表紙の絵に惹かれて手に取ったのだけれど、都内に住んでいた20年ほど前、チャンちゃんは、まっすぐ上に立ち昇る白く細い雲を、「ありえなぁ~~~い」と思いつつ見ていたことがあった。

 本書には、伊良部島を含む宮古諸島や沖縄諸島の7つの島々を巡って龍門(エネルギーの出入口)を開いてゆく過程が記述されている。霊能者である著者さんの実体験から紡ぎ出された内容なので、目に見えない世界に関する学びが多い。2010年初版。

 

 

【伊良部島】

 伊良部島は日本中の「龍の住処」であり、伊良部島自体がもともと「龍宮城」であった事がわかりました。(p.48)

 いろんな人が、いろんな場所について「ここは龍宮城である」と言ったり書いたりしているけれど、それぞれに担当する周波数帯(次元界)が違うのだろうから、全否定も全肯定もできない。それぞれに出会った時が縁なのだから、そこから学べばいのいだろう。

 白い雲がまっすぐ空へ舞い上がる姿を見た人は、伊良部島の龍の聖地へ足を運んで神導きを頂く事で次の道が示されると思います。・・・(中略)・・・。本来の人生の目的とは、個人の魂の目的にとどまらず、他の人との魂の繋がりを深めて大いなる創造をこの世で実現させることが目的です。だからこそ、日本人として生まれた大切な魂のルーツが、伊良部島や宮古島に大切に残されているのです。(p.119)

 最後の一文が意味するのは、「日本人は、すべからく龍の魂を持っている」ということだろうか。下記のリンク著作を思い出したりする。

   《参照》  『龍蛇族直系の日本人よ!』 浅川嘉富 (ヒカルランド) 

 

 

【陰陽のバランス】

「陰」は嫌な意味でとらえる方が多いのですが、お母さんのお腹の中のように深く温かい世界が「陰」であり、苦しみを受け止めてくれる場所でもあります。・・・・・(中略)・・・・・。伊良部島の土地がなぜこれほど人を癒す力が大きいのかというと、深い日本の「陰の世界」を守っているエネルギーの場所だからです。(p.88)

 伊良部島は、龍の住処であり、生まれた場所でもあるから、母体のような深く温かい陰のエネルギーに満ちている。だから癒される。

   《参照》  『菊理媛と共に宇宙無限大に開くドラゴンゲート』 龍依~Roy (ヒカルランド) 《中編》

             【宮古島地域の龍穴:通り池(松果体)と鍋底池(子宮)】

             【女性性エネルギーのパワースポット】

 しかしながら、現実世界には陰と陽が混在する。

 地球上の三次元世界において最も大切な事は「陰陽のバランス」だと言えます。人間に例えると自分の強い部分と弱い部分、苦手な所と得意な所、好きな事と嫌いな事、良い所と悪い所のバランスが大切だという意味です。嫌いな人を否定すると、必ず自分も否定される事も覚えておいて下さいね。全てを受け止めて全てを許して、そして全てを愛する事こそ私たち人間が地球に生かされている最も大切な学びであり、全てのバランスの取り方なのです。(p.88-89)

 

 

【”探し求めていた答え”を示していた本】

 他人の悩みを解決する仕事が「心理学」や「精神世界」というジャンルに属することを知り、どういう世界なのか知りたくて苦手な本も読んでみました。二十世紀末に読んだ「神との対話」という本は、それまで探し求めていた答えを示していた事を覚えています。(p.15)

 著者さんは、持って生まれたスピリチュアルな能力を使って、数千名の人たちの心や体を癒す仕事を、本業の傍ら無料で行っていたのだという。

 ニール・ドナルド・ウォルシュの著作は「神との対話」以外にもいくつもあるけれど、「神との対話」の中に見出した ” 探し求めていた答え” の一つは、おそらく下記リンクの内容だろう。

   《参照》  『神とひとつになること』 ニール・ドナルド・ウォルシュ (サンマーク出版) 《前編》

           【神と人間は一体である】

 2020年の今でこそ、スピリチュアル系の著作やYouTube動画で、これに類する内容は頻繁に語られているけれど、著者さんのように20世紀末の段階で、この気づき(答え)に出会っていた人たちは、本当に意識の高い先駆者のはず。

  ニール・ドナルド・ウォルシュ著の読書記録

     『神とひとつになること』

     『神との友情 (上)』

     『神との友情 (下)』

     『神との対話 フォトブック』

     『神との対話』

     『神との対話 ②』

     『神との対話 ③』

 

