昨日、2014年の初詣に行きました。

 毎年、正月には歴史的由緒の古い神社に詣でることにしています。今年は、滋賀県の多賀大社に行ってみました。彦根から近江鉄道に乗り換えて行ったのですが、湖国(滋賀)は、天気は良かったですが、道路には雪の残る寒い一日でした。

 多賀大社の由緒は古く、『古事記』に記載があり、祭神は、伊邪那岐(イザナギ)命と伊邪那美(イザナミ)命。中世には伊勢参り、熊野詣とともに多くの人が参詣に訪れた記録があり、伊勢神宮の祭神である天照(アマテラス)大神が、日本神話において伊邪那岐、伊邪那美の子供であることから「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」と俗謡に歌われたりしています。太閤秀吉、武田信玄が信心を寄せたとの記録もあって、御利益は、東大寺再建を発念した鎌倉時代の僧、重源が事業成就のための延命を祈願したところ、願いが叶えられ、寿命が20年延びたとの故事に基づく延命長寿他、縁結び、厄除け、家内安全、交通安全など。

 参道は、多くの参拝客で賑わっていました。さすがに縁結びや家内安全に御利益のある神様だけあって、家族連れや若いカップルが目立ちました。参拝を済ませてから毎年恒例にしているおみくじを引いてみました。多賀大社のおみくじは、「普通みくじ」、「子供みくじ」、「恋みくじ」と三種類に分かれているのが特徴で、私は、「普通みくじ」を引いて、結果は、「吉」でした。曰く、「清浄潔白、行い正しく人の手本になるよう心して励むように」。う~ん、これは、ちと難しいかも・・・。

多賀大社

神楽


神馬舎

 参詣を終えた帰り道、参道(通称、「絵馬通り」)の「不二家」という店で多賀名物の鍋焼きうどんを食べました。寒さで冷え切った体には暖かくてとても美味しかったです。この「不二家」という店は、舟橋聖一の『花の生涯』のヒロイン村山たか女の生家があった場所にあります。村山たか女は、20歳で京都祇園の芸妓となったが、井伊直弼と出会って深い仲となり、安政の大獄の際には京都にいる倒幕派の情報を江戸に送る役割を果たしました。しかし、桜田門外の変で直弼が暗殺され、村山たか女自身も尊王攘夷派の武士に捕らえられて、三条河原に三日三晩晒し者にされたが、何とか死罪は脱がれ、出家したと伝えられる女性です。(政治の裏に女の働きありですね。)



 帰りは、夕方になって、疲れて甘いものが食べたくなったので、これまた多賀名物、莚寿堂本舗の「糸切り餅」を買って帰りました。「糸切り餅」は、筒状になったお餅の中にこし餡が入ったもので、外のお餅には三本線が入っています。この三本線は、元寇の際の蒙古軍の旗印になぞらえて赤青三筋の線を餅に書いたもので、これを弓のつるで切って神前にお供えし、蒙古調伏の祈願をしたことが始まりのようです。また刃物を使わずに、糸で餅を切ることは、悪霊を断ち切る事も意味しているとのことでした。お餅にあるうっすらした塩気が中の餡とマッチして美味しかったです。



 参道には、この地域独特の正月飾りである「笑門絵馬」が軒に飾られ、滋賀名物の「ふな寿司」を売る店もありました。