《前編》 より

 

 

【裸足と履物】
《地のエレメント、正6面体、尾骨のエリア》

 アヌビスの解説によると、裸足になることも重要だけれど、裸足のままでは危険な場所もあるので、その場所に相応しい靴を履くことが大切になるという。
 そして【いい靴を履くと、その靴がいい場所に連れて行ってくれる】というデータが、先人によって書き込まれているという。・・・中略・・・。
 そして、アヌビスはさらに、「地のエレメントを活性化させるには、自分の足で歩くこと、田畑を耕すこと、植物を育てることも有効です。人類は本来、惑星地球の庭師としてこの惑星にやって来たのですよ。そのことを忘れないように」と言った。
 アヌビスの解説によると、粘土遊びをする、ピカピカの泥だんごを作る、土のレンガを作る、縄文土器にさわることも・・・・地のエレメントに親しむには有効な手段だという。(p.104)

 人類は本来、地球の“庭師”としてやって来た(!)
 都市部に住んでいる人々は、地のエレメントが極端に不足しているだろうから書き出しておいた。
 でもまあ、田舎で農耕生活をしていても、トラクターに乗っているだけではねぇ~。

 

 

【羅針盤となる感情】
 《水のエレメント、正20面体、お臍のエリア》

「それでは、実際に立体の中に入ってみましょう。ご自分のハートの中心にある光に意識を向けて、その光を立体の中心に重ねるようにイメージしてみましょう」
 マヤは正二十面体のなかに足を踏み入れ、ハートの中心をあわせてみた。・・・中略・・・。
 静かに耳を傾けてみると、遠くで水が流れているような音がする。(p.111)

 イメージの使い方が記述されていたので書き出しておいた。

「とかく地球人類は、感情の高低差しか理解できません。・・・中略・・・。
 水は高い所から低い所へと落ちてゆく性質がありますが、振動数をあげることによって、再び上昇することができるのです。・・・中略・・・。」
「この宇宙空間において、地球人類の『感情』というものは、重要なファクターのひとつです。宇宙の進化の歴史をひも解いてみると、・・・中略・・・感情というものは進化の妨げとなるという理由から、感情を切り離してしまった者たちが存在します。しかし、彼らはある一定のところまで進化した後、それ以上先へは感情というファクターを使わなくては進めないということに、ようやく気がついたのです。
 ある一面からとらえれば、理性的な判断を邪魔する感情というものが存在しますが。それは感情というものが持つひとつの側面にすぎません。よろしいですか。方向性を指し示す羅針盤となるものもまた、感情なのですよ。(p.114-115)

 自分自身の感情のパターンを良く知ることが大切であると書かれている。

「よく覚えておいてください。心を物差しではかるのではなく、心で世界をはかるのですよ」 (p.116)

 物差しなどというものは、相対性の世界で用いられる暫定的な尺度であるにすぎない。ゆえに、これで宇宙を図ろうとするのはナンセンス以外の何物でもない。

 

 

【感情と外部環境との相関】
 地球人類の感情の重さは、重力の重さに起因している。
 そして気候的に見ると、多雨多湿地域に住む日本人はウエットな傾向があり、カラッとした乾燥地域に住むスペイン人などは日本人から見るとえらく能天気に見えるものだけれど、これも《水のエレメント》に関与した事象である。
 ところで、感情の影響は、地球内部だけで完結しているわけではない。

 惑星地球は未開の星なので、感情をむやみに垂れ流していますが、他の星からすれば、その感情は迷惑な話なのです。宇宙はすべてつながっていて、惑星地球から発せられた感情のゆがみは、宇宙全体に影響を与えているのです。(p.121)

 

 

【ハートの言葉:風のエレメント】
《風のエレメント、正8面体、心臓のエリア》

「眉間から発せられる言葉は、二極の答えを要求します。良いのか悪いのか。プラスなのかマイナスなのか。利益があるのか利益がないのかという二極性です。眉間から発せられた二極性に満ちた言葉が、欲望、恐怖、権力、支配、などと結びつくと厄介です。
 一方、ハートから発せられる言葉はすべてを包括しながら、二極の答えにこだわらない傾向にあります。おわかりですね?
 ハートから真実の言葉を発しないかぎり、伝わらないものがあるのです。
 たとえば、赤ちゃんや、言葉を話せない存在とコミュニケーションをとる場合、ハートのコミュニケーションが有効な手段になるでしょう。植物や、動物や、石や、惑星地球と話す場合、人間の言葉を使っているわけではありませんね。それは、ハートの言語なのです。
 ハートのコミュニケーションを用いることができれば、時空を超えて、さまざまな存在とコンタクトがとれるでしょう。惑星地球でのあなたのミッションは、ゆがんだ言葉を整合化させることでもあるのですよ」(p.164)

「かつて、地上ではひとつの言葉、ハートの言語を話していたのですが、人々がバラバラの言語を話すようになってから、互いに相手の言葉が分からなくなり、惑星地球や太陽の言葉が理解できなくなって、現在に至っているのですよ」 (p.165)