 

【どの宗教にも属さない】

 私も宗教の存在は認めますが、どの宗教にも所属した事も教わったこともないですし、今後も教えをいただくつもりがない理由は同じ理由です。どの宗教も、人間が人間の都合で解釈を曲げている部分が必ずある事を知っていますし、神様自体がその事を悲しんでいることを知っているからです。(p.56)

 21世紀になって、「アセンション」という用語を中心に、人々の意識変化を喚起していたスピリチュアルの潮流は、実際の処、脱・宗教の潮流なのだけれど、旧タイプの意識で生きている日常生活者たちは、カネによる人類支配を企図するディープステートたちが創作した「宗教団体による教え」に洗脳されたままである。

   《参照》  『すばる』  佐藤みつ  (たま出版)  《後編》

            【アセンションへの導き】

 

 

【人間の存在理由】

 私が常々思う事は、「人間の存在理由」を問うとしたらそれは見える物の為ではないという事です。(p.64)

 物の世界に執着したところで、そんなものは自然の力を前にしたら、跡形もなく容易に消えてしまうもの。その時になって、漸く骨身にしみて気付くのが凡庸な人間というものの有様なのだろうけれど、誰であれそれ以前に「人間の存在理由」を自覚する契機は、いくらでもあるはず。

 

 

【天と地を繋ぐ穴】

 この穴が開くと地球内部のエネルギーと天のエネルギーが繋がり、その強く大きなエネルギーが大きな龍の姿となって日本中を駆け巡ることになるでしょう。この龍のエネルギーは、自然を大切にしながら地球創生を望む人たちにとっても大きな力になると感じています。・・・(中略)・・・。伊良部島に来た方は、是非、この場所を訪れて閉じたフタが開く祈りを捧げて下さるようお願いします。(p.91)

 伊良部島にあるこの穴のフタは、もう開かれているだろうけれど、本書を手に取るような人は、きっと縁があるのだろうから訪れたらいい。場所は、伊良部島の北にある「スーフツミ」と呼ばれている「潮吹き岩」。

   《参照》  『菊理媛と共に宇宙無限大に開くドラゴンゲート』 龍依~Roy (ヒカルランド) 《中編》

                           【潮吹き岩の封印解除】

 

 

【大主神社(ウハルズウタキ)と下地神社(ツヌジウタキ)】

宮古島の全ての神様の最高位にいらっしゃるのは、池間島の「大主神社(別名:ウハルズウタキ)」ですが、「ウハルズウタキ」は、「ユタ」もしくは「司オバー」しか入れないと決められているくらいに霊格の低い人間が入れる場所ではありません。・・・(中略)・・・。見えないものを感じる人間にとってはとても厳しいエネルギーの場所なので、自らを問われることを覚えておいてください。その代わりに一般庶民の拝みをする場所として作られたのが、この「ツヌジウタキ」です。・・・(中略)・・・。中を見ると、何段階にも「結界」が張られているのを感じます。・・・(中略)・・・、実に七段の「結界」があることがわかりました。(p.98)

 それぞれの「結界」において挨拶を怠ると先に進めない。

 挨拶は敬意を示す基本。見えない世界を認識している人々にとっては、当たり前すぎて語る必要などないことなのだろうけど、神霊界の実相を知らない人々は、平等の名のもとに挨拶を軽んじ敬意の大切さまで吹っ飛ばしてしまう。鎌倉幕府が定めた“御成敗式目・第一条”にある 「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添う」 は、終わりなき進化(神化)を志す人間にとっては基本のはず。進化した社会にヒエラルキー(階層構造)はなく、同心円状の社会になると言われているけれど、「同心円状の社会=敬意のない社会」ではない。

   《参照》  『ことば診療所』 金田一&柴田理恵 (明治書院)

            【上下関係】

 

 

【備瀬龍宮】

次に向かった場所は「美ら海水族館」の近くにある「備瀬龍宮」です。・・・(中略)・・・。この場所は、龍の中でも一番強い力を持つ「黒龍」のいる場所です。(p.138)

 この場所は他の島の「龍宮神」や宇宙、また、大和の土地まで繋がる神様もいらっしゃる大切な場所ですが、・・・(中略)・・・この「備瀬龍宮」は、「島根県の美保神社」へ繋がっている事も歴史に詳しい神人(かみんちゅ)が教えてくれました。この神事は、琉球王朝と大和の繋がり、日本神道や天皇家のルーツ、琉球王朝と宮古島の繋がり、源氏と平家の繋がり、中国と日本の繋がり、そして、アイヌ民族や琉球民族の先住民ルーツを解き明かす神事になりそうです。(p.139)

