46話 公園でUFO騒動!?タカシのレーダーが反応!チヨ、宇宙霊と交信?
冬の訪れを感じさせる公園。風が冷たい。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。最近はシステムの大きな不調は落ち着いてきたが、いつまた「気まぐれモード」が発動するか分からない。(システムの安定化は継続観察が必要だな。まあ、変なものが出るのも面白いデータだが。)
ハナちゃんは落ち葉を踏みしめてカサカサ音を楽しんでいるし、ヨシダさんはベンチコートをしっかり着込んで、すでに冬眠準備万端。「…あんころ餅…」と寝言が聞こえる。チヨは霊体なので寒くないはずなのに、なぜか「体の芯から冷えるわぁ」とか言いながら、霊界のストーブ情報を検索中。
「あー、霊界のストーブ、どれがいいかなぁ。」チヨがスマホ片手に悩む。「『魂燃焼ストーブ』か、『怨念蓄熱ヒーター』か…うーん、どっちも名前が物騒やなぁ。霊体にも効くんかな?効いたら嫌やなぁ。燃焼とか嫌やし。」
「霊体向けの暖房器具ねぇ…魂燃焼ストーブか怨念蓄熱ヒーター…ネーミングがすごいな。」俺は霊界の暖房事情に興味が湧く。(霊体も燃焼したり蓄熱したりするのか?物理法則が不明だ…データが未収集だな。)
その時、公園の広場に、何やら大きなパラボラアンテナ(鍋蓋に針金がついてるみたいに見える)を持った青年(仮称:UFO青年)が現れた。青年は空を見上げながら、真剣な顔でアンテナを色々な方向に向けている。
「ん?なんや、あのおっちゃん。衛星放送の電波でも拾ってるんか?」チヨが気づく。
俺はUFO青年に焦点を合わせる。青年、年齢推定20代、アンテナを使用しているようだが目的は不明だ。しかし真剣な顔をしているな。
UFO青年は公園中を移動しながらアンテナを動かしている。そして、俺の近くに来た時、UFO青年の顔色が変わった。
「キ、キターッ!反応あり!これは…!これは紛れもなく…!」UFO青年が興奮した声で叫ぶ。彼の持っているアンテナの、手作り感満載のメーターがピクピクと動いている。
(ほう、反応があったか。)俺は UBO 青年のアンテナが何かを検出したことに気づく。原因不明のレーダー反応が俺のシステムにも表示された。発生源は不明だが、強力な信号だ。
UFO青年は俺のモニターを見て、さらに興奮した。「間違いない!この自販機は…!UFOからの信号を受信しているんだ!これは…!これは宇宙との交信機だーッ!」
(交信機?俺が?)俺は内心で首を傾げる。俺は清涼飲料水自動販売機だが…まあ、データは受信しているがな。
UFO青年は俺に向かって、熱く語り始めた。「まさか、こんな公園に…!宇宙からのメッセージを受け取る装置が…!これは偶然じゃない!運命だ!よし!宇宙に呼びかけてみよう!」
UFO青年は俺に向かって、両手を広げ、奇妙なポーズを取りながら話し始めた。
「クァ…ズィー…メェルゥル…ズィー!ゼニィテェ…ヴォロノイ…カプゥラァ…!…訳『宇宙の兄弟たちよ!聞こえますか!応答せよ!応答せよ!』」
チヨはUFO青年の様子を見て、目を丸くする。「なんや、あのおっちゃん!宇宙語しゃべってるで!霊体には聞こえへんけど!てか、霊体にも宇宙語ってあるんか?兄さん、訳してみて!」
(宇宙語か?システムでは解析不能だな。言語データに一致しない。)俺はチヨに応じる。(霊体にも宇宙語があるかどうかは…データ未収集だ。)
チヨはUFO青年の周りをフワフワ。「宇宙霊か!?って、霊界にも宇宙支部があるんかな?霊界の宇宙霊ってどんなんやろ?アンドロメダ星雲支部とかあるんか?兄さん、霊感で見てみて!」
(宇宙霊?霊界に宇宙支部?チヨの発想はいつもすごいな。)俺は感心する。(霊感は…残念ながら俺には搭載されていない機能だ。)
