No.6「生き甲斐を持つことで、生きる力を強くする」挑戦内容:体と会社の挽回に向けた仕事の継続 | 挑戦記インタビュープロジェクト

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キャンサーペアレンツ会員たちの挑戦記をご紹介していきます。



名前:瀬戸川加代さん
年齢:46歳
仕事:自営業(行政書士・経営コンサルタント)
家族構成:長女(19歳)、長男(15歳)、愛犬(4歳の保護犬)
疾病:乳がん
罹患時年齢:40歳
概要:40歳になってまもなく、乳がんが発覚。手術、抗がん剤治療を経て、2年半後に再発し、ステージⅣ(多発骨転移)に。その後、放射線治療および抗がん剤治療を経て、現在は分子標的薬およびホルモン治療の併用で治療中。


◆がん宣告前後◆
Q・がん宣告前後の状況を聞かせてください。
入浴時に自分で違和感を感じ、ネットで「地域名・乳腺外科」と検索して病院を調べ、乳腺外科に力を入れている現在通院している病院へ検査を受けに行きました。

数種類の検査を受け、母と共に宣告を受けました。

Q・そのときの心境はいかがでしたか?
離婚を前提として夫と別居中でもあったので、「私が死んだら、子どもたちはどうなる!?」と、まずは子どもたちのことを案じましたね。

また、せっかく自営業の事務所も軌道に乗り始めたときだったので、お客様やお取引先様にどう説明したらいいか、そもそも仕事を続けていけるのかどうかを心配しました。

Q・そこからどのように頭を切り替えていったのですか?
がん発覚が、直ちに死につながるわけではなく、少なくとも年単位で治療ができると聞き、とりあえずやれるだけやってみようと、子育ても仕事もできる範囲でやるというように考えを改めました。

具体的には、まず自分が動ける時間や体力を想定して、できることを決めました。次に、協力してくれそうな人に声をかけて、目の前の課題(仕事、子育て、離婚裁判など)に取り組みました。

実際、仕事ではスタッフや提携取引先の方々が協力してくれて、動いてくれたおかげで、事務所を廃業せずに続けることができました。

子育てでは、家族やママ友達の助けを借りて、日常の事や習い事の送り迎えをこなすことができました。当時役員を担っていたPTA活動や町会の活動では、私が空けた穴を仲間たちがフォローして埋めてくれました。

そうやって治療を続けていくうちに、次第に自分で動ける時間や体力が戻ってきて、今も仕事も子育ても続けることができています。困ったときに、助けてくれた方々がいたからこそ今があると思っています。




◆挑戦について◆
Q・現在、どんな挑戦をされているのですか?
意識して挑戦をしているわけではありませんが、自分で経営している行政書士事務所とコンサル業務をできるだけ長く続けて、社会に貢献していきたいと思っています。

ちなみに、私は現在、経営が苦しくなった会社の再生や改善の支援をしているのですが、がんに罹患してから、この仕事のために新たに2種類の資格(事業再生士補と認定支援機関)を取得したのです。

資格取得時期にはがんに邪魔されたことも多々ありました。事業再生士補の資格を取った途端に再発したり、認定支援機関の資格を取るための研修に申し込んだ直後に治療計画を見直さなければならない状況になったり。

しかし、がんに罹患しているからと言って、あきらめる理由や投げ出す理由はなかったので、今も挑戦を続けています。
 
Q・なぜその挑戦を始めようと思ったのですか?
元々、父が経営していたような中小企業の役に立ちたいと思ってこの仕事を始めているのですが、中小企業はお金・人・モノ・情報の経営資源が乏しく、ちょっとした有事で苦境に立たされたり、経営が苦しくなったりすることが多いので、もっとそこに尽力したいと思うようになったのです。

Q・その挑戦は瀬戸川さんにとってどんな意味を持っていますか?
がんに罹患した体も、苦境に立たされた会社も、どちらも挽回できると信じて取り組んでいます。可能性がゼロではない限り、あきらめずに挽回の可能性を高めていけることを体現したいですね。


◆皆様へメッセージ◆
Q・これから何かに挑戦しようとしている方に、挑戦することの重要性を伝えてください。
がんに罹患すると、様々な場面で制限を受けたり、不安に駆られたり、ときには日常を奪われることもありますが、かといってそこで人生が終わるわけではありません。

私は、がんに勝つのは、自分の強さ、つまりは自己免疫力を上げることだと思っています。

自己免疫力を上げるには、うれしいこと、楽しいこと、達成感、生き甲斐を味わうのが一番。

挑戦すれば、途中大変なこともありますが、達成感も生き甲斐も感じることができますしね。

そして、大切な家族も、そうやって生き生きとしているあなたを大切に微笑ましく思い、共に生きることに喜びを感じるのではないでしょうか。

▼ウィッグ姿の一枚

(了)

【取材日:2019年6月17日】