解雇から1週間。現在の心境。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

解雇から1週間。現在の心境。


 人生最大の悲しみ、衝撃、絶望を僕に与えたU-20ホンジュラス代表GKコーチ解雇から、今日で丁度1週間が経過しました。

 世の中とは不思議なもので、例えどんな出来事が起こっても、「時間」だけは止まる事なく流れていき、やがてその出来事も必ず「過去」のものとなる…。そこに人生のはかなさを感じずにはいられません。

 「ブログに解雇になった理由や経緯を詳しく書くべきか、どうか?」悩んでいましたが、熟考の結果、やはり「書かない」事に決めました。

 9ヶ月間も働いてきて、その中でU-20W杯中米予選でもGKが活躍し「3試合連続無失点」を達成して予選突破。特に「負ければ予選敗退」の崖っぷちの状況に追い込まれてからのエルサルバドル戦グアテマラ戦のGKの神懸り的スーパーセーブ連発による完封劇は、チーム内外、各方面から高く評価されました。また、自身にとって「最後の仕事」となってしまった先々週のU-21キューバ代表との親善試合も、カテゴリーが1つ上で、ホンジュラスが出場できなかった前回のU-20W杯にも出場しているメンバーが中心となっている「格上」相手に、GKも好プレーを見せ「3-1」で勝利。…プロとして、GKコーチとして、最も必要な結果は、誰の目から見ても明らかなほど、出ていました。


 「結果」が出ていない上での解雇なら、僕は納得できます。それが「プロ」という世界です。

 しかし、「結果」がこれだけ出ている状況下での、全く何の前触れもない、あまりにも突然の解雇…。当然、納得できる訳がありません。


 「結果」が出ており、なおかつ来年1月に行われる最終予選まで「あと2ヶ月半」という、時間がもうないこのタイミングでの解雇は、解雇する側にとっても、チームにとっても、大きなリスクがある決断です。なぜ、そんなリスクを犯してまで、このタイミングで解雇にするのか…?どう考えても、不可解です。

 さらに、チームは一昨日から南米コロンビアに遠征に行きましたが(現地で同世代のコロンビア代表、ベネズエラ代表、ペルー代表と戦う)、この遠征に、僕に代わる「新GKコーチ」の補充はなし。「GKコーチ不在」という、ありえない状況で重要な海外遠征に臨んでいるのです。本番間近のこの大事な時期に…。

 通常なら「Yojiが必要ない」のであれば、僕を解雇にする前に前もって代わりに補充する新GKコーチとコンタクトを取り、僕が解雇になった時点でその新GKコーチが僕と入れ替わりでチームに入るものです。ところが現時点では、それがない…。これはつまり、きちんとした明確なGK強化プランとビジョンに基づく「計画性」があった解雇ではなく、急に決まった「突発的」な解雇であった可能性が高い…という事が推測されます。

 一部では「協会がYojiの給料を払うお金がなくなったからリストラした」という説もありますが、信憑性のほどは定かではありません。

 監督からは一応「解雇理由」について話をされましたが(それを当初はブログに詳しく書こうと思っていた)、上記した状況から照らし合わせると、どうも腑に落ちない点が多過ぎます(しかも「話をされた」と書きましたが、解雇理由を聞こうと思って監督に何度も電話するも出ず、たまたま協会で監督と出くわし、それでも監督は僕を無視して素通りして行こうとする中、僕が追いかけて解雇理由を聞く…その間も監督は一切、歩を止めないという、全く誠意に欠ける対応でした)。



 一体、この解雇の「真相」は、何なのか…?


 

 ただ…。

 今の僕の心境は、ハッキリ言って「解雇の真相が何なのか」など、もう「どうでも良い」のです。解雇の真相が何であろうと、僕が「解雇になった」という事実は、変わらない。



 「そんな、どうやっても『変わらない過去』に捉われているくらいなら、これから変えられる未来に向けて進んでいった方が良い



 …僕の気持ちは、すでに、こう切り換わっています。




 こういう解雇というのは、解雇になったその時よりも、例えば後にU-20ホンジュラス代表がW杯出場を決めて、W杯の舞台で活躍している姿をTVなどで目の当たりにした際に、「くそ…。なぜ、あの時、解雇に…」と、逃した魚の大きさに悩む事になります。

 しかし…。実は僕の人生、「解雇になった後に逃した魚の大きさに悩む」という経験をした事が、一度もないのです。なぜか?


