日本型ポピュリズム
細川ブームから小泉人気(登場時)にいたるまでのポスト55年体制下の
永田町の省察。
派閥政治の崩壊、実際は加藤紘一の「加藤の乱」に見られるように
ロクに派閥も取り仕切れなくなった政治家が派閥の領袖になる時代に
なっただけ。そういう自民党の人材難の混乱期に登場したのが
小泉純一郎と田中真紀子。(なにしろ森内閣末期の世論調査では
「次期首相に望ましい」とされるのが小泉が1位、それに続くのが
あろうことか 前首相・橋本龍太郎に野中広務、加藤紘一である)
そのふたりの熱狂を裏で支えたのは92年の総選挙(細川ブーム前夜)
から跋扈するサヨク・リベラル的な報道番組であった。
というようなことをあまり整理されずに書き進められいて 政治学者の
書物とは思えないほど(下世話な)情報量が多くて それが返って
この時期の政治情勢を 読むうちに思い起こすことができる仕掛けに
なっている。
【通勤読書にはGOOD】 2003年
永田町の省察。
派閥政治の崩壊、実際は加藤紘一の「加藤の乱」に見られるように
ロクに派閥も取り仕切れなくなった政治家が派閥の領袖になる時代に
なっただけ。そういう自民党の人材難の混乱期に登場したのが
小泉純一郎と田中真紀子。(なにしろ森内閣末期の世論調査では
「次期首相に望ましい」とされるのが小泉が1位、それに続くのが
あろうことか 前首相・橋本龍太郎に野中広務、加藤紘一である)
そのふたりの熱狂を裏で支えたのは92年の総選挙(細川ブーム前夜)
から跋扈するサヨク・リベラル的な報道番組であった。
というようなことをあまり整理されずに書き進められいて 政治学者の
書物とは思えないほど(下世話な)情報量が多くて それが返って
この時期の政治情勢を 読むうちに思い起こすことができる仕掛けに
なっている。
【通勤読書にはGOOD】 2003年
-
- 大嶽 秀夫
- 日本型ポピュリズム―政治への期待と幻滅
現代小説のレッスン
- 純文学のエンタテイメント化の考察。
ハイライトは本書112ページ 中村光夫「明治・大正・昭和」(1972年)の
引用とその考察。
中村は明治・大正の文学者が文学でもって訴求してきた「個人の意識」
「幸福追求の権利」などの「広い意味の個人主義」が「敗戦という事実に
よって、いきなり人々の間に普及してしまった」が その後それらに代わる
「新しい使命」が見つからないでいると言う。
で 著者の石川忠司は 「日本人にとって、真に悩むに足る悩みとは、
ぶっちゃけた話、自分の容貌くらいだったのではないか」といい
その「新しい使命」を帯びる小説として笙野頼子の「説教師カニバットと
百人の危ない美女 」をあげる。
これは酷いブス同士の最終決戦の話である(らしい。私は未読)。
【つまみ読みにはGOOD】 2005年
- 石川 忠司
- 現代小説のレッスン
Eポリティックス
ワシントン在住の著者による2001年時点での米国の電子政治事情。
書物自体は もう何年かすればすっかり旧聞になろうけれども この
著者の今後には期待。
書き手の自己顕示(これが顕著なのが吉田望「会社は誰のものか」新潮新書 )
だとかムダなものがなく好感がもてる。
本書の流れは以下の通り。
電子選挙戦術 前の前の大統領選(ブッシュ-ゴア)や ネットを
駆使して二大政党に属さずに州知事選を勝ったベンチュラ(元プロ
レスラーということで日本のメディアにも取り上げられた)などを紹介。
電子政治運動 ネットを駆使して寄付金・人材・デモ・陳情。
電子政府 ネットによる政府サービスとセキュリティその他。
それらEポリティックスを取り巻くビジネスと未来について。
現代は間接民主制であるが そこに直接民主主義的な要素・刺激を
