原発をカタに電力消費者への恐喝をやめない電力会社から早く自由になりたい。そんな夢に少し近づいたと思ったのが、2014年4月のアースデイ。

 

その1年前に、避難先の岡山の古民家でついに中国電力から電線を切り離して、完全オフグリッド生活に入られた田中優さんの講演を聞いた時でした。(「電力会社に頼らない生活はできる!」オフグリッドの時代へ!(4/19田中優さんの講演を聴いて)

 

電気オタク(?)の優さんは慧通信技術工業のパーソナルエナジーという高級蓄電池を導入していたので、太陽光パネルと合せて500万円という予算でしたが、その時に、もっと安くで自家発電を導入できる「自エネ組(自給エネルギーチーム)」の情報もゲットしました。自エネ組では108万円でソーラキットを紹介していました。

 

優さんはその時、「10年もすればバッテリが革命的に安くなって電気は自給があたりまえになる」と話していたのですが、なんとその1年後である2015年4月に、すでに従来の半値以下の家庭用蓄電池がシリコンバレーでデビューしていたのです。

 

販売者は電気自動車(EV、Electric Vehicle )のモデルSで知られる、テスラモーターズ。CEOのイーロン・マスクは、PayPalの元会社を作った人で、環境にも関心が高い人。

 

通常、メーカー希望価格が200万円前後、補助金を使っても自己負担額が100万円超える7kWhモデルが3000ドル(約34万円)、10kWhモデルが3500ドル(約40万円)。100kgという重量が気になりますが、壁掛けタイプで場所をとらない。室内外どちらでもOK。

 

しかも、このプレゼンそのものが、セールストークを超える夢のある話なのです。

 

イーロンは、CO2排出が恐ろしいほど加速度的に増加している現状を変えるために、化石燃料をすべて太陽光を主とする再生可能エネルギーに転換することを本気で考えており、そのソリューションを出してくれているんです。

 

Tesla introduces Tesla Energy

(なんと、動画をメインで埋め込んで記事を書いてしまってから、新しいエディタでは動画挿入ができないとわかりました。毎回ながら、どんだけアホなアメブロwwww笑い泣き)

 

日本語字幕がみつからないため、キャプチャと和訳書き起こしをブロガーのほうで付けておきましたので、ご参照ください→「テスラの蓄電池、パワーウォール - 世界中の化石燃料を再生可能エネルギーに移行させよう」 (動画はこちらで視れます。)

 

太陽光パネルや蓄電池、いったいどれぐらいの量があれば、現在使っている環境に悪い電力とサヨナラできるのか。面積で示されると、とてもわかりやすいですね。

 

テキサス州のてっぺんにちょこっと描かれた正方形だけで、世界の半分の電力を消費している全米の太陽光パネルは十分だし、蓄電池はそのさらに小さな点程度。新たな土地を開発しなくても、既存の屋根の上にモジュールを乗せれば発電はほぼ足りてしまうし、蓄電池があればそれだけで十分まかなえてしまう。さらに、産業用や発電所用を考えても、やはり実現可能なサイズになる。

 

テスラはこれを単独で成し遂げようと考えているのではなく、他の会社もどんどん一緒にやってほしいと思っています。みんなで地球を守ろうってことですね。なので、特許もオープンソースだとか。

 

ということは、10年といわず、今後1~2年の間に定置用蓄電池の市場は激変することになるでしょう。それに、他の新興企業も格安の室内設置型蓄電池を市場に投入し始めています。

 

2016年製造分はもう予約満杯という噂のパワーウォールですが、今でもテスラのウェブサイトでは予約を受け付けています。ドロップダウンリストの納期希望オプションは、2016年上旬から2017年以降までそろっています。日本で注文できるんです。できなくっても半値以下なら個人輸入でもやろうとしますよねw

 

国内の蓄電池メーカーは、まだこのことに沈黙したまま、一括見積もりサイトでは高額の蓄電池だけを紹介しているようですが、どうなるのでしょう。2015年度(2016年3月末)まではまだ補助金が3分の1ほどおりますが、それでも自己負担額はバカになりません。補助金終了後の4月から少しぐらい値引きをしたところで、1~2年待てば、半額以下になるかもしれないのであれば、見送ったほうがいいことになります。

 

補助金というのはそもそも、購入者のためではなく、メーカーを甘やかしているだけなので、そんなぬるま湯に浸かっているあいだに、若い会社が頑張って低コストでいいものを作ってしまうわけですね。保身サラリーマン経営者だらけの横並び会社は補助金が下りるギリギリまでしかコスト削減は目指しません。そうなると、真にユーザのメリットを考えた斬新なアイデアも出ません。

 

横並び老舗企業のうちの一つ、PanasonicはテスラモーターズのEVの蓄電池を供給しているメーカーで、テスラのギガファクトリーにも出資し共同生産するはずで、従業員も投入していますが、国内の家庭用蓄電池に関しては沈黙したままです。ギガファクトリーの3割は家庭用蓄電池になると見込まれているのですが…。高額蓄電池の在庫を捌くまで沈黙してるつもりなのか…。

 

いずれにしろ、現在の太陽光発電システムが、補助金が終了しても、新車一台並みの価格になったとするなら(しかも、寿命は最低20年)、家庭用蓄電池は大型家電2~3個分ぐらいになってきたところでしょうか。

 

そのうちどちらも、冷蔵庫1台購入するくらいの感覚になるかもしれません。今、3万円以下で買えるスマートフォンやタブレットが、昔20万円以上したノートパソコンを遥かに超える性能であることを考えれば、電線がなくても、ちょっと蓄電池を買いにホームセンターまで行ってくる~、って時代はかなりすぐそこなんじゃないでしょうか。

 

太陽光モジュールも、屋根ではなく、ベランダに立てる透明ブラインド型、みたいなのが出れば、そうなるんじゃないかと思います。今後、モジュール変換効率は今の3倍ぐらいに伸びると見込まれるので、一人あたり畳3帖分以下でよくなるかもしれません。

 

そうすれば、賃貸マンション住まいでも、電気は自給が当たり前!になるわけです。おねがい

 

電気に限らず、繋がれるっていうのはもうナシにしましょう。ついこの間まではそんなのなかったんです。

 

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