カインの冒険日記 -49ページ目

カインの冒険日記

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ボクたちはまた銀の鍵の洞窟へと潜り込んだ。
一旦は宝を掴んだというのに、
同じ洞窟に2度も潜るなんてバカバカしい。
と、はじめは思っていたんだけど、
何度も戦っているうちに、
ろと王子も戦い方がわかってきたらしい。
3匹のキングコブラに対しては、
ボクが攻撃しているのとは、
別のコブラを狙ってくれるようになった。
2度洞窟に潜ったことも、
無駄じゃなかったのかもしれない。
困難に何度も立ち向かったからこそ、
合理的な戦い方がわかってきたのだから。
お互いの力量がわかってきたからこそ、
適切な戦い方がわかってきたのだから。
彼は寡黙だけど、
何も考えていないわけではないのかもしれない。


銀の鍵を手に入れるのは、
さほど苦労することではなかった。
2度目だからね。
1度目と同じように迷っていては、
リーダーであるボクの力量が疑われることになる。
ボクたちは、
他の何ものにも目を向けず、
一直線に銀の鍵を目指して進んだんだ。
・・・嘘だ。
本当は他の宝に目がくらんだのだけど、
ろと王子がボクを制してくれたんだ。
何も考えていないどころか、
結構ボクのことを見ているのかもしれない。


銀の鍵を持ち帰ったはいいけれど、
今のところ、
銀の鍵が役に立ったことと言えばリリザの福引所くらい。
でも、
ボクたちはムーンブルクを目指している。
ゆっくりと福引をしている場合じゃない。
ミニロトの子だからと言って、
ボクがギャンブルが好きというわけじゃないんだ。
だけど、手元に1枚だけ福引券がある。
1回だけならやってもいいだろう。

1回目の福引はハズレたけど、
残念賞として福引券をもらえた。
ハズレの景品が福引券だったら、
まるでハズレという事実がなかったかのように、
もう一度福引ができるのだけど、
それはハズレということになるのだろうか。
いや、そんなことは福引所の店主が決めればいいこと。
当たりハズレに対して、
どんな景品がついてくるとしても、
ボクたちがとやかく言うことじゃない。
しかも、
どちらかというと、
ボクたちが得したほうだ。
とやかく言う理由もない。
とやかく言う理由はないが、
もう一度引く理由はできた。
1回だけだと言ったけど、
もう1回ぐらいならやってもいいだろう。

2回目の福引もハズレて、
また福引券がもらえた。
・・・。
もう1回ぐらいなら、と言ったけど、
あと1回ぐらいはやってもいいのではないだろうか。

3回目の福引もまたハズレた。
そして、また福引券がもらえた。
も、もうそろそろやめたほうがいいのか・・・な?
いや、
あと1回。
あと1回だけ。
あと1回引こう、ろと王子。
あと1回ぐらいいいだろう。
福引1回引いたからといって、
それでムーンブルクが滅びるわけじゃないさ。
ムーンブルクだってロトの血を引く王家。
ムーンブルク王だってロトの血を引いてるんだ。
簡単に「ぎょえーっ!」とやられたりはしないさ。

いや、むしろ。
こっちの福引屋のほうがハーゴンの手先かもしれない。
だっておかしいと思わないか、ろと王子?
ハズレてもハズレても、
また福引券をくれて、
いつまでもいつまでも、
無限回廊のようにボクたちに福引をさせ続けるんだ。
そんなことをして得をする者なんているのか?
いるとしたらハーゴンじゃないか。
ハーゴンなら、
ボクたちの足止めをしようと、
福引をさせ続けたとしても不思議じゃないだろう?
だから、ボクは福引を回す。
ボクはハーゴンを倒す!
トドメだ、ハーゴン!
これが最後だ!

そしてハズレた。
今度は福引券ももらえなかった。
正真正銘のハズレだ。
なぜだ?
なぜ、もう福引券をくれないんだ?
ハーゴンよ。
なぜ、ボクたちに福引を続けさせない?
これは無限回廊じゃなかったのか?
いつまでも福引をさせてくれるんじゃなかったのか?

・・・いいだろう。
今回はこのぐらいにしておいてやるさ。
でも、いつか見てろ。
ボクは必ず戻ってくる。
必ずだ。

そして、薬草と毒消し草をいくつか買った。
道具屋が福引券をくれるはずだ。
そうすれば、
その券を持って、
また福引ハーゴンと戦える。
ボクは券と魔法を使えるんだ。

だけど、
無情にも、道具屋は福引券をくれなかった。
なぜだ!
信じられない!
彼らは本当にハーゴンを倒したいのか?
それとも、すでにハーゴンの言いなりなのか?
ボクに福引券を渡さないということは、
ハーゴンを野放しにするのと同じなんだ!

