洗脳のテクニック (マットとジェフの日課) | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “拷問を技術から芸術(アート)の域にまで高めたのは、ロシア人とその弟子にあたる中国人であった。彼らによって開発されたテクニックは――一般には「洗脳」として知られているが、――ユダヤ人を迫害したアンチオコスが生きていたら驚きあきれたであろうし、異端審問官トルケマダが生きていたら天啓と思ったことであろう。少なくとも、一万年の歴史を積み重ねたすえに、拷問吏はここに永遠の夢を実現したのだった――人間の心をねじ曲げ、いかなる条件のもとにおいても自白を引き出す能力を手に入れたのだ。

 KGB(ソ連国家保安委員会)によって用いられた、自白を引き出す方法を検討してみよう。自白させるには、通例十二週間を要し、厳密なスケジュールに従って行なわれた。最初の一ヶ月間は、警察は直接接近しない。友人や隣人からその男のことを聞き出し、その男を尾行し、その男あての郵便物を開封する。男は事態に気づき、たえず不安な状態に置かれるため、だんだん精神が参ってくる。

 五週目に彼は逮捕される――例外なく自宅で、それも夜中に。なんの説明を与えられない。ただちに刑務所へ連行され、窓のない、幅六フィート(約一・八メートル)奥行き一〇フィート(約三メートル)の独房に放り込まれる。看守以外にはだれとも会うことを許されず、明りはずっと点けっぱなしにされる。明りをのぞけば、これは異端審問所が用いていたテクニックとまったく同じである。

 囚人はある一定の時間しか眠らされず、眠るときはいつも両手を毛布の外に出してあおむけに寝なければならない。独房内を歩くことは許されない。座る場合は、背中を椅子の背につけて不動の姿勢をとっていなければならない。立つ場合には、直立不動の姿勢をとることを求められる。看守は命令をくだすとき以外はけっして囚人に話しかけない。反抗すれば罰せられるが、罰は服従を強要する程度のものである。

 この状態が三週間つづく。その間に囚人は、はじめは恐怖を、ついで狼狽を、やがては憂鬱を、そして体の拘束と監禁のために足が腫れはじめると、ついに苦痛を体験する。

 七週目に入ると、ますます多くの圧力がかけられるようになる。この段階で拷問が行なわれることがあるかもしれないが、それは苦痛を与えるためというよりは、むしろ無力さと完全な孤独を思い知らせるためである。

 もっとも多く用いられる方法は、トイレの設備を取り去ってしまうことであって、囚人はおのれの排泄物にまみれて起居せざるをえなくなる。よく用いられるもう一つの方法は、極端な寒暑の変化にさらすことである――汗だくになり息苦しくなるほど独房内を暑くしてから、熱をすっかり遮断し、零下四十度に下げる。

 囚人はまた、米兵のいわゆる「マットとジェフの日課」なるものを与えられる。

 まず、攻撃的で残忍な尋問係が一週間あるいはそれ以上費やして、むりやり自白を引き出そうとする。その期間の終わりに、「友人」なるものが現われる。この「友人」というのは、二十代の若者で、感じがよくて思いやりがあり、しかも権威ある男である。

 「友人」は尋問係を叱りとばし、出て行けと命ずる。そして、はるかに居心地のよい別の独房へ囚人を移してやり、酒やタバコをすすめ、相手の言い分を聞いてやろうとする。そのころには囚人は、自分の置かれている立場を誰かに説明したくて気も狂わんばかりになっている。「友人」は囚人に、話してくれと促す。「友人」は囚人に関する資料をあらかじめ渡されているので、相手のことはよく知っており、話を聞き出すすべを心得ている。これが二週間あるいはそれ以上つづくのである。

 それから、「友人」は急にきびしくなる。囚人の話の矛盾した点を指摘するようになる。メモもなく周到な準備もせずに記憶だけを頼りに話をする場合には、そのような食い違いが必ず生ずるものであるが、囚人がそれらの矛盾を弁明したりつじつまを合わせようとすると、「友人」は不満の色を見せる。

 「これまで話してくれたことは、本当のことじゃないんだね」

と、彼は悲しげにいう。

 「もし、このようにうそをつくのなら、力になってあげるわけにはいかない」

 もうそのころには、囚人はすっかり「友人」に頼り切っているので、必死になって「友人」を満足させようとする。だが、「友人」を満足させることなどできはしない。「友人」は決して満足することがないのだ。「友人」はますます多くの矛盾を見いだし、ついには出て行ってしまう。

 かくして囚人は、もとの独房――いまは凍りつくほど寒い独房――へ戻され、そこに数日間放置されるのだ。

 それから、ふたたび「友人」がやってくる。許してやる気になったのだ、という。そして、ふたたび暖かくて居心地のよい部屋へ連れていき、酒やタバコをすすめる。これは「懇談期」として知られているものであり、通例十一周目に行なわれる。

 「友人」は囚人に対して、筋のとおった説明をする(その囚人が聖職者の場合には、告白書に署名すれば釈放されて魂を救済する仕事をつづけられるのだが、署名をこばめば、おのれのプライドのために教区民を犠牲にすることになる、などという)。

 囚人は心身ともに参っているので、「友人」の話がだんだん本当のように思えてくる。たとえば、その囚人が妻に対して嫉妬深いとわかると、早く家に帰らないと奥さんがあなたを裏切るようになるだろうから、告白書に署名したらどうだ、などという。あるいは、これらの告白書がでっち上げであることはだれでも知っており、だれも真に受けやしないから署名したらどうか、などという。あるいは、ある個人や集団に対して男がいだいている恨みにつけこんで、あなたに着せられている罪をそれらの人々に転嫁するように告白書を細工してあげよう、ともちかける。

