28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?
いつものように公園のベンチで、ハナちゃんとヨシダさんはピクニックを楽しんでいた。しかし、今日はいつもの穏やかな雰囲気とは異なり、二人は顔をしかめ、公園のあちこちを見回していた。空気までなんかザワザワしてる感じだ。
「ヨシダさん、見てくださいよ!また落書きされてる!」ハナちゃんは、公園の壁に大きく描かれた、見るも無残な落書きを指さした。そこには、「公園サイテー!」「花キライ!」「虫無理!」「明日の天気は雨!」など、小学生が書いたような稚拙な、というか感情のまま書き殴ったような言葉が並んでいた。しかも、「明日の天気は雨!」って予言かよ。当たったらどうすんだ。書くならもっと大きく書けよ、と言いたくなるような、微妙なスケールも腹立たしい。
「こりゃあ、酷いのう…。しかも、公園の花壇が荒らされておる…。」ヨシダさんは、枯れかけた花々を見て、眉をひそめた。花が踏み荒らされて、なんか「助けて…」って言ってるみたいに見えるぞ。植物にも霊的な念が宿るのか?
「誰がこんなことするんだろ?公園のこと、嫌いな人なんているのかな?公園、楽しいのに…」ハナちゃんは、首を傾げた。公園が楽しくないなんて、ハナちゃんには理解できないらしい。純粋だな、ハナは。
タカシは、二人の会話を聞きながら、公園の異変を調査していた。ったく、また落書きかよ。しかも今回は花壇荒らしまでか。落書きのセンス、小学生レベルじゃん!犯人、マジでガキなのか?いや、予言まで書いてるってことは、タチ悪い大人か?俺は静かに分析を開始する。
俺は、自販機の高性能センサーとカメラ機能をフル活用し、犯人探しを始めた。公園の監視カメラ映像を分析し、落書きや花壇の荒らしが行われた時間帯や場所を特定しようとした。俺のシステムは、公園内の全ての動きをデータとして記録している。犯人は必ず尻尾を出すはずだ。どんなヤツでも、俺の目(カメラ)からは逃れられないぜ。
「お兄ちゃん、あたしに任せとき!霊感で犯人、見つけてやるわ!犯人の霊体オーラ、捉えたる!」チヨは、胸を張り、意気揚々と公園を歩き回った。霊体を透視するチヨの霊感なら、犯人の霊体オーラも見えるはず!…というのはチヨの持論だ。まあ、期待はしてないけどな。
しかし、チヨの霊感は全く役に立たなかった。いつものことだ。公園中にチヨの霊的なモヤモヤが広がるだけだ。
「うーん、なんか、モヤモヤする気配は感じるんやけど…、誰のモヤモヤか全然わからへん!公園中にモヤモヤが充満してる!」チヨは、頭を抱えて唸った。「てか、霊感、最近湿気のせいで鈍ってるんかも!霊体も湿度に弱いの辛いわぁ。」
(霊感ってマジで役に立たないんだけど!ってか、お前がモヤモヤしてるせいで監視カメラの映像が歪む!データ分析の邪魔だ、チヨ!)俺はチヨの霊感捜査にイライラした。霊感ほど非科学的なものはない。データにならないんだよデータに!ツッコミどころ満載だ。
「なんやて!うちの霊感、馬鹿にすんなや!湿気のせいやって言うてるやろ!」チヨが俺に詰め寄る。
(湿気のせいにすんな!お前の霊感がアテにならないのは今に始まったことじゃないだろ!)俺は冷静に応じる。
そんな中、俺は公園の監視カメラ映像から、怪しい人物が公園を訪れていることを突き止めた。その人物は、いつも公園の隅に一人でいて、周りを警戒するようにキョロキョロと見回していた。そして、誰も見ていない隙に、こっそりと落書きや花壇荒らしを行っている姿が映っていた。まさか、この人が…?予想外の人物だ。
怪しい人物は、なんと公園の管理人であるオオタケという男だった。オオタケは、過去に公園で悲しい出来事を経験していたらしい。どこかで聞いた話だな…ヨシダさんからか?