加えることができるのがEポリティックスであろう。
【つまみ読みにはGOOD】 2001年
書物自体は もう何年かすればすっかり旧聞になろうけれども この
著者の今後には期待。
書き手の自己顕示(これが顕著なのが吉田望「会社は誰のものか」新潮新書 )
だとかムダなものがなく好感がもてる。
本書の流れは以下の通り。
電子選挙戦術 前の前の大統領選(ブッシュ-ゴア)や ネットを
駆使して二大政党に属さずに州知事選を勝ったベンチュラ(元プロ
レスラーということで日本のメディアにも取り上げられた)などを紹介。
電子政治運動 ネットを駆使して寄付金・人材・デモ・陳情。
電子政府 ネットによる政府サービスとセキュリティその他。
それらEポリティックスを取り巻くビジネスと未来について。
現代は間接民主制であるが そこに直接民主主義的な要素・刺激を
加えることができるのがEポリティックスであろう。
【つまみ読みにはGOOD】 2001年
-
- 横江 公美
- Eポリティックス
日露戦争 もうひとつの「物語」
新聞の商業主義が日本を対露戦争へとかりたてていき
戦争後は「一等国」が流行語となる。
日本近代のターニングポイントの日露戦争の銃後と戦後。
戦争文学が流行る一方で 架空未来戦記小説もブームとなり
その対戦相手のほとんどがアメリカであった。
また日本にユダヤ同祖論が生まれたのもこの時期。
日本の外債をユダヤ系アメリカ人が大量購入(ロシアがユダヤ人を
迫害したため日本を応援する気分がユダヤ人にあった)。
これを機に 親ユダヤ的機運が日本に生まれる。
それに乗じて書かれたのが佐伯好郎法政大学教授の「日ユ同祖論」。
さらに白人に勝ったことで 日本人は特別な民族であるという意識が
生まれ それが酒井勝軍「猶太民族の大陰謀」(日本人こそユダヤ=
キリスト教文化の後継者である)になる。
青森にキリストの墓があったり 源義経がジンギスカンになったり
そういうトンデモ伝承のルーツは 白人に戦争で勝っての
浮かれ気分であったわけだ。
【話のネタ本としてGOOD】 2004年
戦争後は「一等国」が流行語となる。
日本近代のターニングポイントの日露戦争の銃後と戦後。
戦争文学が流行る一方で 架空未来戦記小説もブームとなり
その対戦相手のほとんどがアメリカであった。
また日本にユダヤ同祖論が生まれたのもこの時期。
日本の外債をユダヤ系アメリカ人が大量購入(ロシアがユダヤ人を
迫害したため日本を応援する気分がユダヤ人にあった)。
これを機に 親ユダヤ的機運が日本に生まれる。
それに乗じて書かれたのが佐伯好郎法政大学教授の「日ユ同祖論」。
さらに白人に勝ったことで 日本人は特別な民族であるという意識が
生まれ それが酒井勝軍「猶太民族の大陰謀」(日本人こそユダヤ=
キリスト教文化の後継者である)になる。
青森にキリストの墓があったり 源義経がジンギスカンになったり
そういうトンデモ伝承のルーツは 白人に戦争で勝っての
浮かれ気分であったわけだ。
【話のネタ本としてGOOD】 2004年
-
- 長山 靖生
- 日露戦争―もうひとつの「物語」
高度経済成長は復活できる
高度経済成長は通産省主導の国策の成果ではなく、民間企業間の
自由競争の結果である。その終焉はオイルショックによるものではなく
田中角栄による社会主義革命による。
高度経済成長を復活させるためには 地方=過疎=弱者と考え保護する
田中角栄の「日本列島改造論」型の公共政策を止めろ。そうして投資を
再び都市に集中させ、それによって地方から都市への人口移動を活発に
させて生産力をつけることである。
これが本書のアジ演説的論旨である。
戦後1974年度まで赤字国債の発行は1965年度の一度だけである。
それがなぜ今日では借金漬けに陥ったのか。
「国土の均衡ある発展」「東京一極集中の是正」「地方分散型経済の実現」を
スローガンに国債を発行しそれによる投資を地方に分散し続けたためでる。
そのために国債残高は増える、生産性は下がるで 低成長時代となったの
である。
すなわち 「オイルショック以降 日本は低成長時代に入り……」という通説は
「田中角栄政権以降 日本は低成長時代に入り……」が正しい。
【通勤読書にはGOOD】 書名がアホぽいのが損をしているが。 2005年
自由競争の結果である。その終焉はオイルショックによるものではなく
田中角栄による社会主義革命による。
高度経済成長を復活させるためには 地方=過疎=弱者と考え保護する
田中角栄の「日本列島改造論」型の公共政策を止めろ。そうして投資を
再び都市に集中させ、それによって地方から都市への人口移動を活発に
させて生産力をつけることである。
これが本書のアジ演説的論旨である。
戦後1974年度まで赤字国債の発行は1965年度の一度だけである。
それがなぜ今日では借金漬けに陥ったのか。
「国土の均衡ある発展」「東京一極集中の是正」「地方分散型経済の実現」を
スローガンに国債を発行しそれによる投資を地方に分散し続けたためでる。
そのために国債残高は増える、生産性は下がるで 低成長時代となったの
である。
すなわち 「オイルショック以降 日本は低成長時代に入り……」という通説は
「田中角栄政権以降 日本は低成長時代に入り……」が正しい。
【通勤読書にはGOOD】 書名がアホぽいのが損をしているが。 2005年
-
- 増田 悦佐
- 高度経済成長は復活できる
アメリカ・ユダヤ人の政治力
クリントンの大統領選の政治資金の大半は米国のユダヤ人による。
同じ民主党でもカーターはユダヤ人に嫌われた。
なぜか。
不良のクリントンは聖書に忠誠なハズはなく よってユダヤ教に寛容で、
いっぽうのカーターは敬虔なクリスチャン。
またクリントンの対立候補ブッシュ(父)は イスラエルに不寛容で
イスラエル軍がパレスチナ人を武力鎮圧した際に国連安保理に
イスラエル非難決議案を起草さえしている。
よってクリントンはユダヤ人から支持と政治資金を得ることができた。
パレスチナ問題が キリスト教原理主義的なブッシュが
大統領の今日に 解決に向かいつつあるのは非常に興味深い。
【話のネタ本としてGOOD】 2000年
同じ民主党でもカーターはユダヤ人に嫌われた。
なぜか。
不良のクリントンは聖書に忠誠なハズはなく よってユダヤ教に寛容で、
いっぽうのカーターは敬虔なクリスチャン。
またクリントンの対立候補ブッシュ(父)は イスラエルに不寛容で
イスラエル軍がパレスチナ人を武力鎮圧した際に国連安保理に
イスラエル非難決議案を起草さえしている。
よってクリントンはユダヤ人から支持と政治資金を得ることができた。
パレスチナ問題が キリスト教原理主義的なブッシュが
大統領の今日に 解決に向かいつつあるのは非常に興味深い。
【話のネタ本としてGOOD】 2000年
-
- 佐藤 唯行
- アメリカ・ユダヤ人の政治力
アメリカ外交
大統領別にアメリカ外交の流れが押さえられる。
アイゼンハワー 軍人の出であるが退任演説で軍産複合体の肥大化を懸念。その後のアメリカが何を引き起こしたかは承知の通り。
カーター 1970年代後半から一神教の大復活が各地の政治を舞台に起きる。クリスチャンのカーター・大平正芳、イランでホメイニによる革命、イスラエルでは労働党からユダヤ教色の強いリクードが政権を奪取、ポーランド出身のヨハネ・パウロが法王となりポーランドの「連帯」を勇気づける……という具合。
