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cb650r-eのブログ

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“働く立県”への進化

 

「その通りです。女性が地方でも安心して“活躍できる”環境――その先行事例として、沖縄のワーケーションを提示します。これは、観光立県・沖縄が“働く立県”へと進化する象徴とも言えます」

 


「……よし。そこまで話がつながっているなら、あとは構成だな」
千﨑部長が口を開いた。


「導入は、人口減少→東京一極集中。そこから、女性と若者の流出→地方消滅というロジックにつなげて……」

「それに対する対案が、ダイバーシティ&インクルージョンの実装。そして、女性が活躍できる地方の“見える化”ですね」
大杉さんがフォローする。

セミナー全体のテーマは「日本再生は女性の活躍から」。まさに天野次長のスピーチは、そのテーマの核心を突いている、と俺は唸った。
“女性が逃げ出す地方は消滅する 〜東京一極集中が日本を滅ぼす〜”

「攻めてるな……。聴講者が求めているのは、“耳障りの良い正論”じゃない。“刺さるリアル”だ」

それは、これからの日本の未来を問う、小さな“宣戦布告”に近い意味を持つのかもしれなかった。

 

 

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。

地方の課題解決策は、地方から。

 

笑いが収まると、
「なるほど、地方の課題解決を、地方そのものから提案する形になるわけか」
部長が腕を組み、唸るように言った。

天野次長は、ひと呼吸おいて続けた。

「はい。『地方には人がいない、働き口がない』――ではなく、“働く場所は創れる”という前提に立ちたいんです。沖縄の名護市のような取り組みは、まさにその先行事例。都市部で疲弊した人材が地方で再生し、地元と融合する。これが私の考える“持続可能な地方創生”です」

大杉さんがモニターに次のスライドを映し出す。

 



【データ】
・名護市マルチワーケーションセンター 利用者:年間1,200名超
・そのうち半数が都市部の企業に所属
・家族同伴率:38%
・その中で「沖縄への移住を検討中」と回答した人:22%

「この22%という数字が意味するのは、“観光”や“出張”ではなく、“生活の場所”として地方を選ぶ可能性が芽生えている、ということです」
天野次長はそう言いきった。

 



「それは面白い。で、それをどうOISTの聴講者に届けます?」
成瀬代理が問う。

「はい。今回の聴講者の中には、博士課程の学生やポスドクの研究者も含まれていると聞いています。つまり、“これからどこで、どう働くか”を考えている人たちです。彼らの中には企業に進む人もいれば、起業する人、研究を続ける人もいるでしょう」

「なるほど、つまり『地方でキャリアを積む』という選択肢を提示する、というわけか」
と、俺は皆が分かりきっている結論を、さも得意げに口にしてしまった。

 

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「では、処方箋は?」

 

天野さんは大杉さんに指示してスライドをもう一枚進めた。

「そして、地方は元々出生率が比較的高かったにも関わらず、若者の流出で子どもが生まれない。“生まれるはずだった命”が減っている。つまり、東京一極集中によって、出会い、結婚、出産という“人生の三本柱”すべてに負の連鎖が起きているんです。」

 



会議室に沈黙が落ちた。だれもが、その言葉の重みに圧倒されていた。

「では、処方箋は?」と千﨑部長が静かに問いかける。

「“働く場所”と“暮らす場所”を再設計することです。」天野さんは力強く言った。

「リモートワークやテレワークを活用して、地方にいても都市部と同じレベルの仕事ができる環境を整備する。さらに、地方の企業に多様な人材、特に女性が働きやすい職場環境を作ること。そこにダイバーシティ&インクルージョンの思想が欠かせません。」

「地方で女性が“働ける”“活躍できる”“暮らせる”——その三拍子が揃えば、地方はもう一度、輝きを取り戻すはずです。」

千﨑部長がゆっくりとうなずいた。

「……いいですね。ロジックが通っているし、問題提起と解決策が明確だ。」

そして、部長は俺の方を見た。

「どうだ? 副部長。沖縄旅行、楽しみになってきただろ。」

「部長、遊びじゃないですよ。遊びじゃ…。」

一同が笑った。

 

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いざ、K-1へ。

梅雨が明けたと思われる、7月のある朝。
俺は自宅で、K-1に向けての準備をしていた。

リビングでは、妻の華がスマホをいじりながら、ちらちらと俺の様子を見ている。

「…あら、今日はヘルメット変えるのね」

 



そう。今日はいつもの黒とグレーの地味なヘルメットじゃなくて、白地に赤のストライプ――『巨摩 郡(こま・ぐん)』カラーの新しいヘルメットを選んだ。

【ちょっとブレイク】
『バリバリ伝説』の主人公「巨摩 郡」――。
80年代のバイク漫画といえば、今の50代カムバックライダーの多くがこの名前を思い浮かべるはずだ。

