖堂にはその14場面(留という)を描いた絵画やレリーフが飾ってある。洗礼所(自然石を使った五色石モザイク)ガラス・モザイクによるエマオ(新約聖書「ルカによる福音書」第24章13節~35節)ステンドグラス(一時、紛失していたが発見され、堺教会90周年、献堂50周年の記念事業として落合謙司氏によって修復されたもの)