 この神事で解き明かされた内容は、本書には記述されていない。 『 【宇宙の創造主:マスター】との対話① 』 や、つい先頃出版された 『日本の神々と天皇家のルーツと役割』、いずれも天無神人(アマミカムイ=吉岡学)著、に記述されている。

 

 

【「うまれ」の人の役割】

日本人に生まれたあなたは、世界のどの国の人よりも素晴らしい霊的感覚やスピリチュアルな感覚を持って生まれています。私のように生まれつき強い霊能者を沖縄では「うまれ」と呼びますが、「うまれ」の人と人生の途中で目覚めるタイプの役割の違いは、「うまれ」として生まれた故に幼い頃から他人に理解されない物を見続けてきた辛い経験を乗り越えた分の心の強さが、皆さんの心の奥底にある「陰の世界」を支える役目として経験させられているのだと思います。他人に理解されない経験をすると心は傷つきますが、幼い子供の頃からずっとそういう経験をし続けてきた人を想像してみてください。そういう人は、私が出会った人だけでもとても多くいらっしゃることも覚えておいてください。(p.169-170)

 「うまれ」の人でありながら、いじけて捩じ曲がちゃってる人がこの記述を読んだら、ハッとして気づくかもしれない。「陰の世界」を深く痛く潜行した経験は、重要な役割を持つ人だからこそ与えられることなのだろう。このような記述を読んでも、なお、「私のつらい経験を理解できる人など、誰一人いない」と言い張って捩じ曲がり続ける人というのは、「うまれ」の人でなく、単に「霊格の低い」人というだけのことなのである。

 上記書き出しに続いて・・・

 だからこそ精神世界やスピリチュアルな世界が、もう遊びの時期ではないとお伝えしているのです。何故、これほど多くの方たちが目覚めたり、霊的感覚や現象を見る人が増えているかというと、「意識する」という力を愛に変えて祈りや行動を通して地球の未来を変える時期に来ているからだと思います。(p.170)

 

 

【「龍球王国」の誕生】

 久米島で「地球の核を開ける祈り・天の岩戸開き」を終えたあと、・・・(中略)・・・、「地球の核」に眠っていた新しい神々が「地上世界」に降りてきたのです。その神々は、全部で十五神も降りてきてくださいました。・・・(中略)・・・十五神の神々はすべて「宇宙神」ですので、今まで存在したすべての神の力を超える壮大な宇宙の繋がりの力を持っています。更に、十五神が守る地球の名前が、宇宙の神々の登場によって新しい名称に変わりました。宇宙から見た新しい地球の呼び名は、龍が守る国、「龍球王国」となりました。(p.187-188)

 下記リンクに、1979年に滋賀県の近江神宮で行われた「湧玉の祝い事の儀式」において、仏教系の仏様方から龍神様に日本の御加護役がバトンタッチされたことが記述されているけれど、

   《参照》  『令和弐年天命会談』 浅川嘉富・保江邦夫 (明窓出版)

            【湧玉の祝い事の儀式】

 著者さんが久米島でこの神事を行ったのは2007年のことらしい。龍神様による日本のご加護に、地球の核で眠っていた15柱の宇宙神が加わることで、「地球」は「龍球王国」になっていた。

 著者さんが主催するYouTubeの地球創生というチャンネルの主要動画は、関東平野が海没し、やせ細った日本列島を中心に、黒龍と白龍が取り囲む地球の絵(龍球王国)から始まっている。

 

 

【「神意識」で現実世界や宇宙を支える】

 人間はもともと神としての霊性を持ち、肉体を与えられて生まれてきた神ですから、「神意識」で現実世界や宇宙を支える為に命をいただいています。どうぞ、その事を一人でも多くの方に思い出してほしいと思います。(p.188)

 高次元界を司る「自然神」や「宇宙神」が望むのは、地球を守る決意をした人間が気づいて行動することのみ。美味しいものを食べることや享楽に耽ることが大切なら、コテコテの「人間意識」のままに「欲望王国」を生きればいいのです。

 

 

【「祈りの人の霊性の高さ」と「人間性の部分」は別なもの】

 人が人に願いをすることで起こる様々な人間感情のもつれは、今も全く変わっていません。「祈りの人の霊性の高さ」と皆さんと同じ欲を持った「人間性の部分」は別なものとして理解する心を学んで欲しいものです。このことを勘違いすると、依存心や執着心、さらには嫉妬心まで生まれてしまうからです。(p.203)

 そう、別なものとして理解すべき。

 別なものとして理解できない人は、霊性高き祈りの人に依頼心を被せて、ゴタゴタを起こすどころか、祈りの邪魔をすることになってしまう。これをされたら龍でさえ飛べなくなってしまうのである。

   《参照》  『富士神界の龍神からの緊急初メッセージ』 アマノコトネ (ヒカルランド) 《後編》

            【龍との約束】

 現実の欲望世界を生きているだけの人の中には、依存・依頼・執着・嫉妬の4拍子揃った「困った人」などざらだけれど、せっかくスピリチュアルな神事に参加するような人でありながら、人間意識と神意識の切り替えができないというのは、本当に「困ったもの」なのである。

 

 

【守護存在とのつながり】

 私は人を霊視する時に、まずその人自身の守護存在との繋がりがうまくできているかを注意してみています。この繋がりの糸が切れていたり不安定になると、情緒不安やソウウツの状態になりやすいと経験から学んでいるからです。こういう見えない守護存在の繋がりを感じられない人ほど、他の人に心の安定を求めがちですが、他人に求めても決して魂の本質が癒される事はありません。本来、人間は見えない守護存在との繋がりがあるからこそ、心や精神の安定が生まれるように出来ているからです。(p.248)

 自分自身にとっての守護存在が、どういう方なのか? 何なのか? は、分からなくっても全然かまわない。

 事実がどうであろうと「守ってくださって、ありがとうございます」と、朝な夕なに感謝し続ければいい。その継続で、守護の有無は誰でも実感できるようになるだろう。

 

 

【学びの始まり】

 沖縄の方は、オジーやオバーを大切にする事で同じ知恵を守り受け継ぐ知恵を持っていますが、宗教や精神世界も同様に、神を理解する時に最も重要な事は、「理想を自分の外に求めるのではなく自分の内側、つまり、自分自身が神だとしたらどうするか?」から学びは始まります。人間として自分に満点を付けられないのは私も同じだからこそ、今の自分の全てを認めて受け入れる事から始めなければいけないのです。足りないと感じる自分の点数を引き上げるための時間が、今、生かされている時間だと思ってください。(p.251)

  「自分自身が神だとしたらどうするか?」を常に問うって、凄いというか超特急の生き方である。

 神道では「神を行ずる」と表現するけれど、これって、すんなり言えても、日常生活の中で実践するとなると、相当な覚悟と決意が必要。肉体を持って生きている間に、絶えざる錬磨があり、大いなる向上を達成するなら、神々は大いに拍手喝采することだろう。

 

 

【自分の望む真実を明確にできている人】

「世の中がどんな状況であろうとも、迷いがある人は常に混乱の言葉を発しますが、逆に自分の望む真実を明確にできている人は世の中がどんな状況であろうと、しっかり前を見て全てを受け入れる覚悟を持っています」(p.263)

 “自分の望む真実”という表現には、著者さんが認識している高次元世界の物質世界への敷衍化の意味があるのだろう。見えない世界(高次元世界)が意識の射程に入っているかいないかは、実際のところ大きなウエイトを持つはず。

 高次元の認知能力がなくとも、「迎えず、送らず、中今を生きるのみ」という基本を心得ている人なら、外的状況に振り回されることはないだろうけれど、常に側に居る人がそう心得ていないと、その人的状況を受入れがたく思うのではないだろうか。

 このような異なるあり方(生き方)を、現実問題として受け入れる場合、実際には、いくつかの方法があるものだけれど、畢竟するに、意識の周波数が違う者、あるいは、修養という心掛けが有る者と無き者どうしは、同じ屋根の下に住むことなく住み分けるのが最善手だろう。目指すべき「世界の大調和」は、波動の法則を無視して疑似的完璧に近似させんとする「虚構の調和」ではない。

 破壊した後に創造する。最速の優れ技。叡智あるものの覚悟。

 

<了>

 

 

 アマミカムイ(天無神人・吉岡学)著の読書記録

   『白龍の神導き』

   『 【宇宙の創造主:マスター】との対話① 』

   『日本の神々と天皇家のルーツ』

 

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