私が、一番嫌いなもの、それは、歯医者です。歯科で治療を受ける時は、いつもすごく緊張して、必死に「アポロニア様、痛くないようにお守り下さい。」ってずっと心の中でお祈りしてしまいます。(>_<)

虫歯


そもそも甘い物好きのくせにキチンと歯みがきしないのがいけないのですが、歯医者でいい思い出がありません。私は、歯の根が深い体質なのですが、学生時代、上の歯を抜いたところ、根が深過ぎて鼻腔まで貫通してしまい、緊急に京大病院の口腔外科に入院して穴を塞ぐ手術を受けたことがあります。この時は、出血が止まらず数日口から血を流したまま病室のベッドに寝ていました。また、イギリス留学中にに、歯の治療のため麻酔注射をしたところ、日本人とイギリス人では体格が違うのにイギリス人並みの薬の量を注射されたらしく、丸三日、口が痺れ、舌がもつれてまともに話ができなくなった経験もあります。

歯科医

そんなふうでしたので、歯科は怖くて仕方ないんです。先日、歯の詰め物が取れてしまったので仕方なく治療に行きましたが、痛くて叫び声あげていたのでお医者さんに、「そんなに痛いですか? ごめんなさいね。」と謝られる始末。やっぱり、歯医者は苦手です。

アポロニア001
聖アポロニア (歯を抜くペンチをもっています。)

ちなみに、アポロニアとは、ローマ帝国時代のアレクサンドリアで殉教した聖女アポロニア (Apollonia, 生年不詳 - 249年)のことです。言い伝えによると、彼女は、キリスト教公認以前のローマ帝国で、異教の神々への礼拝を強要されましたが、それを拒み、歯を全て乱暴にペンチで引き抜かれ、粉々にされるという拷問を受けた後、自ら刑場の火の中に身を投げて死んだといわれます。このために、アポロニアは、キリスト教徒の間では、歯科医や歯痛を患う患者、歯に関する問題全ての守護聖人(神に取りなし、守ってくれる聖者)として崇敬されるようになりました。西洋絵画においては、一般に歯を引き抜くためのペンチを手にした姿で描かれています。

アポロニア002
拷問を受ける聖アポロニア