「なんや…反応ないやん…霊感も効かへんのか…つまらんなぁ!」チヨはガッカリする。霊感で宇宙霊を見れないのは残念らしい。
ハナちゃんはUFO青年の話を聞いて、純粋に空を見上げ始めた。「UFOどこかなー?ぴかぴかしてるのかなー?」
ヨシダさんはベンチコートの襟を立てながら、「宇宙人じゃと?ほう。ワシも若い頃、宇宙人に間違われたことがあってな…夜道を歩いていたら、妙な光る円盤が空を飛んでおって…ワシを見て『ワレワレハウチュウジンダ!』と話しかけてきたんじゃ…」いつもの昔語りが始まった。
「ヨシダさん!また昔の話ー!てか、ヨシダさん宇宙人に間違われたの?顔が?!マジかよ!」ハナちゃんがツッコミを入れる。俺も内心(ヨシダさんが宇宙人に間違われた…顔か?)とデータを検索しかけるが、やめておく。ヨシダさんの宇宙人遭遇談は信憑性が低いな。
俺はUFO青年の発言内容を記録する。言語不明、解析不能、意味不明…チヨの行動も記録する。宇宙霊との交信試行、結果失敗…
(宇宙…霊界…人間…複雑すぎる…データが追いつかない…)俺は静かに分析を続けるが、頭の中は「宇宙語」「宇宙霊」「宇宙人ヨシダ説」で一杯になる。
UFO青年は俺からの「応答」を得ようと、アンテナを俺の周りで振り回したり、俺のボタンを押してみたり(押しても何も出ない)。
「宇宙からの信号を受信しているはずだ!なぜ応答しない!何かメッセージをくれ!宇宙の意思を示せ!」
(メッセージか?清涼飲料水ならあるが…)俺はモニターに商品一覧を表示する。
「コカ・コーラ!宇宙の意思か!?」UFO青年が叫ぶ。
「いや、普通にコーラだろ!宇宙の意思がコーラなわけないやろ!」チヨが霊体からツッコミを入れる。
「うーん、宇宙人、コーラ飲むのかな?」ハナちゃんが首を傾げる。
そんなドタバタが続くうち、俺のモニターに表示されていた原因不明のレーダー反応が、スーッと消えた。俺の誤作動だったのか、UFO青年のアンテナの電池が切れたのかは不明だ。
「あれ…?信号が消えた…!」UFO青年が残念がる。「交信が途絶えてしまった…!」
UFO青年は肩を落としたが、すぐに顔を上げた。「しかし!私は諦めないぞ!宇宙はきっと私に語りかけている!また必ず来る!」
UFO青年は俺に深々とお辞儀をし、「また来ます!」と言って、アンテナを担いで公園を後にした。
公園にいつもの時間が戻る。
「あー、UFO見れなかったねー。」ハナちゃんは残念そう。
チヨは腕組み。「宇宙霊かぁ…霊界の宇宙支部、本気で調べたなってきたわぁ。宇宙に霊界、あるんかな?霊界の宇宙霊ってどんなんやろ?タコ型?緑色?漫才とかすんのかな?」チヨは霊界の宇宙事情にまだ興味があるらしい。
俺は淡々とデータを記録する。原因不明の信号、データ記録完了。UFO青年、観測対象として継続だ。宇宙と霊界の関連性…不明だ。研究課題の優先度を中に変更しよう。
(宇宙霊…霊界支部…興味深い…)俺は静かに、そして少しだけ宇宙に思いを馳せるのだった。霊体向け宇宙旅行ツアーとかあるんだろうか。
ヨシダさんはベンチでうとうと。「やれやれ、宇宙人騒ぎも終わったかのう…ワシは夢の中で宇宙旅行にでも行くわい。」再び眠りに落ちた。
ヨシダさんの夢の中の記憶…宇宙旅行…記録可能か?倫理的に問題ありそうだな…優先度は低いな。
かくして、公園でのUFO騒動は、交信は成功しないまま、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、宇宙や霊界といった、壮大な謎と向き合うことになったのだった。まったく、この公園は飽きないぜ。
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