「不利益分配」社会
小泉賞賛本。
利益分配から不利益分配へ。
国債残高が名目GDPの1.5倍まで積み上がった日本がとるべきは
不利益分配社会であり、そうした転換を行った小泉はえらいという内容。
不利益を割り当てられた家計はどうなるのか。
結局は外需依存の家計が停滞したままの経済成長にたどりつこう。
随所にマックス・ウェーバーさまの引用があるが、それで言うなら
ウェーバーが言うように政治家は結果責任が問われる。
であるなら、不利益分配の結果、つまりは経済を論じねばならないが、
この著者は政治学者であるからもあって、結果としてやってくる経済など
無視して、「不利益分配時代」の政治家像に話を移している。
【駄】 2006年
利益分配から不利益分配へ。
国債残高が名目GDPの1.5倍まで積み上がった日本がとるべきは
不利益分配社会であり、そうした転換を行った小泉はえらいという内容。
不利益を割り当てられた家計はどうなるのか。
結局は外需依存の家計が停滞したままの経済成長にたどりつこう。
随所にマックス・ウェーバーさまの引用があるが、それで言うなら
ウェーバーが言うように政治家は結果責任が問われる。
であるなら、不利益分配の結果、つまりは経済を論じねばならないが、
この著者は政治学者であるからもあって、結果としてやってくる経済など
無視して、「不利益分配時代」の政治家像に話を移している。
【駄】 2006年
- 高瀬 淳一
- 「不利益分配」社会―個人と政治の新しい関係
対論 昭和天皇
「昭和天皇が最後までこだわったのも、いかにすれば「国体護持」が可能かと
いうことだった。皇統を維持するという意識は最後まで非常に明確で、そのため
には神器を確保しなければいけないんだという発想になってくるわけですよ。
一方、皇太后や島津治子の場合は違う。復古神道の流れをくむ、教義や宗教と
しての神道に入れ込んだわけです。そこで彼女たちが考えていたのは、「国体」を
護持するというよりは、自分の信仰をあくまでも貫いていくという発想だったのでは
ないか。
一般的には明治維新のバックボーンになったのは復古神道と水戸学だといって
一緒にされるんだけども、この二つの流れは、結局は相容れないままだったんじゃ
ないかという感じがするんですよね。」(原武史・156p)
昭和天皇が戦前より天皇機関説、戦後の人間宣言、退位を検討した背景にある
ものは、この点であろうか。
また、保阪正康は、佐野・鍋山が転向した際の「日本にマルキシズムは必要ない」の
背景には、日本の改革の主体に天皇(明治維新・大正維新・昭和維新)があったためと
推察(191p)
【通勤用にGOOD】 2004年
いうことだった。皇統を維持するという意識は最後まで非常に明確で、そのため
には神器を確保しなければいけないんだという発想になってくるわけですよ。
一方、皇太后や島津治子の場合は違う。復古神道の流れをくむ、教義や宗教と
しての神道に入れ込んだわけです。そこで彼女たちが考えていたのは、「国体」を
護持するというよりは、自分の信仰をあくまでも貫いていくという発想だったのでは
ないか。
一般的には明治維新のバックボーンになったのは復古神道と水戸学だといって
一緒にされるんだけども、この二つの流れは、結局は相容れないままだったんじゃ
ないかという感じがするんですよね。」(原武史・156p)
昭和天皇が戦前より天皇機関説、戦後の人間宣言、退位を検討した背景にある
ものは、この点であろうか。
また、保阪正康は、佐野・鍋山が転向した際の「日本にマルキシズムは必要ない」の
背景には、日本の改革の主体に天皇(明治維新・大正維新・昭和維新)があったためと
推察(191p)
【通勤用にGOOD】 2004年
- 原 武史, 保阪 正康
- 対論 昭和天皇
人民元・ドル・円
国連管理下に置かれた石油輸出代金収入による人道物資基金を
ユーロ建てにしたことが、アメリカの逆鱗に触れ、イラク戦争につながる。
イラク戦争にユーロ圏のフランスが反対した理由の一端はここにある。
そう、世界はドル建てから逃れられないのである。
97年6月の橋本首相の「日本政府が持っている財務省証券を大幅に
売りたいとの誘惑に駆られたこともあるんです」発言。
これにより橋本はアメリカに見限られ(そのためポスト森で、橋本は
小泉に負ける)、「ジャパンパッシング」のしうちを受ける。
同じ年のアジアの通貨危機。ルービン財務長官+ソロスのヘッジファンドが
投機によるグローバリズムの強制であるが、この発端は香港であると筆者。
97年5月、中国返還を控えた香港の香港ドルにソロスが投機を仕掛けようと
目論む。これに対して中国は、アメリカ国債を大量に売り、その資金でソロス
に対抗すべく香港ドルを買い支えると朱鎔基(当時首相)がルービンに通達。