と、
叫んでいたら、
ろと王子に無言で諌められたよ。
しまった。
少し熱くなりすぎたようだね。
寡黙なだけあって冷静じゃないか、ろと王子。

お礼というわけじゃないけど、
ボクはろと王子に、
はじめて鎧を買ってあげたよ。
ボクとお揃いの鎖かたびらだ。
まぁ、
さっきは少し熱くなりすぎたけど、
これで水に流してくれ。
仲良くしようじゃないか、ろと王子。


さて、
仲良しのボクたちは、
今度こそ南のムーンブルクを目指した。
手強かった魔術師や鎧ムカデも、
ボクたちの行く手を阻むことはできなくなっていた。
しかし、
ボクたちに負けじと、
敵もチームワークを発揮しようとすることもある。
魔術師3匹に鎧ムカデ1匹。
なかなかいいパーティーじゃないか。
だけど、
ボクにはこのほど覚えたマホトーンがある。
ギラを封じられた魔術師たちは、
ろと王子に斬られるのを待つだけの存在でしかない。
ボクたちのコンビネーションも、
決して悪くないような気がしているよ。


ムーンブルクを目指していると、
その途中でムーンペタという町に辿り着いた。
人と人が出会う町、と町の人が言った。
人と人か。
誰と出会うのだろうと思っていたら、
ボクたちは犬に出会った。
なるほど。犬とも出会うのか。
犬は、鼻を鳴らしながらボクたちに走り寄ってきた。
まるでボクたちの仲間になりたそうな顔をしている。
確かに戦力は多いほうがいいけど、
果たして、この犬は戦力になるのだろうか。
ボクは、喉を撫でるフリをして、
犬の口を開いてみた。
ダメだ。
こんなキバじゃ戦えない。
残念だけど、
キミを連れていくぐらいなら、
ボクの妹を連れて行ったほうがマシだ。
妹はロトの血を引く王女なんだからね。
おっと。
まるで、
妹を旅に連れていくような言い方をしてしまったね。
そうじゃない。
そうじゃなくて、
妹さえ連れて行かないのだから、
妹よりも役立たずであるキミを連れて行ったりはしない。
そういう意味さ。


町を出て、
ボクたちはさらに南西を目指す。
ムーンブルクはもう少しだ。
と、思ったところに敵が出た。
鎧ムカデに手こずっていたのが懐かしいほどに、
新しい敵は強かった。
マンドリル。
なんて奴だ。

1回戦っただけで、
ボクたちはすぐに町に逃げ帰った。
ろと王子、銅の剣じゃダメだ。武器を買おう。
ボクは鎖鎌を買って装備し、
お下がりの聖なるナイフをろと王子に渡した。
が、
ろと王子に聖なるナイフは、
あまりにも似合わなかった。
仕方がない。
コーディネートは大事だ。
ナイフは華麗なボクのほうが似合う。
そして、この鎖鎌はボクには似合わない。
庭の草取りをさせられているように見えてしまうからね。
ろと王子なら草取りでも似合うことだろう。


装備を整えたボクたちに、
また犬がついてきた。
またか。
確かに、
敵が強くて、犬の手も借りたいほどだ。
いいだろう。そこまで言うのなら連れて行こう。
ボクは犬にサマンサという名をつけた。
ロトの時代にあったと言われる国の名に因んだ名だ。
その国では、
ラーの鏡と呼ばれる秘鏡で、
国王に化けた魔物の正体を暴いたと言われている。
この小さな犬も、
正体を現せば、
ボクたちの役に立つほどの存在であるかもしれない。
そんなあり得ない想像をしながら、
ボクはそう名付けた。
サマンサ。
悪くない名だと思う。


サマンサを連れたボクたちは、
町を出て、またムーンブルクを目指した。
さあ、サマンサ。
ボクたちと共に戦おう。
と、言って振り向いたら、
そこにサマンサの姿はなかった。
なんだ。町を出たらついて来ないのか。




ろと:レベル9
カイン:レベル8
サマンサ(ムーンペタ犬):レベル?


ぱがて におけ べぶぼぶ ぼぜび ばすと 
えとみな けはへ えせに ぶつはけ 
やほふ ほ



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目次
1話:出会い
2話:銀の鍵
3話:ムーンペタ
4話:ラーの鏡
5話:ドラゴンのツノ
6話:ルプガナ
7話:アレフガルド
8話:大灯台
9話:ベラヌール
10話:デルコンダル
11話:ペルポイ
12話:テパ
13話:盗賊ラゴス
14話:海底洞窟
15話:ロンダルキアへの洞窟
16話:ロンダルキア
17話:ハーゴンの城
18話(最終話):破壊神シドー


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