1983年、「週刊少年マガジン」で連載が始まり、91年まで続いた名作。まさに日本のバイクブームの真っただ中に描かれた物語だった。

峠を攻める高校生ライダー・グンは、その卓越したライディングセンスで数々のライバルを打ち破り、仲間に支えられながらストリートから全日本選手権、やがて世界GPの舞台へと登っていく――。
そんな、熱くて、まっすぐなバイクストーリーだ。

――話を戻そう。

妻の華は、当然ながら巨摩 郡のことなんて知らない。

「まあ、どうでもいいけど…気合い入りすぎて転ばないでよね」

苦笑いしながら、俺はうなずいた。

「はいはい、分かってますって」

そう言いながら、俺は家の敷地内にある納屋へと足を運ぶ。

――おそらく、今日は俺とCB650Rにとって、ひとつの節目になる日だ。

巨摩カラーの真新しいヘルメットをかぶり、革のグローブをしっかりとはめる。そして、CBのエンジンに火を入れた。

「相変わらず、いい音だな……」

思わず独りごちて、ふっとニヤける。胸の奥がじんわりと熱くなる。

スタンドを払ってギアを一速に入れる。むろん、Eクラッチだからクラッチを切る必要なんてない。

「よし、行くぜぃ」

俺はハンドルを切り、K-1へと向かう道を走り出した――。

 

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せっかくの機会ですから…。

 

「せっかくの機会です。“攻め”のタイトルで行きましょう」

柔らかな口調の中にも、確かな決意がにじんでいた。

俺は、このチームにとって今回の講演依頼が、
単なる仕事を超えた、ある種の“使命”になりつつあるのを感じていた。


千﨑部長は、モニターから一番離れた“お誕生日席”に座って、口を開いた。

「私から質問です」

 


 

会議室に一瞬、緊張が走った。千﨑部長が静かに続ける。

「“東京一極集中が日本を滅ぼす”——この言葉に説得力を持たせるために、そのロジックを簡潔に説明してください。そして、それに対して、天野さんが講演で訴えたい“処方箋”を併せて教えてください」

全員の視線が天野次長に集まる。

 



「はい。まず、私の仮説はこうです」

「根本的な問題は『人口減少』です。そしてその加速要因は、若者が東京に集中しているという社会構造にあります」

彼女はスライドを一枚めくった。

「大学進学や就職を機に、地方の若者が東京へ移動する。すると地方には若者がいなくなり、結果的に“出会い”や“結婚”の機会が減少し、出生数も落ち込む」

「なるほど。地方が人を失うのは、機会を失っているからだね」
俺がつぶやくと、天野次長がうなずいた。

「その通りです。そして東京はというと、今度は生活コストが異常に高い。家賃も物価も高く、結婚や子育てに必要な経済的余裕が持ちにくい。その結果、“結婚しない”“子どもを持たない”という選択が増えているのです」

「キャリア志向の高まりとライフスタイルの多様化も背景にあるんですね」
と、大杉さんが補足する。

「そうです。特に東京では、高学歴・高キャリア志向の女性が多い。そうした女性たちが“自分らしく生きる”ことを選びやすい環境が整っている。それは非常にポジティブなことでもありますが、一方で、少子化という観点から見れば“負”の側面もあるのです」

 

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お前のせいだぞ、森。いや、自業自得か。


それから、しばらくして――
グリーンのKawasaki Ninja ZX-25Rと、SUZUKIのモタードDR-Z400SMが休憩所へ戻ってきた。

森君はヘルメットを脱ぐなり、少し息を弾ませて俺に話しかけてきた。



「山ちゃん、さっき……R1とすれ違ったんだ。あいつ、こっちに寄らなかったか?」

「いや? 誰も来てないけどな」
俺は、何食わぬ顔で答えた。

「……そうか。ま、とにかく無事でよかったよ、山ちゃん」

――お前が、俺の話を盛りに盛って、妙な噂を流したからだろ、まったく……
そう心の中で悪態をつきながら、俺はバイクにまたがった。

「じゃ、俺もK-1を一本流したら……家に帰って、床屋でも行ってくるよ。白髪、染めなきゃな」

そう言い残して、俺はその場をあとにした。

山の空気が、少しだけ重くなったような気がした。
前方を見据えながら、ふと心の中でつぶやく。

「さて……売られたBattleだが、どうしたもんかな…。」

アクセルをひねると、CB650Rのエンジンが低く唸った。
俺はそのまま、K-1に入った。

 

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我が国の根本的な課題。それは…。

 