ソロスは香港をあきらめ、タイなど東南アジアに向かうこととなる。
その後、日本は榊原英資がアジア通貨基金設立に奔走する。
ドル離れは困ると、それに反対するアメリカに中国は同調する。
このように、人権問題・台湾問題でアメリカと対立する中国だが、アメリカの
根幹をたるドル(強大な軍事力もドルを世界が買い支えてくれるお陰である)
には順応なのであった。
通貨以外にも中国株にもページを割いている。
中国企業は外資を含めて大半には企業内に共産党委員会が設置されている。
そこが人事権を掌握。そのため政府・共産党が企業のインサイダー情報を把握
するため、インサイダー取引が横行するとある。
【書物としてGOOD】 2004年
ユーロ建てにしたことが、アメリカの逆鱗に触れ、イラク戦争につながる。
イラク戦争にユーロ圏のフランスが反対した理由の一端はここにある。
そう、世界はドル建てから逃れられないのである。
97年6月の橋本首相の「日本政府が持っている財務省証券を大幅に
売りたいとの誘惑に駆られたこともあるんです」発言。
これにより橋本はアメリカに見限られ(そのためポスト森で、橋本は
小泉に負ける)、「ジャパンパッシング」のしうちを受ける。
同じ年のアジアの通貨危機。ルービン財務長官+ソロスのヘッジファンドが
投機によるグローバリズムの強制であるが、この発端は香港であると筆者。
97年5月、中国返還を控えた香港の香港ドルにソロスが投機を仕掛けようと
目論む。これに対して中国は、アメリカ国債を大量に売り、その資金でソロス
に対抗すべく香港ドルを買い支えると朱鎔基(当時首相)がルービンに通達。
ソロスは香港をあきらめ、タイなど東南アジアに向かうこととなる。
その後、日本は榊原英資がアジア通貨基金設立に奔走する。
ドル離れは困ると、それに反対するアメリカに中国は同調する。
このように、人権問題・台湾問題でアメリカと対立する中国だが、アメリカの
根幹をたるドル(強大な軍事力もドルを世界が買い支えてくれるお陰である)
には順応なのであった。
通貨以外にも中国株にもページを割いている。
中国企業は外資を含めて大半には企業内に共産党委員会が設置されている。
そこが人事権を掌握。そのため政府・共産党が企業のインサイダー情報を把握
するため、インサイダー取引が横行するとある。
【書物としてGOOD】 2004年
- 田村 秀男
- 人民元・ドル・円
日露戦争 勝利のあとの誤算
桂太郎とその妾・お鯉こと安藤照。
交番の八割が焼き討ちされた帝都大騒乱。
戒厳令と新聞発行停止令。
新聞があおりにあおり、国民が大熱狂した
日露戦争。
なんと自由な国であったのか!
【話のネタ本にGOOD】 2005年
交番の八割が焼き討ちされた帝都大騒乱。
戒厳令と新聞発行停止令。
新聞があおりにあおり、国民が大熱狂した
日露戦争。
なんと自由な国であったのか!
【話のネタ本にGOOD】 2005年
- 黒岩 比佐子
- 日露戦争 ―勝利のあとの誤算 文春新書
ウェブ進化論
図書館に予約すること、5ヶ月、やっとまわってくる。
「ザ・クラス・オブ・1986」なるものを知る。
1986年に今日のナスダックを支える企業が上場。
サン・マイクロシステムズ、オラクル、マイクロソフト、
EMC、サイプレス、アドビ、インフォミックス、チップス・
アンド・テクノロジー、SGI。
今年の2月10日に出たものが、すでに古く感じる。
【つまみ読みにGOOD】 2006年
「ザ・クラス・オブ・1986」なるものを知る。
1986年に今日のナスダックを支える企業が上場。
サン・マイクロシステムズ、オラクル、マイクロソフト、
EMC、サイプレス、アドビ、インフォミックス、チップス・
アンド・テクノロジー、SGI。
今年の2月10日に出たものが、すでに古く感じる。
【つまみ読みにGOOD】 2006年
- 梅田 望夫
- ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
日米中三国史
工業技術の革新を軸として日米中(若干ソ連)の戦後をまとめている。
非常に面白い。
戦後ドイツから日本へとカメラの中心は移る。一節にはアメリカのカメラ屋に
ユダヤ人が多く、日本製を好んで扱ったからというのがあるが、それは俗説と
思われる。
本書によると、日本メーカーは当初ライカの後を追うが、1954年にライカM3 が
登場するや、これにはとても追いつけないと後追いをあきらめ、ドイツ勢が重点
をおいていなかった一眼レフに全力を挙げたことによる。
これは後々「日本カメラ工業史」(日本写真機工業会編纂)に書かれたこと。
高度成長期、公害はまだ一過性のものと思われていた。当時の財界の一部には