「まさか、オオタケさんが犯人だったなんて…!」ハナちゃんは、驚きのあまり言葉を失った。「いつも優しく挨拶してくれるのに…信じられない…」
「オオタケさんは、昔、この公園で飼っていた愛犬のコロちゃんを亡くしたらしい。コロちゃんは、公園の古い井戸に落ちてしまい、助け出すことができなかったとか…。」ヨシダさんは、どこから仕入れたのか、オオタケの過去を語った。ああ、やっぱりヨシダさんから聞いたのか。昔話じゃないパターンもあるんだな。
オオタケは、コロちゃんを失った悲しみから、公園を恨むようになったらしい。彼は、公園を訪れる人々の笑顔を見るたびに、コロちゃんのことを思い出し、心を痛めていた。そして、その苦しみを紛らわせるために、公園を荒らすようになったのだ。悲しみから公園を荒らす…悲しい動機だが、行動がちょっとズレてるな。落書きの「虫無理!」とか、コロちゃん関係あるのか?虫が嫌いだったのか?データとしては理解不能だ。人間の感情と行動の関係は複雑すぎる。
(まさか、管理人が犯人!?しかも動機がペットの恨みで公園荒らし…悲しいのは分かるけど、落書きは違うだろ!データの整合性が取れないぞ!)俺は、オオタケの動機に唖然とした。
オオタケの目的は、公園を破壊し、過去の恨みを晴らすことだった。彼は、コロちゃんが落ちたという古い井戸を破壊しようとしていた。井戸を壊して、コロちゃんの無念を晴らすつもりなのだろうか。八つ当たりにしてもスケールが大きい。
「オオタケさん、一体何をしようとしてるんですか!危ないですよ!」ハナちゃんは、オオタケを止めようと必死に訴えた。
「この井戸を壊すんだ!この公園さえなければ、コロちゃんは死なずに済んだんだ!」オオタケは、狂ったように叫んだ。手に持ったバールで井戸の縁に打ちつけようとしている。危ない!井戸の中に何か隠してるんじゃないだろうな?
俺は、チヨに指示を出す。(チヨ!オオタケさんが井戸を壊そうとしている!行って止めるんだ!早く!)自販機から俺の声が響く。
「え!?うちが!?霊体やのにどうやって止めるん!?」チヨが驚く。霊体だと物理的に触れないからな。チヨの弱点だ。
(霊体でも、驚かせたり、動きを妨害したりできるだろ!大声出すとか、霊的な体当たりとか!行くんだ!お前しかいない!)俺はチヨに指示を飛ばす。
「う、うーん…霊力チャージもできたとこやし…しゃーないな!霊体パワー、見せつけたろ!」チヨは渋々、井戸の方へ飛んでいく。霊力チャージしたてらしい。使えるかどうかは別問題だが。
オオタケがまさにバールを振り下ろそうとしたその瞬間、チヨがオオタケの周りをグルグルと飛び回った。「うわぁぁぁん!井戸から幽霊だぁぁぁん!コロちゃーん!違うのかぁぁぁん!」チヨは霊体なのに大声で泣き真似をした。しかもコロちゃんの霊じゃないと分かって泣き真似の演技を変えたらしい。演技派かよ。
オオタケは突然現れた(オオタケには見えないが、声は聞こえる)幽霊の声と、体に感じる霊的なモヤモヤ(チヨの体当たり?)に驚き、バールを取り落とし、その場にへたり込んだ。
「やったー!あたしたち、名探偵コンビみたいやん!事件解決や!」チヨは、大喜びで叫んだ。霊体のまま、腕組みして得意げな顔をしている。まあ、霊感は役に立たなかったが、行動力はあったな。
(やったー!俺たち、名探偵コンビ爆誕!?…って、俺、動けないんだった!)俺はチヨの活躍を喜びつつも、自分が動けないことを改めて実感した。まあ、指示は俺が出したが。名探偵コンビか…悪くない響きだな。
ハナちゃんとヨシダさんは、オオタケの過去を受け止め、彼を許すことを決意した。「オオタケさん、つらかったですね…」「コロちゃんも、きっと悲しんでますよ…公園は、みんなコロちゃんのことも忘れてないですよ…」二人の優しい言葉に、オオタケは涙を流した。そして、公園は再び平和を取り戻し、人々の笑顔が溢れる場所となった。悲しい出来事だったが、これで一件落着だ。