 それは、自分でもなぜか分かりませんが、不思議な事にいつも解雇になった後に、解雇になる前よりも素晴らしい道が拓けて、ステップアップしてきたから。

 だから今回の解雇も「これは後に、U-20ホンジュラス代表よりもさらに素晴らしい道が拓けて、さらに幸せな人生を送れるという、神様からのメッセージなんだ」と、感じています。

 

 また自分には、これもなぜか分かりませんが、「リベンジ運」もあります。

 例えばレアル・ソシエダを解雇になるなど不条理な問題が起こって退団した後、移籍したパリーヤス・オネでリーグ戦でレアル・ソシエダと対戦した際、ホンジュラスリーグ全チーム中「唯一」のレアル・ソシエダ戦アウェー勝利を挙げ、それだけではなくホームでも勝利し、ホンジュラスリーグ全チーム中「唯一」のレアル・ソシエダ戦1シーズン「2連勝」を達成。あまりにも突然、不可解な形で自分を解雇にした古巣レアル・ソシエダに対して、「完全なるリベンジ」を果たしました。

 さらにその翌シーズン…。契約がまだ残っていたのも関わらずパリーヤス・オネを屈辱の解雇になった後、復帰した古巣レアル・ソシエダでリーグ戦でパリーヤス・オネと対戦した際、ホンジュラスリーグ全チーム中「唯一」のパリーヤス・オネ戦1シーズン「2連勝」を達成。これによりパリーヤス・オネは自身が居た頃よりも成績を落とし、この結果、アミーゴと偽って僕を騙して解雇にした監督は、逆に成績不振でシーズン終了後に解雇される。あまりにも突然、不可解な形で自分を解雇にした古巣パリーヤス・オネと監督に対して、「完全なるリベンジ」を果たしました。



 神様は、見ている。

 理不尽な事をして人を不幸せにさせる者には、後に必ずそれ以上の天罰が下る…。

 僕はこれまでの人生の中で、「サッカーの借りは、サッカーで返す」を、常に実践・実現してきました。
 
 今回、僕を不当解雇してU-20ホンジュラス代表GKコーチの職を奪った者たちにも、必ずサッカーで借りを返し、「完全なるリベンジ」を果たす時がくるでしょう。



 僕は希望を失っていません。

 これから訪れるであろう「U-20ホンジュラス代表よりも素晴らしい道」で成功を収めるために、解雇後も笑顔前向きに日々を生きています。



 解雇になった後、当ブログや【ツイッター】、【フェイスブック】を通じて、本当にたくさんの人から激励のメッセージを頂きました。中には初めての方からのコメントもあり、「自分の事を応援してくれている人は、こんなにもたくさんいたのか」と感動しました。皆様からの温かいお言葉の数々に、「人生最大の悲しみ、衝撃、絶望」の中にいた僕は、救われました。本当に皆様には感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。

 そして、実家の家族。解雇になった翌日、偶然にもこのタイミングで、日本の実家から発送されていた荷物が届きました。昨年、ホンジュラスに7年ぶりに帰還してから今日までのこの1年8ヶ月間で、初めて実家から届けられた荷物…。中には日本のカレーやご飯、味噌汁、お粥などが入っていました。【病気になって死にかけていた】僕の事を気遣い、体に良いものがたくさん入れられていました。その1つ1つに家族からの「愛情」を感じ、苦しい今を生きる大きな力になりました。



 僕の事を応援し支えてくれる全ての人に、必ず今後、良い報告をして恩返しします!!必ず!!


 これからも僕は、「笑顔」で前に進んでいきます!!



※今後の予定はまだ未定ですが、とりあえず1つだけ決まっているのは「協会から『最後の給料』が支払われるまでは、ホンジュラスで待機」する事。給料が支払われてからは日本に一旦、帰国したい気持ちが強いですが、まだ未定です。実は解雇の3日後にホンジュラスリーグのチームからGKコーチとして獲得オファーを受けましたが、ありがたい話ながら、自分の心身の状態が100%ではなく「やりたい!」という強い気持ちが湧いてこなかったため、悩んだ末に丁重に断りました。ただ、「自分の事をゴミのように捨てる者もいれば、高く評価し必要としてくれる者もいる」事を知り、凄く嬉しかったですし、大きな力となりました。今後は「ホンジュラス」に固執せず、他の国でも自分の事を必要としてくれるチームがあれば働きたいと考えています(もちろん、再びホンジュラスで働く可能性も充分にあります)。ある程度は「自然の流れ」に身を任せ、自分の中の「直感」を頼りに、今後の事を決めていきます。



U-20ホンジュラス代表で仕事!2014年6月




◆連絡先メールアドレス: cafehondurasyoji@hotmail.co.jp



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