 これでうまくいかない場合には、「友人」を交代させ、このようなことをもう一度はじめからくりかえす。囚人が重要人物である場合には、これが無期限につづけられる。ある牧師は四年間これに耐え、ついに屈したといわれている。七年間もちこたえた者もいる。だが、最後にはこの方法は成功している。”(P273~P277)

 

 “朝鮮戦争(一九五〇~五三年)のとき、捕虜は飢えに追いやられてついに発狂し、発狂すると釈放されて中国軍の慰みに供された。細菌戦に従事した旨の告白書に署名することを拒否したアメリカの一中尉は、まず、ちっぽけな独房――「無楽房(リトル・イーズ)」の現代版――に八日間閉じ込められて打ちたたかれた。そして二十三時間も直立不動の姿勢をとらされ、倒れるとふたたび打ちたたかれ、また、はげしい嵐の夜に雨樋口の下に縛りつけられて一晩中放置された。三日間食べ物を一口も与えられず、それから銃殺隊の前に立たされ、署名しないと射殺するぞといわれた。

 ハリスという大尉は、彼の服で足をふいた中国人将校を殴りつけたために、頭を両膝の間に押し込まれ、小さな箱に九時間閉じ込められた。彼が箱に閉じ込められている間、兵士たちは棍棒で箱をつづけざまに叩いた。箱から出されると、さらに四日間、手首と足首とをくくりつけられる刑罰を受けた。

 合衆国下院の非米活動委員会(米国内における反体制的破壊活動の調査・抑制を目的として一九三八年に設立された)の記録(一九五九年第八巻第四号)には、東ドイツで逮捕されロシア人に尋問を受けたドイツ女性、エリカ・ヴァラーハに加えられた処置についてのくわしい報告が出ている。彼女は裸にされ、冷えきった独房内に立たされ、眠ることも許されず、一人きりで監禁された。病気になっても、告白書に署名するまでは医療処置も与えなかった。その間、しきりに「友人」がやってきて、自分のためはともかく、母親や子どものために署名してはどうか、といった。彼女が拒否すると、「友人」は彼女をはねつけたが、彼女は連れ込まれて「友人」の前に立たされ、何時間も黙ってじっと見つめられた。このような処置が二年間つづいた。”(P279~P280)

 

(D・P・マニックス「人間はどこまで残虐になれるか 拷問の世界史」(講談社+α文庫)より)

 

*有名な某カルト団体による洗脳についても、彼らは反共活動で連携していたKCIAを通じて中国や北朝鮮の洗脳のノウハウを学んだと聞いたことがありますが、この「鞭と飴」の洗脳のテクニックは、他にも外交交渉の場など様々な場面で応用されています。これまでさんざん嫌がらせをしてきた人物や国が、もし急に態度をやわらげて友好的に接してきたならば、そのときこそ注意すべき時です。彼らは様々な手段を使って、まずは相手に「非は自分達(自国)の側にある」と思い込ませてからコントロールしようとします。相手が自分自身を否定して思考を放棄してしまったら、後は意のままです。

 

*エドガー・ケイシーのリーディングには、アトランティスの時代に存在した「ベリアルの子ら」という人々を苦しめることを喜びとした連中のことが語られています。彼らこそが「創世記」に登場するソドムの民、『弱い立場の人間を残虐に扱い、その苦しむ姿を見ることで性的な快楽を得ていた連中』で、『奴隷制度』を始めたのも彼らであり、アトランティス大陸が崩壊したのも、彼らが『輸送や通信に益するはずであった力』、『生命の夜の側の力(原子力)』を利己的な目的に使用し、それが地球内部の地殻変動につながったことが原因でした。そして、ケイシーは、今の時代は、アトランティス末期と同じく、かつて神の掟の子であった魂と、ベリアルの子であった魂が大挙して生まれ変わってくると言っており、さらにアトランティス末期に、人々が「神の掟の子(一者の法則の子、光の子)」と「ベリアルの子」の二つのグループに分裂したように、我々の時代も時が経つにつれて、次第に二極化していく傾向にあると予言しています。ファティマで聖母マリアは、『ロシアが神の鞭となる』と告げられましたが、もはや、今後我が国がロシアや中国、北朝鮮のような国家とは友好関係を築くことは不可能であり、これからも対立は一層深まっていくであろうことを覚悟せねばなりません。

 

*それにしても、今回の処理水放出に関連しての中国の悪意ある行動に対し、はっきりと批判しようとせずに相変わらずデマを垂れ流し続けるマスコミや野党議員(与党議員の一部も)たちにはうんざりします。原子力発電や国防などの問題は、マスコミや活動家、市民団体などの偏向した情報に惑わされることなく、国民は各自ができるだけ客観的な立場で判断できるよう自分自身でも調べるべきです。インフラや安全保障の問題は多くの人の生命、未来の子供達の運命がかかっているのであって決して単なる感情で判断してはなりません。残念ながら、もはや日本が内部から崩壊しつつあるのは明らかですし、いったんは滅びることになるというのは避けようがないのでしょうが、重要なのは「立直し」です。立替え後の再建のために、各人が何をすることが出来るのか、どう準備すればよいのかを、よく考えねばならないときだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング