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 南米の国々を巡った時の記録が書かれている。序盤は須藤元気らしい表現が多く、楽しく読めるけれど、中盤から終盤にかけてはシアリアスな内容が多く、マジな顔で読んでしまった。この本を読んで、南米の歴史に共通する(タイトルである “革命” に関する)事柄を始めて知ることとなった若者たちは多いことだろう。チャンちゃんもボリーバルという人名を初めて知ることになった。2007年9月初版。

 

【人間の脳の生物学的構造問題】
 1940年代、多くに知識人が沈黙するなか、スターリンによる粛清という名の大量殺人を、著書『真昼の暗黒』で告発した、かの思想家アーサー・ケストラーは、しばしば歴史上の悲劇を生み出すこの人間の心の暗闇に葛藤し、原因を人間の脳の生物学的構造問題、つまり人類が進化してきた過程の爬虫類の残滓に求めている。
 そうなのかもしれない、そうでないのかもしれない。 (p.62)
 南米はどこの国であれ、植民地時代以降、今日まで、支配者・白人vs被支配者・原住民という対立構造が維持されたまま、明確な格差社会が継続している(アジアもアフリカも同様であるけれど・・・)。支配者としての立場を維持したい既得権者側は、公権力を用いた政治的暴力敢行に躊躇はない。ゆえに何千人、何万人という粛清は平然と行われてきたのであるし、今日でも同様な事態は絶えず起こっている。
 このような事態が一向に解消しないのは、政治思想の問題ではなく、人間の脳の生物学的構造問題であると、ケストラーは言ったのである。
 「一人殺せば殺人者、百人殺せば英雄」というブラック・ジョークがあるけれど、政治思想で語る場合は、日常状態と戦争状態は、同じ倫理基準で語り得ないことを前提にしているから、まったくもってジョークではないのである。つまり、政治思想史というのは、マクロ基準への摩り替えという詐術を用いた、大量殺人合法化の詭弁史である。
 今日、インターネットというメディアの発達によって、戦争を企画する者たちの作為は、未然のうちに暴かれ未遂となっているけれど、それでも、いまだに世界人類の人口削減を実施しようとしている連中は確実にいるのである。
 スペースバンパイヤーといわれる宇宙種族は、自らの遺伝子を人類のDNAの中に埋め込み、その血筋の濃い者たちは一途に人類皆殺しを計画している。このような連中に対して「人命尊重・モラル重視」のようなことを語っても100%意味はない。外見が同じに見えても、ケストラーが言うように、“脳の生物学的構造”が違うからである。愛という概念などまったく通用しない、R脳(レプティリアン脳=爬虫類脳)が主勢を占める種族が “本当に実在する” のである。
    《参照》   『さあ5次元の波動へ宇宙の仕組みがこう変わります』 デーヴィッド・アイク&江本勝 (徳間書店)
              【レプティリアン血族】
    《参照》   『プレアデス1 魂の故郷への帰還』 愛知ソニア (ヒカルランド) 《後編》
              【人類の進化を阻む“闇の家族”=スペースバンパイヤー】

 このことをはっきり理解した上で、世界を良くしようとする姿勢で具体策を持って臨まない限り、地球の善化・進化・神化はとうてい実現しない。
    《参照》   『日本が分割統治される人類最終戦争が始まりました』 田村珠芳 (徳間書店) 《後編》
              【レプティリアンの実態】
    《参照》   『クラリオンからの伝言 超次元スターピープルの叡智』 マオリッツオ・カヴァーロ&浅川嘉富 (徳間
              【人類の起源】 【神はドラゴンの姿形をしている】

 

 

【「マチュ・ピチュ」説明不能】
「マチュ・ピチュ」と呼ぶものはインカ文明のものとされているが、実際に見てみると、それには無理がある。
 遺跡の主要な石組は、大きいものは200tもある巨石で、バターのように切って組み合わせ、カミソリ一枚挟めない精巧な加工なのだが、その上に追加された部分は適当な石組みで、喩えるなら鉄とガラスの超高層建築と、石器時代の掘っ立て小屋ほどの文明落差があるのだ。
 追加部分はインカの時代としても、基礎部分はそれよりもはるか以前の、現在の僕らにも説明不能の建築技術を持った文明のものだということになる。
 あいにく、人間は自分が理解できるものだけを見るという特徴がある。
 理解不能のモノは、自動的に頭のなかでフィルターがかかってしまう。とりあえず説明に困って「インカの・・・」ということでまとめているにすぎなく、事情はイカの模様石の扱いと同じかもしれない。
 そう、世界は謎と神秘に満ちている。(p.96)
 マチュピチュに限らず、説明不能な物は世界中にテンコモリある。
 説明できない理由は2つ。一つは人類の科学技術が劣っているから。もう一つは、本当は説明可能であっても、地球の支配者にとっては真実を知られることで人類の覇権に影響を及ぼすから説明させないという点。王立協会を中心として学術界を支配して、これに従わない者達を失業させることで影響力を削ぎ落とすという権力行使などは当たり前にされているのである。
 「マチュ・ピチュ」や「イカの模様石(=カブレラ・ストーン)」に関しては、浅川嘉富さんがメインフィールドとする分野であるけれど、以下のような報告もある。
    《参照》   『人類と恐竜は共存していた!!』 飛鳥昭雄×浅川嘉富 (学研)
              【石を柔らかくする技術】【木内鶴彦の臨死体験】

 

 

【ラテンアメリカの歴史的現実の皮肉】
 ラテンアメリカにおける理想主義の本流、ボリーバルは19世紀初頭、かの思想界の巨匠カール・マルクスの同時代人として、同じようにパリ・コミューン(世界最初の社会主義政権)の衝撃を胸に理想主義へと走り出した。
 そして、そのボリーバルの理想主義は、およそ130年後にキューバのカストロとゲバラを触発。ゲバラはキューバ革命後も、ボリーバルに倣い、南米の貧しい人々を開放することを夢見てジャングルでの戦いの道を選び命果てた。
 ジャングルを転戦する厳しい日々に読んでいたのが、ロシアの輝ける英雄的革命家、レフ・トロッキーの「永久革命論」だった。
 そのレフ・トロッキーは1937年、スターリンに祖国を追われ、流浪のすえにメキシコへと亡命した。
 だが、その亡命先で、スターリンの放った暗殺者によって斃れ、その暗殺実行犯ラモン・メルカデルが20年の刑期を終えて出獄し、いったんは当時のソ連に英雄として帰還したものの落ち着かず、1974年ゲバラの盟友であったカストロの庇護下、キューバに落ち着いた。
 最近、亡きゲバラの愛娘でアレイダ・ゲバラはウーゴ・チャベスにロングインタビューをして本を書き、話題となった。
 そのインタビューのなかで、チャベスはボリーバルへの尊敬とカストロとの友情とともに、ゲバラを深く敬愛していることも表明している。(p.126-127)
 カストロにとって思想的支柱であったトロッキー。そのトロッキーを暗殺したメルカデルを、カストロが庇護したのはなぜなのか? これを皮肉と言っている。
 ロシア革命の時代と、南米がアメリカによって支配されるようになった冷戦時代への推移過程が影響している。政治を動かしているのは、思想(理想主義)ではなく、その時点その時点の状況が生む政治力学(力関係)である。「政治=妥協」という表現は、「力関係>思想」であると同じ意味。
 エゴを束ねようとするかに見える地球上の政治が、「力関係」ではなく「理想主義」に準じた結束をなすことがあるなら、それは地球規模での(地球温暖化のような)問題に直面する時であろうと、須藤元気はあとがきに書いている。
 しかし、それも楽観的過ぎるだろう。スペースバンパイヤーの行動形態を甘く見てはいけない。
 本当のレボリューションは、スペースバンパイアの影響力が完全に消える時である。
 そう遠くはない。
 カストロは、スペース・バンパイヤー勢力の枢要な一角だったらしい。
    《参照》   アルシオン・プレヤデス ビデオニュースNo.58:シリアの戦争、フィデル・カストロの死
              【44分~】

 

【トゥーラ】

「お前はメキシコで、ここに来る前に、どこか他の遺跡に寄ったのか?」
 老人は唐突に口を開いた。
「いいえ、まだどこにも。このあとティオティワカンに行く予定ですが・・・」
「お前が一番初めにこのトゥーラに導かれた意味に気づくべきだ。ここはすべての知恵の中心だ。ティオティワカンもこのトゥーラの派生にすぎない」 (p.173)
 トゥーラ
 今まで意識したことがなかったので、書き出しておいた。
 トゥーラに関することを語っている動画があったのでリンク。

 

【あとがき】

 この時代は人類史上で最大の転換期であるかもしれない。いま、この時代に転生して生まれてくる僕らは相当に物好きでありアドベンチャーを好んでいるのだろう。ラテンアメリカで見聞した英雄たちの見果てぬ夢を、そっと記憶の手帳にしまい、再び始まる日常という名の自己との戦いに、全力を尽くしてみようと決めた。

 行動しよう。恐れるものは何もない。 (p.188-189)

 

<了>

 

  須藤元気・著の読書記録

     『今日が残りの人生最初の日』

     『レボリューション』

     『愛と革命のルネサンス』

     『幸福論』

     『バシャール スドウゲンキ』

     『神はテーブルクロス』

     『風の谷のあの人と結婚する方法』

     『無意識はいつも君に語りかける』