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 かなり前に読み終わっていたけれど、読書記録を書かずに放っておいた著作。スピリチュアルな視点を取りこんだ科学的内容を期待したけれど、それには殆ど沿わない感じだったから。それでも、隅が折り返してあったページを読んで、今さら読書記録を書いてみた。2011年4月初版。

 

 

【アインシュタインが定めた光速一定の嘘】
 これまで行われた多くの実験結果はいずれも、「c」であらわされる真空中の光の速度によって宇宙は制約を受ける、という相対性理論の枠組みが正しいことを裏付けています。(p.34)
 スピリチュアル系の科学者として認識していた著者だからこそ、何冊か読んできたのであるけれど、この記述を読んで、読書記録を書く気がなくなり放っておいたのである。
 上記に継いで、下記のように書かれている。
 また最近の実験によって、高速を超えた移動は可能だということが明らかになりましたが、物理的な時空を移動するいかなる信号も情報も、光速(真空において秒速29万9727・738キロメートル)を超えることはできないことは、あらゆる結果によって裏づけられています。(p.34)
 ここに書かれている“物理的な時空”が、一体全体どの範囲を指しているのか分からないけれど、タイトル(原題)が『The Wave(波動)』となっていながら、なぜ、“周波数帯”という肝心の用語を用いることなく、このようなことを書いてしまうのか訳がわからない。
  《参照》  『ラムー船長から人類への警告』 久保田寛斎 (たま出版) 《前編》
          【光速という速度定数の嘘】
          【ビックバンの一点】
          【運動と時間】

 

 

【ヘルメス文書の金言】
 ギリシャの哲学者たちは三重に偉大なヘルメスを意味する、ヘルメス・トリスメギストスの「上のごとく、下もしかり」という教えを尊んでいました。ちなみにヘルメス・トリスメギストスは古代エジプトでは知恵の神トートと呼ばれていました。このヘルメス文書の金言もまた、ホログラフィー原理を示唆しています。
 この教えは、多様な形となって顕現するミクロコスモスが、全体であるマクロコスモスのあらわれであることを意味しています。ホログラフィーと同じで、全体のイメージが無数の部分に分割されても、その一つが全体を表しているのです。(p.57-58)
 ヘルメス・トリスメギストスの金言「上の如く、下も然り」は、マクロコスモスとミクロコスモスとの相関と言うだけでなく、異次元間の相関とも言える。むしろその方が金言の本質だろう。
   《参照》  『私はアセンションした惑星から来た』 オムネク・オネク (徳間書店) 《後編》
            【アストラル博物館と創造性】

 ヘルメスについては、下記リンクのコメントに
   《参照》  『次元変革と量子跳躍』 フランツ・ヴィンクラー (徳間書店)
            【メルキゼデク】

 

 

【20面体と6面体】
 プラトン立体で、それぞれの面の中心を結ぶともうひとつのプラトン立体が描き出される、という性質を考えるとき非常に興味深い事実が浮かび上がります。
 20面体の20の面は、10次元の面を形成し、立方体の6面は、同じように3次元面を形づくります。
M理論 のなかでの10と3という次元の関係を考えるならば、立方体と20面体が双対(ふたつの対象が互いに裏返しの関係にあること)をなす、という古代の人々が発見した関係の中に、宇宙のはじまりついての洞察が隠されていると考えることはできないでしょうか? (p.74)
 ちょっと気になったので書き出しておいた。
 

【元素と多面体】
 プラトンの考え方にしたがえば、その基本的な元素も、各多面体に帰属するとされています。つまり6面体である立方体は土に、20面体は水に、8面体は風であり、4面体は火なのです。
 12面体はプラトン立体では唯一、5角形の面をもつもので、ギリシャ人たちは、これをエーテルと呼ばれる第5のスピリチュアルな元素にかかわるものとしました。(p.74)
 下記リンク書籍では、12面体のエレメントは、漢字に統一して「空」と記述されている。
   《参照》  『宇宙の羅針盤 (上)』 辻麻里子 (ナテュラルスピリット) 《後編》
 第5番目のプラトン立体である12面体では、12というシンボルとしての、またエネルギーとしての倍音が、自己再生をくり返すことで進化することをあらわす5、そしてファイと結びついています。こうした深いスピリチュアルな、卓越した結び付きがあることから、古代ギリシャの人々は、宇宙に遍在するエーテルを、この形に関連づけたのでした。(p.86)
   《参照》  『言霊設計学』 七沢賢治  (ヒカルランド)  《前編》
           【五芒星と火と黄金比(φ:ファイ)】

 

 

【量子の非局在性=量子もつれ(エンタングルメント)】
 フランスの物理学者アラン・アスペの実験によって量子の非局在性が明らかにされました。(p.164)
 対なった光子の一方のスピンが観測されると、もう一方の光子は距離に関係なく自発的に向きを変えることが実験によって確認されたという。
 量子もつれ(エンタングルメント)と呼ばれることもあるこのような量子の非局在性とは、少なくとも量子レベルでは、もつれ合うふたつの粒子は、即座にむすびつき、たとえそれらが互いに密着していようと、あるいは宇宙全体という広大な空間の端と端で隔たっていようと、事実上、統一体であることを意味しています。(p.164-165)
 “非局在性”という用語はチョット分かりにくいけれど、“遍在性”と言い換えてもいいだろう。
 “遍在”を簡単に表現すれば、“遍くある”=“どこにでもある”ということだから、「量子の非局在性」とは、「量子は何処と何処に在ろうと、距離(空間)に関係なく互いに関係している」ということ。
 そして、時間と空間は密接不可分の関係にあるから、時間についても非局在性は保たれる。つまり、「何処と何処に在ろうと、時間に関係なく同時に知れ渡る」という意味にもなる。
   《参照》  『愛と革命のルネサンス』 須藤元気 (講談社)
           【量子場における時空間を超えた繋がり】

 

 

【ガイアの集合的精神】
 フランスの古生物学者であるテイヤール・ド・シャルダンは、ガイアの集合的精神のことを「人間の思考の圏域」を意味するノウアスフィア(Noosphere)と呼びました。この概念については、人間であることの意味や、自分たちの気づきをさらに広げるための可能性を探る後章で、ふたたび学ぶことにしましょう。(p.248)
 テイヤール・ド・シャルダンが語ったキーワードが、ここでは「ノウアスフィア」となっているけれど、多くの著作では下記のリンクと同様に「ヌースフィア」と記述されている。
   《参照》  『太陽の暗号』 エハン・デラヴィ (三五館)
          【時間概念の変容とスフィア(地球)の移行】
 グローバル・コミュニティーというホログラフィックな場が生れようとしています。かつてカール・ユングが説いた集合的無意識が、電磁場の相互作用をつうじて急速に集合的意識へと変化をとげつつあります。つまりノウアスフィア(人間の思考の圏域)という、ガイアのグローバルな精神が立ちあらわれようとしているのです。(p.320-321)
 ということで、本書において記述されている、ノウアスフィアのあるべき姿は、「従来の共依存関係から離れて、共同創造者として協力すること」となっている。上記でリンクしたヌースフィアのように「時間概念の変容を伴う思考の圏域」とまでは書かれていない。
 これも、本書の内容について“日光の手前”と感じてしまう点。

 

 

<了>

 

  ジュード・カリヴァン・著の読書記録

     『2012年への13のステップ』

     『宇宙につながる第8のチャクラ』

     『この世のすべては波動でわかる』