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 「いまや日本の大きく致命的な破局が始まっているのではないか・・・この予感に鋭く背を押されるようにして本書は記されました。 言霊 ―― これがカギとなります。」と、まえがきに書かれている。2012年10月初版。

 

【ひふみ祝詞が意味するもの】
 「ひふみよ・・・」が「一二三四・・・」であることはお分かりでしょう。こ(九)より先は「ともちろ・・・(十百千万)」と桁を増やしていき、最後まで行くと10の39乗に達します。ある種の数え歌ですが、どうしてこれが祓いとなるのでしょうか? ・・・中略・・・。私が伯家神道の伝授を受けた高濱浩先生は、「ひふみよいむなやこと、だま」ということを言っていました。これは、数にも魂が宿っており、数霊と言霊は本質的には同じものだという意味です。(p.15)
 言霊と数霊の関係は、この記述のあとに1から9まで個別に記述されている。
 また、10より先、桁がどんどん上がっていき大変大きな数になることは、中今(今この瞬間)がそのまま永遠になることを意味しています。
 そこに表現される時間と空間の無限の広がりとはどういうものか?
 時間の始まりがあって、そのときに無から宇宙が創造されたのではなく、今この瞬間に創造の働きが起きているということだと、私はそれを理解しています。
 これは漠然とした概念のようにも思えるでしょう。しかし、瞬間の創造の働きは伯家神道の修行において体感できます。そして、瞬間が永遠になることの体感は、そのまま「神の体感」であるといえるでしょう。(p.15)
 「瞬間(中今・唯今)が永遠になる」というような、「正反対と思えるような概念が相互に転ずる」という考え方は日本文化を理解する上での基本だろう。そこまで「窮める」ことを「道」と言ったりする。
   《参照》   『古代日本人・心の宇宙』  中西進  日本放送出版協会  《後編》
           【零に向かっての永遠:道を究める日本人とギリシャの哲学者ゼノン】
 
【「やわらぎ」の思想が織り込まれている日本語】
 日本語そのものの中に、対立を統合する「やわらぎ」の思想が織り込まれているということです。
 日本語、特に古くに使われていた上代語(上代和語)では、対立する概念を同じ言葉で表現できるケースが少なくありません。(p.23)
 「やわらぎ」は「和らぎ」と書く。意味はまさに「和」。
   《参照》   『女神と鳳凰にまもられて』 暁玲華 (アメーバ・ブックス) 《前編》
              【日本の力 “和” 】

 日本語に「やわらぎ」の思想が織り込まれたのも、日本の産土力が融合極性を示しているから。
   《参照》   『ガイアの法則』 千賀一生 (徳間書店) 《前編》
             【経度0度と経度135度の文明的特徴】

 

 

【5】
 モノそれ自体、あるいは目に見える現象を「顕」、その背景にある見えない働きを「幽」とした場合、1から5への数の展開は次のように説明されます。
 1,2,3は「幽」の世界、つまり物事がどう動くかという原理を説明したものであり、4においてはその「幽」が「顕」となります。そして、5ではそこに「結び」が加わって生命になります。
 このことから、5という数、そしてそれに象徴される世界のとらえ方は、生命現象を考える上で、とても重要です。
 私は物事を5段階で考える思考法を提唱しています。それは5という数にここで説明したような特性があるからです。加えて、人間という存在を考えるときにも、5という数は多くのことを教えてくれます。(p.30)
 言霊の50音も5つの母音が基礎となった5×10の組み合わせによって構造化・階層化されている。
 仏教の地水火風空で示される五大、中国の五行説など、五を基本とする概念はいっぱいある。
 九星気学の中宮も五黄である。

 

 

【五芒星と火と黄金比(φ:ファイ)】
 加えて、生命力の象徴としての「火」にも5は関係してきます。
 「火」という漢字は五芒星の形に由来するとされ、その一方で、黄金比を表すギリシャ文字の「φ:ファイ」は英語の five(五)やfire(火)の語源になっているともいわれます。つまり、西洋でも東洋でも、5と黄金比と「火」の間にはアナロジー的な関連づけがなされてきたのです。(p.41)
 下記リンクの中にも、五芒星と火と黄金比の関係が示されている。
   《参照》   『2013:人類が神を見る日』 半田広宣 (徳間書店) 《後編》
              【地球と金星の公転周期に現れる神聖幾何学】
              【黄金比】