クリントン カンタンに支持率アップさせる策として カンタンそうな軍事侵攻を思いつく。それが裏目でボスニア・ソマリアは泥沼化。ルワンダはタイヘンそうなので手をつけずに惨事を拡大。
「CIA失敗の研究 」と同様にクリントンが如何に目先の人気取りに執着したかがわかる。
【書物としてGOOD】 2005年
アイゼンハワー 軍人の出であるが退任演説で軍産複合体の肥大化を懸念。その後のアメリカが何を引き起こしたかは承知の通り。
カーター 1970年代後半から一神教の大復活が各地の政治を舞台に起きる。クリスチャンのカーター・大平正芳、イランでホメイニによる革命、イスラエルでは労働党からユダヤ教色の強いリクードが政権を奪取、ポーランド出身のヨハネ・パウロが法王となりポーランドの「連帯」を勇気づける……という具合。
クリントン カンタンに支持率アップさせる策として カンタンそうな軍事侵攻を思いつく。それが裏目でボスニア・ソマリアは泥沼化。ルワンダはタイヘンそうなので手をつけずに惨事を拡大。
「CIA失敗の研究 」と同様にクリントンが如何に目先の人気取りに執着したかがわかる。
【書物としてGOOD】 2005年
CIA失敗の研究
CIAは日本人においても誰しもが知っている米国の諜報機関。CIAといえば米国の諜報機関 米国の諜報機関といえばCIA という具合。9.11の後にもCIAの不手際が指弾された。
ところがどっこい。実はCIAの予算は 米国の諜報機関における総予算の10%に過ぎない。対日諜報活動を例にあげると CIAの東京支局には50-60人(ピーク時で100人)に対して NSA(エシュロンを抱える機関)は3000人以上が日本に駐在しているとされる。
CIAは その程度なのである。
にも関わらず 有名であるが故に批判の的にされるCIAの実態が如何に脆弱であるか またその弱体化を引き起こしたのがクリントン政権(ハードなイメージのCIAをソフトにすることで、ソフトなイメージのクリントンは人気取りの道具にCIAの人事を用いた)であること、それによって9.11の首謀者・ビンラディンを捕りのがし続けたことが判る。(スーダンやロシアからの情報を無視している)
そもそもCIAの抱えるスパイはほとんどがウォークイン(志願してスパイになる)のため信仰に裏打ちされたアルカイダは裏切り者が出ないために CIAはスパイを送り込めないこと、冷戦下でキューバにいたスパイ38人は全員が二重スパイであったこと、東ドイツも同様であったことなど 映画などで刷り込まれたCIA像が崩れる。
【通勤読書にはGOOD】 2005年
ところがどっこい。実はCIAの予算は 米国の諜報機関における総予算の10%に過ぎない。対日諜報活動を例にあげると CIAの東京支局には50-60人(ピーク時で100人)に対して NSA(エシュロンを抱える機関)は3000人以上が日本に駐在しているとされる。
CIAは その程度なのである。
にも関わらず 有名であるが故に批判の的にされるCIAの実態が如何に脆弱であるか またその弱体化を引き起こしたのがクリントン政権(ハードなイメージのCIAをソフトにすることで、ソフトなイメージのクリントンは人気取りの道具にCIAの人事を用いた)であること、それによって9.11の首謀者・ビンラディンを捕りのがし続けたことが判る。(スーダンやロシアからの情報を無視している)
そもそもCIAの抱えるスパイはほとんどがウォークイン(志願してスパイになる)のため信仰に裏打ちされたアルカイダは裏切り者が出ないために CIAはスパイを送り込めないこと、冷戦下でキューバにいたスパイ38人は全員が二重スパイであったこと、東ドイツも同様であったことなど 映画などで刷り込まれたCIA像が崩れる。
【通勤読書にはGOOD】 2005年