「瀬戸内海は大工場群の下水道と考えたらよいではないかという意見があった」
(90)。瀬戸内海の漁民は6万人、水揚げは1000億円程度であったため、瀬戸内
海の漁業権を大企業が資金を出し合って買ってしまおうというのである。
恐ろしや。
中国と日本の50-60年代の粗鋼生産量では、中国は「大躍進」の年(59年・60年)に
それこそ急激に伸び、すぐに減産する。一方日本はほぼ右肩上がりで延びていく。
計画経済の国の方が、一見すると無計画に見える。そこが計画経済の本質であった。
【通勤用にGOOD】 2000年
非常に面白い。
戦後ドイツから日本へとカメラの中心は移る。一節にはアメリカのカメラ屋に
ユダヤ人が多く、日本製を好んで扱ったからというのがあるが、それは俗説と
思われる。
本書によると、日本メーカーは当初ライカの後を追うが、1954年にライカM3 が
登場するや、これにはとても追いつけないと後追いをあきらめ、ドイツ勢が重点
をおいていなかった一眼レフに全力を挙げたことによる。
これは後々「日本カメラ工業史」(日本写真機工業会編纂)に書かれたこと。
高度成長期、公害はまだ一過性のものと思われていた。当時の財界の一部には
「瀬戸内海は大工場群の下水道と考えたらよいではないかという意見があった」
(90)。瀬戸内海の漁民は6万人、水揚げは1000億円程度であったため、瀬戸内
海の漁業権を大企業が資金を出し合って買ってしまおうというのである。
恐ろしや。
中国と日本の50-60年代の粗鋼生産量では、中国は「大躍進」の年(59年・60年)に
それこそ急激に伸び、すぐに減産する。一方日本はほぼ右肩上がりで延びていく。
計画経済の国の方が、一見すると無計画に見える。そこが計画経済の本質であった。
【通勤用にGOOD】 2000年
- 星野 芳郎
- 日米中三国史―技術と政治経済の55年史
男女交際進化論 「情交」か「肉交」か
第一章は「二つの恋」。「硬派」の恋と「軟派」の恋である。
明治において、硬派とは男色を差し、軟派とは女郎宿の恋を差した。
【つまみ読みにGOOD】 2006年
明治において、硬派とは男色を差し、軟派とは女郎宿の恋を差した。
【つまみ読みにGOOD】 2006年
- 中村 隆文
- 男女交際進化論「情交」か「肉交」か
ユーロ
ユーロが完全な通貨となった2002年に出版。
その熱気を伝える好著であり、為替関連の書籍としても
大変いい入門書でもある。
しかし174ページに 税天国(「タックスヘブン」) とある。
これは 租税回避地・タックス ヘイブン の間違い。
もし意図的に税天国と使うなら、その含意を示すのが筋。
【通勤用にGOOD】 2002年
その熱気を伝える好著であり、為替関連の書籍としても
大変いい入門書でもある。
しかし174ページに 税天国(「タックスヘブン」) とある。
これは 租税回避地・タックス ヘイブン の間違い。
もし意図的に税天国と使うなら、その含意を示すのが筋。
【通勤用にGOOD】 2002年
- 田中 素香
- ユーロ―その衝撃とゆくえ
ブレア時代のイギリス
9年目の英国の宰相ブレアについての良書。
イギリスは二大政党制であるため、その弊害(そうでなくとも)で
新自由主義-社会民主主義の二者択一のパラダイムにはめ
込まれがちであった。そこに現れたのが「第三の道」を説くブレア。
本書はこのブレアを通じて、政治の人格化、小泉政治、日本の民主党を
さりげなく論じている。
二者択一の教条主義から離れようとする時、結局は政治の人格化に向かい、
すると今度は、政策-人格の二者択一に向かう矛盾がどことなく浮かび上がる。
【通勤用にGOOD】 2005年
イギリスは二大政党制であるため、その弊害(そうでなくとも)で
新自由主義-社会民主主義の二者択一のパラダイムにはめ
込まれがちであった。そこに現れたのが「第三の道」を説くブレア。
本書はこのブレアを通じて、政治の人格化、小泉政治、日本の民主党を
さりげなく論じている。
二者択一の教条主義から離れようとする時、結局は政治の人格化に向かい、
すると今度は、政策-人格の二者択一に向かう矛盾がどことなく浮かび上がる。
【通勤用にGOOD】 2005年
- 山口 二郎
- ブレア時代のイギリス
スキャンダルの時代
映像作家のケネス・アンガーが「ハリウッド・バビロン」という
ハリウッドのスキャンダルについてまとめた書物を出していたと
初めて知る。碩学・海野はこれによる影響でその後本書を書くに
至る。
【つまみ読みにGOOD】 2000年
ハリウッドのスキャンダルについてまとめた書物を出していたと
初めて知る。碩学・海野はこれによる影響でその後本書を書くに
至る。
【つまみ読みにGOOD】 2000年