 

 

【日本語は高度な階層化と統合化がなされた言語である】
 日本語の50音以上に高度な階層化と統合化がなされた言語はほかにないと考えています。
 子音は階層化の働きに、母音は統合化の働きに対応しているため、その両者の組み合わせによって整然と展開される五十音の構造は、そのまま科学や思想や哲学の世界における階層化と統合化にも応用できるでしょう。(p.68)
 大石凝真素美や出口王仁三郎の言霊学が、科学的とは言えない宗教思想のようなものであったのは、世界中の言語を比較相対的に視るだけの情報がない時代であり、ローマ字の導入によって顕わになってくる日本語の見事な階層性が、客観的に理解できていなったからだと書かれている。
 日本語は、そもそも情緒的な表現に対して親和性の高い言語なのだけれど、そのことは日本語が階層性・合理性のない構造をしているからなのではなく、むしろ精緻な階層性を持つがゆえにグラデーション的な表現が可能になっているのだと考えることが出来る。精緻な階層性を持つがゆえに融和性に秀で統合化が可能なのである。
 粗雑な階層性ならその径庭を人為的な論理性で補完せねばならず、融和性も自然発生はしない。むしろ融和性とは反対の対立性が残ったままになるのである。日本語と諸外国の言語については、そう対比的に考えればいいだろう。
 ポリフォニーなどに現れている西洋音楽の人為的な構造も、同様に考えることができる。
   《参照》   『いま大人に読ませたい本』  渡部昇一・谷沢永一  致知出版
             【 『ドストエフスキーの詩学』 】

 

 

【言霊によるDNAへの関与】
 「タンパク質の音楽」の効果は植物の生育実験などで確かめられていますが、そのように音楽によってタンパク質の合成過程に影響を与えられるのなら、言霊がDNAへ影響を与えていたとしても何ら不思議ではありません。DNAはいわば「細胞の言葉」であるからです。(p.118-119)
 それぞれ違った個人の意識の下には、民族で共通する集合意識と呼ばれるような無意識領域があるように、音も物質もDNAも、それらの元には波動界がある。音や物質やDNAを意識に比定するなら、それらに共通する波動界は無意識に比定できる。
 故に、言葉(意識)は波動(無意識)を介してDNA(意識)に影響を与えることができると容易に想像できる。特定の周波数にマッチした言霊なら効果的なはずである。
   《参照》   『言霊はこうして実現する』 大野靖志 〈七沢賢治〉 (文芸社)
            【DNAに働きかける日本語】

 そもそもDNAに関する技術は、魔女たちが伝承してきた究極の秘儀である。
   《参照》   『まもなく世界は5次元へ移行します』 エハン・デラヴィ&中丸薫 (徳間書店) 《後編》
            【魔女の究極の目的】
 言霊によってDNAが変化するのなら、原子転換もありえると考えられます。
 おそらく、言霊によって原子転換を行うには、父韻と母音をいったん分離してから再結合することになるでしょう。つまり、階層化と統合化によって原子を設計しなおすのです。・・・中略・・・。これについてもいつか正式に発表できるときがくるでしょう。(p.120)
 原子転換という言葉が出てきたので、リンクしておこう。
   《参照》   『地球と人類を救うマクロビオティック』 久司道夫 (文芸社) 《前編》
               【原子転換】

 

 

【音霊と形霊の相関を示す「クラドニ図形」】
 ドイツの物理学者クラドニさんは、薄い砂をまいた皿のそばでバイオリンを弾くと、複雑な幾何学模様が形成される様子を調べた。「クラドニ図形」は、音霊と形霊の相関を示すもの。
 「あ」という音声については、中心に円を配した六芒星を描くことが分かっており、やはり古い言語と同様に、日本語においても整った幾何学図形を描くものと思われます。(p.185)
 「あ」に反応したクラドニ図形の写真が掲載されているけれど、それ以外の音については何も記述されていない。「わ」という音では、本当に丸い輪の形ができるということを他の著作で読んだことがある。
 「あ」と「わ」は、日本文化において中核となる言霊である。
     《参照》   『ガイアの法則[Ⅱ]』 千賀一生 (ヒカルランド) 《前編》
               【日本人の意識にある2つの円的シンボリズム】