 これが、バベルの塔の逸話の本質なのだろう。
    《参照》   『死後探索2 魂の救出』 ブルース・モーエン (ハート出版) 《前編》
             【感覚という言語(ハートで知る)】
             【ハート(胸の中心)に意識を置く】

 

 

【贈答のシステム】

 マヤはハートの領域にある真紅の薔薇を見つめ、アヌビスに向かってその花を手向けてみた。すると、不思議なことに、・・・中略・・・アヌビスが薔薇を受け取ったその瞬間にキラキラとした光が生れ、マヤのハートの領域に一輪の青いバラの花が咲いたのだった。・・・中略・・・。
「わかりましたね。これが、目には見えない世界で繰り広げられている、贈答のシステムです。・・・中略・・・あなたがワタクシにバラを贈ってくださった際に、ワタクシの喜びが目には見えない粒子になって、あなたのところへと送り返され、あなたのハートの領域には一輪の光の花が咲くのですよ。ハートとハートのコミュニケーション、双方向のベクトルとはこういう仕組みです。(p.171)

 高次元の世界って、さながら夢見る少女のイメージの世界みたいである。
 ピュアな想いがそのまま顕現する世界。

 

 

【空のエレメントと日本人】
《空のエレメント、正12面体、喉のエリア》

 このエリアの回転数は、時と場所によってかなり違いがありますね。たとえば、沈黙を美徳とする社会や、自分の意見を言えない環境では、喉のエレメントの回転は抑圧されています。(p.180)
 あなた方の文化では、多くの人が喉のエリアに違和感を抱えていますが、それは文化的な背景、歴史的な背景と共に、言語が持っている特徴も上げられるでしょう。(p.182)

 ということで、日本語という特徴的な言語文化がもたらす功罪が記述されている。
 その他にも、

「時計は便利なものですが、あまりにも時計に縛られていると、ご自分の感覚や直感に従うという能力が減退してしまうことでしょう。勤勉で時間厳守である国民性も、喉のエリアを締めつけるひとつの要因になっているのですよ。
 喉のエリアを司る正十二面体を活性化するポイントは、余裕を持つことです。時間的余裕を持つことも、そのヒントになるでしょう。(p.185)

 勤勉や時間厳守は、ビジネスにおいては美徳となるけれど、人間はビジネスをするために生まれてきたのではない。
 日本人は、パック旅行ではなく、時間をたっぷり取って自分の足で海外を放浪し、その土地の時間感覚に染まることができたら、ようやく本来の人間に戻れる可能性が生ずる。
    《参照》   『流学日記』 岩本悠 (文芸社) 《後編》
              【日本では当たり前にあるモノ】

 

 

【ありがとう】

 「ありがとう」の「あ」の音は、この正十二面体と同じ形をしていたことをマヤは見逃してはいなかった。目を瞑ってほの暗い記憶をたどり、正十二面体から順番に脳裏に図形を再生させると、「ありがとう」という音声はたしか・・・、正十二面体、正八面体、正十二面体、正六面体、正四面体の順番に並んでいたはずだ。エレメントに変換すると、空―風―空―地―火のエレメントの順番になる。一つひとつの音を慎重に発してゆくと、自分のなかにダウンロードした図形と共鳴しているようだった。(p.187)

 ありがとうには、四つの立体しか現れていないけれど、5つの立体をまとめておくと、
  [立体]   [エレメント]  [エリア]
・正12面体     空     喉
・正8面体      風     心臓
・正4面体      火     みぞおち
・正20面体     水     お臍
・正6面体      地     尾骨
 この5つの立体に対して、光のエレメントをあらわす立体は、「球体」である。

「これらの5つの立体をよく憶えておいてください。図形に対する左脳的理解と、右脳的な美的感覚、そして、ご自分の体験として腑に落として納得することによって、これらの図形は揺るぎないものになります。
 たとえ、なんらかの要因によって図形が歪んでしまったとしても、自力で元の形に戻すことができるようになるでしょう。・・・中略・・・。近未来において、あなたがたは、不調和を自らの音声でチューニングすることができるようになるでしょう」
 アヌビスが言うには、近未来において、このシステムを使えるようになるには、ある条件を満たしていなければいけないのだという。それには、左右のバランスを取ってゼロポイントを保つことであり、知性と感性が同じ分量だけなければゼロポイントを保つことは難しいらしい。(p.201-203)

 

 

【聖なる双子】

「宇宙創造の仕組みには、プラスとマイナスとゼロ以外になにが必要だと思われますか? ・・・中略・・・。時間と空間よりも以前に、もうひとつ必要なものがあります。・・・中略・・・。それは『意図』です。創造しようとする動機であり、その意志のことです。
 それは、なにかを作ろうとする情動、きっかけ、目的。火と水の狭間にある、ゼロポイントに投げかける光のようなものです。それは、二つの相反する力がせめぎあう境界線上に生じる、ある種のスパークのようなものです。結論から先に申しますと、意図と創造はペアになっています。なにかを作ろうとする動機と、なにかを創造する行為は聖なる双子と呼ばれているのですよ」 (p.238)

 世界のあらゆる事象に関して、「偶然はない」という命題の基盤となる根拠がこれだろうか。

 

 

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<了>