“見せかけ”だけの多様性には意味がない。
「なるほどな……」
俺は大杉さんの「Diversity」と「Inclusion」の両立についての説明を聞いて呟いた。
多様性が“見せかけ”だけでは意味がない——
それを活かす“仕組み”があってこそ、初めて人は活躍できる。
その当たり前のようで、実は難しい真理が、胸に響いた。
「つまり——」と天野次長がまとめに入る。
「“ダイバーシティを尊重する”だけでは足りないんです。
それを“活かせる環境”をどう作るか。そこまで踏み込むことが、
OISTのような最先端の教育・研究機関にふさわしいメッセージになると思います」
なるほど、さすが天野さん。
人事部での経験をいかんなく発揮している。と俺は思った。
「では次に、1つめのキーワード“ジェンダーギャップ”に関して、
聴衆にインパクトを与えるスライドとして、これを見ていただきたいと思います」
そう言って、大杉主任がスライドを切り替えた。
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