俺とチヨは、これからも公園の平和を守るため、迷コンビとして活躍することを誓った。こうして、公園には、動けない自販機と騒がしい霊による、異様な名探偵コンビが誕生したのだった。
「なあ、お兄ちゃん。あたしたち、めっちゃいいコンビやと思わへん?霊感と自販機、最強コンビやで!」チヨは、得意げに俺に話しかけた。霊体のまま、俺の周りをフワフワ飛んでいる。
(まあ、そうだな。今回はお前が動いてくれたからな。)俺は応じる。(ほとんど俺の指示通りに動いただけだけどな。お前の霊感は全く役に立たなかったが。)
「なんやとー!あたしがおらんかったら、事件解決できてへんかったんやで!霊体パワーがあってこそや!兄さん、霊体ちゃうやろ!」チヨは、頬を膨らませて抗議した。
(霊体じゃないな。自販機だ。)俺は冷静に、そして少し意地悪く言う。(お前の霊感は相変わらずアテにならないが、行動力は認めてやるよ。俺の分析がなければ犯人も動機も分からなかったんだぞ。)
「うっ…それは…まあ、兄さんの分析力は認めるわ…データ凄かったし…」チヨは、言い返せずに少し黙り込んだ。俺の正確なデータには敵わないらしい。
(まあまあ、チヨ。お前はムードメーカーとして、今回の事件解決に貢献したんだ。)俺はフォローする。(それに、霊体しかできないこともある。オオタケさんを驚かせられたのはお前だけだ。そう言っておかないと、後々面倒なことになるからな。)
「お兄ちゃん…優しいんやな…。」チヨは、少し感動した様子で言った。単純な奴だ。
「勘違いするなよ!」俺は慌てて訂正する。「別に優しさから言ってるんじゃない!俺はただ、平和に過ごしたいだけなんだ!お前に騒がれるのは勘弁だからな!」
「ふーん。まあ、ええわ。これからも、あたしがお兄ちゃんの相棒として、しっかりサポートしたるからな!」チヨは、気を取り直して言う。「霊感はアテにならへんかもしれんけど、体当たりとか、大声とか、霊体ならではの力があるんや!」
(漫才コンビか…悪くない響きだな。)俺は応じる。(頼むから、変な霊界ネタで混乱させたり、物理法則無視した行動で俺のデータを破壊したり、邪魔だけはしないでくれよ。)
「邪魔なんてしーひんよ!あたしは、お兄ちゃんの最高の相棒やからな!霊感以外の全てを捧げるわ!」チヨは、胸を張って言う。霊体のまま、ドヤ顔をしている。
(霊感以外って…肝心なところがアテにならないのかよ!)俺は思わずツッコミを入れる。「謙虚さのカケラもないのか!」
「ええやん!事実やし!って、お兄ちゃんこそ、もっとあたしに感謝すべきやで!霊体やのにここまでやってんねんから!」チヨは、俺に詰め寄った。霊体なのに、なぜか迫力がある。
俺はツッコミを諦め、ため息をついた。(ったく、こいつといると、本当に疲れる…データでは測れない疲労感だ。)
「って、おい!ため息つくなや!って、あたしがおるから、お兄ちゃんも退屈せーへんのやで!毎日刺激的やろ!漫才みたいで!」チヨは、俺の肩(自販機なので肩はないが)を叩いた。バシバシ叩かれる。物理的な接触はないが、霊的な衝撃がある。
(退屈しない代わりに、ストレスが溜まるんだよ!データ的には危険水準だ!」俺は内心で叫ぶ。「マジで勘弁してくれー!俺のシステムが悲鳴を上げてる!)
こうして、公園の平和は、動けない自販機と騒がしい霊によって、今日も守られているのだった。そして、俺のデータ収集とツッコミの日々は、まだまだ続くのであった。
29話 只今編集中(しばらくお待ちください)
もよろしくお願いします
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