8人の外国人女性リーダーたちの顔写真が並んだスライドの横に立つ天野さんの表情が、少し引き締まった。

「とはいえ、日本は——」
自分のPCを前に着座しながら、彼女は続けた。



「こうした提言の“根本”にある課題を、まだきちんと見つめられていません」

「根本的な課題……それは、“人口減少”の問題だよね」
と俺が言うと、天野さんは「その通りです」とうなずいた。

そのやりとりを受けて、大杉主任がパソコンを操作する。
「ちょっと、ダサい英語の言い回しかもしれませんけど……」と口添えしながら、次のスライドを表示した。

"Regions Women Flee Will Disappear: 

 How Tokyo-Centric Policies Are Destroying Japan"
 

女性が逃げ出す地方は消滅する

  ~東京一極集中が日本を滅ぼす

一瞬、会議室の空気が止まった。

俺と成瀬代理は言葉を失ったまま、画面を見つめていた。

「……かなり攻めたテーマですね」
ようやく、成瀬代理が静かに口を開いた。

そのとき、会議室のドアが音もなく開いた。

「なかなか、いいじゃないですか」
入ってきたのは、千﨑部長だった。

 

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モニターに映ったものは…。

 

モニターには、見覚えのある8人の外国人女性リーダーたちの顔写真が並んでいた。
その強さとしなやかさが、画面越しにもひしひしと伝わってくる。



「『新型コロナ対策で成果を上げた国のリーダー』ですね」と成瀬代理が言う。
「その通り!」と天野さんが応える。

その瞬間、会議室の空気がひとつ引き締まった。

——講演は、単なる“説明”ではなく、ときに“心を動かすこと”も必要だ。
その意図が、この1枚のスライドからはっきりと伝わってきた。

「つまり、女性は流行に敏感であり、情報収集力に優れています。
さらに、共感力や他者に寄り添う力も、男性より高い傾向にある。
その強みを、社会の前線でどう活かすかが問われているんです」

天野次長の言葉に、大杉主任が静かにうなずく。

モニターに映し出された外国人女性リーダーたちの写真が、
その言葉にさらなる説得力を与えていた。

「なるほど……」
成瀬代理が腕を組みながら、深くうなずいた。
「このスライドは、聴講者を一気に引き込む力がありますね。インパクト、あります」

 

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“見せかけ”だけの多様性には意味がない。

 

「なるほどな……」
俺は大杉さんの「Diversity」と「Inclusion」の両立についての説明を聞いて呟いた。

多様性が“見せかけ”だけでは意味がない——
それを活かす“仕組み”があってこそ、初めて人は活躍できる。
その当たり前のようで、実は難しい真理が、胸に響いた。

「つまり——」と天野次長がまとめに入る。

「“ダイバーシティを尊重する”だけでは足りないんです。
それを“活かせる環境”をどう作るか。そこまで踏み込むことが、
OISTのような最先端の教育・研究機関にふさわしいメッセージになると思います」

なるほど、さすが天野さん。
人事部での経験をいかんなく発揮している。と俺は思った。

「では次に、1つめのキーワード“ジェンダーギャップ”に関して、

聴衆にインパクトを与えるスライドとして、これを見ていただきたいと思います」
そう言って、大杉主任がスライドを切り替えた。

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ダイバーシティ&インクルージョン

 

「以上が、人手不足に関する講演内容の骨子です」

そう言って、天野次長がスライドの表示を止めた。

「要するに——」と大杉さんが補足する。

「人手不足を解決するには、“多様な人が活躍できる職場”が必要です。
そのために、ジェンダーギャップをなくし、ダイバーシティを尊重し、
“公平”かつ“公正”な職場環境をつくることが、企業としても社会としても重要だということですね」

皆が深くうなずく中、俺は一つ、気になる点を投げかけた。

「質問してもいいかな?」

「どうぞ」
天野次長がすぐに応じる。

「今回のセミナーの全体テーマは『女性の活躍とダイバーシティ&インクルージョン』だったよね。
この“インクルージョン”って言葉……ダイバーシティとのつながりが、感覚的にちょっと分かりづらい気がするんだ」

すると、大杉主任が「お任せください」と言わんばかりに手を挙げ、パソコンを操作して映像を表示した。


 

「まず、“Diversity”とは、“いろいろな人が『いる』状態”のことを指します。

 


それに対して“Inclusion”は、“その人たちが『活躍できる』状態”を意味します」

画面には、「Diversity」と「Inclusion」を対比させた簡潔な図解が映し出された。

「言葉の意味としては、“Inclusion”は『包摂』や『受け入れ』と訳されますが、
ここでのポイントは、“ただ受け入れる”だけでは不十分だということです。
たとえば——誰もが発言しやすい会議、障がいを持つ社員が使いやすいオフィス設備、
子育て中の社員が働きやすい制度づくり。
そうした『仕組み』が整って初めて、真のInclusionが実現するんです」



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