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 「台湾人はバイ菌だよ~~~ん」という意味のタイトル。じゃない。おそらく世界で最も親日的な国・台湾に住む台湾人の実状を、日本の若者たちに知って欲しくて、あえてこのような蠱惑的なタイトルと表紙にしたのだろう。
 台湾人の性格傾向が記述されているところを読みながら、「そうだよねぇ~~」と笑ってしまった。現在の台湾と台湾人のことを全体的に知るにはいい本である。2011年10月初版。

 

 

【文化は台湾から中国へ】
 台湾は日本のアニメや漫画などのサブカルチャーをせっせと中国語に訳しているが、台湾で訳されたものがそのまま中国にも流入している。そのおかげで最近の中国大陸の若者の中国語文の文体や表現が、台湾経由の日本語や台湾独特の表現の影響をこうむるようになっている。
 要するに、中国語圏では台湾の影響力と発信力が圧倒的に大きく、中国は文化的にはまったく振るわず、むしろ国土が小さい台湾の風下に立って、台湾に浸食されつつあるのだ。(p.20)
 近代中国語文は、下記リンクにあるように、陳独秀や魯迅などの日本留学組が日本の影響を強く受けて編み出していったという経緯があるけれど、現在は日本語アニメの翻訳調文体が、台湾から中国語文化圏へ向けて拡散しているということ。
    《参照》   『「日本文明」の真価』 清水馨八郎 (祥伝社)
              【中国語に影響を与えた日本語】

 日本のアニメ文化は、台湾経由で中国に流入していると言っているけれど、国際的なマネーに関しても、台湾経由で中国に流入して瀕死の中国を救っているはずである。先月11月7日の習近平・馬英九首脳会談という国際的に重大な出来事の裏には、それがあったはずである。会談場所もシンガポールである。中国が大国であると思っているのなら、文化的にも経済的にもその認識はずれている。下記のリンクから2つ目まで辿ってください。
    《参照》   『異星人が教えてくれた日本の近未来』 中丸薫×秋山眞人 (学研) 《後編》
              【「盾のカード」と台湾】

 

 

【スポーツでは日本を応援】
 国際競技で日本の活躍を大きく報道するのは、自由時報に限らず台湾マスコミの一般的な傾向だ。・・・中略・・・。
 台湾の庶民層は、圧倒的に日本びいきである。さらにインテリ、庶民を問わず、中国との関係になると、日本の肩を持つ親日が圧倒的である。(p.27)
 そう、台湾の若者たちは、日本人が思っている以上に日本人スポーツ選手のことを知っているけれど、こういうわけ。
 台湾の若者と交流する機会がある日本の若者は、日本や世界で活躍している台湾人選手のことをキチンと調べて知っていた方がいい。

 

 

【かっこいい日本語】
 台湾で日本語はかっこいいと見なされているからか、日本製でもなく日本語を使う必然性のない商品にもわざわざ日本語らしい表記を施したりしている。
 だが、それが曲者だ。 (p.35)
 「ユソセソト」(コンセント)、「ツセソプー」(シャンプー)のようなのがあるという。「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」、「ユ」と「コ」、「セ」と「ヤ」の違いにはこだわらない。似ていればなんでもOK(!)ってことらしい。
 豆スナックのパッケージには、完成度の高くない自動翻訳をそのままつかった「新は法を食べる」(新しい食べ方)というのもあったとか。
    《参照》   『台湾人のまっかなホント』 宮本孝・蔡易達 (マクミラン・ランゲージハウス)
              【黒輪】

 

 

【台湾人女性】
 台湾人女性は顔はかわいいし、性格もかわいところはあるのだが、日本人に言わせるなら、中年女性かと思われるほど大雑把で、それでいて嫉妬深いので厄介である。(p.38)
 これを読んで、チャンちゃんはケンケンみたいに笑ってしまったのだけれど、日本にいる台湾人女性は、留学生であれ「猫をかぶっている」から、多分、現地の台湾人女性と同じようには見えないだろう。
 でもまあ、「大雑把」なのは、台湾人女性というより台湾人全般にいえることで、もっといえば「大雑把」は、日本人以外の大抵の民族に共通することである。
 猫の親分なんて、「豊島区○丁目○○番地○○号」という住所で宅急便を送っておいて、「まだ着いてない?」ですからね。しかも、住所の間違いは一回ならず。大雑把もここまでされると、ホント閉口しますよ。
 台湾人の大雑把さは、『海角七号』 のような映画を観ればよく分かるだろう。
    《参照》   『「中国人」になった私』 松木トモ (PHP) 《後編》
              【大体同じ?!】
 1990年代から日本のファッション雑誌が流入して、女性の手本になってきた経緯もあって、・・・中略・・・若い台湾の女性は見た目では日本の同世代女性と区別がつきにくくなっている。
 これは単にファッションという「見た目」だけでなく、中味でも日本の真似をしようとする傾向が強い。それが日本語学習熱にもつながっている。
 そんな台湾では、「日本人みたい」というのはほめ言葉の一種である。特に女性は、これを言われると喜ぶ人が多い。 (p.38-39)
 中国人女性の場合には、必ずしもこれがほめ言葉にはならない。
    《参照》   『中国人の秘密』 ルー・ウェイ (HIRA-TAI BOOKS)
              【「中国人に見えないね」が褒め言葉だという誤解】

 

 

【台湾人が好きな食べ物】
 軽食で人気があるのは、鶏の唐揚げだ。なんでも台湾人の鶏の唐揚げの消費量は世界一らしく、しょっちゅう買い食いや職場で注文をとったりしている。(p.55)
 台湾人の鶏の唐揚げ好きは、“豚と鶏はハレの日の御馳走である”という民族のルーツである華南文化圏DNAによるのではないだろうか。
 でも、そのうち、鶏の唐揚げが、DNA操作で作られた毛のない4本足の鶏から作られていることを知ったら、さすがに興醒めするようになることだろう。

 

 

【台湾人が好きな動物】
 日本で人気がきわめて高いパンダは、台湾ではまったく人気がない。・・・中略・・・。
 台湾人が好きなのは、テレビでもたびたび取り上げられるペンギンである。あのよちよちとぎこちなく動くところが、自分自身を見ているように映るのかもしれない。台湾人はとにかくペンギンを見ると喜ぶ。(p.129)
 なぜペンギンなのか、これ以上詳細な記述はない。
 なんでかなぁ~~~?

 

 

【台湾人の職業観】
 ふと気付いた。台湾人には「同じ会社の同僚が迷惑をかけてすみません」という会社帰属意識とプロ意識はないのだと。プロ意識がないので、担当者が問題をわかっていなかったりする。
 そして簡単に転職する。・・・中略・・・。
 もっとも、プロ意識や会社への帰属意識が薄いぶん、日本人と違って、副業を持っていて、1日の労働時間が12時間を超えていても、悲壮感はない。(p.58)
 この本では、台湾の文化共通圏は、中国(華北)文化圏ではなく、華南を含む東南アジア文化圏であることが書かれているけれど、このような職業観もその一例だろう。
    《参照》   『ハノイ式生活』 飯塚尚子 (世界文化社)
              【副業社会】

 

 

【日本土産の定番】
 日本土産の定番は、暑い台湾では採れないリンゴだ。日本でその昔、メロンとバナナが高価だったころ、風邪を引いて寝込んだときだけバナナとメロンが食べられたが、バナナの産地の台湾では高価な果実といえばリンゴである。
 それから「正露丸」「ルル」といった薬も人気がある。(p.61)
 台湾の結婚式で、盛り付けの天辺に紙パックのリンゴジュースが載っていたのを見た時は、「エッ!」と思ったものだけれど、そういうこと。
 胃腸関連なら日本製の「正露丸」より台湾製(?)の「五搭標行軍散」の方が効くだろう。タイの空港で買ったものだけれど、粉末仁丹みたいな味で胸やけには抜群の効き目である。
 チャンちゃんは、日本の製薬会社であれ、近年は欧米の製薬会社と資本提携しているから、薬類は殆ど信用していない。ましてや日本の厚生省認可・推奨の欧米系製薬会社が作っているワクチンなど、すべて人口削減の意図を持って導入されているものであることなど、まともな日本人たちは百も承知している。
    《参照》   インフルエンザワクチンには許容量の25000倍の水銀が含まれている
水銀がどのような破壊力をもつものなのか分かっていないなら、下記のリンクを辿ってください。
    《参照》   『「人生二毛作」のすすめ』 外山滋比古 (飛鳥新社)
              【ボケは年齢とともに進むのではない】

 

 

【事実誤認】
 台湾の震災報道では日本人が秩序立っている原因を「政府を信頼しているからだ」という解説が多かったが、それは間違いだと思う。(p.188)
 そう、完全に間違っている。近年の日本政府の実体なんて、「闇の支配者」の命令のままに、日本国民の思いを無視して暴走するばかりのパペット集団ですよ。